ブーンが魔法学校に入りそこねたようです

282:ハリーブーン ◆Ft7KkczakA :2006/05/09(火) 23:18:57.14 ID:wxkjnbYc0
  
──魔力が足りない

斬る為には魔力が必要

──魔力が足りない

貴重な魔力を無駄に浪費

──魔力が足りない

生贄を探し魔力を補給

──魔力が足りない

不安 不安 不安 不安 不安

──魔力が足りない

恐怖 恐怖 恐怖 恐怖 恐怖

──魔力が足りない

独り 独り 独り 独り 独り

──魔力が足りない



300:ハリーブーン ◆Ft7KkczakA :2006/05/09(火) 23:26:25.21 ID:wxkjnbYc0
  
気配を消す

息を殺す

深夜 人もいない

ここは グリフィンドールの寮

──男?女?

──どちらでもいい

魔力が入ればなんでもいい

なんでもいい

気配を感じる

気配を感じる

遠い

遠い

近い

近い





302:ハリーブーン ◆Ft7KkczakA :2006/05/09(火) 23:28:18.88 ID:wxkjnbYc0
  
「誰?」

「こんにちはお嬢さん」

「貴方は?」

「今宵も良い夜ですね」

「こんな時間に何をしているの?」

「徘徊ですよ 先輩」

「今直ぐ寮に戻りなさい」

「そうはいきません」

「何?」

「先輩、ボクの為に


死んでくれませんか?」

投影開始



308:ハリーブーン ◆Ft7KkczakA :2006/05/09(火) 23:30:56.24 ID:wxkjnbYc0
  
描くモノ

それはいつしか もっていた 剣

先輩は驚く

「貴方、一体何者なの?」

「ボクですか? 知りませんよそんな事」

被っているフードのお陰か

顔は見えないらしい

顔なんて見られようが見られまいが

同じ事

死人に口ナシ



309:ハリーブーン ◆Ft7KkczakA :2006/05/09(火) 23:34:10.03 ID:wxkjnbYc0
  
「その剣は・・・!貴様スリザリン生徒か!」

無駄口を叩いている先輩に剣を振るう

容赦ない一撃

絶対に避けれない一撃

呪いの一撃

先輩だったものが二つになる


なる



なったはずだった

そこには何もなかった

「女性に剣を向けるなんて スリザリン生徒は教育がなっていないね」

後ろから声が聞こえる

オカシイ 手ごたえはあったはずだ



313:ハリーブーン ◆Ft7KkczakA :2006/05/09(火) 23:35:56.41 ID:wxkjnbYc0
  
どうやって避けた?

ここの魔法使いときたら、全員ノロマのはず・・・




だめだ、この剣は普通すぎる

何の魔力も

効果もない

ただの剣だ

しっくり来ない

雌豚1人殺せない

何の役にも立たない

ゴミだ



319:ハリーブーン ◆Ft7KkczakA :2006/05/09(火) 23:38:40.69 ID:wxkjnbYc0
  
「驚いてる様子ね、少しは勉強しなさい」

女は杖でボクに向けてくる

魔法が来る

避けなくては

当たるとまずい

アレは当たるとまずい

危険信号が鳴る

当たってはダメダ

アレを甘くみて オレは一度死んだ


──アレを甘く見て?

──死んだ?



321:ハリーブーン ◆Ft7KkczakA :2006/05/09(火) 23:40:47.03 ID:wxkjnbYc0
  
紙一重で避ける

呪いの魔法から逃れる

死の魔法から逃れる

「大人しく、カエルになっていればいいものを」

アレは危険

死ぬ

死ぬ

死ぬ

神経が全て死ぬ

脳が死ぬ

動けなくなる

冷たくなる

自分の身体が 別人の身体のようになる



323:ハリーブーン ◆Ft7KkczakA :2006/05/09(火) 23:42:46.49 ID:wxkjnbYc0
  
「さぁ、大人しくしなさい この暴れん坊!」

再び魔法が来る

来る

来る

避ける

避ける!!!


死ぬ

死ぬ

やだ

死にたくない

約束した

死亡フラグ

やだ

ヤダーーーー!!!



326:ハリーブーン ◆Ft7KkczakA :2006/05/09(火) 23:45:07.06 ID:wxkjnbYc0
  
「何!?」

オレは女に駆け寄る

魔法が怖い

死ぬのが怖い

冷たいのはやだ

ガキィイイン

杖を弾きとばす

剣が砕け散る


手に何も無い

無い

手が無い

手段が無い

この女を殺せる手段が



329:ハリーブーン ◆Ft7KkczakA :2006/05/09(火) 23:46:18.05 ID:wxkjnbYc0
  
「あああああああああああああああああああああああああああ!!!」

ボクは脅える

殺される

殺される

もうだめだ

殺される

また殺される

殺される

怖い

怖い

怖い

怖い



330:ハリーブーン ◆Ft7KkczakA :2006/05/09(火) 23:48:03.05 ID:wxkjnbYc0
  
脳裏に浮かぶ少女

その少女は 手を離す

手を離す


ボクは独り

行く道は黒

でも独り

孤独と呪い

あるのは親の首一つ

首が語りかける

何故殺した



343:ハリーブーン ◆Ft7KkczakA :2006/05/09(火) 23:53:52.59 ID:wxkjnbYc0
  

自分の世界は

あんな荒野だったか?

あんなノコギリのようなものがいっぱいあった世界だったか?

──否

オレはいつも

暗闇の世界で独りでいた

そう アレはオレの世界じゃない

俺の世界は

違う

俺の世界は
 
「 紅蓮宵影 」

紅い血の沼と 黒い影の世界

そこは 地獄のような世界だった



347:ハリーブーン ◆Ft7KkczakA :2006/05/09(火) 23:56:38.78 ID:wxkjnbYc0
  
「え???空間移動魔法?え??」

血の沼地

地面など存在しない

辺りは薄暗く

黒い影が蠢いている

地獄の世界

絡みつく黒い影

身動きが出来ない

「な、なんなのこの世界?」


そこに 少年が立っている

先ほどまで対峙していた少年が

少年は泣いている



349:ハリーブーン ◆Ft7KkczakA :2006/05/09(火) 23:59:01.66 ID:wxkjnbYc0
  
影が絡みつく

身動きが出来ないなんてレベルではない

大人数人の腕で押さえつけられたような圧力

手首に絡みつき

胸に絡みつき

そして首に絡みつく

呼吸が苦しい

心臓が苦しい

内臓まで押さえつけられた感覚

「あ、、ああ、、あああ、、、あ」

声が出ない

少年は泣いている

何もしない

影が増える



365:ハリーブーン ◆Ft7KkczakA :2006/05/10(水) 00:14:25.05 ID:iouM0WG40
  
手の骨が折れる

足の骨が折れる

全身の骨が折れる

血が溢れ出す

痛みは何故か無い

まるで自分の身体ではないように



全身から悲鳴が聞こえる

もう既に原型を止めていない

それをまるで他人事のように見る


そして

意識が

終わる



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