( ^ω^)ブーンが伝説になるようです

2: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 20:55:28.14 ID:IgiEwxH80
第3話 井戸


―1―

アタシ、ツン。魔法使いやってるわ。
え?魔法使いって何ですって?あんた、そんなことも知らないでよくこの小説読んでるわね。
いい?魔法使いってのはその名の通り魔法を使ってモンスターと戦ったり、旅の補助をしたりする職業のことよ。

アタシが使える魔法は今のところメラ、つまり火炎呪文の初歩の初歩だけだけど、
今に大魔導師と呼ばれる存在まで上り詰めてやるの。
そのためにはいろんな経験をつんでもっと修行しないといけないんだけど…。



3: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 20:56:45.20 ID:IgiEwxH80

( ^ω^)「なるほどだお」

ξ゚听)ξ「どう?決めるのはあんたよ。
     個人的にはこの子、そんな大した役には立たなそうだけど」

ショボンのことを話してやったらブーンは悩んじゃったわ。何も悩むことなんかないのにね。
口ではああ言ったけれど、アタシたちはこれから厳しい旅に出るんだから仲間は多いほうがいいに決まってるのに。

こいつ ―ブーンのことね― とアタシは生まれたときからの腐れ縁。ま、要するに幼馴染ってやつ?
一部の人たちには男女の幼馴染って関係はうらやましがられてるみたいだけど、実際はそんないいもんじゃないわ。
なまじ付き合いが長いだけに今更縁を切るわけにも行かないし、お互いのいい面も悪い面も色々わかっちゃう。

で、こいつの悪い面ってのが愚図で鈍感なところ。そんなんだからこいつはダメなのよ。
そこがなければアタシも…ハッ!アタシ、何考えてるのかしら//// い、今のはなんでもないんだからね!!

(´・ω・`)「お願いします!どうしても一緒に行きたいんです!!」

アタシがそんなことを考えていると、ショボンがいきなりこう言ったの。
ほ、ほら!彼もこんなに頼み込んでるんだからさっさとつれてけばいいのよ!!
たく、これなんだから。そんな風にアタシが考えていると、ブーンが口を開いたわ。



4: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 20:58:54.13 ID:IgiEwxH80

( ^ω^)「君…ショボン君と言ったお?」

やたらと重っ苦しい口調でショボンに語りかけるブーン。
かっこいいとでも思ってんのかしら。

(´・ω・`)「は、はい」

そこのあんたも釣られて神妙な顔つきにならなくていいから。

( ^ω^)「これから僕達がする旅は、つらくて長くて苦しい旅になるお。
       もしかしたら死んじゃうかもしれないお。君にはそういう覚悟はあるかお?」

その言葉を聞いたとき、アタシは心底驚いたわ。
まさかあのブーンがそこまで考えてたなんて思いもしなかったから。
でも、素直に驚いてやるのも癪な感じがしたからアタシはこう言ってやった。

ξ゚听)ξ「ええっ、そうなの!?アタシ、やっぱやめようかなぁ…」

(;^ω^)「ちょwwwwwwwおまwwwwwwwww」



5: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 21:01:35.91 ID:IgiEwxH80

そのときのブーンの慌てようといったらwwww
手足をピコピコさせて本当におかしかったんだから。
アタシは更に追い討ちをかけるように、なるべく感情を込めずにこういってやった。

ξ゚听)ξ「……冗談よ」

(;^ω^)「目が笑ってないお…」

ブーンをからかうのって本当に面白いわね。こいつすぐ本気にするんだもの。
もう半分以上趣味になっちゃった。アタシ、サドっ気あるのかな?

