ξ゚听)ξと('A`)と( ^ω^)のようです
- 9: 愛のVIP戦士 :2007/03/02(金) 20:48:34.24 ID:oPLEbn/Z0
ξ;゚听)ξ「え・・・?え・・・?」
('A`)「・・・?」
人間というのは不測の事態が発生すると身動きと冷静な思考ができなくなるらしい。
体がしびれたように動かない。
男は見えてますか、といわんばかりに目の前で手を振った。
ξ;゚听)ξ「あんたなにmあwせdrftgyふじこl」
やっと声を出せたが混乱してるらしくうまく言葉を話すことができない
ξ;゚听)ξ(そうだ、今私は鍵を開けようとしただけでまだあけてない)
冷静な思考が戻ってくる。
- 10: 愛のVIP戦士 :2007/03/02(金) 20:48:57.63 ID:oPLEbn/Z0
窓は南側にベランダへの出入り口のみ。最近の陽気で洗濯しても部屋干しだったので一度も空けてない。
ここ数日確かに鍵は閉まっていた。昨日うっかり鍵を開けっ放しにしていたという可能性は除外していい
室内乾燥機があるからね。ガラスを割った形跡もない。
つまり昨晩ドアの鍵を閉めた時には彼はこの部屋にいたことになる。
ξ;゚听)ξ「・・・ッ」
そこまで考えて背筋が冷えた。
- 11: 愛のVIP戦士 :2007/03/02(金) 20:50:15.86 ID:oPLEbn/Z0
('A`)「・・・ああ、そうか」
え?なに?何一人で納得してんの?
('A`)「俺は・・・ドクオ。怖がってるみたいだがなんもしないから安心しろ」
ξ;゚听)ξ「わ、私の名前はツンデレよ」
混乱してなぜか私までじこしょうかいしてしまった。私超馬鹿。
- 12: 愛のVIP戦士 :2007/03/02(金) 20:50:51.10 ID:oPLEbn/Z0
- ξ#゚听)ξ「って、あんたなんなの!?いつからいたのよ!?」
気を取り直して怒鳴りつける。
('A`)「いつからって・・・今さっきからだけど・・・」
ξ#゚听)ξ「はぁ!?意味わかんない事いわないでよ!」
('A`)「安心しろ、俺にもまったく意味わからん」
ξ#゚听)ξ「安心できるか!とにかく出て行け!!」
興奮してまた冷静な思考を失いはじめる。
- 13: 愛のVIP戦士 :2007/03/02(金) 20:51:40.05 ID:oPLEbn/Z0
- 『こいつはどう見ても変質者だ。通報しないと!』
ただこれだけが頭の中を支配していた。
('A`) 「やれやれ、呼ばれたとおもったらこれだ・・・ウツダシノウ」
ドクオと名乗る男はちょっとなきそうな顔をしながら言った
ξ#゚听)ξ「はぁ?!もういい!通報してやるから!」
かばんから携帯を取り出し顔を上げるとその男はもうそこにはいなかった。
- 14: 愛のVIP戦士 :2007/03/02(金) 20:52:20.17 ID:oPLEbn/Z0
- ξ゚听)ξ「へ?」
理解不能理解不能理解不能
なんか急に力が抜けてその場にへたり込んでしまった。
- 16: 愛のVIP戦士 :2007/03/02(金) 20:56:48.58 ID:oPLEbn/Z0
- 満員電車に揺られても、職場についても朝のことが気にかかり、仕事にも手がつかず、上の空だった。
だがミスはない。それがツンデレクオリティ。
上司「これはひどい」
ξ;゚听)ξ「申し訳ございません」
ミスがないと思ったが別にそんなことはなかった。
- 17: 愛のVIP戦士 :2007/03/02(金) 20:57:30.45 ID:oPLEbn/Z0
- 溜めたくなくたって自動的にたまっていってしまうストレス。それを少しでも吐き出そうと溜息をつくも効果は薄いようだ。
ξ゚听)ξ「なんだかなぁ」
それでも、朝に散々怒鳴ったせいか少しすっきりもしてるみたいだ。認めたくないけど。
そんなことを思いつつすっかり暗くなった道をたどり、我が家を目指す。
- 18: 愛のVIP戦士 :2007/03/02(金) 20:57:54.94 ID:oPLEbn/Z0
- 部屋に入るや否や即効で鍵を閉め、ベランダの戸の鍵をチェックし、押入れ、ベッドの下、クローゼット、浴槽、トイレ、ついでにトイレの貯水タンクまで
家の中を探し回ったが、あの男――ドクオは見つからなかった。
――ふう・・・
一つ安堵のため息をつき、コタツの電源を点け、あたる。あ、コタツの中にもいないみたいだ。よかったよかった。
なんとなくテレビを点ける。
名前も知らない芸人たちが騒いでいる。
つまらない。
- 19: 愛のVIP戦士 :2007/03/02(金) 20:58:40.28 ID:oPLEbn/Z0
- ――はぁ、なんか面白いことないかなぁ。
ふとドクオの冴えない顔がよぎる。
ξ゚听)ξ「ないないwwあれは私の気の迷いだったにちがいないわ」
そしてテレビから目を離し、ふと正面を見ると
('A`)「よお」
ξ゚д゚)ξ
ξ゚д゚ )ξ
(*'A`)「こっちみんな」
- 20: 愛のVIP戦士 :2007/03/02(金) 21:00:05.50 ID:oPLEbn/Z0
- 何赤くなってんのよ、気持ち悪い。
・・・じゃなくて、問題はこなぜまたここにいるのか?
