( ^ω^)がリングに帰ってきたようです
- 54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/06(木) 22:56:10.96 ID:QwC6qFTKO
- 第7話 一番強かった男
リング中央で二人は挨拶がわりにグローブを合わせる。
('A`)「いいか!ブーン!基本を忘れるな!」
( ^ω^)「わかってるお!」
セコンドのドクオのアドバイスを聞き、ジョルジュとの間合いをとりながらブーンは軽やかにステップを刻む。
(実´∀`)「さて解説のシラネーヨさん、この試合どう見ますモナー?」
(解´ー`)「そうですね、長岡選手はVIPに復帰後連戦連勝、
おまけに魅せる事を得意とする選手ですし、この試合、何か起こるでしょうね…」
(実´∀`)「そうモナね、僕も長岡選手は何かしでかすと思うモナよ。
相手のホライゾン選手はデータによると、今回が復帰後初試合らしいモナね。」
- 55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/06(木) 22:56:37.31 ID:QwC6qFTKO
- (解´ー`)「らしいですね、実況のモナーさん。
それにしても今時のVIPの選手としては彼は変わっていますね…
体重が85kgというのも驚きですし、何より足を使うタイプというのは本当に珍しい。
恐らくポイントを稼ぐ事に重きをおいた選手なんでしょうが…」
(実´∀`)「しかし僕が今まで見てきた試合で判定までいったのは片手で数えるぐらいしかないモナ。
VIPの選手はほとんどがインファイターだから、大抵はどっちかが倒れて試合終了モナ。」
リングの外では実況と解説が何か言っていたが、リングの中の2人はそんなことに全く興味が無かった。
( ゚∀゚)「…」
リング中央から1歩も動かず、ブーンの動きを見続けるジョルジュ。
- 56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/06(木) 22:57:34.85 ID:QwC6qFTKO
- ( ^ω^)「(まずは様子見だお…)」
( ^ω^)「シッ!」
目にも止まらぬ速さでジャブをジョルジュに当てるブーン。
ジョルジュはかろうじてガードするが、心底この速さはやばいと思った。
( ゚∀゚)「(こりゃあうかつに動くわけにはいかねーな…)」
アウトボクサーでありながら、インファイターさながらの拳の重さを持つブーン。
それはジャブでありながらジャブの威力ではなかった。
('A`)「(あいつは元はインファイターだったんだろう…
初めてスパーをした時、あいつの空を切るスイングに恐怖を覚えたもんだ…)」
- 57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/06(木) 22:59:54.16 ID:QwC6qFTKO
- ('A`)「(あいつは俺に足りなかった拳の重さを備えている…
俺が現役だったころにあいつほどのパンチ力があればな…
へへ、だが今となっちゃそんなことはどうでもいい…)」
('A`)「(今はあいつをVIPPERにすることが俺の夢だ…!)
いけ!ブーン!躊躇するな!当てなきゃ始まんねーぞ!」
( ^ω^)「わかったお!」
ブーンはギアをあげていき、ジョルジュにラッシュを浴びせていく。
( ゚ω゚)「だおだおだおーーーっっっ!!」
(;゚∀゚)「ぐっ…!」
- 58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/06(木) 23:00:10.07 ID:QwC6qFTKO
- (実´∀`)「おおっと!長岡選手がコーナーに追い込まれていきます!」
(解´ー`)「どうやらホライゾン選手はただポイントを稼ぎにいく選手ではなかったようですね。
長岡選手の復帰後の3試合全てにおいて、彼が追い込まれた所を私は見たことがなかったんですから。」
圧倒的に劣勢に見えたジョルジュだったが、ブーンの大振りの1発を見逃すことはなかった。
( ^ω^)「だおっ!」
ブーンがキメの1発を打ち込もうとした瞬間、ついにジョルジュが動いた。
- 59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/06(木) 23:00:49.16 ID:QwC6qFTKO
- ・
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・
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・
・
( ^ω^)「あれ?なんで天井が目の前にあるんだお?
…僕は確かジョルジュに―――」
覚えていたのは、自分が左フックを打とうとした瞬間、ジョルジュのグローブが視界に入った所までだった。
ブーンが自分の今の状況を理解しようと努めていると、声が聞こえてきた。
('A`)「ブーン!立て!立つんだーーー!」
ボブ「…4!5!6!」
(;^ω^)「ち!ちょっと待つお!」
ボブのカウントとドクオの叫びを聞いて、ブーンは自分が倒れていたことを知った。
急いで起き上がり、ファイティングポーズをとるブーン。
- 60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/06(木) 23:02:01.00 ID:QwC6qFTKO
- (実´∀`)「いや〜、先ほどの長岡選手のカウンターは見事だったモナね。」
(解´ー`)「ええ、よくあの一瞬を見逃さなかった。冷静な証拠です。
ホライゾン選手も立ちはしましたが、足にきているようですね、膝が笑ってますよ。
無事このラウンドを切り抜けて次ラウンドに持ち越したいところでしょうが、長岡選手がそれをさせてくれるかどうか…」
ボブ「…ボックス!」
ボブが言うやいなや、ジョルジュがブーンに突っ込んでくる。
足を使えないブーンはあっというまにコーナーに追い込まれ、
先ほどとはうってかわってあっというまにピンチになった。
(;'A`)「ブーン!今はとりあえず逃げろ!無理ならガードしてでもまともに喰らうんじゃねぇ!」
(;^ω^)「わかったお!(やばいお…足が使えないとなるとゴングが鳴るまで保つかどうかだお…)」
( ,,゚Д゚)「ゴルァ!ジョルジュ!今を逃すんじゃねぇ!このラウンドで決めっぞ!」
- 61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/06(木) 23:04:25.12 ID:QwC6qFTKO
- ( ゚∀゚)「わーってるよ!(今ここでキメておかないと次ラウンドに持ち越されて、回復するかもしれないからな…
足をまた使われたら厄介だ…しょうがねぇ、アレを使うか…)」
(実´∀`)「長岡選手、コーナーのホライゾン選手をメッタ打ちです!」
(解´ー`)「しかしホライゾン選手は全てをガードしきっている…
先のカウンターのダメージさえ抜けきればまた勝負はどうなるかわかりません。」
( ゚∀゚)「(いくぜ…!)おっ!!!」
ジョルジュがブーンのガードの上から左を叩きつけるように打ちおろし―――
(実´∀`)「アッー!長岡選手、打ちおろしの左から…」
( ゚∀゚)「ぱい!!!!」
そのままブーンの顎に向かって打ちおろした左をアッパーに持っていく―――
(解´ー`)「打ちおろしの左でガードを崩し、それを今度はアッパーとして放つ…
長岡選手お得意のコンビネーション『おっぱい!』ですね…」
(;゚∀゚)「くそ…!」
- 62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/06(木) 23:05:38.03 ID:QwC6qFTKO
- ジョルジュの左アッパーがブーンの顎を貫くことはなかった。
かろうじてグローブで顎をガードし、ブーンは直撃を避けていた。
(*'A`)「よくガードしたブーン!」
(;^ω^)「あ…危なかったお…」
カーン!
