( ^ω^)ブーンの妄想が現実になってから1年後
- 232: 名無しさん :2007/01/27(土) 22:55:56
- 緊急治療室の中ではドクオが眠っている。
その周囲に昏倒する医師に看護婦達。
ギコ、しぃ、つー。それに双騎士の5人は、無理やり治療室の中にはいっていた。
(*゚∀゚)「潜入完了」
爪゚∀゚)「…して、どうやって治療を?」
(,,゚Д゚)「まぁその…なんつーか…見てりゃわかる」
リーゼとレーゼが治療室の入り口を見張っている間に治療を済ませなければならない。
一応血は止まってはいるが、ドクオのわき腹には肉の断面と内臓が痛々しく露出していた。
ドクオに近づいたしぃの顔がこわばる。
(*゚ー゚)「これはひどい……」
しぃはためらいがちに、ドクオの脇腹に手をあてた。
ゆっくりと包み込むようにそえられた手のひらが、わずかの震えもなく完璧に静止する。
それは、ドクオの体としぃの手のひらが同化しているためだった。
(*゚ー゚)「ふっ…ぅ」
目を瞑りしぃが集中する。
その光景を見ていたレーゼは、1年前のしぃを思い出した。
肩を切り裂いたしぃが、瞬く間に傷を治すあの光景を。
爪゚ー゚)「…これは…?」
爪゚∀゚)「そうか、共有現象!胎の中の胎児の能力次第では…!」
ホルダー同士に生まれる子供は、やはりホルダーになる可能性が高い。
そして遺伝子構造で能力が決まるのなら、子の能力が両親の能力に左右されるのは当然。
ギコの相手の精神に同調する能力。しぃの分子レベルで肉体の欠損を復元する能力。
それを足して生まれたのが、いうなれば相手の身体に同調する能力。
そして、ホルダーの胎児を持つ親には、例え親が常人であってもその時だけ胎児の能力が発現する場合がある。
(,,゚Д゚)「そうさ。能力の共有…今だけならしぃは、自分以外の人間も治せ…って子供いるって知ってんの!?何で!?」
- 233: 名無しさん :2007/01/27(土) 22:56:12
- 1時間ほどたっただろうか。
すでにドクオの腹部は復元されていた。
まだ内部は完全ではないだろうが、ひとまず命の心配はしなくて良いだろう。
(*゚∀゚)「えー…サラっととんでもない事実が発覚した訳だけども?ドクオ君が治るのには素直にお礼を言うね」
(*゚ー゚)「…恐れ入ります…あの、姉さん、このことはそのー…ね?」
(*゚∀゚)「んー?ねぇ?」
(*゚ー゚)「…ねぇー?ふふふふ」
(*゚∀゚)「あははは?」
爪゚ー゚)「姉上、賭け事は好きか?」
爪゚∀゚)「私はつー殿が言いふらすほうに賭ける」
爪゚ー゚)「それでは賭けにならんな…」
目をそらさずに笑いあう姉妹を、騎士の姉妹が微妙な表情で眺める。
その足元には未だ昏倒した医師達というシュールな空間から、いつのまにかギコはいなくなっていた。
(,,゚Д゚)「…しばらくつーとは顔を合わさんでおこう。しかし…」
一目散に屋上まで離脱していたギコは、自重している煙草に火をつける。
見下ろす駐車場はすでに許容量を越えた車であふれかえり、未だ救急車は行ったり来たりを繰り返していた。
(,,゚Д゚)「ショボンがいなくて本っ当に良かった…」
- 234: 名無しさん :2007/01/27(土) 22:56:26
- ξ゚听)ξ「ん…しょっと…よっ…!」
人も、動物さえもいなくなった街の一角を、ツンが内藤を引き摺って歩いている。
着ている寝巻きは汗だくで、せっかく風呂上りだったのに自分が何をしたのかとツンは身の不幸を呪った。
ξ゚听)ξ「くーっ…重い!わね!」
( ^ω^)「すまんおー」
ξ゚听)ξ「なら、自分で、歩きなさいよ…まったく…ふぅ」
( ^ω^)「脚があんまり動かんお…どこかに車でもないかお?」
クーと名乗った女の一撃、神砂嵐。
渦巻く風のメスは紅夜叉を切り刻むだけで終わったが、風の回転が内藤の四肢を捻り、間接に多大なダメージを残していた。
正直こうして引き摺られているだけでもかなり痛いのだが、文句を言うわけにもいかない。
ξ゚听)ξ「あっても私運転できないわよ…あんた出来たっけ?」
