( ^ω^)ブーンが伝説になるようです
- 19: ◆PcO9DmzREo :2007/05/27(日) 22:21:24.95 ID:VZAKUTeB0
- 第5話 放浪者
―1―
しばらく歩いていくと、こちらに向かってくる人影があった。
背中を丸めているので顔は見えない。
( ^ω^)「お、誰か向こうからやってくるお。
ちょうどいいからあの人にナジミの塔のことを聞くお」
(´・ω・`)「それがいいかも知れないですね。情報は多いに越したことないですし」
ξ゚听)ξ「まぁ、異論はないわ」
( ^ω^)「じゃあ…すいませーん!!」
('A`)「あ?」
男が気づいた。
男は肩に荷物袋を背負い、ポケットに片手を入れていた。
後頭部には三つ編みにした辮髪が揺れている。
- 20: ◆PcO9DmzREo :2007/05/27(日) 22:22:25.40 ID:VZAKUTeB0
( ^ω^)「あの、ナジミの塔について聞きたいんですお。どうやっていけばいいんですお?」
('∀`)「プッ…ハハハハハハハハ!!!!!」
ブーンが尋ねたとたん、男は突然笑い出した。
腹を抱え、涙を流している。
( ^ω^)「な、何がおかしいお!!」
('∀`)「いやー、すまねぇすまねぇ。アンタがあまりにも素人じみてるからさ」
(#^ω^)ピキピキ
彼はまだ笑いを堪えている。
そのあんまりな態度に普段怒らないブーンも憤慨を隠せない。
そして、男がようやく笑い終えると、ブーンに向かって問うた。
('A`)「アンタら、もしかして冒険初心者か?」
(#^ω^)「だったらどうだって言うんだお」
('A`)「アンタら、冒険者やめたほうがいいぜ?マジで向いてなさそうだから」
とんでもないことを言う。
何の権利があってこんなことをいうのか。
ブーンは思わず大声で怒鳴ってしまった。
- 21: ◆PcO9DmzREo :2007/05/27(日) 22:24:02.94 ID:VZAKUTeB0
(#^ω^)「そういうお前は何者だお!!」
('A`)「おっと、わりぃわりぃ。俺はドクオ。旅の武闘家さ」
(#^ω^)「ドクオかお。僕たちは…」
男―――ドクオの名乗りを受けて、ブーンが律儀にも名乗り返そうとする。
だが、ドクオは彼が言い終わる前に。
('A`)「あー、いいわ。俺、弱い奴には興味ねぇから」
ξ#゚听)ξ「ちょっと!!」
ツンが大声で割って入った。
こめかみには今までに見たことのない大きさの青筋が浮かんでいる。
相当激怒しているようだ。
('A`)「お?こりゃまたかわいい姉ちゃんだな」
ξ#゚听)ξ「アンタさっきから聞いてりゃ、好き放題言ってくれんじゃないの!!」
('A`)「しかも気が強いときたもんだ。そういう性格好きだぜ、俺。
なぁ姉ちゃん、そんな軟弱パーティーなんかやめて俺と一緒に旅しねぇか?」
あまつさえこちらのメンバーを引き抜こうとさえする。
その無神経な態度に、ツンの怒りは頂点に達した。
- 25: ◆PcO9DmzREo :2007/05/27(日) 22:26:14.70 ID:VZAKUTeB0
ξ####゚听)ξ「はぁ?何言ってんのよ!!そんなのお断りに決まってんじゃない!!」
('A`)「そうかよ。まぁ、無理にとはいわねぇがな。じゃあアバヨ。」
そう言って、ドクオは去っていく。
その後ろ姿をみてツンは今にも食って掛かりそうである。
ξ#゚听)ξ「ムキー!!何なのよアイツ!!チョームカツクー」
(´・ω・`)「まぁまぁ。世の中にはああいう人もいますって…。それより、早くレーベに行きましょう」
暴れるツンを抑えつつ、ショボンがなだめる。
