( ^ω^)がドイツの独裁者になったようです

  
184: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 13:31:13.36 ID:YX3xNiHG0
  
かつて世界が体験したことの無い、悲惨で大規模な戦争は、ドイツ・オーストリア=ハンガリー・オスマン=トルコの三国同盟側の敗北で
幕を閉じた。効率的に人を殺せる新兵器の登場と、前線の膠着で、死傷者数もかつて無いほどに増えた。

軍隊だけではなく、銃後を支える民間人までもが全力で戦争を戦った、総力戦であった。

第2次大戦の前は"The Great War"と呼ばれたこの大戦。
ヨーロッパ国民の心は大いに荒んだ。

戦争で負けたドイツ帝国に、復讐の牙が向けられようとしていた。



  
188: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 13:40:23.01 ID:YX3xNiHG0
  
国際社会は、とくに戦争が絡むと弱肉強食の世界になる。
負けたドイツは、勝った連合国の肉になる運命にあった。

戦争で痩せた体をなんとか回復させようと、連合国の首脳はフランスのパリに集合した。
そしてこの地で6ヶ月間の会議を行った。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/20/Council_of_Four_Versailles.jpg/220px-Council_of_Four_Versailles.jpg
パリ講和会議である。

議題は戦後処理であった。
ただし、敗戦国のドイツやオーストリア=ハンガリー、オスマン=トルコは招かれなかったし、
新興社会主義国のソ連も招かれなかった。

そのため戦勝国が一方的に、戦後処理を進める形になり、敗戦国は一切口出ししなかった。

イジメかこわるい。



  
190: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 13:46:28.26 ID:YX3xNiHG0
  
パリ講和会議の結論は1920年1月20日のヴェルサイユ条約で世に現れることとなった。
ドイツ帝国が生まれたヴェルサイユ宮殿で締結された。
その大義名分こそ、アジア・アフリカの解放、だったが実際は戦勝国の賠償規定であった。

甚大な被害をこうむった連合国民の世論を考えると、当然ともいえる。
また荒廃した国土の復興も急務であった。



  
193: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 13:53:25.66 ID:YX3xNiHG0
  
まずは土地と金で解決する方式が採られた。

まず、大航海時代以来、こつこつしこしこ増やしてきた海外の領土・植民地はすべて没収された。
例えば、中国に保持していたチンタオは日本の委任統治領になった。

昭和帝「うめぇwwwwwwwwwwww」

アフリカにわずか保持していたカメルーンなどの地域も全て没収と相成った。



  
194: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 14:02:16.75 ID:YX3xNiHG0
  
国内においては、長年フランスと奪い合っていた、アルザス・ロレーヌ両地方をフランスに割譲することになった。
この地域は工業が盛んだったりで、富んだ地域だったからだ。

次に、西プロイセンがポーランドに割譲された。
これで発祥の地プロイセンとドイツは分離された。

バルト海への足がかり、港湾都市ダンツィヒは当時発足した国際連盟の管理下に置かれた。
ドイツ南西部ザール地方も国連監視下に置かれ15年後に住民投票で帰属を決定することになった。

さらにオーストリアとの併合も禁止された。

ドイツの国土は文字通り食いちぎられていった。



  
195: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 14:12:42.75 ID:YX3xNiHG0
  
さて、ここでドイツにもっともダメージを与える項目が出てきた。

賠償金である。当時、敗戦国は戦勝国に莫大な賠償金を支払って、償いをするのが普通だった。
日清戦争では、日本は清国から賠償金を獲ってウハウハだったし、
日露戦争では、逆に一銭も獲れずに、国民は怒った。

ドイツやその同盟国には賠償金が課せられた。
ドイツの負担額、実に1320億金マルク。当時のドイツ国民総生産のおよそ20年分である。
_..                ,,.-'ヽ
ヽ "゙ー-、、         / : :!
 i 、 :. ヽヽ_,,.....、,,,....._;/ ,;'   ;,.!
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  ヾ;.   ,         , 、;,
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197: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 14:19:55.77 ID:YX3xNiHG0
  
さらに、プロイセン以来の軍事大国であったドイツの軍備は、大幅に削られることとなった。
戦勝国にとっては、再びドイツが軍事的な脅威になることを望まなかった。

フランスに望む要地、ライン川流域に軍隊を置くことが禁止された。(ラインラントの非武装化)

そして徴兵制が禁止され、これからの陸戦をリードするであろう戦車・重火器の保有を禁止された。
優秀な参謀本部も解散され、陸軍は総兵力10万人以下、将校は4000人以下に限定された。

ヨーロッパにおいて常に存在を誇示してきた、大陸軍国は完全にオワタ



  
198: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 14:22:19.10 ID:YX3xNiHG0
  
海軍は、当時核ミサイル的な戦略兵器だった戦艦の保有は6隻までとなった。

航空母艦も保有を禁じられ、海軍国イギリスの通商路を破壊できる潜水艦の保有も禁じられた。

ドイツ海軍もまたオワタ



  
200: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 14:25:24.50 ID:YX3xNiHG0
  
この条約の内容はとてもエグい物だった。

国際連盟を提唱した、当時のアメリカ大統領は、平和14か条を唱えたが、

復讐に怒り狂うイギリス・フランス両国の反対でお流れとなった。

ヴェルサイユ条約が戦後のドイツを、長く苦しめることになった。



  
203: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 14:31:41.16 ID:YX3xNiHG0
  
さて、戦功をあげた( ^ω^)は、戦後も軍に残り情報関係の仕事に就いていた。

帝国が倒れ、ワイマール共和国となったドイツには、雨後のたけのこのように政党が乱立していたのである。
( ^ω^)の任務はその調査であった。

ある日、( ^ω^)は「ドイツ労働者党」の集会に参加した。あくまで軍の活動の一環であった。

         ΛΛ
         (,,゚Д゚) 日
         /つ つ ||
         〜(| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
         |.       |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
  ΛΛ  ΛΛ  ΛΛ  ΛΛ  ΛΛ  ΛΛ            (^ω^;)「うわ、めっちゃ人少ない」
  (  ΛΛ  ΛΛ  ΛΛ   ) (   ) (   )
    (   ) (   ) (   )

