( ^ω^)川゚-゚)'A`)´・ω・`)゚-゚)ξ
- 241 :◆3mfWSeVk8Q :2006/04/18(火) 02:44:44.31 ID:bqw/8BHT0
- 声を上げたくなるのを、必死で押し殺し、今、一人の屍は、物言わぬ弾丸となった
弾丸は、何も考えず……ただ、命を刈り取るのみ……
屍B 「お命、頂戴いたす……ッッ!!」
('A`) 「何かっこつけてんだ犯罪者」
―――ドガッ!!
屍B 「ぐふぅっ!?」
躍りかかった屍は、突然やってきたドクオにいともあっさりと撃墜されてしまった
それはもう、見ていて気の毒になるぐらい
あのに2レスも使って演出したのはすべて無駄なのでは、というぐらい、身もふたもなかった
屍達 「!! び、Bー―――――ッ!!」
('A`) 「うん、お前らもな」
―――ゲシ、ゲシ、ドカ、バキッ!
('A`) 「なんかよくわからんが……おはよう」
( ^ω^) 「ドクオ、おはようだお!」
(´・ω・`) 「今日はずいぶんと遅かったね?」
事も無げに屍達をなぎ倒した、ドクオは、そんなことはなかったとでも言うのか、
屍達を無視して、友人に挨拶した。ショボンもブーンも、同じように返す辺り、恐ろしい
屍達は、本当の意味で、犬死してしまったのだった
屍A 「貴君らの犠牲……私は、忘れないぞ……!!」
うん、でも多分、その決意も無駄に終わると思う
- 242 :◆3mfWSeVk8Q :2006/04/18(火) 03:04:05.53 ID:bqw/8BHT0
- 衝撃的とも言える登場をしたドクオは、だるそうに首を鳴らし、あくびをする
('A`) 「ふぁ……どうでもいいけどよ、学食いかね? 朝飯まだでな、腹へった」
( ^ω^) 「あ、今僕たちも行くとこだったんだお。だけど……」
ξ゚-゚)ξ 「……おはよう」
ブーンがちらりとツンの方を見ると、不機嫌そうにそっぽを向き、蚊の鳴くような声で言った
ξ゚-゚)ξ 「学食に行くなら、あたしも行っていいですか?」
('A`) 「あ? どういう風の吹き回しだよ……口利かないんじゃなかったのか……?」
うんざりとした口調で、ドクオが言うと、ツンはきっ、と睨むように上目遣いで見た
何かをこらえるように、しばらく震えたあと、
ξ゚-゚)ξ 「ちょっと、ショボンくんと話したいことがあるから、別にいいでしょ」
感情を押し殺し、棒読みな口調でピクピクとしながら、引きつった笑みで笑った
明らかに無理をしているツンの様子に、ドクオは一度ため息を吐き、
('A`) 「好きにすりゃいいだろ? ショボン、ブーン、いいか?」
今朝のこともあり、二人は異論をはさむことなく、頷いた
('A`) 「それに、ここじゃ話しづらい、ってのもあるしな」
ξ゚-゚)ξ 「………?」
意味ありげに頭をかくドクオに、ツンは小首を傾げた
- 246 :◆3mfWSeVk8Q :2006/04/18(火) 03:33:39.59 ID:bqw/8BHT0
- VIP高校の学食は、生徒数の割に大きい
購買と併設されているのもその理由だが、一番の理由は校外の人間も利用することにある
元々は学校の隣にあった食堂をそのまま学校の増築に伴い、吸収する形で出来た学食は、
そこの経営者でもあった調理師の希望もあり、一般に公開されているのだ
ξ゚-゚)ξ 「なんか、分不相応なぐらい、立派な学食……」
外見よりも大きく感じられる学食に、ツンがこぼす
元はレストランのように、さまざまな調度品が置かれていたところも撤去され、
