( ^ω^)ブーンが本屋で働くようです

217 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 14:32:24.27 ID:QQbEXjNU0
  
【第4話:意味深】

==内藤家==

J(‘ー`)し「ブーン、もう行くのかい?」

( ^ω^)「うん、ちょっと余裕持って行くお」

J(‘ー`)し「あのブーンがこんなに立派になって…カーチャンは嬉しいよ。
      気をつけて行っておいで」


(;^ω^)(…カーチャンに悪気はないんだろうけど、ちょっと心にグサッと来たお…)



218 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 14:32:53.22 ID:QQbEXjNU0
  
==書店『バー本ハウス』 事務所内==

( ^ω^)「おはようございますお」

(´・ω・`)「おはよう、ブーンくん。
      昨日しぃさんにせっつかれて書かされたシフト表、そこに貼ってあるから見といてね」

(;^ω^)(しぃさんって割と最強みたいだお)

( ^ω^)「えーと…今日は店長と僕とモナーさんとツンさんが出勤ですかお」

(´・ω・`)「うん。ツンさんは大学の授業があるから夕方からだけどね。
      つまりそれまでは男だけという素晴ら…いや、むさくるしい状況なんだよ」



219 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 14:33:22.00 ID:QQbEXjNU0
  
( ^ω^)(ツンさんって大学生なのかお…女子大生…フヒヒ)

(´・ω・`)「おk。全然聞いてないね」


(´・ω・`)「今日もレジにいてもらうけど、月曜だからかなり暇になるはずだよ。
      お客さんが来ない時は、カバーつける練習したりレジ周りを掃除したりしといてね」

(;^ω^)「わかりましたお。
     (確かにカバーは苦手だお…でもその前にあのメモを解読しないといけないお)」



221 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 14:33:52.23 ID:QQbEXjNU0
  
==書店『バー本ハウス』 レジ内==

( ´∀`)「あ、ブーンくん。おはよう」

( ^ω^)「おはようございますお」

( ´∀`)「今日はお客さんも少ないし、1人でも大丈夫だよね?
       僕はこれから出版社に電話しなくちゃいけないんだけど、店長が児童書コーナーにいるはずだから何かあったら呼ぶようにね」

( ^ω^)「はいですお」


( ^ω^)(「出版社に電話」なんて、いっぺんでいいから言ってみたいお)



222 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 14:34:28.77 ID:QQbEXjNU0
  
( ^ω^)(それにしても、確かに昨日と比べて店内がガランとした感じだお。
      よし、今のうちにメモの解読を…)

( ^ω^)「ん?」

('A`)ジーッ

(;^ω^)(だ、誰だお? 入って来るなりこっちをじーっと…
      まさか僕の知り合い? 学生時代の同級生とか? でも全然見覚えないお)



223 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 14:35:32.14 ID:QQbEXjNU0
  
(´・ω・`)「ブーンくん、悪いけど後ろの台の上にある「でかいけつソロリ」を取っ…
      ん? ああ、ドクオ様、いらっしゃいませ」

('A`)「ああ」

( ^ω^)「あ、店長のお知り合いの方ですかお?」

(´・ω・`)「僕は是非ともお知り合いになりたいんだが、今はまだそうじゃないね。
      こちらはドクオ様。いつもこちらでたくさんの本をお買い上げ下さる、まぁ要はお得意様だ」

('A`)「見慣れない顔だけど、新入りさんか?」

( ^ω^)「はい。ブーンと申しますお」

('A`)「ふーん。いつまでもつだろうな」



224 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 14:36:01.82 ID:QQbEXjNU0
  
(;^ω^)(…何か今去り際に、不吉なことを言ってったような)

(´・ω・`)「ブーンくん…」

(;^ω^)「は、はい、何ですお?」

(´・ω・`)「今の方は月に1度の割合で本のご予約をして行かれるんだが、もし頼まれたら必ず僕を呼ぶようにね」

( ^ω^)「? 何でですかお?」

(´・ω・`)「大人の事情は複雑なのさ」



225 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 14:37:05.05 ID:QQbEXjNU0
  
( ^ω^)(あれから1時間…
      時々ドクオさんが前を通るくらいで、お客さん全然来ないお。日曜とはえらい違いだお)

( ^ω^)(でも何だかマターリしてて落ち着くお…)

子ども「てんいんさん、これちょーだい」

( ^ω^)「あ、いらっしゃいませだお」

子ども「んとね、カードつかうの」

(lli ω )「!? (こ、こんなチビッコがカードを!?)」



226 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 14:37:31.85 ID:QQbEXjNU0
  
子ども「うさぎさんのー」

(;^ω^)(あ、図書カードのことかお…)

子ども「つかえる?」

( ^ω^)「はい、大丈夫ですお。
      2点で1228円頂戴しますお、図書カードお預かり致しますお」

( ^ω^)(図書カードは昨日も使ったお客さんがいたお。えーと、確か…)