( ^ω^)「この政党はどんなものかお。お手並み拝見だお」



  
204: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 14:35:05.34 ID:YX3xNiHG0
  
(,,゚Д゚)「え〜わがドイツは負けたわけではありますが〜云々」

( ^ω^)「ふむふむ」

(,,゚Д゚)「この状況を打開するためには〜云々」

( ^ω^)「・・・こいつ演説ヘタクソだお」

(,,゚Д゚)「ですから〜労働者の権利が〜云々」

( ^ω^)「ちょっと煽ってやるおフヒヒ」



  
205: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 14:37:19.22 ID:YX3xNiHG0
  
( ^ω^)「おい、ヘタクソ!お前は厨房か」

(,,゚Д゚)「なんだと、野次をつけるな若造!」

( ^ω^)「さっきから酷いお!なんだおその内容は!〜gdgd」

(,,゚Д゚)「なにおぅ!〜gdgd」

( ^ω^)「〜gdgd」

(,,゚Д゚)「〜gdgd」

なんと、( ^ω^)は演説者をやり込めることに成功した。

( ^ω^)「はい論破wwwwwwwww」



  
207: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 14:45:32.35 ID:YX3xNiHG0
  
集会が終わって、帰宅する( ^ω^)は、いきなり呼び止められた。

(,,゚Д゚)「君!ちょっと待ってくれたまえ!」

( ^ω^)「なんですかお?」

ドイツ労働者党の党首だった。

(,,゚Д゚)「君はなかなかいい目をしているね。それに利口なようだ。まさかうちの演説者をやりこめるとは」

( ^ω^)「いやー照れますおwwwwwwwwwww」

(,,゚Д゚)「そこでだ、ぜひとも我が党に君を迎えたい」

( ^ω^)「mjsk」

(,,゚Д゚)「マジだ。頼むよ。君のような有望な青年がほしいんだよ」

(*^ω^)「嬉しいこといってくれるじゃないの。よーしわかったお!入党してあげるお!」

( ^ω^)はドイツ労働者党に入党した。当時50人ほどの弱小政党であった。



  
211: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 15:06:12.97 ID:YX3xNiHG0
  
(*^ω^)ゝ「先鋒、( ^ω^)伍長行きますお!」

党員「あ、それイッキ!イッキ!」

(*^ω^)ゴクゴクグビグビ

(*^ω^)「ぷはー!ドイツビールは世界一ィィィィィィィィ!!!」

党員「いいぞいいぞー!!!!!」

党員「次俺が行くわwwwwwwwwwwwwwwwwww」

( ^ω^)「うはwwwwwwwwwwwwwwいけいけwwwwwwwwwww酒飲もうぜえ!!!!!」

この時点では、党とは名ばかりのサークルみたいなものだった。



  
213: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 15:17:31.34 ID:YX3xNiHG0
  
実際のところ、議会で発言できるような勢力はなかったが、
( ^ω^)は党務に専念し、1920年には軍を除隊した。

( ^ω^)「ぼくの天職はここなんだお!軍隊めんどくせぇwwwwwwwwwwwww」

( ^ω^)は党勢の拡大に努めた。
まず、党のシンボルである旗のデザインを決めることになった。

( ^ω^)「かっこいいデザイン募集するお。ただし厨くさいのは勘弁な」

歯医者「これなんてどうすか」
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/9c/Nazi_Swastika.svg/200px-Nazi_Swastika.svg.png

( ^ω^)「カッコeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee」

こうして、有名な鉤十字が党旗となった。
また、( ^ω^)は週刊誌を買収し、党の機関紙を発行した。宣伝に余念がなかった。

( ^ω^)「目指せ700万部!」



  
214: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 15:22:02.12 ID:YX3xNiHG0
  
この宣伝手法は、左翼勢力のまねでもあった。
党歌の歌詞ですら、共産主義者からの盗作であった。

( ^ω^)「有名になった者勝ちだお!著作権なんてシラネ」



  
217: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 15:25:11.15 ID:YX3xNiHG0
  
( ^ω^)「いい事考えちゃったお!」

(,,゚Д゚)「なにかね?」

( ^ω^)「集会で入場料を取るんだお!そしたら党の予算爆増ktkrwwwwwwwwwwwwww」

(,,゚Д゚)「それはいいがね。しかし金を取るほどの演説を誰がやるのかね」

( ^ω^)「よくぞ聞いてくれました」

( ^ω^)b「ぼくに任せてほしいお!きっと聴衆を魅了してみせますお!」

(,,゚Д゚)「・・・まあやってみるとよろしい」

( ^ω^)は演説を任されるようになった。



  
219: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 15:34:10.21 ID:YX3xNiHG0
  
( ^ω^)は美術の才能、武勇には優れてはいなかったが、隠れた才能を持っていた。
演説の才能である。

軍から反共産主義のプロパガンダ教育などを受け、右翼的な知識に裏づけされた( ^ω^)の演説は非凡なものであった。

( ^ω^)「みなさん、われらが故郷ドイツの窮乏をごらんくださいお!」

( ^ω^)「諸外国の食い物にされ、何年かかっても返せそうに無い借金まで課されようとしている!」

( ^ω^)「ここは、みなさんの意識がとても重要なんですお!」

( ^ω^)「〜〜〜どうちゃらこうちゃら〜〜〜〜〜云々」

通常、演説と言うのはそうそう長く展開できないものである。
著名な大学教授であっても講演が苦手な人は多い。
はじめは紙に書いた内容に沿って、それから徐々に慣れていき、やがて長く話せるようになるものである。

