( ^ω^)ブーンが残された時間で喧嘩を売るようです

2: ◆y7/jBFQ5SY :2006/07/28(金) 20:43:51.63 ID:JteJgi500
  
第10話 「死生物」


(*゚∀゚)「うはははははははははwwwwwww楽しーーー!!!!!」

ジョルジュは手当たり次第に殴る蹴るの暴行を働く。
鋼で出来たオデジード達もその力に耐えられないのか、頭を陥没させたり、
体がひしゃげていたり、酷い有様だった。
全く…味方にまわすと頼りになる奴だ。

ξ゚听)ξ「危ない!」
( ^ω^)「!!」

僕の死角から来る銃弾をツンが鉄壁の黒の壁を作って防ぐ。
彼女のおかげで安心して後ろを任せられる。
僕は、ジョルジュが示してくれた道に立ち塞がる者達を倒すために走る!

( ^ω^)「行くお!!」



3: ◆y7/jBFQ5SY :2006/07/28(金) 20:45:13.16 ID:JteJgi500
  
|::━◎┥「ぐぎぎぎwwwよく来たよく来たワシのアトリエへwwww」

マスクによってくぐもった男の笑い声が辺りにこだまする。
周りには人の内臓だろうか?見ていて不快感を催すような物が陳列されている。
正直気持ちが悪い。こんなとこすぐにでも逃げ出したい。

|::━◎┥「ワシの名前は覚えておるか?覚えておるか?ww歯車王wwwそれがワシの名じゃwwwww
      正にこの研究所の主に相応しい名じゃwwwwwww」

一人で喋りながら一人で笑う歯車王。行き過ぎた変人。
自分以外の物は実験できるか出来ないかで区別しているという噂が立つほどの怪人物。

|::━◎┥「ぐぎぎwwwぐぎwwぐぎwwwww久しぶりじゃ久しぶりじゃwww」

そう呟くというには大きな声を出しながらオレの体をじろじろと見回す。
全身に怖気が走る。逃げたい。けれど逃げるわけには行かない。

|::━◎┥「ぐぎぎぎwwwwいいじゃろいいじゃろwwwwお前を作り変えてやるwww」
|::━◎┥「じゃがぁwwその前に見ておいてもらいたいものがあるぅwwwww」

そう言うと男は部屋の奥へと進む。周りの物に触れないように後を着いて行く。
薄気味悪い…薄く剥ぎ取られた人の顔の皮や、単体なのに脈を撃ち続けている心臓等が無数に飾られている。



4: ◆y7/jBFQ5SY :2006/07/28(金) 20:46:30.33 ID:JteJgi500
  
オレは連れられて来た部屋の透明なガラスの向こうに奇怪なものを見た。

/ ・ω・)ずーり…ずーり…

腕や足が無く、這いずるように辺りを動き回りながら自分の体を削る生き物。

/  =゚ω゚)ひたひたひた……

その生き物を丸呑みし、重さに耐え切れずに腹が突き破れる生き物。
そしてその二匹の成れの果てだろうか?
すでに頭だけになっているのに動き続けているものと、
頭が無いにも関わらず動き回っているものがいる。
明らかな異常な光景。気分が悪くなり吐き気を催す。

|::━◎┥「ぐぎぎぎwwwwこいつらは実験の失敗作ww死んで死んで死に続けるだけの存在wwwww」
|::━◎┥「手足が無い方がずーりwwwただそこらを這いずり回るだけで知能もな〜んにも無い奴じゃwww」
|::━◎┥「ずーりを飲み込んどる奴がヒタヒタwwwwヒタヒタと歩き回りながらずーりを食べぇwww
      その重さに耐え切れずに腹をぶち破る馬鹿な奴らじゃwwwwwww」