( ^ω^)「はっは、まさかw」
ξ゚听)ξ「ほんと役に立たない奴だわ、あんたって」
( ^ω^)「………ツン」
内藤の声色が変わる。
疲労の色濃い顔に真剣な表情を浮かべ、内藤はツンを引き止めた。
ξ゚听)ξ「な、なによ…怒った?」
( ^ω^)「いや、何か…近づいてくるお」
聞き耳をたててみれば、確かに言われて初めて気づくほどの小さな音がする。
それは次第に大きくなり、内藤たちに確実に近づいてきた。
もうそれが何かはわかっている。
明らかに車の音だった。
その車は内藤とツンの前で停止する。どこか見覚えのある車だった。
たしか、週に3度は見ていたような。
「見つけた、っと…乗ってく、二人とも?」
- 235: 名無しさん :2007/01/27(土) 22:56:38
- (´・ω・`)「どうだ、市長。状況は」
市長「芳しくないよ」
病院から長い橋を渡った先にある、ニュー速市市庁舎。
ショボンはその市庁舎に駐車するついでに市長に会いにきていた。
庁舎内では職員があわただしく駆け回っているが、なぜか電話は鳴っていない。
(´・ω・`)「電話が鳴らんところを見ると普通の市民は避難完了といったところか…街にのこってるのは警告をうけていたホルダーだけか?」
市長「そうだな。もちろん幾らかは普通の人もいる。お前さんみたいにな。だがまぁ…そういうことだ」
(´・ω・`)「敵さんのがんばり具合は?」
市長「半分取られたよ。こちら側ではこの市庁舎が最後の砦だな。VIPブリッジから向こうは守りたいね」
ニュー速市は中央に流れる河を境目に、北と南に分かれている。
その間を繋ぐのはVIPブリッジと呼ばれる片側4車線の、この街には似つかわしくないほどの大きな橋だった。
今現在、橋のすぐ手前にある市庁舎を残し、街の北側はラウンジによって完全に制圧されている。
(´・ω・`)「守ってもらわんと困る。なんせ我々は納税者だからな」
市長「…そのとおりだが、お前に言われるとなぜかむかつくな」
(´・ω・`)「市長選のとき一票いれてやったが?」
市長「えぇい、うっさい。この忙しい時に何しに来たかと思えばそれだけか?」
(´・ω・`)「ああ。もう帰るよ」
本当にそれだけかよ、という叫びを背中で受け流し、ショボンは市庁舎を後にした。
市長「な…何しにきたんだアイツは…」
- 236: 名無しさん :2007/01/27(土) 22:56:51
- その頃病院では、しぃの治療の甲斐あって、ドクオが目を覚ましていた。
ほぼ完全に元通りになった腹部を見て呆然とするドクオは、とりあえず健常者ということで医者に追い出された。
これはもう、治療室占拠とか関係ありで。
というわけで、ドクオは今、病院内のロビーに座っている。
その横に座っているのはつーだけで、しぃはギコを探しに、リーゼとレーゼも気を使ったのか外の空気を吸いに行った。
(*゚∀゚)「ドクオ君、大丈夫?元気?やっほー」
('A`)「あぁ、なんとか元気。やっほ」
気を使われるということは、完全にそういう扱いな訳で。
しかも心配かけた後。つーのテンションは最高潮。
逆にドクオはまだ麻酔が残っているのか脳が寝ているのか、いまいち感動が足りていない。
(*゚∀゚)「ほんとに大丈夫?私の名前いっちみ?」
('A`)「つーさん」
(*゚∀゚)「んー、もっと蕩けるような甘い声で」
('A`)「…つーさん、テンションおかしくない?」
(*゚∀゚)「ふふん、私をおかしく出来るのは愛だけさっ」
('A`)「あ、愛とはまた…いわゆるラブってこと?」
(*゚∀゚)「それ。まさにそれ」
- 237: 名無しさん :2007/01/27(土) 22:57:05
- 怪我人とその親族等でごった返す病院ロビー。
その中で、二人を眺める影。
市庁舎から帰ってきたショボンだった。
(´・ω・`)「なにがラブだ。ぶち殺すぞ」
('A`)「ん…先生」
(*゚∀゚)「ありゃ、どこ行ってたの?ドクオ君直ったよ」
(´・ω・`)「ふむ…本当に直ったか?ちょっとこい、みてやろう」