しかし( ^ω^)の場合は違った。彼は最初っからゆうゆうと、濃い演説を展開できたのである。
これこそが、神が( ^ω^)に与えた天賦の才だった。



  
220: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 15:38:48.85 ID:YX3xNiHG0
  
( ^ω^)の上手い演説によって、ドイツ労働者党は着実に党員を増やしていった。

もはや、党の中でも重要な存在になっていた。

( ^ω^)「これなんてサクセスストーリー?」

そんなある日、( ^ω^)は党首に話をしにいった。

( ^ω^)ノ「おいすー」

(,,゚Д゚)「おお( ^ω^)君じゃないか!」



  
222: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 15:41:55.79 ID:YX3xNiHG0
  
(,,゚Д゚)「君のおかげで党員が増えたよ!ありがとう!昇給しようじゃないか!」

( ^ω^)「そのことでお話がありますお」

(,,゚Д゚)「?なにかね」

( ^ω^)人「党首の座を譲ってくれお」

(,,゚Д゚)「・・・いや無理だろ」



  
225: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 15:47:30.94 ID:YX3xNiHG0
  
( ^ω^)「どうしても?」

(,,゚Д゚)「・・・ていうかそんなに軽々しく言うことじゃないだろ」

( ;ω;)「もういいお!じゃあこんな党やめてやるお!!他のライバル党が拾ってくれるお!」

( ^ω^)は揺さぶりをかけた。

(,,゚Д゚)「!!!!!わ、わかったから辞めないでくれ!君を失ったら困るんだ!」

( ;ω;)「・・・じゃあ党首にしてくれる?」

(,,゚Д゚)「・・・仕方が無い」

( ^ω^)「やったお!これでぼくが党首だお!わーい」

宣伝ビラの印刷代にも困っていた党は、( ^ω^)を失うことだけは避けたかった。結局、上層部は脅しに屈し
1921年7月、( ^ω^)は党名を国家社会主義ドイツ労働者党という長ったらしい名前に改称し、
その党首となった。



  
230: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 16:01:03.37 ID:YX3xNiHG0
  
このころのドイツ国内は、帝政の名残からか、まだ民主主義に慣れておらず、
演説会場で暴力が起こることはままあった。

  ( ▼。▼)「おんどりゃあクソ演説がああ!!!」

こんな奴らがのさばっていては、ろくに政治活動も出来なかったので、
各政党は自前で自警団を用意した。それは( ^ω^)の党も同じであった。

( ^ω^)「同志<ヽ`∀´> よ!一緒にがんばろう!」

<ヽ`∀´> 「げへへへへ」

発足当初の名称は体育スポーツ局だったが、のちに突撃隊(SA)に改称した。
政党が武力を持っているのだから、思えば異常な時代だったわけである。



  
232: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 16:07:45.13 ID:YX3xNiHG0
  
( ^ω^)は、<ヽ`∀´> の指揮する突撃隊を、党勢の拡大に利用した。

褐色シャツに黒の帽子とブーツ、鉤十字の腕章で、整然と行進させたりもした。

敗戦のショックを少なからず受けている者たちは、整然と歩く、ビシッと決めた突撃隊のかっこよさに目を奪われた。
募集は誰でもウェルカムだったため、失業者が大量に入隊し、規模は膨れ上がる一方だった。

( ^ω^)「これで他のゴロツキどもは手が出せないお!」

<ヽ`∀´> 「うへへへへへへ」



  
233: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 16:10:50.01 ID:YX3xNiHG0
  
しかし問題もあった。
もともとが暴力集団の突撃隊は、人員が増えるほど素行が悪くなっていった。
そのうちチンピラ同然の振る舞いをするようになり、国民の間で評判は悪かった。

( ^ω^)「おい!もうちょっと引き締めるお!これじゃうちのイメージが下がるお!」

<ヽ`∀´> 「あいつら元気がいいからなあwwwwwwwwwへへへへへ」

(;^ω^)(こいつやる気neeeeeeeeee)

同志だったとは言え、2人の間には少し溝があった。
これが後々に波紋を呼ぶことになるのである。



  
235: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 16:20:26.60 ID:YX3xNiHG0
  
停滞するドイツの外でも、様々な動きが起こっていた。

1922年、イタリアの( ゚∀゚) 率いるファシスト党が、黒シャツ隊と呼ばれる武装組織を率いて、クーデターを起こし
ローマに進入したのである。イタリア政府は倒れ、国王は( ゚∀゚) を首相に任命した。
いわゆるローマ進軍である。

同じような全体主義者が一つの国を掌握した、という事実は( ^ω^)を感動させた。

( ^ω^)「( ゚∀゚) かっこeeeeeeeeee!!」



  
239: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 16:30:40.02 ID:YX3xNiHG0
  
( ^ω^)が暴力による政権奪取に憧れる厨二病患者となったころ、
フランスとベルギーが動いた。

先の大戦で大きな被害を受けた2国は、賠償金の支払いが遅れていることを理由に、
ドイツ最大の工業地域、ライン川河口のルール工業地域を占領したのである。

金が払えないなら、差し押さえ、というわけである。
_..                ,,.-'ヽ
ヽ "゙ー-、、         / : :!
 i 、 :. ヽヽ_,,.....、,,,....._;/ ,;'   ;,.!
  i.,  ..;;;ヽ       ヾ ,,;_ , /
  ヾ_:::,:'           -,ノ
  ヾ;.   ,         , 、;,
    ;;   (:::) , ... 、, (:::);:    
    `;.       C)   ,; '
    ,;'     '.、 -‐-ノ ,;'、
   ;'            ;:
    ;:            ';;



  
240: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 16:36:55.85 ID:YX3xNiHG0
  
この暴挙にドイツ国民は怒った。
とても返せないような借金を押し付け、そのうえ返済手段まで奪おうというのか、と。

各地で怒りが噴出した。政府も同じで、ルールの炭田に対して、サボタージュ(怠業)による対抗を呼びかけた。

しかしこれが大失敗。産業の中心部が止まり、物価が暴騰した。
1923年の11月には、通貨価値が1兆分の1まで下がるスーパーエターナルフォースインフレが起こったのだ。

( ^ω^)「パン一個にトラック一杯の札束が要るお。国民が経済的に困って死ぬ」

さらに不満は溜まっていった。



  
242: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 16:42:04.13 ID:YX3xNiHG0
  
国内が混乱し、政府への不信と外国への不満が高まっている状況。
これを( ^ω^)はチャンスとみた。

( ^ω^)(今こそ、( ゚∀゚) のように立ち上がるときだお!)