(´・ω・`)「行きます!」

( ^ω^)「「!?」」ξ(゚Δ゚ξ

アタシとブーンが漫才していると、ショボンが突然叫んだ。
もっとも、漫才だと思ってるのはアタシだけだけど。
アタシはその不意打ちにちょっとびっくりしちゃった。

(´・ω・`)「僕、行きます!!僕はやっぱり自分の性格を変えたい!!」
      それにツンさんはこんなうじうじした僕を荒くれどもから助けてくれた。
      その恩に報いるためにも、あなた達と共に戦いたいんです!!」

( ^ω^)「…わかったお。じゃあ、今から僕達は仲間だお。僕はブーン。よろしくだお」

(´・ω・`)「仲間…。ヨロシクお願いします、ブーンさん!」



6: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 21:05:37.67 ID:IgiEwxH80

それにしてもこの二人、ノリノリね。
ま、いいわ。これで晴れてショボンも私たちのパーティーの一員ってわけね。
喜ばしいことではあるけれど、一応人生の先輩として言っておくべきことは言っておかないと。

ξ゚听)ξ「ふーん、まぁいいわ。ブーンが決めたことだもの。反対はしないであげる。
     でも、これだけは言っておくわ。さっきブーンが言ったとおり、この旅は本当に苦しくなるわよ。
     せいぜい足手まといにならないようにしなさい」

(´・ω・`)「はい!精一杯がんばります。よろしくお願いします!!」

ξ゚听)ξ「じゃあ、さっさとブーンのお母様のところに挨拶にいくわよ」

( ^ω^)「だおだお」



9: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 21:07:36.91 ID:IgiEwxH80


―2―

彼らはブーンの家へと向かった。
彼の家は酒場のすぐ南だ。ゆっくり歩いても10分ほどで着いてしまう。
だが、扉も南側を向いているため、城へ行くにしろ酒場へ行くにしろ、回り込まねばならないのが難点だ。
家の東側を通り、戸口を開け、順番に奥にいるであろうブーンの母親に挨拶をかわす。

( ^ω^)「ただいまーだお」

ξ゚▽゚)ξ「おじゃましまーす」

(´・ω・`)「お、おじゃまします…」

やがてパタパタとスリッパを鳴らして、ブーンの母親が扉を開けて出てきた。
やはり奥にいたようである。

J('ー`)し「おや、お帰りブーン。あらあら、ツンちゃんも。いらっしゃい。…そちらの方は?見かけない方ね」

彼女がツンの背後からおずおずと顔を突き出しているショボンを見つけて言った。
その物腰は怪訝に思いつつも、いたって柔らかである。

( ^ω^)「ショボンっていうんだお。さっき友達になったんだお」

(´・ω・`)「……」

( ^ω^)「ショボン?」



10: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 21:10:08.74 ID:IgiEwxH80

なぜかボーっとしているショボンの顔を覗き込んでブーンが呼びかける。

(;´・ω・`)「あ、あの、初めまして。ショボン、です。ブーン君とはさっき知り合ったばかりで…」

急に名前を呼ばれてしどろもどろになるショボン。
誰しも友人の母親に自分を紹介されたらこうなるだろう。
そんなショボンを見て、ブーンの母親はにっこりと笑ってこう言った。

J('ー`)し「初めまして」

(´・ω・`)(……)

さっきからショボンの様子がおかしい。
どうしたのだろうか。心配になったブーンは聞いてみた。

( ^ω^)「どうしたお、ショボン」

Σ(´・ω・`)「!?な、なんでもないよ!!なんでもない…よ…」

するとショボンは慌てたようにとりつくろう。
どこか落ち着かない様子である。本当にどうしたのだろう。

( ^ω^)「あ、もしかして」

(;´・ω・`)(………)

ブーンがショボンに顔を近づける。
その細い目も近くで見るとまた違った迫力があるな、とショボンは思った。



11: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 21:13:02.00 ID:IgiEwxH80

( ^ω^)「明日いよいよ出発だから緊張してるんだお?」

(´・ω・`)「あ、そ、そう。そうなんだよ」

どこかホッとしたようにショボンが答える。

J('ー`)し「ブーン、出発ってなんだい?」

それを聞いたカーチャンが声色を低くして尋ねた。ちょっと怖い。

( ^ω^)「いやだお、カーチャン。魔王を倒す旅に決まってるお」

J(#'д`)し「そうじゃないよ!あんた、人様を自分の旅に巻き込むつもりかい!?」

(;^ω^)「えぇっ!?」

(´・ω・`)「ちょっと待って下さい、奥さん」

J('ー`)し「なんだい!?」

ショボンが間に割って入る。
カーチャンは思わず怒鳴ってしまった。



15: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 21:17:09.28 ID:IgiEwxH80

