( ^ω^)が怪人になるようです

  
71: グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:01:15.22 ID:3M2zR3V+0
  
謎の物干し竿が現れ数週間
毎週の怪人の死にさすがにまいったショッカー
臨時の集会が開かれた

(-_-)「愛する!我が社員は死んだ!なぜだ!」

ヒッキーという男
彼は祖父が立ち上げた財閥
ショッカー社を引き継ぎ総帥兼代表取締役に就任していた
親の七光りというか才覚はなかった
社員は優秀なのでそれなりに会社を支えてくれた
こういった大衆の前に出ると気持ちがあがり
このように思ってもいないギレン・ザビの物真似などしてしまう
演説が大体終わると最後に一言

(-_-)「えぇと、セミミンガくんはこの後ちょっと来てください」



  
73: グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:05:18.71 ID:3M2zR3V+0
  
ブーンはライダーとの戦闘後うだうだしていた
その日も有休をとり、部屋でだらだらしていた
ヘッドフォンをつけテレビを見ている
料理番組、鶏の胡麻和えを焼いたものの作り方
料理をするわけではないが最後まで見たい

携帯がなった
届かない、あとテーブルの向こう側
体を捻り腕を伸ばす
届かない
ヘッドフォンが頭から取れそうだ
でもなんだかわからないが付けていたい
そういうときあるだろ
ブーンは精一杯体を伸ばした
ヘッドフォンがすっぽ抜け携帯電話を取った



  
74: グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:07:43.27 ID:3M2zR3V+0
  
ドクオからであった
彼のせいでブーンは鶏の胡麻和え焼きの作り方がわからない
なんだか腹が立つ

( ^ω^)「もしもし」

('A`)「あ、大根さんっすか、ちょっとうちの課で特令っすよ」

要は会社に来いってことか

( ^ω^)「わかったお、今からいくお」

あー嫌だなぁ憂鬱、陰気
マンションを出て会社に向かう



  
75:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:14:31.03 ID:3M2zR3V+0
  
特令ってのは特別命令のこと
ゲームとかであんだろ、あれだよ
なんだかわからんがうちの課でライダーを倒さなきゃいけないらしい
本部から大量の物資が送られてきたそうだが
正直勝てるとは思えないなぁ
ちなみに課長セミミンガ

(;´∀`)「というわけもな」

「なんでうちの課なんです!」
「陰謀だ!あのキチガイの仕業だ!」

キチガイと罵られているのはモララーことオオムカデ
実を言うとショッカー内は2つに分かれていた
セミミンガを筆頭とする課と
オオムカデを筆頭とするタカ派である
セミミンガはその温和さから人望を集めたが
対してオオムカデは積極的な政策で地位を築いてきた
相反するやり方がライダー、物干し竿女という強大な敵の前で
とうとうぶつかり合うこととなってしまった

ブーンは考えていた
あのガチホモに会うってことはとうとうやられるってことか



  
76:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:20:55.66 ID:3M2zR3V+0
  
一方のオオムカデ課も集会を開いていた
セミミンガ側だけに戦わせるわけにはいかない
仮にセミミンガが生き残ってしまったら問題だからだ
セミミンガはライダーを倒した英雄
自分との差ができてしまう
そこでオオムカデはヒッキーに助言していたのだ
セミミンガには有能な配下がいるからライダーも倒せるよ☆って
んで僕らはあの女倒すからね!って

( ・∀・)「あーそういうわけだが、まぁ全員で行く必要はない」

「どういうことですか?」

( ・∀・)「忘れたかい?うちにはミルナがいるじゃないか」

「おぉ!」
「ミルナさんが出るのか!」

ミルナとはオオムカデの同期生であり
天然怪人であった
その辺の怪人とは違う、武芸百般に通じている

( ゚д゚ )「うむ」

「おおおおおおお!」
「本物だ!ミルナさん!」

ミルナは普段出社などはしなかった
毎日武芸に励み、己を鍛え
ここぞというときに現れ、事件を解決していた



  
77:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:25:28.46 ID:3M2zR3V+0
  
(´・ω・`)「君は料理がうまいなぁ」

狭いアパートの一室

ξ゚听)ξ「・・・・」

ツンは綺麗な笑顔を見せた

(´・ω・`)「これで君が男ならなにも言うことはないんだけどね」

ξ゚听)ξ「あうー」

少し申し訳なさそうな顔をする

(´・ω・`)「よし、それじゃぁそろそろ出かけようか」

今日は土曜日、怪人を倒さなきゃいけない



  
78:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:27:13.80 ID:3M2zR3V+0
  
仮面ライダー討伐
蜘蛛男、蜂女、数々の怪人を殺害、陵辱してきたライダー
とうとうライダーを討ち取るときが来た
しかしそれには多くの犠牲が出るであろう
そしてそれに選ばれてしまった男セミミンガ

