( ^ω^)ブーンが本屋で働くようです

374 :◆BASomtjNvg :2006/05/12(金) 13:56:46.78 ID:ZAUIdL0D0
  
【第6話:怒涛】

( ^ω^)「おはようございますおー」

(´・ω・`)「やあ、おはよう。朝早くから済まないね」

( ^ω^)「いえ、大丈夫ですお。
      それより開店まで1時間もありますけど、何かすることが…
      …うっ? か、身体が…動か…」

(´・ω・`)「ふふふ、油断したな内藤ホライゾン。そっちは風下さ」


(´・ω・`)「レッツくそみそ」



375 :◆BASomtjNvg :2006/05/12(金) 13:57:04.25 ID:ZAUIdL0D0
  
( *ω*)「アッー!!」

(;^ω^)「…んっ? こ、ここは僕の部屋…
      な、何だ、夢だったのかお。びっくりしたお…」

(;^ω^)(でも本当に、1時間も前から行って何をするんだろうお?
      …一応警戒しておくお。常に気を引き締めるお)



376 :◆BASomtjNvg :2006/05/12(金) 13:57:27.95 ID:ZAUIdL0D0
  
==書店『バー本ハウス』 レジ前==

( ゚д゚)

( ´∀`)「驚きのあまり別人の顔になっちゃってるけど、ブーンくんだね?」

(;^ω^)「あ、モ、モナーさん。
      どうしてこんなところにダンボール箱のピラミッドができてるんですかお?
      ハッ、まさかライバル店の嫌がらせ…」

( ´∀`)「いや、この辺にある本屋はここぐらいだから、ライバル店なんて無いよ。
      そうか、ブーンくんは朝から入るの初めてだったか」

(;^ω^)「は、はい」



377 :◆BASomtjNvg :2006/05/12(金) 13:58:02.82 ID:ZAUIdL0D0
  
( ´∀`)「このたくさんのダンボール箱には、全部本や雑誌が入ってるんだ。
      今日発売の物とか、こちらから注文した物とかね」

( ^ω^)「すごい量ですお…」

( ´∀`)「頼んでもいない本を勝手に送り付けられたりもするからね。
      今日は土曜日だし、コミックスの発売日でもないから、これでも少ない方なんだ」

(;^ω^)(森林伐採問題の一端を垣間見た気がするお)

( ´∀`)「じゃ、これ全部1人で開けて棚に並べておいてね」

(  д )       ゚ ゚



378 :◆BASomtjNvg :2006/05/12(金) 13:58:22.32 ID:ZAUIdL0D0
  
( ´∀`)「冗談だよ」

(;^ω^)「言って良い冗談と悪い冗談がありますお」

( ´∀`)「もうすぐツンさんも来るはずだから、そうしたらまた指示を出すよ。
      それまではレジの準備をしておいてね」

( ^ω^)「レジの準備、ですかお?」

( ´∀`)「僕が金庫を持って来るから、レジの中にお金を出したり…
      後は袋とかカバー用の紙とかの補充をしたりね」

( ^ω^)「わかりましたお。まずはエプロンを着てきますお」



379 :◆BASomtjNvg :2006/05/12(金) 13:58:46.93 ID:ZAUIdL0D0
  
( ^ω^)「準備おkですお」

( ´∀`)「そう? じゃ、金庫を持って来るね」

( ^ω^)「お願いしますお。
      …あ、ところで今日、店長は?」

( ´∀`)「ショボン店長の定時は僕らのより少し遅いんだ。後30分もすれば来ると思うけど」

(;^ω^)(ホッとしたようなガッカリしたような)



