( ^ω^)ブーンが阿部さんに掘られたようです

  
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/03(木) 01:48:04.23 ID:v9z4Y+Kg0
  
「地震だと!? バカな、私が心血を注いで作ったこのエロ助はどうなるっ……!」

ドクオの言葉にかぶさるように、ひときわ大きな振動が塔の部屋を揺るがした。
老朽化していたコンクリートが軋み、灰色の土煙となってブーンたちの周りに降り注ぐ。

「こ、これがアースクエイク……」
男性器をまだびくびくと震わせながら、ジョニーが怯えた様子でとりあえず伏せる。

「……この塔は大丈夫なのかお?」
コバルトブルーの瞳を不安げに曇らせて、ブーンがとりあえずはベッドの下に逃げ込もうとした瞬間――
立ちこめる土煙の向こうに、ゆらりと、何かの姿が浮かび上がった。

「な、何なんだお……」

それはブーンには、薄緑色の霧のように見えた。
ジョニーは頭を抱えてうずくまっているし、ドクオは傍らのロボットに何かを怒鳴っている。
二人に何かがいる事を告げようとしたその瞬間、ブーンは目の前にまばゆい光を感じた。



  
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/03(木) 01:52:36.93 ID:v9z4Y+Kg0
  
大地が、揺れる――。

打ち捨てられてから数十年の間、塔としての形を保っていたクルミポンチの竪穴櫓は、
足元から突き上げてくるこの地鳴りに身悶えするかのごとく、その巨体を大きく震わせた。
コンクリートの巨大な岩塊が、かろうじて塔としての外観をとどめていた上部から次々に崩落してゆく。

そして、赤茶けた砂埃と粉砕されたガレキの粉末が、すべてを覆い尽くした。



  
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/03(木) 02:04:08.36 ID:v9z4Y+Kg0
  
「雨……かお?」

ガレキの中から這い出した少女は、コバルトブルーの瞳で空を見上げる。
この季節の荒野にはおおよそふさわしくない雨は、確かに降っていた。

さっきまで続いていた地響きは、もう止んでいた。
歩き出そうとした少女は足を止めて、ふと背後に聳え立っていたガレキの山を見上げる。

剥き出しになっていた鉄骨の部分が跡形もなくひしゃげ、塔はその屋上の部分を残すのみとなっている。
膨大な量の水が、勢いよくそこから噴き出していた。

天を衝くかに見えた水の柱は、さながら巨大な噴水のようになって空中で四散し、
塔の残骸が散らばっているあたりに雨を降らせているのだった。



  
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/03(木) 02:11:30.19 ID:v9z4Y+Kg0
  
晴天に降りしきる雨が、かつて白人たちが建てた塔の残骸を優しく包んでいた。

燃えさかる炎のような青空。容赦なく大地を炙る太陽。そんな全てが、今は気持ちいい。
降り注ぐ雨の冷たさを全身で感じながら、少女はジョニーを探そうとガレキの山の裾野を歩きはじめる。

ふいに、その前に薄緑色の靄のようなものが渦を巻いた。

『良かった……。なんとか、間にあったようだ』

それは、一人の青年の姿になった。
伝統衣装を付けた透き通った素肌の下に、辺りの風景が透けて見える。
少女には良くは分からなかったが、北米大陸の先住民族――インディアンのような格好をしている、と思った。

「お、おばけかお……!」

ブーンは思わず身構える。
だが、青年はブーンの姿を一目見るなり、恥ずかしそうに目を反らした。

『その……服を着てもらえるかな』



  
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/03(木) 02:16:43.97 ID:v9z4Y+Kg0
  
( ^ω^)「阿部さんが、これをやったのかお……?」

青年が差し出してくれたツナギを羽織ったブーンに、青年の亡霊はうなずく。

『この雨からは、我々ラメエ族の聖なる泉の力を感じる……。
 アベさんは私に、必ず泉を元に戻してやると誓ってくれた』

( ^ω^)「ダイナマイトを地下で爆発させて、水脈の上の岩盤を吹き飛ばしたんだお……。
       だから長い間我慢していた水が、今みたいに一気に噴き出してるんだお」