('A`)「は?いや、良いよ。もう平気だし」
(´・ω・`)「まぁまぁ。良いからこっちこい。万が一とかあるだろう」
('A`)「…?どうした先生、やけに親せt」
(´・ω・`)「ふんっ!」
('A`)「ぐふぅっ!!」
つい数時間前まで負傷していたドクオのわき腹に、ショボンの拳が良い角度で突き刺さる。
体をくの字に折り曲げて、ドクオはもんどりうって倒れこんだ。
(*゚∀゚)「ちょっ!な、なにしてんのあんた!?」
('A`)「ぐっふぅおぉ…なにしやがるぅ…!」
(´・ω・`)「うむ。直ってるようだな、良かった良かった」
('A`)「良くねぇぇ…絶対いつかぶん殴る」
(´・ω・`)「バイク直してからチャレンジしろよ。で、つー。ギコ達を集めてくれ。これからの話をしたい」
(*゚∀゚)「え?あぁ、メンバー全員ね。了解」
- 238: 名無しさん :2007/01/27(土) 22:57:20
- ギコ、しぃ、つー。それにショボン。
市長直属のニュー速市自警組織所属メンバーは、病院の食堂に集まっていた。
あとついでにドクオも。
(´・ω・`)「というわけで、市庁舎がある限りこちら側はそれなりに安全と見ていいだろう」
(,,゚Д゚)「ふむ」
(*゚ー゚)「正直な話、私とギコは今回は戦えないけど?」
(*゚∀゚)「ドクオ君も一応直ったし、私はいけるかな」
(´・ω・`)「…俺とつーだけでどうしろと…他の連中は何してるか知ってる奴いるか?」
ニュー速市のこの自警組織は、警察とはまた違い正規の職業ではない。
よって、市長にスカウトされた者がいわば副業的に所属している。
ショボン達以外にも、街中に分散したメンバーがいるはずなのだ。
(,,゚Д゚)「…たしか北側の市民食堂にいたな、コックが」
(*゚ー゚)「この辺にも一人いるはずだけど」
(´・ω・`)「ほかは不明か。まぁ…適当にやってるんだろうが」
その時、電話がなった。
ドクオの携帯から懐かしい黒電話のコール音がする。
(,,゚Д゚)「…なにその着メロ」
(*゚ー゚)「レトロね」
('A`)「これが良いんだよ。って…ツンから?」
(´・ω・`)「おいつー、浮気だぞ浮気」
(*゚∀゚)「なわけないっしょ」
- 239: 名無しさん :2007/01/27(土) 22:57:34
- -ニュー速市北側-
とある市民食堂。
制圧された北側の中、なぜかそこだけにラウンジ戦闘員たちが転がっていた。
その全てが手首を、あるいは首を折られている。
そこで働いていたパートのおばちゃん達と、道中で助けた市民を連れて市庁舎を目指すのが、自警員の一人。
遠くアメリカから移住してきた一人のコックだった。
職員「市長、市民食堂から脱出した一団がここに向かってるそうです」
市長「食堂?…あぁ、奴か…」
職員「奴とは?」
市長「あの食堂で働いてたコックだよ。シールズ出身の合気道の達人」
その男はプロ中のプロだった。
その名を、K・C・ラインバック。
ちなみにその食堂の名前は、沈黙の食堂という。
- 240: 名無しさん :2007/01/27(土) 22:57:47
- ('A`)「…内藤が?あぁ…え?俺を呼んでるのか?何で…いやまぁ良いや。わかった」
(´・ω・`)「おいつー、呼んでるとさ。浮気だぞ浮気」
(*゚∀゚)「し、しつこいなぁ…」
('A`)「あぁ、じゃあな。…先生、内藤見つかったってよ!」
(´・ω・`)「ん?誰だそれ」
(*゚ー゚)「ちょっ」
(,,゚Д゚)「ひでぇ」
(´・ω・`)「冗談だ。で、どうやって帰って…いやそれも良い。今どこに?」
('A`)「なんか知らんけど大学らしい。で、俺を呼んでる人がいるらしいんだよ」
(´・ω・`)「どこの物好きだ…まぁいいか、内藤達と合流もしたいからな、お前迎えにいってこい」
('A`)「…足がないんだけどな。先生、車貸してくんね?」
(´・ω・`)「お前ふざけんなよ。お前にだけは絶対貸さんわ」
('A`)「じゃあどうやって行けと」
(,,゚Д゚)「バイクはどうしたんだ?」
('A`)「…壊されたっつーか…」