(実´∀`)「ここで第1ラウンド終了のゴングだモナ!」
(解´ー`)「いやぁ、なかなかのレベルの試合ですね…
正直ホライゾン選手が長岡選手相手にここまでやるとは驚きでした。」
- 63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/06(木) 23:06:29.36 ID:QwC6qFTKO
- 〜青コーナー〜
( ,,゚Д゚)「いいかジョルジュ!焦らず落ち着いていけ!
まさかあっちがお前相手にこれだけやれるとはな…
正直油断していたぞゴルァ…」
( ゚∀゚)「(当たり前だ、俺達の中でブーンは一番強かったんだからな…
むしろこれぐらいやってもらわないと困るぜ…!)」
( ,,゚Д゚)「ん?何か言ったか?」
( ゚∀゚)「いや…次で決着をつけてくる…」
- 64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/06(木) 23:07:21.75 ID:QwC6qFTKO
- 〜赤コーナー〜
('A`)「ブーン、足のほうはどうだ…?」
( ^ω^)「おっおっ、休んだおかげでもう大丈夫だお!」
('A`)「いいか!次のラウンドも足を使って使いまくれ! あの長岡とかいう選手はなかなかのテクニックを持ってやがる…絶対に気を抜くな!」
('A`)「だが倒されることを恐れて判定に持ってこうとするな…
相手を倒す気構えでいけ…!」
( ^ω^)「把握した。」
ビーーーッ!
ボブ「セコンドアウト!」
カーン!
ボブ「ファイト!」
(実´∀`)「さぁ第2ラウンドが今始まりましたモナ!」
- 65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/06(木) 23:09:15.55 ID:QwC6qFTKO
- (解´ー`)「ホライゾン選手も無事第1ラウンドを切り抜けて回復してきたでしょうね。
逆に先ほどのラウンドで仕留められなかった長岡選手は、このラウンドで勝負に出てくるでしょうね…」
( ゚∀゚)「うおおおっ!」
(実´∀`)「あーっと!長岡選手いきなり猛攻モナ!」
ジョルジュがブーンに対してこれでもかとパンチを浴びせようとする。
(;^ω^)「くっ…!(落ち着くお…落ち着いてよく見るんだお…)」
ブーンもジョルジュのラッシュをほとんどフットワークで捌き、合間にパンチを当てていく。
- 66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/06(木) 23:09:51.39 ID:QwC6qFTKO
- ('A`)「いいぞ!その調子だブーン!」
( ,,゚Д゚)「ゴルァジョルジュ!もっと丁寧にいけ!」
( ゚∀゚)「…おっ!!!!」
ブーンはガードを固め、まず打ちおろしの左に耐えた。
( ゚∀゚)「ぱいっ!!!!!」
( ^ω^)「(ここだおっ!)」
ガードを解きすぐさま飛んでくるジョルジュの左アッパーをダッキングで避けるブーン。
コンマ一秒差でゴウッと凄まじい音で空を切るジョルジュの左アッパー、勝負はあっというまだった。
('A`)「今だブーン!」
( ^ω^)「(すまんおジョルジュ…)」
- 67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/06(木) 23:10:48.24 ID:QwC6qFTKO
- ダッキングでかがみこんだブーンは両の足に力を込め、脇を閉め右拳をジョルジュの顎に向け体ごとぶつけにいく。
( ゚∀゚)「(…ああ、やっぱブーンは強)」
ジョルジュの意識はここで途切れることとなる。
ボブ「ニュートラルコーナーへ!!!」
ボブがジョルジュを見ると、カウントをせず両手をクロスし上にあげる、試合は…終わった―――
(実´∀`)「長岡選手ッッッ!敗れてしまいましたッッッ!
勝ったのは…ホライゾン選手モナッッッ!」
(*'A`)「ブーン!よくやったぁぁぁぁぁぁ!!!」
(*^ω^)「おーーーーん!やったおーーーーッッッ!」
( ,,゚Д゚)「ジョルジュ!?大丈夫かゴルァ!?」
ジョルジュは担架に乗せられギコやジムの人間に付き添われ退場していく。
先ほどまで戦っていた戦士二人に観客は惜しみない歓声を送り続けた。
●おっぱい長岡VSホライゾン○(2R 1分36秒 KO勝ち)
第7話 終
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