その分机といすを配置し、かなりの人数が食事を取れるようにした内装は、確かに広い
('A`) 「ま、値段もそれなりにするけどな」
ξ;゚听)ξ 「へー、そうなん……って、高っ!?」
きょろきょろと内装を見回していたツンは、メニューに書かれた値段を見て、驚いた
普通の学食に比べ、なんとその値段は桁がひとつ違っていた
校外の人間、会社員やその家族がちょっと豪華な食事をしにくるには、納得の値段だが、
とてもではないが、高校生が昼食に使う金額ではない
ξ;゚听)ξ 「あ、あたし、そんなに余裕があるわけじゃないんだけど……」
予想もしていない数字に軽く引きながら、ツンは、どうしよう、と呟くが、
( ^ω^) 「あ、学生証を見せれば、学食値段で食べれるお?」
ξ;゚听)ξ 「は、早く言ってよ……焦ったじゃない」
ブーンの言葉に、ツンはようやく落ち着きを取り戻した
- 251 :◆3mfWSeVk8Q :2006/04/18(火) 03:54:57.48 ID:bqw/8BHT0
- ( ^ω^) 「おばちゃーん、たぬきうどんたのむお!」
おばちゃん 「はい、350円ね」
ξ゚-゚)ξ 「本当に普通の値段なのね」
実際にブーンが頼むのを見て、初めて実感したが、ここは確かに学食のようだ
というか、普通そのぐらいの値段でなければ、学食の意味がない
おばちゃん 「おまちどう」
一分もしないうちに、運ばれてきたうどんは、内装とは不釣合いではあるが、
学食らしく、プラスチックトレーに乗せられ、これまたプラスチックの器に入っていた
安っぽくって安心する、というのもおかしいが、これで財布の心配はしなくてすみそうだ
ツンとドクオも同じように注文を済ませると、ドクオはカウンターに身を乗り出し、
('A`) 「おばちゃーん、個室空いてる?」
おばちゃん 「んー、今日はあんまり混んでないからね、使っていいよ」
('A`) 「ん、サンキュ」
ξ゚-゚)ξ 「個室? 空いてる? 何のこと?」
聞きなれない単語が飛び交う会話に、頭の上に疑問符を浮かべると、
ショボンが何でも無いように、
(´・ω・`) 「ああ、来ればわかるよ」
ξ゚-゚)ξ 「……なんか、よくわからないけど、まあいいわ」
ほかの二人が言ったのなら、納得はしなかっただろうが、
ショボンの言うことなら信用できるだろう
- 254 :◆3mfWSeVk8Q :2006/04/18(火) 04:13:57.06 ID:bqw/8BHT0
- スタスタとドクオが歩いていく先にあったのは、トイレのようなドアだった
ドアには『空き』と、書かれたプレートが下がっていて、それがまたトイレのように見える
ドクオがプレートをひっくり返し、『使用中』に変えると、ドアを開けた
('A`) 「うし、入れよ」
ξ゚-゚)ξ 「…………」
そう言われても、ツンはその場から動けなかった
何というか、ドアの向こうの光景に、思わず絶句してしまったのだ
個室と呼ばれたその部屋は、すごく立派だった
窓が見当たらなく、閉鎖的な感じがするものの、白い壁紙は清潔感に満ちていて、
中央にあるテーブルは、のりのきいたテーブルクロスがきっちりとかかっている
まるで、レストランか何かに来てしまったのでは、と勘違いをしそうになるぐらい、素敵な部屋だ
(´・ω・`) 「早く入ろうよ?」
( ^ω^) 「おなか減ったお」
ξ゚-゚)ξ 「あ、ちょっと…………あ、あ……」
戸惑うツンを無視して、三人は個室に入ると、遠慮なくテーブルクロスの上にトレーを置く