ミュンヘン一揆のはじまりである。



  
246: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 16:49:15.54 ID:YX3xNiHG0
  
彼はバイエルンを根拠地に、クーデターを成功させようと目論んだ。

バイエルンの首相と国防軍の司令官を味方につけ、第1次大戦の英雄を担ぎ出した。

( ^ω^)は彼らと同調し、一気に政権を掌握しようとしたのである。
軍隊が味方なら何も怖いものはなかった。

だが、ここで誤算が発生する。
味方にしたはずの首相と司令官はあまり乗り気でなかった。正確には、彼らの部下たちがついてこなかった。

絶対に味方してくれる、との確証が無いまま、決行当日を迎えることとなった。



  
248: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 16:53:59.88 ID:YX3xNiHG0
  
一揆は大きなビアホールから始まった。
当時のドイツでは、ビアホールは大人数が集まることの出来る場所であった。
社交場でもあり、政治集会の場でもあった。

  旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦/⌒ヽ旦旦旦旦旦旦旦旦旦
  ⊂二二二二二二二二二二( ^ω^)二二二二二二二二⊃  ビールいかがっすかー
                  |    /
                  ( ヽノ
                  ノ>ノ
              三  レレ

この日、ビアホールにはたくさんの人がいた。
( ^ω^)は興奮する彼らの前で演説を始めた。



  
249: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 16:56:35.60 ID:YX3xNiHG0
  
                      /⌒ ヽ        
                       / ^ ω ^ ヽ       
                    ,ノ      ヽ、_,,,     
                 /´`''" '"´``Y'""``'j   ヽ   
                { ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l    
                '、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ    親愛なるドイツの仲間たちよ!
                 ヽ、,  ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/    
                  `''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'      
                    ,ノ  ヾ  ,, ''";l       
                   ./        ;ヽ      
                  .l   ヽ,,  ,/   ;;;l    
                  |    ,ヽ,, /    ;;;|     
                  |   ,' ;;;l l ;;'i,   ;|      
                  li   /  / l `'ヽ, 、;|     
                 l jヾノ ,ノ  ヽ  l  ,i|    
                 l`'''" ヽ    `l: `''"`i     
                 .l ,. i,'  }     li '、 ;;' |      
                  l ; j / _, -― ' ̄ ̄`ー‐-、_  
           ,, .--、,,__,,-' ̄;;"`´ ;; __  __, -―- 、;; ̄`l 
        , '" ;;  ,__   ;;'    r ' ´;;; ヽ_ゝ_;;|    lヽ, / 
      /l ;;, -‐Y´| l  __  /`'| |   | l  l;|     l ヽ
     /|;;;;ヽ/  .| | |.;;l_,-'l | V | |.l .|   .|    l  i i   | ;lヽ|
     |;;;|;;;i | /|.| ''.|/ l  |;;;| | | | ;|  |   | ;l l| i ;;;; l | l 
     |;;;;|;;.. l ;;  | i /   .il /| |.| |  |   i  |   | l i  '`i l / ̄\
 __/"|;;|;;l;;  .|   .|;.i |   | ;;|| |l .|  |l     .i | ;|;      |/ヽ/`''l
´ ;;_,- | |;; |  |   l;;l;|   | l|| | |; | |i   i   | |;;/|      .| l ,l  |
  .|;;;;;;| l, | / ' ' |i | ,  i |l | |;;l. | .| i . |l   l/ l ljヽ、   /l | .l  |
 ,;;':|;;;;i;;i;;| | ;;| i l  i |   |i l| |;;;|l| i |;'  l|   |l |l;;;;;ヽ` '´ / |  | l
`';;;;;|;;;l;;;l;;l l l   l il; i  l| |l;;i;;;|l| |/l i  li ; ,: || | ヾ;;;;ヽ/li | ii l .l



  
250: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 17:01:05.09 ID:YX3xNiHG0
  
観客「( ^ω^)キターーーーーーーーー!!!!!!!!」


観客「( ^ω^)様愛してるううううううううう!!」

観客「キターwwwwwwwwwwww」

聴衆は大歓声でもって( ^ω^)を迎えた。



  
252: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 17:10:09.55 ID:YX3xNiHG0
  
( ^ω^)ノ「いま、ドイツは危機的な状況に立たされているお!」

( ^ω^)「産業の心臓部ルール地方はフランスとベルギーに不法占拠され!」

( ^ω^)「経済が混乱し、罪も無い女子供が飢えている!」

( ^ω^)「こんなことが許されていいものか!!」

観客「フランス死ねーーーーーーー!!!!!!!」
観客「( ^ω^)、なんとかしてくれ!俺は期待してるぞ!」

(#^ω^)ノ「全ての責任は、弱腰の中央政府にあるんだお!!!奴らを倒すお!!!!」

観客「いいぞいいぞ!」

( ^ω^)「ここに集まってくれた皆は、ぼくに協調してくれてると思うお!」

( ^ω^)「このビアホールから、ドイツを生まれ変わらせよう!!!!」

観客「いやhっほおおおおおおおおおおおおおおお」



  
253: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 17:15:07.74 ID:YX3xNiHG0
  