ブーンはそう答えて、塔が崩れる瞬間に見たあの不可思議な靄の事を思い出す。

( ^ω^)「……幽霊さんがボクのことを助けてくれたのかお?」

『ぎりぎりだったが何とかなったようだ。一緒にいた男と、もう一人の女も安全な場所に移してある。大丈夫だ』

( ^ω^)「ドクオも助かってるのかお……」

溜息をついたブーンに、青年が悲しそうな顔をしてつぶやいた。

『だが、アベさんは……』

( ^ω^)「こんな状態じゃ、たぶん……」

つぶやいたブーンの来ているツナギを、青年の亡霊が見つめる。
そして、静かに目を閉じた、その瞬間。



  
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/03(木) 02:17:05.65 ID:v9z4Y+Kg0
  
「なんだァ? いい男が、約束を破るとでも思ったのかい?」

折り重なったガレキの上、雨の降るアリゾナの荒野に。
投げ捨てられたヘルメットが宙を舞う。

『アベさん……!』



  
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/03(木) 02:18:09.61 ID:v9z4Y+Kg0
  
降りしきる雨を煙らせるように、荒野を風が吹き抜けてゆく。
連なった赤い山々を背に、男の歩く足取りはしっかりと力強い。
雨も風も、いや、この世に存在するどんな障害でさえも、この男の歩みを止めることはできない。

「そんな顔するんじゃないぜ。これからとことん喜ばせてやるんだからな」

風の中で、細やかな水の粒になって砕けてゆく灰色の雨の飛沫に、わずかに顔をしかめながら。
阿部さんの黒い瞳が、半透明になりはじめていた青年を哀しげに見つめる。

『アベさん……あなたはやはり、勇者だ』

横に座っていたブーンが、驚いた表情で青年のことを見つめる。
青年の透き通った輪郭は、しだいに淡く、周りの風景に溶け込んでいくように消えはじめていた。

『少し、無理をし過ぎたようです。三人分の身体を、安全なところに飛ばしましたから』

「ラクサミ、おまえ……」
青年の名前を呼んだ阿部さんがその頬に伸ばした指先は、虚しく空を掠めた。

『いいんです。これで私も、ツコンナのところに行ける……』

呟くようにそう言って、青年は空を見上げ――。
ただ、寂しそうに微笑んだ。

『アベさん。一度あなたに抱かれて、この空を見てみたかった』



  
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/03(木) 02:20:08.42 ID:v9z4Y+Kg0
  
「ラクサミ!」

阿部さんが青年の身体を掴もうと手を伸ばしたときには、そこに立ちこめていた靄は晴れていた。
まばらになりはじめた雨の荒野に、膝を落とした阿部さんの慟哭が響き渡った。

( 'ω`)「阿部さん……」

ブーンが、その傍らに寄り添うようにそっと、阿部さんの肩に手をかけようとして――。
何かに気づいたらしく、ふいに微笑んだ。

( ^ω^)「……虹だお!」

阿部さんも、空を見上げる。
かすかな雨の向こうの青空に、くっきりとした虹が出ていた。

「そうか、あいつ……。あれに乗って行っちまったのか」
微笑んだ阿部さんに、ブーンが頷く。

( ^ω^)「まだここにいる僕たちには、できる事があるはずだお。ジョニーとドクオを探すお」

「……そうだな」
阿部さんは立ち上がり、ふとブーンの着ているツナギを見つめる。

「ところで着心地はどうだい? そのツナギには、俺とジョニーの汗と汁がたっぷり染み込んでるんだぜ」
(; ^ω^)「ちょwwwwwwwwおまwwwwwwwww」

慌ててツナギを脱ごうとするブーンを横目で見つめながら、阿部さんは虹を見つめる。
(ラクサミ……。俺が行くまで、ツコンナと幸せにな)