高級レストランのような内装で、テーブルに乗るのは、学食メニューとお弁当
めまいがするほどアンバランスなその組み合わせに、思わずくらっときた
('A`) 「どうした?」
だというのに、この三人はそのことに何も違和感を感じていないらしい
ξ゚-゚)ξ 「……なんでもない。入るわよ……入ればいいんでしょ?」
絶対におかしいのは三人の方なのに……自分の方がおかしいような空気に、納得がいかない
- 256 :◆3mfWSeVk8Q :2006/04/18(火) 04:31:05.77 ID:bqw/8BHT0
- 一瞬、このテーブルの上に、本当にきつねそばを置いていいのか、悩む
が、すでにたぬうどんやらカレーやらが置いてあるのだ、悩むだけ無駄だ
ξ゚-゚)ξ 「……で、何だってわざわざこんなところなの?」
(;^ω^) 「な、なんか、怒ってるのかお?」
ξ#゚听)ξ 「怒ってないわよっ!」
どう見ても怒っています、本当にありがとうございました
そんな小ネタはともかく、妙に立派なこの個室は、高校生が使っていい代物ではない
大机の置いてある、普通の席でも十分だというのに、わざわざここを使う理由もわからなかった
もしかすると、昨日の七不思議同様、自分に対するいたずらのつもりなのだろうか
と、そんなツンの内心を読んだのか、ドクオは首を横に振った
('A`) 「あー、ここに案内したのは、ちゃんと理由がある。安心しろ」
ξ゚听)ξ 「どんな理由よ? もしくだらない事だったら、ただじゃおかないからね?」
ただでさえ、この三人と一緒にいるだけで腹立たしいのに、これ以上は我慢できない
というか、するつもりもないのだが
不機嫌を隠そうともせず、横柄にそう言うと、ドクオは大げさにため息をついた
('A`) 「はぁ……あのな? お前はその顔、ほかのやつらに見られたくないんだろ?」
ξ゚听)ξ 「!!」
('A`) 「俺らと話してたら、作った顔続けんのも限度があるだろ?
気ぃ使ってんだから、そのぐらい気づいてくれよな……ったく」
ξ゚听)ξ 「………そう、ね。うん、気遣ってくれて、ありがとう」
平坦に、冷静を装って冷たく言うが、内心はそれどころではなかった
ドクオに面と向かって言われるまで、自分が地の顔を出していることに気がつかなった
もし、ほかの生徒もいる、一般生徒用食堂で話していたら、と思うと、血の気がひくような気がする
だが、その原因でもある人間に、素直に礼を言うつもりにもなれないのだが
- 257 :◆3mfWSeVk8Q :2006/04/18(火) 04:45:39.96 ID:bqw/8BHT0
- (´・ω・`) 「ま、まあ、とにかく、ご飯にしようよ?」
( ^ω^) 「あ、確かに、うどんが伸びちゃうお」
('A`) 「そうだな、とりあえず食うか」
同意して三人が三人とも、手を揃えて、いただきますをするが、
ツンはその前に、話のほうを先に片付けたかった
じゃないと、安心して食事も楽しめない
ξ゚听)ξ 「待ってよ? その前に、あたしはショボンに話が……」
(´・ω・`) 「でも、ツンさんおそばだし、先に食べちゃったほうが」
ξ゚听)ξ 「あ、うん」
―――チュルルル
ξ゚听)ξ 「い、いや、その前に、話のほうをね、」
( ^ω^) 「おそば伸びちゃうお?」
ξ゚听)ξ 「え? あ、うん」
―――チュルルル
ξ゚听)ξ 「いや、だから………」
('A`) 「そば、伸びるぞ?」
ξ゚听)ξ 「え? え? あ、うん……」
―――チュルル……ガン!