ずーり、ヒタヒタ。言われた通り、先程から同じ事を繰り返している。
しかし…あの顔は……

|::━◎┥「ぐぎぎぎwwwwもう解かっとるじゃろ?wwwこいつらは元は人間www犯罪者の良い利用法じゃwww」

やっぱりそうか…どこかで見たことのある顔が混ざっているとは思っていた。
だが、心の中では認めなくなかった…自分がしてきた事の果てがこんなことになっているなんて…



5: ◆y7/jBFQ5SY :2006/07/28(金) 20:48:43.86 ID:JteJgi500
  
/  =゚ω゚)ひたひたひ………

突然一人のヒタヒタが動きを止める。本当に何の前触れも無く、電球が切れる時のように動かなくなる。
自然、力の入らなくなった体は倒れ、その衝撃から全身がぐちゃりと潰れる。

|::━◎┥「ぐぎぎぎwwww死んだwww死んだwww死んだwww」

狂ったように笑いながら死んだ死んだと連呼する歯車王。
多分本当に狂ってるんだろう…そうでなきゃこの光景を見て笑うことなんて出来やしない。

|::━◎┥「ぐぎぎwwwwぐぎwwぐぎwwあれが奴らの終わりじゃww絶対に死を免れえないwww
      死ぬためだけに生きるwwwwワシは奴らを飛びっきりの愛情を込めて『死生物』と呼んどるwww」
|::━◎┥「『死生物』!!!!!『不死生物』に対して死ぬためだけの存在wwwwぐぎぎwwぐぎwww
      人間もそうかもしれんなぁ?wwwwぐぎぎぎぎぎぎwwwwwwwwww」

本当に不愉快で、気持ち悪くて、吐き気がして…泣きたくなった。
こんな事でも泣きそうになる自分が情けなかった。

|::━◎┥「さてぇwww何故ワシがこれを君に見せたと思う?思うぅwwwww」

嬉しそうに聞いてくる歯車王。
そんなこと…もう解りきってるじゃないか…

|::━◎┥「答えぇwwwwお前はこれからこれの仲間入りするかもってことじゃぁwwwwwww」
|::━◎┥「ぐぎぎぎwww甘く見積もってお前が無事にここから出られる確率は5%ってとこじゃぁwwwwwww」



6: ◆y7/jBFQ5SY :2006/07/28(金) 20:49:57.41 ID:JteJgi500
  
5パーセント…言い換えれば95パーセントの確立でオレはあれになる…

|::━◎┥「お前は犯罪者としてここに連れてこられた訳ではないwww
      上からもお前の自由意志に任せるように言われとるwwwww
      どうする?どうする?どうするぅぅぅうううwwwwwwww」

こんな無謀なことをするわけが無い。オレは元来臆病なんだ。受けるわけが無いだろう。
………だが………だが………だが………
オレを置いて先へと行ったアイツの顔が思い浮かぶ。
姿形を変え、強力な力を手にしたアイツの姿が網膜に焼き付いている。

/ ・ω・)ずーり…ずーり…
/  =゚ω゚)ひたひたひた……

死生物となった彼らを見る。怖い…あんなものにはなりたくない…
けど…このままじゃ何時までたってもあいつに追いつけない。
だから…オレは………!

( 'A`)「…お願いします…オレを……最強の不死生物へと改造して下さい。」
|::━◎┥「ぐぎーーーぎぎぎぎぎwwwwwwwwwwwwwwいいじゃろうwwwいいじゃろう!!!!!!!!!!
      貴様を『双頭醜鬼』をも越える怪物に作り変えてやるwwwwwwwwww」

後悔はしない。オレは力を手に入れ、すぐにお前に追いついてやる…

待ってろ!ブーン!!



7: ◆y7/jBFQ5SY :2006/07/28(金) 20:51:24.29 ID:JteJgi500
  
(;´ー`)「…ありえネーヨ。」

ありえない。奴らはたったの三人で、こちらは50人にオデジード20体だ。
すぐに決着はつく。そのはずだった…
しかし、奴らの戦力は異常と言うほか無いものだった。
聖女の黒の壁の存在は知っていたし、殺すわけにもいかないので
多少の苦労はするかもしれないとは思っていたが…