セミミンガは昔ショッカーに入社し
かれこれ30余年、会社のために粉骨砕身の気で
身を削り、心を折り、尽力してきた
その間にはたくさんの怪人を輩出
一時期は「虎セミ」「ショッカーの化けゼミ」などと
訳の分からぬ異名を持っていることもあった
セミでありながら酒飲みであり
部下思いでべらんめぇなところは
新人古参を問わず絶対的な信任を受けていた
そしてそのセミミンガがライダーを討つ人柱ならぬ
セミ柱となり恐らく人生最後になるであろう
この命を懸けた戦いに望もうとしていた



  
81:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:32:18.71 ID:3M2zR3V+0
  
告知された晩、大根はセミミンガに付き合うこととなった

( ´∀`)「大根、恐らくモナは今回で終わりもな」

( ^ω^)「・・・」

大根もそれは分かっていた
なによりライダーと戦闘し、帰って来た彼には
それがどんなに難しいことかは容易にわかった
慰めることもそれは偽善になってしまう
この人に嘘を付くことはできなかった
セミは酒を呷ると再び切り出した、セミなのに

( ´∀`)「モナが死んだら、家族と仲間たちを頼む、あいつらモナがいなくなったら、死んじまうかもしれねえ
      モナは1人で逝くから大丈夫だ、だからモナの配下そいつらみんなお前が面倒見てくれ」

出世フラグktkl



  
82:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:33:00.61 ID:3M2zR3V+0
  
( ^ω^)「わかりましたお、しかし私でいいのですかお?」

( ´∀`)「もう頼れる怪人は死んじまったもな・・・」

( ^ω^)「愚問でしたお・・・」

( ´∀`)「セミ子はもう分かっている、セミ介が怪人になりたいといったら・・・頼む」

( ^ω^)「・・・はい」

驚愕したこの男のネーミングセンスに驚愕した
笑いそうになった、やばいなぁ笑ったら雰囲気ぶち壊しだしなー
でもここは笑って場を和ませる?うひひさすがに無理っすね
僕もセミミンガさんそれなりに好きですしね

( ´∀`)「おう、じゃぁ今日はぶっ倒れるまで飲むもな」

( ^ω^)「はいだお」

セミのしゃがれた声が店の中に鳴り響いていた
まるで夏の終わり、最後の鳴き声のようであった



  
84:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:34:30.33 ID:3M2zR3V+0
  
金曜日
着々と準備が進められていた
有志として募った怪人は総勢5人
セミと大根を合わせて7人になる
戦闘員の数はそれぞれの直臣のほか
他の部隊から転属されたもの
主をライダーに殺されたもの
700人近くまで上った

( ´∀`)「まず部隊を6つに分ける
      各怪人は100人ずつ戦闘員を率いてもらう残りの192人は私が率いさせていただこう」

「なにか策はあるのですか?」

( ´∀`)「うーん、とくにないもな、くははは」

「わはははは」

( ^ω^)(笑うところじゃねえだろ常識的に考えて・・・)



  
85:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:35:57.31 ID:3M2zR3V+0
  
( ´∀`)「策というわけではないんだが
      ライダーをおびき寄せる為の囮が必要だ、大根頼んだ」

(;^ω^)「え、ちょ」

( ´∀`)「これも仕事もな、それに安全な配置もな」

大根男はライダーが怖かった
彼と直接戦闘をして生き残った大根
彼はライダーのガチホモの片鱗を味わっている
気が乗らないがこれもセミミンガのため?
いやそういえば自分はなんでがんばっちゃってるんだろう