ξ#゚听)ξ 「いいかげん、怒るわよっ!?」
律儀に食べるほうも食べるほうだと思うのだが
- 385 :◆3mfWSeVk8Q :2006/04/18(火) 23:20:57.19 ID:r8W1mIRJ0
- ('A`) 「つくづく面白いやつだな? 俺らは勝手に食ってるから、気にせず話せばいいだろ?」
ξ゚听)ξ 「そうだけど……」
がつがつとカレーをかきこむドクオに、ツンは眉をひそめる
確かにショボンに話があるだけで、別段、ドクオやブーンが何をしようと、本来関係ない
が、自分が話している最中に物を食べられるというのも気に障る
ξ゚听)ξ 「……まあ、いいわ。好きに食べてなさいよ」
言った所でこっちのペースを乱されるのは、経験済みだ
それこそ時間の無駄でしかないし、そばが伸びるのは避けたいとも思う
無視を決め込んで、さっさと用件を済ませてしまおう
ξ゚-゚)ξ 「あのね? ショボンくんに、私……」
('A`) 「ガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツ!!!」
ξ゚-゚)ξ 「……あ、あのね、ちょっとあやまり……」
( ^ω^) 「ずずずずず――――!! はふはふ、じゅるじゅるじゅる……!!」
ξ゚-゚)ξ 「#……あ、あやまろうとね……!!」
('A`) 「うっ! の、のどに詰まった……み、水、水を……はやく……!!!」
(;^ω^) 「ジャガイモの丸呑みはやめたほうがいいお?」
―――ブチン!
ξ#゚听)ξ 「あんたらわざとやってんでしょっ!?」
('A`) 「さっきっから怒ってばっかだな。さっさと本題話しちまえよ?」
ξ#゚听)ξ 「誰のせいで話せないと思ってんのよっ!? この口? この口が言うのっ!?」
- 394 :◆3mfWSeVk8Q :2006/04/18(火) 23:41:05.58 ID:r8W1mIRJ0
- ('A` #) 「おい、流石に痛いぞ? つか、顔が伸びるからやめろ」
ξ#゚听)ξ 「どこまでも伸びちゃえ! いっそちぎった方がいいかしらっ!?」
ぎゅむむー、とドクオのほほをつねり上げるツンに、ショボンが止めに入ろうと、手をあげた
(´・ω・`) 「あ、あの……それで、ツンさんは、僕に何の用なの?」
ξ゚-゚)ξ 「あ、ごめんね。ちょっとこいつらの悪ふざけに、動転しちゃったわ」
笑顔を浮かべるのだが、それでもドクオのほほは離さないツン
一応、誤解の無いように言っておくと、
ドクオは確実にわざとなのだが、ブーンは限りなく素でやっている。余計、たちが悪いが
ξ゚-゚)ξ 「えっとね? 昨日は、あたしも少しやりすぎたって思ったの」
('A` #) 「いや、今も十分やりすぎだと思うぞ?」
ξ#゚听)ξ 「うっさい! 千切られたいの?」
こほん、と一呼吸入れ、クールダウン
ξ゚-゚)ξ 「この二人はともかく、ショボンくんは、悪気もなかったみたいだし……」
(´・ω・`) 「……それで、謝ろうと?」
ξ゚-゚)ξ 「うん……許してなんて、言うつもりはないけど、ね」
そう言って、ツンは、男なら誰もが許してしまうのではないか、
というぐらい、魅力的な顔で、ショボンに微笑んだ
……まあ、ドクオをつねりっぱなしなので、完璧とは言い難いのだが
(´・ω・`) 「…………」
当のショボンも、それが気になるというわけではないだろうが、
何か考えるように、黙り、うつむいた
- 401 :◆3mfWSeVk8Q :2006/04/19(水) 00:05:30.99 ID:9HhZErD50
- (´・ω・`) 「いや……ツンさんが謝ることじゃないよ。ごめんなさい」
ξ゚-゚)ξ 「え?」
ツンはショボンの思わぬ一言に、虚をつかれた
今朝、屍達をけしかけたこともあり、てっきり、恨み言のひとつでも出るのでは、と思っていた