全裸の男と、今、再び全裸になろうとしている少女の上で、空はどこまでも青かった。



  
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/03(木) 02:36:12.02 ID:v9z4Y+Kg0
  
「アオオオ―――ッ!! 」

肉の悦びにうち震えるジョニーに、阿部さんが優しくキスをする。
菊門を激しく責め立てるホモ・セックスに、ジョニーの太マラがびんびんにそそり立つ。

「どうやらご無沙汰だったようだな……お前のケツの穴、すごく具合いいぜ」

「あ、阿部さんっ……あのドクオとかいう女に拷問されてから、俺っ……」

ほとばしった白濁液が、またレンジローバーの内装を汚す。
ハンドルを握りながら、ブーンはそれを嫌そうに見つめた。

( ^ω^)「お前ら、久しぶりに再会したのにやることはそれしかないのかお……?」

「ブーンさんだって、ドクオと楽しんでたじゃないっスか……アッー!」

助手席の阿部さんの指が、ジョニーの性器を官能的な動きで責め立てる。

「どうだい、俺の指使いは……? ジョニー、今夜は寝かさないぜ」

「アッー! アッー! イグゥゥゥ!!」

( ^ω^)「……もういやだお」



  
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/03(木) 02:47:47.34 ID:v9z4Y+Kg0
  
「ところでブーン、捕まえたあのドクオという女のことなんだが」

ジョニーのケツを掘りながらも、阿部さんはあくまで冷静な態度を崩さない。
この男、心の底からの鬼畜攻めである。

( ^ω^)「売るお」

クルミポンチの盆地から降りる道は一直線だったが、でこぼこの路面は気を抜くとハンドルを取られかねない。
前を向いたまま、事も無げにブーンが答える。

( ^ω^)「あいつも黙っていれば黒髪の美少女だから、どこかの人身売買業者に売り飛ばして、
      当面の路銀の足しにするお」

「ふむ……。俺は女には興味はない。だが、あいつはお前を追ってきた敵の一人なんだろう?」
ブーンはハンドルを握ったまま答えない。阿部さんは言葉を続ける。

「俺にちょっとした考えがある。あの女、売る前に俺に預けてくれないか?」

( ^ω^)「何を……するつもりなんだお?」



  
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/03(木) 02:55:22.20 ID:v9z4Y+Kg0
  
「あいつはジョニーをずいぶんと虐めてくれたらしいからな。ホラ、見てくれよ。
 ジョニーのさっきからの射精の量、尋常じゃないぜ……」

(; ^ω^)(それは前からだったと思うお……)

「あ、阿部さん。そーなんスよ、俺、あの女にチンポしゃぶられ続けて……」

「何だと?」

腰の動きが、止まった。弛緩していた車内の空気が、不意に凍り付いた。
阿部さんに貫かれてあうあうよがっていたジョニーの表情が、こわばる。

「……俺のジョニーに、手を出したって言うのか?」

(; ^ω^)「阿部さん、落ち着くお! 暴力はだめだお!」

「ブーン、ちょっと車止めろ」

阿部さんは、そう静かに言い放った。冷たく、乾いた声だった。



  
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/03(木) 03:11:34.85 ID:v9z4Y+Kg0
  
停車したローバーのトランクルームを、阿部さんは開け放った。
照りつける陽光が、ぐるぐる巻きに縛られてトランクの中に放り込まれていた少女の姿を浮かび上がらせる。

逞しい男の裸身と、その股間にそそり立つモノを見て、少女の顔がさっとこわばった。
口をガムテープで塞がれているために喋ることすら出来ない。

「おいジョニー。こいつを担ぎ出せ」

阿部さんは少女に冷たい一瞥をくれてやると、傍らに立っていたジョニーに告げた。
ジョニーの黒い影が、少女の上に覆い被さるように広がり――そして。



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