( ^ω^)ブーンが剣と魔法の学園に入学したようです
- 35:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:30:05.29 ID:RlsasHOM0
- その戦いは、あっけなく終わった。
(*‘ω‘ *)「『メラ』だっぽ!」
('A`)「効かないぜ!」
ちんぽっぽの唱えた魔法は無効化され、
(*‘ω‘ *)「な!?」
('A`)「『ハイパーハンマー』!」
隙をついたドクオの奇襲が、ちんぽっぽの鎧を叩き割った。
(*‘ω‘ *)「うぐっ!」
倒れたちんぽっぽの目前に、ドクオの手斧が向けられる。
(*‘ω‘ *)「油断したっぽ……まさか魔法をもろともせずに向かってくるなんて……」
- 36:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:31:17.21 ID:RlsasHOM0
- レフェリー「勝者、ドクオ選手!」
沸きあがる歓声。舞い起こる賛辞。
そんな中1人、冷めた目でドクオを見つめる男がいた。
( ><)「……強いんです」
ビロードは立ち上がり、観客席を後にする。
( ><)「仇は必ず討つんです、ちんぽっぽ……」
誰もいないロビーにたたずむビロードの拳は、硬く握り締められていた。
( ><)「次の相手はショ……うっ!?」
ビロードは急に立ち止まった。その顔は汗にまみれ、息が荒い。
彼はふらふらとふらつくように柱に寄りかかり、両手で腹をおさえた。
(;><)(き、急にお腹の調子が悪いんです……)
- 37:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:32:07.81 ID:RlsasHOM0
- (´・ω・`)(そろそろ効いてきただろうか、僕の呪い)
まさに外道。
( ゚∀゚)「うっうっ、俺だって負けたくて負けたわけじゃねえってのによお……
モナーが、モナーがいぢめるぅ」
(;^ω^)「落ち着くお、ジョルジュ。相手が弟者先輩じゃ仕方なかったお」
('A`)「思ったよりあっけなかったな、ちんぽっぽの野郎」
ブーンがジョルジュを慰めていると、凱旋したドクオが姿を現した。
( ^ω^)「あ、ドクオ! 3回戦進出おめでとうだお!」
('A`)「おう! 次はお前が相手だな、ブーン」
(;^ω^)「え、mjd?」
('A`)「……」
( ´∀`)(さっきの彼――ドクオ君の試合……やっぱり何かひっかかるモナ)
- 38:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:33:08.10 ID:RlsasHOM0
- ショボンの試合はなぜか彼の不戦勝となり、1年の部の2回戦は全試合終了した。
トーナメントはもはやベスト8を残すのみである。
( ´∀`)「3回戦、いってくるモナ」
( ^ω^)「がんばるお、モナー!」
ブーンたちの激励を受け、モナーが立ち上がった。
剣を二振り佩いているが、防具は身につけていない。
( ゚∀゚)「おい、モナー」
( ´∀`)「なんだモナ?」
( ゚∀゚)「相手はあのシラネーヨだ。油断するなよ」
( ´∀`)「分かってるモナ」
- 40:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:34:06.32 ID:RlsasHOM0
- 闘技場では既に、シラネーヨがモナーを待ち構えていた。
こちらも防具はつけておらず、槍を1本持って矛先を天に向けている。
( ´ー`)「ようモナー、久方ぶりだな。会いたかったぜ」
( ´∀`)「こっちは会いたくなかったモナ」
( ´ー`)「そう言うなよ。去年の借りをまだ返してないんだからさ」
シラネーヨは持っている槍を構え、矛先を今度はモナーへと向けた。
モナーはそれを睨みつけ、鞘から一振りの剣を抜く。
( ´∀`)「お前相手なら、二刀流で戦う必要もないモナ。瞬殺してやるモナ」
( ´ー`)「今回はそうはいかないぜ。レフェリー、さっさと始めな!」
司会「わかりました、すぐに始めたいと思います。
戦士科、短・長剣術専攻のモナー選手。
同じく戦士科、槍・棒術専攻のシラネーヨ選手です。
では、試合開始!」
- 41:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:35:06.91 ID:RlsasHOM0
- 試合開始と共にシラネーヨが打って出た。
鋭い突きを連発するが、モナーは易々と全てを回避する。
( ´ー`)「おらおらぁ!」