だがショボンは、本当にすまなさそうに、頭をたれ、謝罪したのだった
(´・ω・`) 「だってさ、昨日のことは、どう考えたって、僕らが悪いもの」
ξ゚-゚)ξ 「で、でも、ショボンくんは、止めようとしてくれたんでしょ?」
(´・ω・`) 「そうだけど……」
ξ゚-゚)ξ 「だったら、ショボンくんが謝るようなことでもないじゃない?」
ツンは言い聞かせるように、そう言いながら、内心、動転していた
自分に怯える小心者を安心させ、それで周囲に違和感を与えないようにしよう、
ただそれだけを考えていたのに、逆に謝られるなんて、予想外だ
(´・ω・`) 「でも、ツンさんに怖い思いさせちゃったのは、変わりないよ」
ξ゚-゚)ξ 「いや、だからね……?」
( ^ω^) 「……僕も、謝るお。ごめんだお」
今までドクオのほほに氷を当てていたブーンが、そこで口を開いた
( ^ω^) 「僕は、笑って欲しかっただけなんだお……怖がらせるつもりはなかったんだお」
ξ゚-゚)ξ 「ちょ……な、何よ、あなたまで……」
( ^ω^) 「あんなことして、ごめんだお……反省してるお……」
揃って頭を下げる、ブーンとショボン。想像外のことに、ツンは困惑した
自分は今、謝られて当然の立場であって、この二人もそうしている
なのにこの状況は、まるで自分がとんでもない悪人みたいな感じがするのは、どうしてだろう
- 425 :◆3mfWSeVk8Q :2006/04/19(水) 01:04:28.99 ID:9HhZErD50
- ('A`) 「お前らあんまいじめてやるなよ?」
(´・ω・`)「ドクオ? 僕は、そんな……」
(;^ω^) 「いじめてなんか、いないお。ただ、謝りたいって……」
('A`) 「やめてやれ。ツンが困ってんだろ?」
ほほをさすりながら、ドクオは立ち上がると、半眼でツンを見る
ξ゚-゚)ξ 「な、何よ……?」
('A`) 「お前も、妙な小細工とかすんなよな、こいつらには無駄だから」
ξ゚-゚)ξ 「小細工なんか! ……して、ないわ……」
ドクオの視線に気おされ、ツンの言葉は尻すぼみになっていった
特に、威圧的とか、脅しているとか、そんなもんじゃない。むしろその逆
口では呆れたように言っているが、ドクオの眼はこう言っている気がした
無理するな、と、やさしさを含みながらも、強烈にしかりつけるような、矛盾した響き
肉親からも受けたことのない不思議な感情をぶつけられ、ツンはたじろぎ、下を向いてしまう
そんなツンの様子に、ドクオは、ふぅ、と息を吐くと、ショボンとブーンに向き直った
('A`) 「ま、無理に正直に話させようとは、俺も思わねぇよ……
こいつは、ショボンに謝ろうとして、んで、お前らも謝ろうとした
だったら、もうそれでおあいこってことでいいんじゃねぇの?」
どうでもいいやな、と、つぶやき、ドクオはカレーとの格闘を再開する
ショボンとブーンも、ドクオの言い分に納得したのか、同じように席に座り、
ツンもこれ以上何か言うことをあきらめ、そばを食べることにした
そばはもう伸びきっていた
- 482 :◆3mfWSeVk8Q :2006/04/19(水) 15:20:05.91 ID:Gff7efKy0
- もちゃもちゃとカレーを食べながら、ドクオは考えていた
('A`) (学食のカレーにしちゃ、これはうますぎだよなぁ)
失礼、これは関係ない方の思考だった
('A`) (なんかあったんだろうな)
教室で、屍達を蹴倒したことを思い出す
いつも自分たちとは違うベクトル(女・エロ関係)で、馬鹿をやるクラスメイトたちが、
今日はショボンを殺しかねない勢いで迫ってきたのだ
いくらお調子者達とは言え、あのテンションは異常だった
('A`) (大方、この猫かぶりに絡みで、ショボンに嫉妬した、ってとこか?)