そこでようやく彼女の怒りは収まった。
ξ゚听)ξ「ったくもう!」
- 27: ◆PcO9DmzREo :2007/05/27(日) 22:28:46.50 ID:VZAKUTeB0
―2―
―レーベの村―
ξ゚听)ξ「ふぅ、やっとついたわね」
ツンが汗を拭きつつ言う。
ここまでの道のりで先ほどの怒りは収まったようだ。
(´・ω・`)「これからどうするんですか?」
( ^ω^)「何言ってるお。情報収集に決まってるお」
ξ゚听)ξ「そうね。とりあえず手分けして探したほうが早いかしら?」
(´・ω・`)「そうですね」
ξ゚听)ξ「じゃあ、30分後にあそこの池で待ち合わせね」
ツンは町の中央にある池を指差した。
おばあさんが中を眺めている。
( ^ω^)「「把握」」(´・ω・`)
- 29: ◆PcO9DmzREo :2007/05/27(日) 22:31:27.25 ID:VZAKUTeB0
やあ、僕ショボン。僧侶、やってます。
さきほどはツンさんがお見苦しいところを見せまして…。あ、これ内緒ですよ?
さて。レーベについた僕たちはナジミの塔に関する情報を集めることになったんだけど、どこから始めようか。
そして30分後、僕はかなり有益な情報を手に入れたよ。
宿屋の2階で魔物に両親を殺された子供に会ったときはさすがに同情を禁じ得なかった。
僕も親なしだしね。
あっと、急いで待ち合わせ場所の池に急がなきゃ。
あの人、時間にうるさそうだし。
- 31: ◆PcO9DmzREo :2007/05/27(日) 22:33:28.35 ID:VZAKUTeB0
―3―
ξ゚听)ξ「二人ともどうだった?」
池に集合して、開口一番。
ツンがみなに情報収集の成果を聞いている。
(´・ω・`)「まあまあでしたね」
(#)ω^)「同じくだお」
ブーンの右頬が腫れているのは、遅刻してツンに殴られた跡である。
ξ゚听)ξ「じゃあ、まずアタシから言うわね。
この村には、魔法の玉と言うものがあるらしいわ」
( ^ω^)「「魔法の玉?」」(´・ω・`)
二人が声をそろえて尋ねた。
ξ゚听)ξ「ええ。それがあれば他の土地へ行けるらしいの」
(´・ω・`)「なるほど…。僕のはもっと直接的なものなんです」
ショボンが勿体つけたように発言する。
- 33: ◆PcO9DmzREo :2007/05/27(日) 22:35:21.40 ID:VZAKUTeB0
ξ゚听)ξ「と言うと?」
(´・ω・`)「なんと、この村の南の森にナジミの塔に通じる洞窟があるらしいんだよ!」
( ^ω^)「「!!」」ξ(゚Δ゚ξ
ξ゚听)ξ「よくやったわ、ショボン!!」
( ^ω^)「ホントだお。ショボンはすごいお!」
二人が口々にショボンを褒め称える。
(´・ω・`)「それで、その塔に住むという老人が盗賊の鍵をもってるらしいですよ」
ショボンが照れて赤くなった。
案外可愛いところもある、とツンは思う。
- 35: ◆PcO9DmzREo :2007/05/27(日) 22:38:10.01 ID:VZAKUTeB0
ξ゚听)ξ「ふむふむ。
じゃあ今日はもう遅いし、明日そこに行ってみるということで。
で、ブーンは?」
ツンがブーンを振り返る。
彼は興奮してこう言った。
( ^ω^)「僕はすごいお!岩を押したら小さなメダルを見つけたお!!」
ξ゚听)ξ「……」
( ^ω^)「……」
気まずい沈黙。
そしてツンが一言。
ξ#゚听)ξ「…………メラ」
(;^ω^)「アッー!!」
―――続く
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