(*゚∀゚)「ふふふ…そこで私に名案があったりして」
(*゚ー゚)「姉さんの名案はちょっと…」
(*゚∀゚)「自転車でいこう。病院にあるのをひとつ失敬して」
(*゚ー゚)「……」
(´・ω・`)「採用」
(*゚ー゚)「なんで!?」
('A`)「はぁ!?」
- 241: 名無しさん :2007/01/27(土) 22:58:00
- ドクオとつーは、病院の自転車置き場で自転車を物色していた。
こういう所でもひとつやふたつは鍵をかけていないのがあるものだ。
('A`)「お、これ鍵かかってない。荷台もあるしこれで良いんじゃね?」
(*゚∀゚)「そだねぇ」
('A`)「にしても自転車かよ…さっきまで怪我人だったのに漕いで大丈夫かな」
(*゚∀゚)「ん?お姉さんが漕いであげるよ?」
('A`)「いや、そういうつもりじゃ…」
(*゚∀゚)「ていうか、私のほうがドクオ君より力あると思うけど」
('A`)「……むぅ」
たしかに、バイクがないとドクオはただの若者だ。
つーも肉体スペック的には通常の人間と変わらないが、鍛え方が違う。
ショボンや1年前の内藤の影に隠れてどうしても侮ってしまうが、しぃもつーも、常人どころではない身体能力を有している。
ドクオの脳裏に、買い物に出かけた時のことが思い出される。
いつも重い荷物はつーが持っていた。というより、ドクオではきつい荷物を軽々持っていた。
('A`)「いやけどなぁ…面子というか、男が女に漕がせるっていうのは」
(*゚∀゚)「全然おっけー。良く見かけるけど?…ところでドクオ君」
('A`)「ん?」
(*゚∀゚)「浮気?」
('A`)「……は?」
- 242: 名無しさん :2007/01/27(土) 22:58:14
- -大学-
ショボンがまだ市庁舎にいたころ。
内藤とツンは大学にいた。
いくつかの照明の下、内藤が大掛かりな機械に拘束されている。
( ^ω^)「おっおっお…極楽だおー」
ξ゚听)ξ「…それ、やけに気持ちよさそうね」
それはいわゆる、メディカルマシーンだった。
再生能力者の力を再現すべく、様々な電磁振動を組み合わせ使用者の代謝を促進させ負傷を治す。
が、その代謝のせいで体からは垢が出るわ汗はかくわ。
そのために風呂を一体化させジャグジーをつけて…と改良を加えていった結果、その機械は実用化には遠いほど巨大化してしまった。
それを置く場所は大学にはないはず。
ここは、大学の地下にあるペニサス伊藤の秘密研究室だった。
ξ゚听)ξ「それにしても…こんな部屋を勝手に作ってたり、この機械だったり…先生、どういうことなんです?」
( ^ω^)「それに都合よく僕達のとこに通りがかったり…あれ、偶然じゃないですお?」
('、`*川「……そうね」
あの時内藤たちの前に現れた車は、ペニサスの車だった。
詳しいことを説明せずにここまで来たペニサスが、どこから説明したものかと思案する。
('、`*川「ラウンジという組織に、一人の科学者がいたわ」
- 243: 名無しさん :2007/01/27(土) 22:58:28
- その女科学者は、才能がある人間だった。
その中でも天才の部類にはいる彼女は、世界中で様々なプロジェクトにかかわり、成果を挙げた。
故にある日、ラウンジに無理やり連れ去られ、協力させられた。
彼女はラウンジでたくさんのものを開発した。
4脚4輪の機動軽戦兵器を作り、身体能力を増幅させる強化服の研究にも関わった。
それに見合う金も貰いはしたが、それでも彼女は逃げ出す機会をうかがっていた。
('、`*川「ある日、その科学者の恋人がラウンジの研究所に忍び込んだ。彼は武術の達人だった」
その男は科学者を連れて逃げ出すことに成功し、彼女ともども追われる身となった。
科学者はお蔵入りしていた強化服のプロトタイプを持ち出し、彼に与え対抗する力とした。
彼女を守るため、彼もそれを望んだ。
だが、たった二人。
数年後にやがて数の力に押され、科学者は再び連れ去られる。
傷つきながらも男が駆けつけた先には、手足をそぎ落とされた科学者の姿と、仕掛けられた罠。