  n /⌒ヽ
 (ヨ(^ω^ ) 一揆を起こしてイインダヨー!!!
  Y    つ


観客「グリーンダヨー!!!!!」

1923年11月9日。( ^ω^)たちは丸腰のデモ隊として進軍を開始した。

  /⌒ヽ
二( ^ω^)二⊃         /⌒ヽ      ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
  |    / /⌒ヽ ⊂二二二( ^ω^)二⊃
 ⊂二二二( ^ω^)/⌒ヽ   |   /
  ノ>ノ   ⊂二二二( ^ω^)二⊃ ヽノ     /⌒ヽ
 レレ     ( ヽノ|    /   ノ>⊂二二二( ^ω^)二⊃
        ノ /⌒ヽ ヽノ   レレ      |    /
  ⊂二二二( ^ω^)二⊃  /⌒ヽ     ( ヽノ
        |   ⊂二二二( ^ω^)二⊃ ノ>ノ
         ( ヽノ      |    /   レレ
         ノ>ノ       ( ヽノ
     三  レレ        ノ>ノ



  
255: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 17:19:10.52 ID:YX3xNiHG0
  
許可無しでデモを行うのは違法であるし、社会的な不安を与える恐れのあるデモは鎮圧される。

     ((立))       (  ⌒            ⌒       ノ
       ||         ( ⌒     ⌒               ノ
       ||        (   ⌒          )    ⌒   )
       ||         (      ⌒    )  人从 ノ )
       ||           (   从人    )   || |||   (  ⌒
       ||              ||  ||      ,|| ||
       ||              ||  ||.      || ||
       ||             , ,,,||  |||、、、、  ..,,,|| |||、、、

オデオン公園で、( ^ω^)たちのデモ隊は、警官隊と遭遇した。
待ち伏せされていたのである。



  
256: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 17:26:22.74 ID:YX3xNiHG0
  
警官「警告する、直ちに停止し、解散しなさい!繰り返す!直ちに停止し、解散しなさい!!」

デモ隊と警官隊は睨み合いを続けた。
( ^ω^)達は丸腰だった。武装はあったが、置いてきた。
こちらは英雄を前面にしているから、相手は手出しできないだろうし、いざとなれば警官隊の後ろに控える国防軍が
援護してくれると読んでいた。

<ヽ`∀´> 「やべえよ!どうするよ!?」

( ^ω^)「ひるむなお!ぼくらが突っ込めば国防軍が援護してくれるお!あいつらは不意を突かれてあぼーんだお!」

<ヽ`∀´> 「おまえすげえなwwwwwwwwwwwよし、突撃じゃあああああ!!!!!」

      ____
     /\  /\      「いざ行かん!!!!ドイツをわれらに!!!!うおおおおおおおお」
   /( ●)  (●)\
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\
  |     |r┬-|       |
  \     ` ー'´     /

( ^ω^)たちデモ隊は止まらず、警官隊に突っ込んだ。



  
258: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 17:31:29.54 ID:YX3xNiHG0
  
警官「うっ撃てえええええ!!!!!!!」

ぱららららららららららら パンパンスパンスパン

       ____
     /ノ   ヽ、_\
   /( ○)}liil{(○)\       「あれーーーーーー!?!?!?!」
  /    (__人__)   \
  |   ヽ |!!il|!|!l| /   |
  \    |ェェェェ|     /

デモ隊「キャー  うわあああああああ!!!!!!!!!  ヒエエエェェェェェ  !!!!!!!!!!」

<;`∀´> 「やべー逃げろー!!!!!!!」

警官隊が発砲し、デモ隊は総崩れとなった。
なぜか国防軍は動かなかった。

(;^ω^)「そんな、話が違うお!!!!!」

肩を組んで行進していた( ^ω^)は転倒し、左肩を脱臼した。
隣にいた同志は銃弾が当たり、死んだ。

( ;ω;)「うおおおおおおおお痛いおおおおおお」



  
259: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 17:33:50.06 ID:YX3xNiHG0
  
1923年11月11日ポッキーの日。

        ____
       /      \
     /  ─    ─\      ( ^ω^)逮捕    
    ./    (●)  (●) \
    |       (__人__)    |、
r―n|l\      ` ⌒´   ,/ ヽ
  \\\.` ー‐ ' .// l     ヽ
.     \        |      |
.       \ _  __ | ._   |
        /,  /_ ヽ/、 ヽ_|
\      // /<  __) l -,|__) >
  \.    || | <  __)_ゝJ_)_>
    \.   ||.| <  ___)_(_)_ >
      \_| |  <____ノ_(_)_ )



  
263: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 17:44:45.18 ID:YX3xNiHG0
  
( ^ω^)は投獄された。裁判では得意の演説を披露したものの、国民の関心はうすく、結局実刑判決を受けた。

( ´ω`)「ブタ箱に入っちゃったお・・・」

( ´ω`)「いったい何が駄目だったのかお・・・ウッ」

( ^ω^)「やっぱり国防軍が協力してくれなかったせいだお。でも何で?」

実は国防軍は<ヽ`∀´> 率いる突撃隊とすこぶる仲が悪かった。

( ^ω^)「やっぱり国防軍との結託が一番だお」

( ^ω^)「いつか、<ヽ`∀´> をなんとかしないといけないお」



  
266: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 17:53:29.36 ID:YX3xNiHG0
  
( ^ω^)「やっぱり、武力に頼っていては限界があるお」

( ^ω^)「ここを出たら!ちゃんと民主的に政権をとってやるお!頑張るお」

( ^ω^)は、武装闘争路線の変更を決意した。

( ^ω^)「あー刑務所は暇だお。なんか本でも書くお」

特別待遇を受けていた( ^ω^)であったが、一人でいろいろ考えたのか、
口述筆記で一冊の本を書き上げた。「わが闘争」である。

内容は反ユダヤ主義、東方への生存権の確保などが特徴であった。
自分の過去についても詳細に書いており、その中には、浮浪者収容所で苦労したとの改ざんもあった。
ちなみにこの時、アウトバーンの構想を考えたとも言われる。