(´・ω・`)「え、えと、ブーンさんの旅に一緒に行きたいといったのは僕達なんです」

( ^ω^)「「!?」」ξ(゚Δ゚ξ

(´・ω・`)「そうだよね、ツンさん」

ξ゚听)ξ「!?え、ええ、そうなんですお母様。
     アタシ達がブーンと、いえ、ブーン君と一緒に行きたいって言ったんです」

いきなりショボンに振られて、ツンもしどろもどろで弁解した。
ブーンはそんな二人に涙を流す。

( ;ω;)「ふ、二人とも…」

ξ゚听)ξ(まったく。何でアタシがこんなこと言わなきゃなんないのかしら…。
     まあいいわ。二人には明日何かおごってもらおうかな)



16: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 21:20:21.03 ID:IgiEwxH80

J('ー`)し「ふぅ…。あなた達がそういうならまあいいわ。
     ほらほら、晩御飯食べて早く寝なさい。明日は早いんでしょ。
     ツンちゃんもショボン君も今夜は泊まっていきなさい。おうちには私が連絡しておきます。
     あ、ショボン君のお家はどこなの?」

カーチャンが観念した様子で溜息をつく。
その顔には、いつもの暖かい笑みが浮かんでいた。
ブーンは思わず胸をなでおろす。

(´・ω・`)「あ、僕教会に住まわせてもらってるので、そこにお願いします…」

J('ー`)し「わかったわ。さあ、もうすぐご飯にするから手洗ってきなさい」

( ^ω^)ξ゚听)ξ(´・ω・`)「「「はーい」」」



18: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 21:21:46.58 ID:IgiEwxH80


―3―

そして、翌朝

( ^ω^ξ゚听(´・ω・`)「「「いってきまーす!!」

J('ー`)し「はい、いってらっしゃい。手紙書くのよ。
     あと、さびしくなったらいつでも帰ってきていいからね」

( ^ω^)「わかったお。行ってきますお」

ξ゚听)ξ「「失礼します」」(´・ω・`)

かくして、3人の長くて苦しい旅が始まった…。

ξ゚听)ξ「あ、そういえば」

( ^ω^)「なんだお?」

ξ゚听)ξ「あんた、行き先とか決めてるの?」

( ^ω^)「それに関しては抜かりないお。
       さっきお城に行ったとき、こんな話を聞いたんだお」



19: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 21:23:31.31 ID:IgiEwxH80

それは、簡単な鍵を開けられる『盗賊の鍵』と呼ばれる代物が西の塔にあるという話だった。
おそらく鍵はその塔の頂上にあるのだろう。RPG的に考えて。
まずはそれをとりに行こうと思う。
いきなり魔王に挑んでも勝てるわけがない。

ξ゚听)ξ「ふーん。ま、あんたにしてはまともな判断じゃない。アタシは別に異論ないけど。
     ショボンもそれでいいわね?」

そう言ってショボンの方を向く。
ショボンもツンを向いて、

(´・ω・`)「はい」

うなずいた。

ξ゚听)ξ「っていうか、あんた魔王の居場所知ってるの?」

( ^ω^)「…………」

数瞬の間。そして彼は静かに言い放つ。

(;^ω^)「…………知らないお」

3人の旅は、本当に長く、そして険しそうだった。
情報的な意味で。



20: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 21:25:43.64 ID:IgiEwxH80