巻き上がる炎と衝撃の中、それでも男は科学者を、恋人を抱きしめた。
手足を失ったその体を守るように。
爆炎に焼かれながらも男は生き残り、科学者を焼け残った研究室で治療した後、力尽きた。
('、`*川「その科学者の名前はペニサス伊藤…男の名前は、ホライゾン…」
- 244: 名無しさん :2007/01/27(土) 22:58:43
- ξ゚听)ξ「…!?」
(;^ω^)「紅夜叉ホライゾンの…?先生が…?」
('、`*川「私は生き残った。彼を利用し彼に助けられて…見なさい、この腕を」
ペニサスは白衣の腕をまくる。
普通の腕だった…手首までは。
人工皮膚に覆われた手首から先には、鈍い鉄色の腕がある。
ξ゚听)ξ「鉄の義手…?」
('、`*川「機械仕掛けの腕。両手両足全部。ちゃんと普通に動くのよ、これ。研究室にあったこれを、最後に彼がつけてくれた」
自らの腕を見つめるペニサスの表情は、今まで見たことのないものだった。
悲しみと愛しさの同居した、とても真似できないような目。
('、`*川「その後私は身動きとれなかったから、結局つかまっちゃったんだけどね」
(;^ω^)「モニュの話…それに1年前、荒巻さんに聞いた話の…科学者」
('、`*川「荒巻?…荒巻スカルチノフ?あの人を知ってるの?」
( ^ω^)「…1年前、僕達はジョルジュ長岡って奴と戦って倒したお。それに協力してくれたのが荒巻さんだお」
('、`*川「ジョルジュ長岡…!倒したの!?あれを!」
信じられないという顔でペニサスは内藤を見つめた。
そうだろう。ペニサスを直接追い、ホライゾンと戦ったのは他ならぬジョルジュ長岡なのだ。
そのジョルジュの力を知っているのなら、目の前の青年に打倒できない相手だと思うのは当然だ。
( ^ω^)「…僕は、VIPPERなんですお。いや、だったんですお」
('、`*川「な…!」
- 245: 名無しさん :2007/01/27(土) 22:58:57
- ('、`*川「いや、そうか…だから内藤君はホルダースキルに不自然なほど詳しかった、のね。それにしてもまさかアイツを…」
ペニサスは数年前の、二度目のラウンジからの脱走を思い出していた。
それは、同じように脱走する科学者に連れられての脱走。
追っ手の目をその科学者がひきつけてくれたおかげで、ペニサスは比較的無事に身を隠せた。
('、`*川 (スカルチノフ博士…あなたは自分の息子を殺す手助けを…)
荒巻が長年仕えたラウンジを脱走した理由を、ペニサスは知っていた。
自分の息子の所業への自責の念。
逃げ出す途中でそれを聞かされたから。
('、`*川 (罪滅ぼしですか?スカルチノフ博士…)
('、`*川「…スカルチノフさんは今どこに?」
( ^ω^)「ロシアのアスキーアートって街にいるはずですお」
('、`*川「そう…私と同じように、ラウンジが手出ししにくい受け入れ都市に逃げ込んだのね」
ξ゚听)ξ「先生が前に言ってた探し物っていうのは内藤の着てたあの服のこと…?」
('、`*川「ううん。あれはラウンジにあるはずだったから…それが何でここにあるのかも謎だけど、それとは別のものよ」
( ^ω^)「別のもの?」
('、`*川「そ、昔私が作った物…いや、者かな?それがこの街にある」
そういって、ペニサスは小さな手鏡のような機械を取り出した。
それはレーダーのようだった。
現在地を表す画面中央に光点がひとつ、少しはなれた先にもうひとつ。
('、`*川「中央にあるのが強化服…紅夜叉ね。一応これも探し物というか、気になる物ではあったから。それで、このちょっとはなれた所にあるのが探し者」
( ^ω^)「街の中にあるのかお…これもラウンジ関係のものなのかお?」
('、`*川「そう。リリィっていうね」
ξ゚听)ξ「リリィ?」
( ^ω^)「ドクオのバイクの!?」
('、`*川「…ちょっと待った。まさかそれも知ってるの?」
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