  
267: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 18:02:28.77 ID:YX3xNiHG0
  
禁固五年の判決を受けるが、1年で釈放され、1925年にはナチス党を合法政党として再出発させた。

( ^ω^)「よーしまた頑張るお!オーストリア国籍も捨てたお!もうドイツ人」

(´・ω・`)「はじめまして( ^ω^)さん」

( ^ω^)「おまいは誰だお」

(´・ω・`)「宣伝その他を担当させていただきます(´・ω・`)です。よろしくお願いします」

( ^ω^)「わかったお!一緒に頑張ろうお!」



  
272: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 18:09:03.51 ID:YX3xNiHG0
  
息を吹き返した( ^ω^)の党は、徐々に党員を増やし、勢力を回復しつつあった。

1929年、さらに追い風となる出来事が起こる。
10月24日、アメリカのウォール街で株が大暴落し、世界恐慌が始まったのだ。

恐慌は世界中の経済システムに大打撃を与えた。
アメリカでも、イギリス・フランスでも日本でも。そしてドイツでも。



  
285: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 18:30:21.65 ID:YX3xNiHG0
  
各国の首脳は大慌てで対策を採った。

アメリカでは

('A`)「政府による公共事業で、有効需要を創出し、経済を復興する!」

経済学者の唱えた修正資本主義に基づくニューディール(新規まき直し)政策だった。

イギリス・フランスでは

( ・∀・)「植民地と本国以外の製品には、高関税をかけ、国内産業を保護する!」

ブロック経済政策だった。

植民地も無く、ぼっちになったドイツは経済的に大打撃を受けた。
:::::: ::: : : : ドイツ                   ∧ ∧
::::: : : :: : ∧_∧         \   Λ_Λ*‘∀‘) Λ
: : : : :  .(´・ω・`)ショボーン        ( ^∀^)   )(^ワ
___ l⌒i⌒⊂)___     ヽ   (     ) |   | ∩
    / ⌒'⌒    /       \ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ̄ ̄←ブロック経済圏
__/_____/||         ||\_____\_
_|||_____||/||        ||\||_____|||_
  |||   し し   .||  ||        ||  ||          |||



  
290: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 18:37:22.08 ID:YX3xNiHG0
  
この恐慌で、ドイツの町には失業者があふれた。
社会全体に閉塞感が生まれた。そして人々の不満は高まっていった。

( ^ω^)「またしてもチャーンス!!!」

今度は合法的に、( ^ω^)は党勢を拡大させた。

( ^ω^)「ドイツの困窮はヴェルサイユ体制のせいですお!」

( ^ω^)「私は、かつての強いドイツを取り戻してみせますお!」

いつの間にか、威厳を出すためであろうか、一人称が変わっていた。
おしゃれなちょび髭にして、個性的なルックスも手に入れていた。



  
294: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 18:43:47.42 ID:YX3xNiHG0
  
党内の左派を粛清し、( ^ω^)は共産党の排撃を訴えた。
社会主義を嫌う資本家たちは、これを喜んで迎えた。

( ^ω^)「ユダヤ人が嫌いです。でもアカのほうがもっと嫌いです」

資本家の援助で、ナチス党はさらに力をつけた。
1932年には正式にドイツ国籍を取得。出馬要件を満たした( ^ω^)は、なんと大統領選へ出馬した。
  ┏━━━━━━━━━━━┓
  国家社会主義ドイツ労働者党    
  ┃                ┃
  ┃      /⌒ヽ       ┃
  ┃     ( ^ω^).       ┃
  ┃     (    )       . ┃
  ┃     | | |         ┃
  ┃     (__)_)      ┃
  ┃                ┃
  ┃    党首:( ^ω^)     ┃
  ┃.今こそ強いドイツを!!  .┃
  ┗━━━━━━━━━━━┛



  
295: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 18:48:17.51 ID:YX3xNiHG0
  
結果は、現職大統領に敗北した。
第1次大戦の将軍である大統領の人気は根強かった。

( ;ω;)「落ちちゃったお・・・」

それでも30%もの票を獲得し、決選投票では37%を得票した。
人気は確実に伸びていた。

だが、これでチャンスが終わったわけではなかった。

( ^ω^)「まだ国会議員の選挙があるお!」



  
297: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 18:55:36.92 ID:YX3xNiHG0
  
この選挙は大成功だった。単独過半数こそ取れなかったものの、ナチス党は第1党になった。

( ^ω^)「やったお!!!!!思えば長い道のりだったお!!!!!」

ここにいたるまでは地道な努力があった。
まず、チンピラ揃いの、手につけられない突撃隊とは別に自身に忠実な親衛隊を創設、身辺警護に当たらせた。

( ^ω^)「私の身辺警護を頼むお!」

从 ゚∀从「任せな!指一本触れさせないぜ!」

从 ゚∀从を親衛隊のトップに据えたりもした。



  
300: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 18:58:46.16 ID:YX3xNiHG0
  
( ^ω^)「選挙に勝つにはどうしたらいいんだお?」

(´・ω・`)「閣下、まずは宣伝、次に宣伝です。とにかく宣伝を。合法的にやるにはそれです」

( ^ω^)「おっお」

(´・ω・`)はボルシェビキの手法を真似たビラ・ポスターを大量に作成し、ばら撒きまくった。



  
302: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 19:05:40.18 ID:YX3xNiHG0
  
また、( ^ω^)は対立候補を激しく攻撃し、ネガティブ・キャンペーンを行った。


( ^ω^)「共産主義者どもは、やれ平等な理想郷、格差の無い社会だと言っているが、そんなもん嘘っぱちだお!」

( ^ω^)「彼らがもたらすものは進歩ではなく、原始的社会への後退である!!!」

( ^ω^)「国家社会主義者達だけが!真にドイツ国家の進歩を約束するものである!!」

( ^ω^)は航空機で各地をまわり、広く支持者を集めることに成功した。



  
303: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 19:08:10.28 ID:YX3xNiHG0
  