( ´∀`)「こんなものかモナ。すぐに終わらせてやるモナ」
モナーはそう呟くと、持っていた剣をシラネーヨに投げつけた。
なんとかそれを避けるシラネーヨ。だが体勢を崩し、すぐにはその場を離れられそうにない。
( ´∀`)「これで終わりだモナ!」
モナーは間合いを取ると、どこに持っていたのか、次々とナイフを投げつけた。
しかしシラネーヨはまるでその攻撃を予測していたかのように、槍を回転させて
ナイフを全て叩き落とす。
( ´∀`)「なっ!?」
地面に落ちたナイフがカラカラと音を立てた。
- 42:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:36:12.04 ID:RlsasHOM0
- ( ´ー`)「フフフ、見えるぜ。体のあちこちにナイフを身に着けているな。
それだけじゃなく、両腕に仕込み刀まで装備しているとは。
流石は『人間武器庫』の異名を持つだけある」
(;´∀`)(そんなダサい異名をつけられてたのかモナ……)
( ´∀`)「! まさか……」
ふとモナーは、以前ジョルジュが言っていたことを思い出した。
( ゚∀゚)「おいモナー、フクスケール知らないか? あの服が透ける薬」
(;´∀`)「知らないモナ。というか、また変なものを作ったモナな」
( ゚∀゚)「おっかしいな、確かに薬品棚においたはずなんだけど……」
( ´∀`)「フクスケールがなくなっていたのは、お前の仕業かモナ!」
( ´ー`)「シラネーヨ。お前がナイフを投げてくるのは簡単に予想できた、とだけ言っておく」
(;´∀`)(ヤツが本当にフクスケールを飲んでいたとしたら、こっちの武装は
全てお見通しってことかモナ。
それに加え、どの武器を用いてくるか一目で丸分かりモナ……)
- 43:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:37:13.33 ID:RlsasHOM0
- ( ^ω^)「モナーの攻撃が効かないお。一体何者だお?」
( ゚∀゚)「ヤツの名はシラネーヨ、戦士科の槍・棒術専攻……ってのは司会が言ってたな。
去年の夏季大会準決勝で、モナーにボコボコにされた男だ。
さらに秋季大会では、初戦で俺たち生活魔法部に敗退。冬季大会なんか
予選でやられた。もちろんモナーに」
(;^ω^)「うわあ」
(´・ω・`)「へえ、モナー先輩ってかなり強いんだね」
('A`)「あの太刀筋は本物だぜ」
( ゚∀゚)「今まではモナーの圧勝だったんだが、
どうやら今回は相当の修行を積んできたみたいだな」
- 44:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:38:16.31 ID:RlsasHOM0
- ( ´ー`)「まだまだいくよーっ!」
シラネーヨが追撃に出た。
本気を出していなかったのか、その突きは先程とは比べ物にならないほど鋭く、速い。
モナーは剣で受け流すので精一杯だ。
( ´ー`)「巫女! みこ! ナース!!」
(;´∀`)「ゲフッ!?」
シラネーヨが見事な三段突きを繰り出し、その一撃がモナーの胸を捉えた。
腕輪の効果でダメージが軽減されるとはいえ、モナーの呼吸は一瞬停止する。
( ´ー`)「もらったぁ!」
よろめいたモナーを狙い、シラネーヨが槍を突き出した。
( ´ー`)「『スカッシュ』!!」
(;´∀`)「!」
(;^ω^);゚∀゚)「モナー!!」
- 46:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:39:18.41 ID:RlsasHOM0
- (;´ー`)「なっ!?」
しかしシラネーヨの槍は空を貫き、モナーに当たることはなかった。
シラネーヨの視界には、既にモナーの姿はない。
(;´∀`)「危なかったモナ」
その声はシラネーヨの背後から聞こえた。
シラネーヨは振り向くことなく、声の主に向かって話しかける。
(;´ー`)「なるほど、“縮地”か。超スポーツ『テニヌ』などで使われる、瞬時に移動する技能……。
だが、後ろをとった時にトドメを刺すべきだったな」
( ´∀`)「そんな真似をしなくても、お前に勝つのは簡単ということだモナ」
モナーは腰に佩く二振り目の剣を抜いた。
- 48:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:40:18.39 ID:RlsasHOM0
- (;゚∀゚)「あっ、あの剣は!」
( ^ω^)「知っているのかお、ジョルジュ!?」
( ゚∀゚)「あれは東洋の刀、それも研無刀だ!