だとしても、ツンが何もしなかったはずもない、
ショボンとブーンの二人に謝られ、動揺していたツンを見れば、誰にだってわかる
あいつらが勝手にやっただけなら、ツンは動揺なんかしないと思う
('A`) (あいつ、本当に悪いと思ってんだろうなぁ)
何をしたかは知らないが、あの二人によほどひどいことをしてしまったのだろう
たった一日で、手のひらを返したように謝ろうと思うぐらい、ひどいことを
だが、それを正直に言うのも躊躇われ、昨日のことを謝ろうとした
ブーンに謝らなかったのは、昨日のことは完全に許していない、そう見せるためのポーズだろう
('A`) (変に自分押し殺してっから、そんな苦労するんだっつーの……)
まったく面倒な仮面をつけてるもんだ、と、嘲笑しそうになって、やめた
自分も、人のことを言えないぐらい、面倒な仮面をつけているのだから
- 484 :◆3mfWSeVk8Q :2006/04/19(水) 15:26:07.45 ID:Gff7efKy0
- 黙々と弁当を口に運びながら、ショボンは考えていた
(´・ω・`) (卵焼きは冷めてもおいしいなぁ)
失礼、これは関係ない方の思考だった
(´・ω・`) (ツンさんはブーンの言うとおり、大変なのかも……)
思い返すのは、昨日の理科室で見せたツンの激怒した顔だった
ドクオやブーンの提案に、流されるままやってしまったのだが、今更ながらに後悔する
一年、この学校に通い、妙な人間や妙な設備には慣れた自分でも、あの人体模型はまだ怖い
ましてや転校したての女の子であるツンには、刺激が強すぎると思う
というか、訴えられても文句は言えない。罪状は……猥褻物陳列罪あたりだろうか?
(´・ω・`) (あれ? なんか違う気がする。まあ犯罪は犯罪だし、どっちでもいいよね)
謎は謎のままにして、一人で決着する
そんなことはどうでもよく、問題はツンだ
昨日はあれだけ怒っていたのに、今日になって手のひらを返すように、謝ってきた
自分は鋭くない方だが、そんな自分にもわかるぐらい、ツンは無理をしている感じがした
ツンは本心からではなく、それっぽく演じて謝ってきたように見えたのだ
(´・ω・`) (やっぱり、教室での体面とか、気にしてるのかな)
きっと、今も怒り心頭と言ったところだろうに、周りの目を気にすると、
心にもないのに、人に謝らないといけない
そんなツンの気苦労を思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいになってくる
- 486 :◆3mfWSeVk8Q :2006/04/19(水) 15:28:39.25 ID:Gff7efKy0
- ズルズルとうどんをすすりながら、ブーンは考えていた
( ^ω^) (なんで揚げ玉をたぬきって言うんだお?)
失礼、関係ない方の思考だった
( ^ω^) (どうしたら、ツンは笑ってくれるんだお?)
頭によぎるのは、今朝の屍達とツンのやりとりだった
ツンは素顔とは似ても似つかない、整った笑みを浮かべ、
妙にむずがゆくなるような上品な口調で、あほなクラスメイトに応対していた
そのことが、どうにも歯がゆくてならない
( ^ω^) (つまらないなら、つまらないって顔したほうがいいと思うお)
ふと、幼馴染の顔が浮かんだ
いつもいつも無表情に、平坦な声でロボットのように喋るクーではあるが、
その実、思ったことはかなりストレートに表現する姿は、見ていて清清しい
(;^ω^) (い、いや、今は、ツンの方だお!?)
ちょっとでも考えると、一気に頭の中をいっぱいにしそうになる顔を、打ち消す
( ^ω^) (昨日は失敗しちゃったお。何か他の方法はないのかお?)
一度、ツンを腹の底から笑わせようと思ったからには、もう意地だ
ツンが教室でも楽しそうに出来るよう、がんばろう、と決心するのだが、
それが、クーとの関係を悩まないよう、悩んでいる暇はない、
と理由付けするためだけの言い訳にすぎないということに、ブーンは気づいていない
- 488 :◆3mfWSeVk8Q :2006/04/19(水) 15:33:18.40 ID:Gff7efKy0
- 伸びきったそばを見つめながら、ツンは考えていた
ξ゚听)ξ (きつねってあぶらあげ食べるのかしら?)
失礼、こいつらそんなんばっかだ
ξ゚听)ξ (何よ、あのドクオとか言う奴……!)