(;´ー`)「完全に計算違いダーヨ。」

荒巻の所のガキが何故あんなにも強いのかが解らない。
昔会った時は足が速いだけで何のとりえも無い…むしろ使えない奴という印象しかなかった。
それが何だこれは!我が屈強な第10オブサーブWの者達がまるで赤子のように
捻られているではないか!あまつさえ、奴は銃弾を視認してから避けるなどと人間離れした動きをみせている。

(;´ー`)「それに…あいつは何者ダーヨ。」

ジョルジュとかいうガキ。何でも屋をしている第9セクションW出身の
腕が立つ男だとは聞いていたがここまでとは。
デタラメもいいところだ。鋼のボディで出来たオデジードが殴られただけで陥没したり
無理矢理捻り切られるなど、最早悪夢だとしか言いようが無い。
更に恐ろしい事に、こちらの攻撃はことごとく防がれ、と言うよりことごとくぶち破られる。
それが何であろうと避ける事はせずに、全て拳で返してくる。
そして殴られたものの方が砕ける。これで勝てるわけが無い。



8: ◆y7/jBFQ5SY :2006/07/28(金) 20:52:27.88 ID:JteJgi500
  
( ´ー`)「……仕方ネーヨ…」

仕方ない仕方ない…そう呟きながら私はある物を起動させに行く。
こんなことで使う事になるとは夢にも思わなかったが、致し方ない。
万が一にも奴らにここを突破されるわけにはいかないのだ。

( ´ー`)「…仕方ネー…仕方ネーヨ…」

自分を納得させるために何度も呟く。
アレが起動したらオブサーブに…下手をすればこのセクションにも被害が及ぶかもしれない。
だが、ここで奴らを止めなければ、私の面子が潰れる。
いみじくもこのセクションの警備を任された私にとって、任務を失敗することなど有ってはならない。
他の誰が被害を被ろうと知った事ではない。

( ´ー`)「……ネーヨ…」

私はブツブツと呟きながら倉庫の前に立った。



9: ◆y7/jBFQ5SY :2006/07/28(金) 20:53:12.44 ID:JteJgi500
  
(*゚∀゚)「うはははははははwwwwwwww楽しーーーーwwwwwww」

戦闘開始時にはあれだけいた敵の数も残り少なくなってきた。
僕も何人かは倒したけど、やはりジョルジュの活躍による所が大きい。
明らかに戦うことそのものを楽しんでいる。
殴った端から千切っては投げ千切っては投げ…
こいつに勝てる人間なんて存在するのかどうかが疑わしくなる位の暴れっぷりだった。

( ^ω^)「とにかく…勝てそうだお!」

僕が勝利を確信したその瞬間だった。
セクションの中から光りの帯が放たれ、
オブサーブの人々やオデジードをその光りの中に飲み込んだ。
光りが消えたときには飲み込まれた者の姿もまた消えていた。

そして、その光りを生み出した元凶がその姿を現した。



10: ◆y7/jBFQ5SY :2006/07/28(金) 20:54:33.08 ID:JteJgi500
  
オデジードと同じようなメタリックボディで出来ているようだが、
その大きさは比ではないほどに巨大で、僕の背丈の4〜5倍はある。
貼り付けたような笑顔が逆に不気味さを際立たせ、顔の位置が高くにあるだけに恐怖心すら抱かせる。
さして特に特徴的な部分が下腹部に当たるであろう所に備え付けられている巨大な砲門。
恐らくさっきの光りはここから射出されたのだろう。
そしてそれは獣か何かのように吼えた。

i∩| ◎ ◎|「ギーーーーーーーーー!!!!!!!」
(;゚ω゚)「………」

それの鳴き声は辺りを振動させ、それだけで一個兵器になるんじゃないかと錯覚させる程の轟音。
そして、その肩口には見覚えのある顔、ネーヨさんが乗っていた。

( ´ー`)「お前らはもうお終いダーヨ。」

ネーヨさんが何かを操作する。それに合わせて鋼の化け物の砲門に光りが収束する。

( ´ー`)「こいつで終わりダーヨ!!行け、先行者!!!」



第10話 「死生物」  終



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