真剣は切れ味がある分あつかいやすいし
素人から玄人まで幅広く使われている剣士の基本武器。
対して研無刀は見た目なんかは真剣とほとんど変わらねぇが、
あえて斬れない様に鋭く研がない分、
硬度と重量をかなり増加させて斬るより破壊を目的とした、
玄人好みのあつかいにくすぎる刀。使いこなせねぇと
ナマクラ刀より弱い、ただの鉄クズみてぇなもんだってのに」
(;^ω^)「何だお、その説明口調は」
(;゚∀゚)「あ、口が勝手に」
- 50:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:41:38.97 ID:RlsasHOM0
- ( ´∀`)「思った以上に腕が立つことは認めるモナ。しかし、まだまだだモナ」
( ´ー`)「ぬかせっ!」
シラネーヨがモナーに躍りかかった。槍を大きくなぎ払い、標的を狙う。
しかしモナーはかがんでそれを避け、シラネーヨに突撃した。
(;´ー`)「何ッ!?」
( ´∀`)「おりゃあっ!」
モナーは刀で斬りつけるが、すんでのところで受け止められた。
その瞬間、モナーの腕の仕込み刀が跳ね上がり、シラネーヨを狙う。
(;´ー`)「だからそいつはお見通しだと……ぐっ!?」
( ´∀`)「分かってるモナ。これはオトリだモナ」
仕込み刀はシラネーヨの目前で止まっている。
だがモナーの膝蹴りは、完璧にシラネーヨのみぞおちに入っていた。
- 52:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:42:45.22 ID:RlsasHOM0
- (;´ー`)「な、くっ」
( ´∀`)「でええええいっ!」
モナーの連続切り返しを、何とか槍で受け止めるシラネーヨ。
だが数回目の攻撃で、シラネーヨの槍は叩き折られた。
そのチャンスを見逃すモナーではない。
( ´∀`)「『逆風の太刀』!」
(;´ー`)「ガハッ!」
炸裂する切り上げの一撃。
シラネーヨはそのまま吹っ飛び、場外へと墜落した。
レフェリー「勝者、モナー選手!」
( ゚∀゚)「さすが研無刀!」
(;^ω^)「だから何なんだおソレは!?」
- 53:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:43:40.24 ID:RlsasHOM0
- (;´∀`)「ふう、準決勝進出したモナ」
( ゚∀゚)「おう、乙!」
試合を終えたモナーが観客席へと戻ってきた。
('A`)「さて、次は俺たちの番だな、ブーン」
(;^ω^)「ドクオが相手かお……やりづらいお……」
('A`)「おいおい、さっき俺が言ったことを忘れたのか?」
――戦士だったらよ、たとえ仲間でも剣を向け合ってみたくなるのさ。
ましてや公然と戦える武闘会なんだからよ、なおさらだ。
( ^ω^)「あ……」
('A`)「そういうことだ。先行ってるぜ」
ドクオは席を離れ、姿を消した。
( ^ω^)(そうだお、迷うことはないお! 全力を出し切るお!)
ブーンは剣を握り締め、再び決意を誓った。
第16話 おわり
戻る