( ^ω^)は電車を運転するようです

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/29(火) 20:24:15.29 ID:0/3h/rIb0
  

( ^ω^)「パンタヨシ!」
「SIV入りヨシ!」
「非常ヨシ!」
「圧力ヨシ!」
「ATS入りヨシ!」


そんなブーンの声が早朝の運転室に響く
ここはVIP県に鉄道路線を展開するVIP鉄道の車両基地、「ニュー速総合車両管理所」
ブーンはそんな鉄道会社に勤める新人運転士の一人だ。
彼も今日は一番列車への乗務の準備を始める。こんな会話から今日も一日が始まった。
ブーンは去年高卒でこの鉄道会社に入社し、駅員と車掌を経験ついに運転士になった。
この職業はブーンの子供のころからの夢だった。
一方(ドクオもブーンの同期だが、運転士試験に合格できず未だ車掌のままだ。


('A`)「ようブーン」

一人の男が声をかけてきた。彼はドクオブーンの同僚で車掌、ブーンと同じ行路を担当するいわば相棒である。
ドクオはブーンの同期だが、運転士試験に合格できず未だ車掌のままだ。

( ^ω^)「おっ!まだ暖房入ってないお、始発のお客さんが寒そうだから暖房のスイッチを入れてほしいお。」

('A`)「分かった…ちょっと待ってろ。」



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/29(火) 20:25:28.27 ID:0/3h/rIb0
  
ブーンたちが操る回送列車がニュース速駅に到着した…
始発のため乗客はまばら、さみしい車内風景である。

( ^ω^)「前照灯よし!」
「急行灯よし!」

点検を終えるとブーンは運転席に乗り込み発車時間を確認する

―5時34分 この列車の発車時刻
ドクオが発車合図を鳴らし笛を吹く

('A`)「ぴーっッ」

ドクオはドアを閉めブザーを鳴らした

( ^ω^)「とじめヨシ、ニュース速 発車定時!」
「次寺和路巣停車!」

乗客に負担がかからないようにゆっくり発車、ブレーキングにも細心の注意を払う。
ブレーキ段数1で停車…
車両はコクッっと突かれるような軽微の衝撃で停車した。
ドクオはドアを開け客の乗り降りが終われば再び笛を吹きドアを閉める。

彼らが一通りの行路を終え休憩できるのは5時間後、なかなか厳しい仕事なのである。

( ^ω^)「出発進行!制限70!」



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/29(火) 20:30:52.04 ID:0/3h/rIb0
  
ブーンたちの列車は執着の下ゲ駅に到着
ここで引継ぎを行う
( ^ω^)「511A 異常ありませんお」

(´・ω・`)「異常なし了解!」

かれはショボン ブーンたちの5年先輩である
ブーンは今のところ停車操作に慣れるため普通行路しか運転できないが
ある程度なれると急行行路も運転できるのである。

( ^ω^)「先輩は急行運転できて楽しそうだお」

(´・ω・`)「いやいや 速度が速いのも怖いよ、慣れるけどね」

( ^ω^)「じゃ気をつけてくださいお」

(´・ω・`)「把握」

乗務員たちはこうしてVIP鉄道を動かしているのだ。






次ではブーンがはじめての人身事故に遭遇します



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/29(火) 20:31:31.93 ID:0/3h/rIb0
  
実はブーン、人身事故を運転士になってから経験をしていなかった。
運転士は運転士生涯で必ず数回は事故を経験するという。

※作者も2回経験orz

もちろんブーンも例外でなかった
ブーンの運転する1145A列車が馴合駅を発車し、
各駅停車の区間目安速度の85キロまで加速し終わった次のときだった…
目の前の踏み切りに人影が確認できたのだ。



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/29(火) 20:32:26.00 ID:0/3h/rIb0
  