その夜は宴だった
怪人も戦闘員も大いに騒いだ
今生の別れとなる者もいるだろう
セミミンガさんはいつにもまして酒を呷っていた、セミなのに
俺も飲んだ、あんまり酒は強くないんだけれど
同期のムカデラスも有志に募っていた
あまり目立たない奴だったがこんなに勇気があったんだな
ムカデラスは泣いていた
死ぬのが怖いのだろうかセミミンガが死ぬからだろうか
なんでもいいや俺死ぬつもりじゃないし
でもセミミンガさんが死ぬのはちょっと、悲しいな
あーあーライダーに会うの嫌だなー



  
87:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:38:05.21 ID:3M2zR3V+0
  
土曜日
囮である大根男はドクオと数名の戦闘員を連れて
街を軽く破壊していた、マンホールの蓋をはずしたり
マンホールの蓋をはずすと意外と人が落ちた、馬鹿だ

(´・ω・`)「こらー悪さはやめなさーい!」

やっべマジで来た
とりあえず逃げなきゃあの路地を曲がったとおりにみんないる



  
88:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:40:51.63 ID:3M2zR3V+0
  
(´・ω・`)「へぇいい男が揃ってるじゃないの、味見しとくか」

走り出すゲイ

ξ;゚听)ξ(あいつ走るのはええ)

遅れて現れたツン、ライダーを追いかけようとするが

( ゚д゚ )「君の相手は私だ」

ξ゚听)ξ!?



( ^ω^)(怖い怖い怖い怖い逃げなきゃ駄目だ逃げなきゃ駄目d

よしもうちょっとあそこを曲がればセミミンガさんたちがいる!

よし!これで俺たちの出番は終わりだ
眼前には総員692名の男たちが待ち受けていた
大根部隊はすぐにその後ろ備えに回った
全滅しては元も子もないので、彼らは目付け役である

ライダーが遅れながら現れた

(´・ω・`)「ひゅーやってくれるじゃないの」



  
89:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:41:52.28 ID:3M2zR3V+0
  
来たぞー!」

( ´∀`)「鶴翼の陣をひけい」

「おう!」

鶴翼の陣とは
かつて三方ヶ原、川中島など
多くの戦場で使われてきた陣形である

大将を後陣の中心に配置し
前方の部隊が両翼に広がり<の字を作り出すものである
その姿はまさに鶴が翼を広げているが如く
主に少数部隊を相手に使われ
正面突破をかける敵を両翼で包み込み撃破する
これによって四方八方からライダーを挟撃する



  
90:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:44:32.14 ID:3M2zR3V+0
  
ξ゚听)ξ(こいつ強そう)

( ゚д゚ )「人間だとは聞いていたがまさか女とはな・・・」

和服をまとったミルナは冷静にツンを見ていた
ツンは相手の状態などは気にしない、メコってすればいいじゃない
得意の横殴りを繰り出す
ミルナは跳躍し、いともたやすくそれを避けた

( ゚д゚ )「なかなかいいじゃないか」

ξ;゚听)ξ「あーあうー」



  
91:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:45:29.62 ID:3M2zR3V+0
  
(´・ω・`)「陣形?知ったこっちゃないね」

ライダーはそのまま正面のセミミンガ目指し駆け出した

戦闘員1「くそ!ライダーめ!ヤモゲラスさんの仇!」

翼が綻びた
1人の戦闘員がライダーに向かっていってしまった

戦闘員1「この野朗!」

(´・ω・`)「ウホッ!」

戦闘員2「お、俺も!うおおおお!」

1人2人と続きそのまま陣形は崩れ始めた

怪人1「えぇい!戻れ戻れ!持ち場に戻れ!」

(´・ω・`)「君、怪人かい?」

怪人1「ひっ!」



  
92:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:49:47.44 ID:3M2zR3V+0
  
( ゚д゚ )「時に君はデビルマンを知っているか?」

そういいながらミルナは腰に挿した刀を抜いた

ξ゚听)ξ(気が狂ったか?)

( ゚д゚ )「僕はデビルマンに憧れている時期があってさー」

ξ゚听)ξ(今、いけるんじゃね?)