380 :◆BASomtjNvg :2006/05/12(金) 13:59:15.80 ID:ZAUIdL0D0
  
ξ゚听)ξ「おはよーございます」

( ^ω^)「おはようございますお」

( ´∀`)「ブーンくん、レジの準備は終わったかな?」

( ^ω^)「お金だけはレジに出し終わりましたお」

( ´∀`)「うん、ひとまずはそれだけでいいよ。
      じゃ品出しを始めよう」

( ^ω^)「品田氏?」

( ´∀`)「(…何か違うような。ま、いっか)
      うん、入荷品を棚に並べることをそう言うんだ」



381 :◆BASomtjNvg :2006/05/12(金) 14:00:05.26 ID:ZAUIdL0D0
  
( ´∀`)「ただ並べるだけで済むならいいんだけどね…」

(;^ω^)「す、済まないんですかお?」

( ´∀`)「うん。例えば付録つきの物とかね。
      バラバラになったり付録だけ盗られたりするのを防ぐために、紐掛けをしなくちゃならないんだ」

( ^ω^)「あ…確かに、ビニール紐が掛かっている物がありますお」

( ´∀`)「立ち読み防止でもあるんだけどね。
      ちょっと特殊な掛け方だから、まずはそれを覚えてもらおうかな」

ξ゚听)ξ「あ、じゃあアタシが教えます」

( ´∀`)「うん、頼むよ。
      それじゃ2人はレジに行ってて。僕が紐掛けが必要な雑誌を選別して持って行くから」



382 :◆BASomtjNvg :2006/05/12(金) 14:00:32.62 ID:ZAUIdL0D0
  
==書店『バー本ハウス』 レジ内==

ξ゚听)ξ「ちゃっちゃと覚えてよ、朝は忙しいんだから」

(;^ω^)「はいですお」

ξ゚听)ξ「まず、これは棚から持って来た完成品。
     正面から見て紐はどんな形になってる?」

( ^ω^)「えっと…ダイヤ形、みたいな」

ξ゚听)ξ「そう。他の店では十字に掛けるところもあるみたいだけど、うちはこういう形」

ξ゚听)ξ「じゃ、詳しいやり方を説明するわよ」



383 :◆BASomtjNvg :2006/05/12(金) 14:01:08.97 ID:ZAUIdL0D0
  
ξ゚听)ξ「…っていう風にやるの。
     説明シーンを端折ったのは店によってやり方が異なるからで、決してAAで図解を試みたけど無駄に終わったからじゃないわよ」

( ^ω^)「わかりましたお。
      まず最初を親指で押さえて…裏に回して…表に戻して…反対…
      …できましたお!」

ξ゚听)ξ「そんなことぐらいで喜ばないでよ、出来て当たり前なんだからね。
     …まぁ、初めてにしちゃよく出来てるけど」

( ´∀`)「どう、覚えた?
      今日はけっこう付録つきのが多いから、ジャンジャン持って来ちゃうよ。
      一梱包に10冊前後入ってるけど、開店までに全種類を並べられるように、1種類につき2〜3冊ずつ掛けてね」



384 :◆BASomtjNvg :2006/05/12(金) 14:01:53.31 ID:ZAUIdL0D0
  
( ^ω^)(1度手順を覚えてしまえば簡単だお)

ξ゚听)ξ「あ、そうそう。小冊子タイプの付録ならわざわざ紐掛けなくてもいいから」

( ^ω^)「? でもそれだとバラバラになってしまいますお」

ξ゚听)ξ「輪ゴムを使うのよ。
     本誌と小冊子のページを真ん中辺りで開いて、まとめて輪ゴムをかけるの」

( ^ω^)「おぉ、自然な仕上がり」

ξ゚听)ξ「…何言ってんの」



385 :◆BASomtjNvg :2006/05/12(金) 14:02:14.82 ID:ZAUIdL0D0
  
ξ゚听)ξ「あと、付録がDVDの雑誌があったら言ってよ」

( ^ω^)「え?
      あ、そういえばさっきありましたお。
      中に綴じ込んであったんで、紐掛けずにスルーしましたけど…」

ξ゚听)ξ「それじゃ盗られちゃうでしょ。
     中のパック破って盗ってく人多いんだから」

(;^ω^)(世の中には悪い奴がいるもんだお)