同い年の癖に、妙に年上ぶった態度も気に食わないし、
こっちの考えてることなんて、全部見透かしているって感じの眼もむかつくし、
何より餓鬼なんだか大人なんだかよくわからない、あのノリが気に入らない
ξ゚听)ξ (あたしが、好き好んでいい子ぶってると思ってるのかしら)
ほかの二人とセットで見ていると、余計にむかついてくる
もう、高校二年ともなれば、それなりに社会とかそういうのを考えるころだと思う
脳天気に、好き勝手やって、それで笑っているなんて……出来ていいはずがない
ξ゚听)ξ (……少なくとも、あたしは気にしないでなんか、いられない)
ふと、そのことが寂しいと思いそうになる
が、それが顔に出る前に、ツンは思考の方向と感情のベクトルを、瞬時に変えた
ξ゚听)ξ (昨日の事といい、さっきのなめきった視線といい……絶対にゆるさないんだから!)
超然としたドクオの眼を思い出し、怒りを燃やすのだが、同時に、こうも思っていた
さっき、ドクオの顔をつねりながら、怒鳴っていた時に感じた、懐かしい楽しさ
もう忘れた、過去と一緒に置いてきた、あの空気
それを、未だに保てていることと、それを、ともに感じられる友人がいることに、
うらやましい、と、ツンは思い始めていたのだった
- 491 :◆3mfWSeVk8Q :2006/04/19(水) 15:34:16.52 ID:Gff7efKy0
- 弁当をぶらぶらさせながら、クーは考えていた
川゚-゚) (おかしい。ブーンがどこにもいないぞ?)
失礼、関係……いや、関係なくはない、あの四人と違うので、少々戸惑った
川゚-゚) 「失礼、ブーンはどこにいる?」
屍A 「……すまない、今は伴の死を悼むのに忙しい……あとにしてくれないか?」
屍B 「いや、まだ死んじゃいないんだが……?」
川゚-゚) 「そうか、邪魔をした」
教室にもいないとなると、あとはどこだ
さっき食堂にも行ってみたが、ブーンの姿はなかった
弁当は持ってきていないはずなので、他に行くところも思いつかない
川゚-゚) 「ふむ……やはり、教室が違うと不便なことばかりだな」
これならば、先に約束を取り付けておくべきだったな、と少し反省する
しかし、弁当もないのに、学食で姿が見えなかったのは、どういうわけだろう
まさか、財布を忘れて、学食に行くこともできないのでは……
川゚-゚) 「いかん、もしかすると、ブーンは飢えているかもしれない」
そうか、財布を忘れるとは……そこまでは考えが至らなかった
しかしそうなると場所が絞られてくる
この学校で、食せる野草が生えているのは……
川゚-゚) 「山の斜面に面した、校舎裏……か?」
そうと決まれば善は急げだ、ブーンが野草などを食べて、腹を壊しては目も当てられない
- 508 :◆3mfWSeVk8Q :2006/04/19(水) 17:13:02.38 ID:Gff7efKy0
- 四人が昼食を取り、クーが山狩りを開始しようとしていた、その頃、
二年一組では、屍達の怨嗟の声がひしめいていた
屍B 「ショボンめ……! このままでは済まさんぞ……!!」
さっきは不意を突かれたが、次はそうはいかない
こっちは和合派と開戦派に分かれたとはいえ、まだ十分に人数で上回っているのだ
屍B 「ククク……この教室の戸を開けたとき、貴様は地獄の戸をも開けるのだよ……!!」
と、不穏な空気を漂わせていると、教室の戸が開いた
ぎゅるんっ! と眼をぎょろつかせる姿はさながらインスマンス
もはや誰が入ってきたのか確認することもなく、異形の魚人は躍りかかった。が、
ξ゚-゚)ξ 「ここの学食って、おいしいんですね?」
屍B 「なっ!? ツンさんだとぉぉおおっっ!?」
高まりきったモチベーションの篭った特攻は、とめざるを得ない
空中で慣性の法則を豪快に無視しながら、スピンターンを決める屍達は、
着地と同時に歯噛みする
屍B (どうする、今、ここでドクオに襲われては、勝ち目はない……!!)