ξ#゚听)ξ「…………」

ふとブーンが気づくと、ツンが静かにこめかみに青筋を立てていた。
これはまずい。こんなツンを見るのは一度や二度ではなかった。

(;^ω^)「アアッ!!ツンの中で今、静かに燃えたぎる怒りの炎がッッッ!!」

ξ#゚听)ξ「お逝きなさい」

そう言うと彼女は、無詠唱でメラを放った。
その炎はまるで自動追尾装置がついているかの如く、寸分たがわずブーンの尻にクリーンヒット。

(;>ω<)「あっつい!あっついお!!」

(´・ω・`)「ブーンさん!あそこに井戸が!!」

(;^ω^)「た、助かったお!とりあえず火を消すお!とぉっ!」

ブーンは井戸に飛び込んだ。
奇しくもさきほどの荒くれどもと同じ運命をたどることになってしまった。

ひゅううう〜〜〜〜…
バッシャアン!!

( ^ω^)「ふぅ・・・。どうにか助かったお…。まったくツンは気性が激しすぎるお…」
(;^ω^)「って、なんじゃこりゃー!!」

そのとき、井戸に飛び込んだブーンが見たものは。



21: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 21:28:22.94 ID:IgiEwxH80


―4―

そのころ、ツンとショボンは。

ξ゚听)ξ「ちょっと」

(´・ω・`)「はい?」

ツンがショボンに呼びかけ、ショボンがそれに答えた。

ξ゚听)ξ「何で教えたのよ」

(´・ω・`)「何をです?」

ξ゚听)ξ「井戸のことに決まってるでしょ」

どうやら彼女は、ショボンがブーンに井戸の存在を教えたのが気に喰わないようだ。

(´・ω・`)「いけなかったですか?」

ショボンが飄々と問い返す。

ξ゚听)ξ「…………まあいいわ。あんたと話してると疲れる」

(´・ω・`)「そうですか…」



22: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 21:31:21.07 ID:IgiEwxH80

要領を得ない会話にツンが溜息をついた次の瞬間、

(;^ω^)「なんじゃこりゃー!!」

井戸の中からブーンの叫び声が聞こえた。

ξ゚听)ξ「どうしたの!?ブーン!!」

(´・ω・`)「何があったんですか!?」

井戸のところに駆けつけた二人は、それを覗き込みながら中にいるであろうブーンに声を投げかける。
すると、井戸の底からブーンの声が帰ってきた。



23: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 21:33:32.63 ID:IgiEwxH80

( ^ω^)「二人とも、ちょっと降りてきて欲しいお!!」

ξ゚听)ξ「ハァ?なんでアタシがあんたなんかのためにそんな暗いトコまで降りてかなきゃなんないのよ?」

(;^ω^)「いいから早く来てだお!!」

(´・ω・`)「行きましょう、ツンさん」

ξ゚听)ξ「ったく、しょうがないわね…」

文句をたれるツンを促して、ショボンは井戸を降りていく。
あとからしぶしぶといった様子でツンがついてきた。
湿気で滑りやすくなっている綱を降りると、二人は信じられない光景を目にする。



24: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 21:35:47.71 ID:IgiEwxH80

ξ;゚听)ξ「な、何よこれ…」

(;´・ω・`)「すごい…」

そこは、巨大な空洞だった。
井戸の底なのになぜか明るい。
自ら光を発するコケでも自生しているのだろうか。

右手には川が流れ、橋がかけられている。
その橋の向こう側で、ブーンが手を振っているのが見えた。

( ^ω^)ノシ「おーい!」

ξ゚听)ξ「「ブーン(さん)!!」」(´・ω・` )

( ^ω^)「向こうに家が見えるお!行ってみるお!」

ξ゚听)ξ「家?」

(´・ω・`)「井戸の中なのに?」



27: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 21:38:58.62 ID:IgiEwxH80