('A`) 「おまえが呼んじゃないのか」
心を読まれた!?いやいや、そうじゃない。
ξ#゚听)ξ「呼んでない」
ドクオが少し怪訝そうな顔をし、また納得したような顔になった。
思わずテーブルをたたく。
- 21: 愛のVIP戦士 :2007/03/02(金) 21:01:28.43 ID:oPLEbn/Z0
- ξ#゚听)ξ「それにどうやって入ったって言うのよ?確かに鍵はかけたはずだし!」
私はこれでもかって位の勢いでドクオに怒鳴りつける。
ドクオはまた少し困ったような顔になった。
('A`)「しらん。いつのまにかここにいたんでな」
ξ;゚听)ξ「はぁ?・・・も、もしかして・・・ゆ・・・幽霊?」
われながらぶっ飛んだ質問だと思う。だが口をついて出てしまったのだから仕方ない。
('A`)「まあ似たようなもんかもしれんね」
なんだ、あながち外れてないってわけね。
――・・・・・・ってアレ?否定しないの!?
- 22: 愛のVIP戦士 :2007/03/02(金) 21:02:13.43 ID:oPLEbn/Z0
- ξ;゚听)ξ「じゃあ、あんた死人なの?」
ドクオはすこし笑って
('A`)「一応まだ俺はいきてる」
と答える。
ξ゚听)ξ「じゃあ、あんたはいったい?」
('A`)「さあな。おれにだってよくわからん」
- 23: 愛のVIP戦士 :2007/03/02(金) 21:03:13.03 ID:oPLEbn/Z0
('A`)「うーん、今の俺の状態を言い表す一番適切な表現は『生霊』かな」
ドクオが頭をぽりぽりとかく。妙な感覚が走る――が今は無視だ。
ξ゚听)ξ「じゃあ・・・あんたの本体がこの世界のどこかに生きているってこと?」
('A`)「ああ」
ξ゚听)ξ「どうして断言できるの?瞬間移動かもしれないじゃない」
('A`)「ちょwwwww瞬間移動とかwwww」
('A(#)「すみません調子に乗っていました」
ξ#゚听)ξ「・・・・・・」
('A`)「どうしてわかるかはわからん。わかってしまうのだから仕方ない、としか言いようがありません」
一瞬ドクオの顔が曇った・・・いや、もともとそんな感じの顔だったか。
- 24: 愛のVIP戦士 :2007/03/02(金) 21:04:08.95 ID:oPLEbn/Z0
('A`)「・・・」
ξ゚听)ξ「なによ」
('A`)「いや」
ξ゚听)ξ「いいなさいよ」
('A`)「なんでも」
といって笑う。なんかむかつく。
その後、もういくつか言葉を交わした気がするが私は疲れていたらしくそのまま眠りについてしまった。
- 25: 愛のVIP戦士 :2007/03/02(金) 21:04:32.78 ID:oPLEbn/Z0
正体不明の変態チックな男と同じ部屋にいてよく寝れるな、と思われるかも知れない。まあ自分でもそう思ったけど。
なんか不思議と安心できたのよ。なぜかは不明だけど。
退屈な日々に突如現れた自称『生霊』――ドクオ。
いろいろと釈然としないけど、まあよしとしよう。
少しは退屈もまぎれるだろう。
そうして私はこの超常現象とも言えるこの男の存在を、若干不本意ながら認める事にしたのだ。
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