227 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 14:38:17.69 ID:QQbEXjNU0
  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ξ゚听)ξ「1点で349円頂戴しまーす」

お客さん「じゃ、これで」

(;^ω^)(クッ、この雑誌なら中サイズの袋で足りるかと思ったのに入らないお。途中までは何とか入ったのに…)

ξ゚听)ξ「図書カードお預かり致します」

(; ω )(!? しまったお、雑誌が抜けないお! アウアウ)

ξ゚听)ξ「こちら残額が651円となっております、もう少々お待ち下さいませー。
     (…コイツ何やってんのかしら)」

(;^ω^)(良かった、どうにか取れたお。今度は無理せず大きい袋に入れるお)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



228 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 14:38:49.56 ID:QQbEXjNU0
  
(; ω )(しまったお、ツンさんに任せっぱなしだったお! しかも手順見忘れてたお!)

(;^ω^)(えーと、メモには…)


『としよカ いれる ねだん うり→ひき』


(;^ω^)(期待せずに見ると心のダメージも少ないもんだお)



229 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 14:39:19.56 ID:QQbEXjNU0
  
(;^ω^)(確かツンさん、レジスターの右側にあるこの機械をいろいろいじくってたお。
      いれる…入れるってどこに…?
      あ、下の方にそれっぽい口があるお。入れてみるお)

シュッ!

Σ(;^ω^)「!」

子ども「?」

(;^ω^)「あ、いや、何でもないですお。
     (ビビったお…ちょっとカードを差し込んだだけで中に引きずり込まれていったお)」



230 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 14:39:56.86 ID:QQbEXjNU0
  
(;^ω^)(なるほど、この後値段を入れて…、それからどうするんだお?
     「うり→ひき」…? 瓜悲喜? ???)

(;^ω^)(こんな時は現場をよく見つめ直すお。
      えーと、機械のボタンは、数字と何かよくわからないのと…ん? 右下に2つ…「売上」「引落」…)

( ^ω^)(! 思い出したお!
      値段の後は「売上」ボタンを押してから「引落」ボタンを押すんだお!)

( ^ω^)(わかってみれば簡単だお…
      あれ、何か画面に文章が出たお。
     「不足分228円」…って…)



231 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 14:40:18.54 ID:QQbEXjNU0
  
( ^ω^)「お客様、こちらのカードは1000円分でしたので、残り228円分お願い致しますお」

子ども「……」

( ^ω^)「?」

子ども「……(゚д゚)……」

(;^ω^)「! も、もしかして、お金…」



232 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 14:40:53.85 ID:QQbEXjNU0
  
母親らしき女性「あらあら、どうしたの」

子ども「ママ…おかね、たりないの」

母親「あらあらまったくこの子ったら、ごめんなさいねオホホ。
   お幾らかしら?」

( ^ω^)「残り228円分お願い致しますお」

(;^ω^)(お母さん連れで助かったお…よく考えたらこんな小さな子が1人で絵本買いに来るわけないお)



233 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 14:41:15.73 ID:QQbEXjNU0
  
( ^ω^)「230円お預かり致しますお、2円のお返しですお」

母親「どうも〜」

子ども「てんいんさん、ありがとー」


(;^ω^)(フゥ。だいぶ慣れたつもりだったけど、やっぱりまだまだだお。
      今度からは金額足りなかったらちゃんと聞くお…)



235 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 14:41:47.63 ID:QQbEXjNU0
  
==書店『バー本ハウス』 児童書コーナー==

('A`)(ふーん…)

(´・ω・`)「おや、ドクオ様。こんなところをご覧になるとは珍しいですね、独身のくせに」

('A`)「客に喧嘩売ってどうする。独身者が絵本見てたっていいだろ。
   ま、俺は別に絵本を見に来たわけじゃないがな」

(´・ω・`)「ここは本屋ですので喧嘩は売ってませんが…じゃあ、ここで一体何を?」

('A`)「ちょっとレジの様子を見てた。
   このタイミングで新人が入ってくるなんざ、どうせあんたが無理矢理引き込んだんだろうと思ったんだが…」

(´・ω・`)「だが?」



236 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 14:42:46.28 ID:QQbEXjNU0
  
('A`)「手際は悪い、笑顔はキモい、喋り方は奇妙奇天烈。
   だが必死だ。とても無理矢理引き込んだとは思えん」

(´・ω・`)「そこは「一生懸命」って言ってあげて下さいよ。それに私は無理矢理引き込んだりしてませんよ」

('A`)「どうだかな。
   ま、きっかけがどうであれ、あの新人ならしばらくはもちそうだ…」

(´・ω・`)「私のマグナムも長持ちすると有名で」

('A`)「ブーン、か。…期待してみるのも悪くないかもしれないな」

(´・ω・`)「おk。全然聞いてないですね」

【第4話:糸冬了】



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