―5―

ξ゚听)ξ「家ね…」

(´・ω・`)「家だね」

彼らは問題の家の扉の前にたどり着いた。
結構大きい。一体どうやって材料を運び入れたのだろう。

( ^ω^)「だお。さぁ、早速入ってみるお」

ξ゚听)ξ「あんたバカぁ?」

wktkした様子のブーンを見て、ツンが静止をかける。
放っとけば、今にも本当に扉を開けそうだ。

(;^ω^)「お?」

ξ゚听)ξ「こんなトコに家建ててる奴なんてろくな奴じゃないに決まってんでしょ」

( ^ω^)「そういえばそうだお…」

Σm9ξ゚听)ξ「ってなわけで、あんた。開けなさい」

ビシ、と音がしそうな勢いでブーンを指差すツン。
そんな彼女に、ブーンは慌てふためいた。



29: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 21:40:28.36 ID:IgiEwxH80

(;^ω^)「ちょwwww結局僕が開けるのかおwwwww」

ξ゚听)ξ「あったり前でしょ」
ξ#゚听)ξ「それとも何?アタシの意見に何か文句あんの?」

またも青筋を立てるツン。
女の子がそんな頻繁に怒るもんじゃないと彼はいつも思う。
しかし、思っても結局彼はそのことを口にすることはないのだった。
それを口にしたら、今の何倍も激怒することは目に見えていたし。

(;^ω^)「い、いや。ないお!じゃあ開けるお」
(;^ω^)(ドキドキ…)「おじゃましまーす、だお」

観念したブーンが扉を開けると、家の中には一人の壮年がずいぶん立派な椅子に座っていた。
年をとってはいるが、よく見るとなかなか精悍な顔つきである。



30: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 21:42:04.42 ID:IgiEwxH80

(`・ω・´)「やあ。ようこそメダルおじさんの家へ。
      このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
      うん、『世界中に散らばっていると言う小さなメダルを集めてきて欲しい』んだ。すまない。
      メダルは全部で110枚あるって言うしね。謝って許してもらおうとも思っていない。
      でも、あの丸みと輝きを見たとき、私はきっと言葉では言い表せない
      『ときめき』みたいなものを感じたんだと思う。
      殺伐とした世の中でそういう気持ちを忘れないでいたい、そう思ってこの館を建てたんだ。
      じゃあ、メダルを預かろうか。フムフム、ブーン君の持ってきたメダルは全部で1枚だね?
      5枚たまったら棘のムチをあげよう。がんばって集めるんだよ」

男はそれだけを一気にまくし立てると、ブーンからメダルを強引に奪ってしまった。
正直、キモいとブーンは思った。
しかし面と向かってそれを言うのはどうかと思ったので、代わりにこう言うことにした。



32: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 21:43:38.60 ID:IgiEwxH80

( ^ω^)「僕はお酒は飲まないことにしてるんだお。でも、メダルは探してきてあげるお」

(`・ω・´) 「本当にすまない」

( ^ω^)「いいおいいお、そのくらい。旅のついでだし」

ξ゚听)ξ「ちょっとブーン」

安請け合いするブーンを再びツンが止める。

( ^ω^)「あ、ツン。なんだお?」

ξ゚听)ξ「そんなことしてる場合じゃないんじゃないの?」

( ^ω^)「何言ってるお。人助けも勇者の仕事だお。」

確かにその通りだ。
魔王を倒すのだって言ってみれば壮大な人助けなのだ。
ツンはそう思うことにした。



33: ◆PcO9DmzREo :2007/05/24(木) 21:45:26.66 ID:IgiEwxH80

ξ゚听)ξ「まったく、お人よしなんだから…」
ξ゚ー゚)ξ(まっ、そこがブーンのいいところなんだけどね)

( ^ω^)「なに笑ってるんだお?気持ち悪いお」

ξ////)ξ「な、なんでもないわよ。失礼ねっ。」
ξ;゚听)ξ「いいから、話ついたらとっとと行くわよ!!」

赤くなった顔をそむけて、慌ててとりつくろう。
そんなツンの様子に、ブーンが気づくことはもちろん、なかった。

( ^ω^)ノシ「そうかお。それじゃあ僕たちは行くお。ばいばいだお」

(`・ω・´) 「ああ。よろしく頼むよ」

そうして彼らは、井戸の底の家を後にしたのであった。



                                      ―――続く



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