(´・ω・`)「閣下、イメージ戦略も重要です」

( ^ω^)「おっお」

(´・ω・`)「突撃隊を行進させましょう」

またしても突撃隊を行進させ、ナチスの存在をアピールした。
壁をポスターで埋め尽くし、国民の意識に党の存在を刷り込んだ。

( ^ω^)「すっかり有名人だおwwwwwwwwwwwwwwwww」



  
304: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 19:10:13.94 ID:YX3xNiHG0
  
また、新聞でも他党を激しく攻撃、攻撃された側が機関紙で反論すればするほど、
ナチス党の名は知れ渡っていった。


現在にも見られる、騒動をおこして有名になる手法である。
(映画バトルロワイヤルとか)



  
305: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 19:14:33.47 ID:YX3xNiHG0
  
こうした(´・ω・`)の献策が功を奏し、ナチス党は第1党になれたのである。

だが、単独過半数を取ったわけでもなく、基盤は弱いままであった。

( ^ω^)「これからどうしよう」

(´・ω・`)「大統領を取り込みましょう」

( ^ω^)「mjd?」


時の大統領は側近の説得に応じ、( ^ω^)を首相にした。

1933年、ついに( ^ω^)はワイマール共和国の首相となった。
 ゚        (_ヽ      +
 ' *  /⌒ヽ.| |  +イヤッホオオオオオオオオオウウ
   . ( ^ω^ / /       。
  +  y'_    イ    *
   〈_,)l   | *      。
ガタン lll./ /l | lll    +



  
311: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 19:26:06.13 ID:YX3xNiHG0
  
( ^ω^)は遂に、歴史の表舞台へと上った。
ウィーンの落ちこぼれていた青年は、一国の首相となったのだ。

( ^ω^)「閣僚を集めて写真を撮るお!」

カメラマン「はーいこっちむいてー」

( ^ω^)v「カッコよく撮ってくれお!ピースピース」
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/f2/Adolf_Hitler_poses_with_members_of_his_new_government.jpg/220px-Adolf_Hitler_poses_with_members_of_his_new_government.jpg

( ^ω^)は喜び一杯だった。



  
314: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 19:31:06.92 ID:YX3xNiHG0
  
(´・ω・`)「閣下、おめでとうございます」

( ^ω^)「おっお」

(´・ω・`)「しかし大変なのはこれからです」

( ^ω^)「それもそうだお」

(´・ω・`)「大統領はもうろくしてるからいいとして、共産主義者どもが厄介ですね」

(;^ω^)「それについては頭が痛いお・・・」

(´・ω・`)「なんとか方策を考えましょう」

やはり( ^ω^)の政権は不安定なままだった。依然、共産党などの左派勢力が大きな力を持っていた。
だが、とある事件を境に様相は一変する。



  
316: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 19:36:51.93 ID:YX3xNiHG0
  
1933年の2月27日。

(;´・ω・`)「閣下、大変です!!!」

( ^ω^)「どうしたんだお!!」

(´・ω・`)「国会議事堂が燃えています!!!」

(;^ω^)「な、なんだってー?」

( ^ω^)と从 ゚∀从は現場に向かった。



  
317: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 19:40:12.52 ID:YX3xNiHG0
  
――――――――(             ノ
            (ノソYソノYソ从Yソソソノ
       ____(ノソ从Yノソ从ソノソノ
     |Yソ从ソ从|Yソ从ソ从ソノノ.|
     |从ソノ    | ∧_∧.|  |  
     |ソノ      |( ;´Д`)つ |
     |       |/ ⊃  ノ.|  | 
        ̄ ̄ ̄ ̄' ̄ ̄ ̄ ̄    |
       ____.____    |
     |        |        |   |      从 ゚∀从「閣下、どう思う?」   (^ω^;)「すごく・・・燃えてます」

国会議事堂は赤々と燃え盛っていた。

从 ゚∀从「こっりゃーすごいぜー」

( ^ω^)「禿同・・・うん?あれは誰だお?」

( ^ω^)は不審な人物を見つけた。

2人はその人物の元に駆け寄った。



  
318: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 19:45:38.46 ID:YX3xNiHG0
  
( ^ω^)「おいお前!そこで何をしてるんだお!」

(^q^)カタワカタワカタワー

( ^ω^)「お?」

(^q^)「あばばばばばばばばばば」

从 ゚∀从「何だ池沼か。閣下、ほっときましょうぜ」

( ^ω^)「・・・ちょっと待つお。こいつ共産党のバッジを付けているお」

从 ゚∀从「それが・・・?」

( ^ω^)「こいつは利用できるお」

从 ゚∀从「・・・なーる」

2人は、現場にいた青年を連れて帰った。



  
321: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 19:52:54.37 ID:YX3xNiHG0
  
从 ゚∀从≡○)q^)「てめぇがやったんだろ!吐け!」

<ヽ`∀´> ≡○)^q^)「おら!さっさと吐けや!」

青年を拷問し無理に自白を引き出した。
青年は逮捕された。

(^q^) 「ぼくが やりました」

(;^ω^)「なんてことだ!共産主義者どもが国会に火を放ったぞ!!!!」

( ^ω^)はこのチャンスを最大限に使うことにした。



  
324: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 20:00:43.03 ID:YX3xNiHG0
  
( ^ω^)「非常事態を宣言します!」

( ^ω^)は、大統領に働きかけ、当時の法律では禁止されていた国会議員の逮捕を行った。
共産党の指導者たちが続々と逮捕され、共産党の勢いは後退した。

ドサクサにまぎれて、ワイマール憲法で保障された基本的人権や労働者の権利、その殆どが停止された。

( ^ω^)「よっしゃーwwwwwwwww共産党ざまぁwwwwwwwwwwww」

(´・ω・`)「閣下、勢いに乗ることが大事ですよ」

( ^ω^)「わかってるお!お次のサプライズは・・・」

( ^ω^)「全権委任法だおおおおおおお」



  
331: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 20:07:09.58 ID:YX3xNiHG0
  