( ゚ω゚)「おっ!まままま、まずいお」

ブーンは思わず叫んだ
そしてブレーキを非常に入れ気づいてもらえるよう警笛を鳴らした。


「プアアアアアアン」


客室には相当強い衝撃が走ったのだろう、キャッという悲鳴も聞こえた。
徐々に近づいてくる人、近づくにつれ人の姿がくっきり確認できるようになった。
それは携帯電話で通話中の女子高校生だった。


( ゚ω゚)「気づいてくれお!あわわうぇあqwせdrftgyふじこl」

ブーンはパニックに陥った



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/29(火) 20:35:04.45 ID:0/3h/rIb0
  
列車は無情にも止まらず、踏み切りに進行していく。

( ゚ω゚)「うわあああああああああ」

ブーンは思わず叫んだ



ドン 鈍い衝撃の後に車輪で何かを踏む感覚を感じた




列車は踏切から10mほどの地点で停車した。
ドクオからマイクで連絡が入る。

('A`)「どうしたんだ!人身か?」

( ゚ω゚)「人ひいちまったお…」



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/29(火) 20:36:23.82 ID:0/3h/rIb0
  
('A`)「落ち着けブーン!、まずは防護無線を発報するしてくれ俺は安全確認だ」

※防護無線を発報しないとさらに重大事故につながる恐れがある

( ゚ω゚)「わわ、わかったお…」

ドクオは確認作業を行った
そのドクオの目に飛び込んできたのは肉片だった。

('A`)「くっ…、やっぱりか」
   「勘弁してくれよ…」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/29(火) 20:41:41.77 ID:0/3h/rIb0
  
しばらくするとブーンが指令に連絡を入れたためか、警察や関係者が到着した。
ブーンは運転席で待機となったがドクオはマグロ拾いを手伝うことになった・

※マグロとは鉄道業界用語で死体という意味

('A`)「勘弁してくれよ…うっくせぇ…おえっ」

ドクオはその場で嘔吐した、新人車掌にはよくあることである…
一方で先輩の作業員たちは黙々と拾っている。
ここでドクオは現場は「経験」が重要なのだと再認識したのだ。

( ゚∀゚)指令「安全が確認されましたので発車してください」

列車は2時間ぶりに運行を再開した。
運行を再開した車中ではドクオがひとり自分の経験不足に嘆いていた。






一方のブーンのハンドルを握る手は震えていた。



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/29(火) 20:43:04.85 ID:0/3h/rIb0
  
乗務区に帰ったブーンはひどく落ち込んでいた

( 'ω`)「運転士、やめたいお…」

('A`)「!!!」
「なんでだよ、お前この仕事やりたいと思って死ぬほど勉強してたじゃねぇか」
「ここに来て無駄にする気か?」

( 'ω`)「轢く直前 高校生と目が合ったんだお…」

('A`)「俺だって、肉片…」

2人ともひどい落ち込み様だった。



※作者自身もはじめての人身事故はノイローゼになりかけた。



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/29(火) 20:53:07.35 ID:0/3h/rIb0
  
そこのブーンの先輩であるショボンがやって来た

(´・ω・`)「2人ともどうしたんだ?」

( 'ω`)「人身やったんだお…」

(´・ω・`)「俺なんて3回経験したぜ」
「でも俺だって最初の人身は死ぬほどショックだったよ。
俺の最初の人身は和露他2番線のホームだよ(´・ω・`)
こんな事これからいくらでもある、トレーラーとの衝突になればお前らの命だって危ないんだ。
君たちは知らないだろうが、1年前にここの本線では飛び込み志願者が電車の窓にダイブして運転士が死んだ事故があった」
「その亡くなった運転士が俺の尊敬する指導運転士だったんだ」

( 'ω`)「…」('A`)「…」

運輸区内を沈黙が走り抜けた。

(´・ω・`)「まぁ今日は7時で始業上がりだから終わったら家に来いよ、話したいことがある」

( 'ω`)「分かりましたお」

('A`)「分かった」



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