ξ゚听)ξ「そういうのには紐じゃなくて、こっち」

( ^ω^)「…? ビニール袋ですかお?」



386 :◆BASomtjNvg :2006/05/12(金) 14:02:40.32 ID:ZAUIdL0D0
  
ξ゚听)ξ「中に雑誌を入れて、セロテープでとめるの。
     こうまでしても盗ってく奴がいるから困りものなのよね」

(;^ω^)(厳重な包み方だお。なのにこれでも盗む奴がいるなんて…)

ξ゚听)ξ「ま、最近はコミックとかの方が狙われやすいけど」

(;^ω^)(…僕はまだ万引きを見かけたことがないお。
      でももしかして僕が不注意なだけで、知らないうちに盗られてたりするのかお…?)



387 :◆BASomtjNvg :2006/05/12(金) 14:03:07.74 ID:ZAUIdL0D0
  
(´・ω・`)「おはよう。2人とも何だか神妙な顔つきで紐掛けしてるね」

ξ゚听)ξ「あ、店長。おはようございます」

ビクッΣ(; ω )「お、おはようございますですお」

(´・ω・`)「?(何か様子が変だな…)
      どうかしたかい、ブーンくん。具合が悪いなら事務所で少し休むかい?」

(lli ω )「(つ、連れ込まれる!?)
      だだっ大丈夫ですお、僕レジ大好きですお!」

(´・ω・`)「?」
ξ゚听)ξ「?」



388 :◆BASomtjNvg :2006/05/12(金) 14:03:46.46 ID:ZAUIdL0D0
  
(´・ω・`)「まぁ、平気ならいいけど。
      もうすぐ開店だから、全種類出せるように頑張ってね」

(;^ω^)(…我ながらちょっと挙動不審だったお。
      店長はいつもの優しい店長だお、失礼な真似は禁物だお)

(´・ω・`)「あ、そうそう、言い忘れてた。
      今日はしぃさんもいないし、面倒なので朝礼は無しです」

ξ゚听)ξ「はーい」

(;^ω^)(…店長はいつもの、面倒くさがりの店長、に訂正するお。
      というか面倒だから朝礼しないってアリなのかお…?)



389 :◆BASomtjNvg :2006/05/12(金) 14:04:07.79 ID:ZAUIdL0D0
  
ξ゚听)ξ「えーと、まだ紐掛け済んでないのはこの種類だけね。
     アタシはコミックの整理があるから行くけど、ブーン、後はアンタに頼むわよ」

(;^ω^)「わ、わかりましたお」

( ^ω^)(……ん?)


(*^ω^)(…今、ブーンって…)



390 :◆BASomtjNvg :2006/05/12(金) 14:04:40.37 ID:ZAUIdL0D0
  
( ´∀`)「いらっしゃいませー」

ハッΣ(;^ω^)(しまったお、幸せに浸っていたらいつの間にか開店時間だお!
        1時間ってこんなに短かったかお?)

(;^ω^)(い、急いでこの最後の種類の紐掛けを…)

(; ω )(ってよく見たら、後ろにまだかなりの量が残ってるお! 何故に!?)

※2〜3冊ずつ紐掛けしただけだから。



391 :◆BASomtjNvg :2006/05/12(金) 14:05:27.31 ID:ZAUIdL0D0
  
(;^ω^)(いや、冷静になるお。冷静こそプロの基盤だお。
      ひとまず全種類棚に出すのが最優先だお。
      つまり今手の中にあるこの雑誌さえ紐掛けしてしまえば、最優先任務は果たされるということに)

( ^ω^)(あ…お客さんが来たお。
      どんなに切羽詰まった状況でも声掛けを忘れない、それがプロだお!)

( ^ω^)「いらっしゃいませー」

<ヽ`Д´>「謝罪と賠償を要求するニダ!」

(; ω )(工エエェェ(; ω )ェェエエ工!?)


【第6話:糸冬了】

小ネタ〜その頃のしぃさん


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