全権委任法、それは法律を作る権利、立法権を国会から政府に移譲するものであった。
自分で法律を作って行使できるのだから、要するになんでも出来るのである。

モンテスキューは行政と司法、立法を分けることが民主主義国家に不可欠と言った。
つまり、この法案が通れば、いよいよ( ^ω^)の独裁になってしまうのである。

もちろん、共産党員や社民党員などの野党は、全力で阻止しようとした。
だが、彼らが議場となったオペラ劇場に入ることは出来なかった。

<ヽ`∀´> 「共産党員を見つけたらボコせ!容赦しなくていいぞ!!」

突撃隊が議場の周りを囲み、目を光らせていたのである。



  
339: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 20:14:38.24 ID:YX3xNiHG0
  
( ^ω^)は弱小政党を脅し上げ、賛成441票・反対94票の圧倒的多数で全権委任法を可決させた。

<ヽ`∀´> 「法律の中身kwsk」

( ^ω^)「ふふふ、まじすごい内容だおwwwww」

( ^ω^)「1.法律は国会じゃなくて私が作ります
      2.違憲な立法?なあにかえって免疫力がつく
      3.法案は私がOKを出します
      4.条約の承認は私が出します
      5.大丈夫!条約はすぐに期限切れだよ!」

从 ゚∀从「sugeeeeeeeeeeeeeeeeeeee」

もちろん第5条の時限は延長された。



  
344: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 20:23:14.06 ID:YX3xNiHG0
  
(´・ω・`)「やりましたね閣下」

( ^ω^)「ペンは剣よりも強し、だお」

立法権を手にした( ^ω^)は、他の政党を片っ端から潰し、一党独裁体制を作り出した。
これで政敵を片付けたが、もう一つ課題が残っていた。

(´・ω・`)「国防軍と資本家を味方につける必要がありますね」

( ^ω^)「共産党を一掃したから、資本家はおk」

(;^ω^)「でも国防軍がなぁ・・・あいつら突撃隊と仲悪いし」

(´・ω・`)「それでは、突撃隊がいなければ・・・?」

( ^ω^)「!!!!その手があったお。从 ゚∀从を呼んでくるお」

( ^ω^)と从 ゚∀从、(´・ω・`)はなにやら密談を始めた。



  
353: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 20:33:33.41 ID:YX3xNiHG0
  
( ^ω^)は<ヽ`∀´> に対して、個人的には嫌いではなかった。
昔から共に頑張ってきた同志として、排除するのはしのびない、と思っていた。

だが、<ヽ`∀´> は強情で、言うことを聞こうとしなかった。

从 ゚∀从が「<ヽ`∀´> は謀反を企てている」という噂をこっそり流し、遂に( ^ω^)の腹は決まった。

1934年6月末。( ^ω^)は<ヽ`∀´> の元を訪れた。

( ^ω^)「おはおー」

<ヽ`∀´> 「おいすー」

( ^ω^)「さて<ヽ`∀´> 、話があるお」

<ヽ`∀´> 「なんだ?勲章ならいらねーって言ってるだろ?」

( ^ω^)yヨ-「手を上げろ。謀反のかどで逮捕するお」

後ろの扉が開き、武装した親衛隊員が入ってきて、<ヽ`∀´> に銃を突きつけた。

<ヽ`∀´> 「くそ!はめやがったな!( ^ω^)!!」

この逮捕劇と合わせて、全国で突撃隊の幹部や反ナチス派が逮捕・殺害された。



  
357: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 20:38:48.46 ID:YX3xNiHG0
  
翌日、<ヽ`∀´> は処刑された。
突撃隊は去勢されるかたちとなり、突撃隊は( ^ω^)に忠誠を誓った。

( ^ω^)「おk、これで内の敵はいなくなったお」

(´・ω・`)「次は外に目を向けていきましょう」

( ^ω^)「とりあえず、締めとして党大会を開くお」

1934年、ニュルンベルグで党大会が開催された。



  
364: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 20:47:09.05 ID:YX3xNiHG0
  
この大会は(´・ω・`)の宣伝術が冴え渡った大会だった。
鉤十字が掲げられ、40万人もの党員がずらりと並んでいるのは壮観だった。

(;^ω^)「うわ、マジで人が多い」

( ^ω^)は演説台に立った。ここからが腕の見せ所である。

              /⌒ヽ             
              ( ^ω^)  ・・・・・〜〜〜〜・・・
                U θU
            / ̄ ̄T ̄ ̄\
           |二二二二二二二|
           |        |

はじめは、わざと声を小さくして話した。
なにせ40万人もいるので、ざわめきで( ^ω^)の声は聞こえず、観衆は声を聞こうと静まり返った。



  
370: 愛のVIP戦士 :2007/02/09(金) 20:54:15.40 ID:YX3xNiHG0
  
観衆が静まり返ったところで、( ^ω^)はいつもの声で演説をした。

彼の演説術は並大抵のものではなかった。さして重要でないところでは普通にしゃべった。
そして、一番伝えたいところ、クライマックスに来ると大声になり、身振り手振りで強く印象付けた。

∩( ^ω^)∩「つまり!!!ゲルマン民族が栄えることこそ天命である!!」

( ^ω^)「諸君!偉大なるドイツを私と共につくりあげてゆこう!輝く明日を作ろう!」

( ^ω^)(・・・演説が終わったお。(´・ω・`)、頼むお!)

(´・ω・`)σ「ポチっとな」

(´・ω・`)は、演説が終わるや否や、蓄音機を再生した。スピーカーから割れんばかりの拍手が鳴り響く。
いつの間にか、それにつられて会場は拍手の音で埋め尽くされていた。

この党大会で、ナチス党は頂点に立った。



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