再び横殴り
今度は刀で受け止められる
受け止める?いや物干し竿切れちゃったよ、うん

ξ;゚听)ξ「え?」

さすがのツンも素に戻っていた
なんという切れ味、肉屋もびっくりだぜ

( ゚д゚ )「あーくまーのちーからー」

ネタなのかなんなんなのか
ともかくあの刀やべえ



  
93:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:50:53.77 ID:3M2zR3V+0
  
怪人1の眼前に現れたライダー
500人の翼が崩れ入り乱れてしまっている
ほとんどのものはライダーがどこにいるかわからない
そんな中でライダーは怪人の前に現れた

(´・ω・`)「ふん!」

一撃、怪人は吹き飛ばされ戦闘員をばたばたと倒した
まるで波のようだ

戦闘員「いたぞ!ここだ!ぐはあ」

(´・ω・`)「いいのかい僕は何人でも相手にできるんだぜ」



  
94:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:53:51.52 ID:3M2zR3V+0
  
ツンは逃げた
なぜかって?そりゃお前三十六計逃げるにしかず
さすが孫子、いい事言うね

( ゚д゚ )「あ、こらデビルマンの技がまだ」

怖いこわーい
あの人も変態
大体自分はなにやってんだ、こんなかっこして
馬鹿じゃないのか頭おかしいんじゃねえか
そりゃ少しは自覚してたけどよ
こんなの知り合いに見られたらあれだね
「痴れ者が!気でも狂ったか!蛆虫女!」とか言われる



  
95:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:55:09.37 ID:3M2zR3V+0
  
ライダーは縦横無尽に500人の中を駆け回った
これだけの人数を相手に遊んでいるかのようだ
次々と倒れる戦闘員
それを本陣からセミミンガは眺めていた

(;´∀`)「くそ!ライダーめ」

腰掛けていた椅子を蹴り飛ばし立ち上がるセミミンガ

(;´∀`)「馬ひけい!馬ひけい!」

戦闘員「落ち着いてください!馬はいません!」

(;´∀`)「なんでもいい!
     これ以上同胞がやられるのを見てられるか!
     あれを出せ、あれだ!ダイナマイトだ!おう!」

セミミンガは大量のダイナマイトを体に巻きつけ
そのままライダーに向かって走り出した

戦闘員「遅れるな!続け続けー!」

192人はセミミンガに続き混乱する戦場に向かった



  
97:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:57:06.16 ID:3M2zR3V+0
  
('A`)「セミミンガさん・・・行きましたね」

( ^ω^)「あぁそうだな・・・」

('A`)「大根さんあんまり悲しくなさそうですね」

( ^ω^)「あぁそうかもしれないお・・・」

セミミンガ亡き後の自分を考えるとニヤリと口元が緩んだ

('A`)「・・・」



  
98:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 22:58:43.31 ID:3M2zR3V+0
  
( ´∀`)「虎セミこれにあり!ライダー覚悟!」

もはや気分は戦国武将

(´・ω・`)「お、少しはやるのかい、あんた」

( ´∀`)「でええい!」

叫び声とともにセミミンガはライダーの腰にしがみついた

(´・ω・`)「おっさん、僕を犯すつもりかい?」

( ´∀`)「なにいってんだ!ドアホが!点火しろ!」

(´・ω・`)「わかったお前僕のケツの中で、っておい!お前!」

( ´∀`)「おう死にやがれ!」

(;´・ω・`)「くそ!離せ!おっさん!」

阿部はセミミンガを抱えぶんぶんと揺さぶりだした
引き離されるのも時間の問題か



  
99:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 23:00:24.70 ID:3M2zR3V+0
  
戦闘員「セミミンガさんに続け!」

戦闘員たちがさらにセミミンガたちに引っ付いていった
さすがのライダーも数百人を同時に薙ぎ払うことはできない

(´・ω・`)「ちっこれまでってやつか?」

?「ショボン、こっちだ」

突如足元の地面が割れ、声が聞こえた、ありえねえ

(´・ω・`)「ん?あんた誰だい?」

?「いいから早くするんだ」

(´・ω・`)「お、おう」

( ´∀`)「なに!?抜けた!?」

ズドオオオオン

ザ・モナー



  
100:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 23:01:17.88 ID:3M2zR3V+0
  
轟音、取り巻きの戦闘員たちも吹き飛ばされた
ビル街はガラスが割れ、物は吹き飛び
地面には数メートルの窪みが生まれた


('A`)「終わりましたね・・・」

( ^ω^)「あぁ帰るお、残存兵力をまとめてくれお」



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