必殺の気合は、今の急停止で損なわれてしまった
加えて、着地したときに何名かはバランスを崩している
だが、自分はあきらめない、なんとしても、ショボンだけは……落とす!
屍B 「うおおおおおおおおおおお!!! 一億総玉砕ィィィィィィイイイイ!!」
お前はどこの特攻隊員だ
- 509 :◆3mfWSeVk8Q :2006/04/19(水) 17:14:15.00 ID:Gff7efKy0
- 屍B 「アチョォォォォォォォォォォォォオオオオ……!? ふべらっ!?」
―――ガンッ!!
怪鳥のような声を上げた屍は、ショボンに到達する前に、いともあっさり撃墜された
片腕一本で、高校生一人を軽くのしたのは、
('A`) 「……おい?」
ξ゚-゚)ξ 「すみません……こういうの、もう止めてもらっていいですか?」
ツンだった
自分もやろうとしたのか、上げた右腕を振り下ろす所を無くし、ドクオは呆然としている
ツンはそんなドクオを見もせず、肩を震わせ、下を向いた
屍B 「ツンさん……ちがうんです、俺は!!」
ξ゚-゚)ξ 「あたし……暴力は、嫌いです……」
どの口が言うのだろう、とは誰も突っ込まない
ξ゚-゚)ξ 「昨日のことは、もういいんです。だから、仲直り、してください」
屍B 「う……」
屍A 「ツンさんが、こう言うんだ、俺らも、もういいじゃないか?」
今まで後ろに控えていた屍が、ツンの言葉に大きく頷いた
屍A 「ショボン、朝は悪かった。俺らもどうかしてたよ……」
(´・ω・`) 「え? あ、別に、気にしてないから……」
屍A 「お前、ホント、いいやつだよなwマジでごめんな?」
一瞬にしてBを押しやると、胡散臭い笑顔を、Aは浮かべた
- 510 :◆3mfWSeVk8Q :2006/04/19(水) 17:16:39.86 ID:Gff7efKy0
- 屍Bが、致命的にツンに嫌われた、と、真っ白に燃え尽き、
屍Aが、当初の予定通りショボン懐柔策に心を砕く中、ブーンはツンに耳打ちした
( ^ω^) 「ツン、もしかして、許してくれたのかお?」
ξ゚听)ξ 「勘違いしないでよね?」
屍達が、真っ白になるか、ショボンを取り囲むかのどっちかに忙しく、
自分を見ていないことを確認してから、ツンは冷たくブーンに返す
ξ゚听)ξ 「あのまま、あいつら放置してたら、あたしも迷惑だし、
何より、ドクオのせいで食堂で謝る機会を無くしたでしょ?
気持ちが悪いから、これでおあいこってことにしときたかっただけよ
許すつもりは、ぜんっぜん無いから、勘違いしないでよねっ!?」
それだけよ、と言って、ツンはぷい、とそっぽを向く
('A`) 「素直じゃねぇのな、お前って」
ξ#゚听)ξ 「何がよっ!? ていうか、あんたのことは、いっち番許してないんだからねっ!?」
('A`) 「へいへい、何でもございません、と」
ξ#゚听)ξ 「むっか〜〜〜〜!!」
教室の中なので、ツンはドクオのふざけた返事に、それ以上言わず、ぴくぴくと片眉を上げ、
それだけにとどまるのだが、ドクオはそれを見て、さらににやにやするのだった
そんな二人のやりとりを見ていて、ブーンはふと思った
( ^ω^) (やっぱり、ツンはこっちの方が楽しそうだお)
ぷりぷりと怒ってはいるものの、肩の力の抜けたそのしぐさは、見ていて気持ちがいい
さっきのつくり笑顔なんて、比べ物にならない、とブーンは思うぐらいなのに、
どうして、ツンはあんな顔をし続けるのだろう、と首を傾げるのだった
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