( ^ω^)ブーンが伝説になるようです
- 3: ◆PcO9DmzREo :2007/06/14(木) 20:53:32.29 ID:tuHuf6VH0
第二章 盗賊団との戦い
- 4: ◆PcO9DmzREo :2007/06/14(木) 20:54:27.69 ID:tuHuf6VH0
- 第7話 冠
〜前回までのあらすじ〜
都会に住む現代っ子のブーン。
彼の父親は、かつての勇者だった。
衝撃的な事実と共に王は言った。
「魔王を倒せ」と。
ナジミの塔で盗賊の鍵を、レーベの村で魔法の玉を手に入れた彼らは、旅の扉をくぐって次の大陸へと進んだ。
さて、新たな大陸で彼らを待ち受ける運命やいかに。
- 5: ◆PcO9DmzREo :2007/06/14(木) 20:55:35.05 ID:tuHuf6VH0
―1―
―ロマリア城―
ロマリア。
北西の大陸の半分以上を有し、アリアハンと並ぶ大国だ。
南北に長く、その気候はいたって平穏。
四季がはっきりと分かれており、夏は暑く、冬は寒い。
自然も多く、観光者にはよく好まれる土地である。
旅の扉のすぐ北にはロマリア城下町がある。
ここの王様は遊び好きで有名だが、やることはやっているので国の繁栄はまずまずと言ったところだろう。
- 6: ◆PcO9DmzREo :2007/06/14(木) 20:56:46.61 ID:tuHuf6VH0
3人はロマリアにたどり着くと、ひとまず宿を取って休むことになった。
久しぶりのベッドだ。彼らは存分に食べ、眠った。
翌日、宿屋のロビーでこれからの方針を相談。
結果、お城で情報を聞くことにした。
お城では町よりも有益な情報が聞けることが多い。
多くの兵士や旅人がいるからだ。
あちこち歩き回って、色々なことがわかった。
北にカザーブという村があること、東には恐ろしい魔物がいること、そして。
兵士「もしやアリアハンから参られたお方では?
おお!お待ちしていました!さあ、王様がお待ちかねですぞ」
なぜかブーンたちは歓迎されていた。
( ^ω^)「お?何かブーン達人気者だお」
ξ゚听)ξ「ホントね。一体どうしたのかしら」
(´・ω・`)「王様になにかあったのかな?」
ξ゚听)ξ「とりあえず会ってみましょ」
- 8: ◆PcO9DmzREo :2007/06/14(木) 20:58:34.59 ID:tuHuf6VH0
獅子の像が両脇に並ぶ赤じゅうたんを通る。
城の中央にある階段を登ると、王様と女王様が鎮座ましましていた。
大臣と思しき人物によるとなにやら王様はお困りの様子らしい。
( ´_ゝ`)「よく来たな。勇者オルテガのうわさは我らも聞き及んでいる」
( ^ω^)「どうもですお」
王は端整な顔をしており、どことなく気品のある声をしていた。
しかもまだ若い。30代前半といったところだろうか。
( ´_ゝ`)「とりあえず冒険の書に書き込んでおいた。またすぐに旅立つつもりか?」
( ^ω^)「もちろんですお」
( ´_ゝ`)「では頼みがある!」
ξ゚听)ξ「頼み?」
- 9: ◆PcO9DmzREo :2007/06/14(木) 21:00:00.59 ID:tuHuf6VH0
王曰く、カンタダという盗賊がこの城から金の冠を奪って逃げたそうだ。
王様の頼みとは、それを取り戻して欲しいと言うことらしい。
もし王冠を取り戻してくれたら、勇者と認めてくれるという。
(´・ω・`)「なるほど」
ショボンが顎に手を当ててつぶやく。
その表情は確信に満ちていた。
お城の兵達が期待の眼差しで彼らを見てたのは、そういうわけだったのだ。
ξ゚听)ξ「どうする?」
ツンがブーンに尋ねた。
その口調には、『行きたくない』オーラがありありと見て取れる。
- 11: ◆PcO9DmzREo :2007/06/14(木) 21:01:51.13 ID:tuHuf6VH0
( ^ω^)「別に勇者と認められなくてもいいけど、これも人助けだお。
それに魔王についての手がかりが何もないこの状況では、何をしても損と言うことはないはずだお」
ξ゚听)ξ「ふーん、アンタも意外と考えてんのね」
(*^ω^)「フヒヒヒヒ」
ξ゚听)ξ「きめぇ。べ、別にほめたわけじゃないんだからね!!」
(´・ω・`)「それで王様、そのカンタダって奴の居場所はわかってるんですか?」
ショボンが、テンプレートなツンデレを発動するツンを無視して尋ねるが、王様には答えられなかった。
だが、牢に閉じ込めた囚人によると、そいつはシャンパーニという塔に子分を集めて住んでいるらしい。
- 12: ◆PcO9DmzREo :2007/06/14(木) 21:03:24.74 ID:tuHuf6VH0
「何ですって!?」
突然、背後から声が上った。
その声にその場にいた全員が振り向く。
「あ、失礼いたしました。その名の塔のことなら、私もたった今風のささやきで聞いたところです。
カザーブの村のはるか西にシャンパーニの塔がそびえているよ。そびえているよ…と」
( ^ω^)「それだお!!王様、さっそく行ってきますお!!」
( ´_ゝ`)「うむ、よろしく頼んだぞ」
- 13: ◆PcO9DmzREo :2007/06/14(木) 21:05:30.49 ID:tuHuf6VH0
―2―
―ロマリア周辺―
(;^ω^)「ここは敵が強いお」
事実、この辺りの敵はアリアハン大陸の魔物よりも数段強かった。
これから先に進むたびにどんどん強くなっていくのだろう。
ロマリアから北に向かうと、山岳地帯に入る。
(;^ω^)「ふう、ふう」
ブーンは少々ぽっちゃり系ではあるが、元々運動が得意な方である。
特にかけっこで彼に敵うものはいなかった。
しかし、こうも上ったり降りたりしていては、流石の彼も根を上げてしまう。
ξ゚听)ξ「ほらほら、早くしなさい」
ツンがせかす。疲れた様子はまったくない。
まったく、彼女のどこからそんな元気がでてくるのだろう。
- 14: ◆PcO9DmzREo :2007/06/14(木) 21:07:12.90 ID:tuHuf6VH0
(;^ω^)「もう疲れたお。少し休ませて欲しいお」
ξ゚听)ξ「こんなところで休める場所なんかないわよ」
(´・ω・`)「あ、あんなところに明かりがあるよ。人がいるのかも知れない」
ショボンが前方の森を見つめて言う。
確かに、木々の隙間から光がちらちらと見えている。
( ^ω^)「ラッキーだお。あそこで少し休憩するお」
ξ゚听)ξ「しょうがないわね」
- 15: ◆PcO9DmzREo :2007/06/14(木) 21:09:03.02 ID:tuHuf6VH0
―3―
(;^ω^)「……」
ξ;゚听)ξ「……」
(;´・ω・`)「これは…」
近づいてみると、なにやら楽しげな音楽が聞こえてきた。
中に入ると、音楽がいっそう大きくなる。
そして、
- 16: ◆PcO9DmzREo :2007/06/14(木) 21:10:55.69 ID:tuHuf6VH0
ヒウ〜〜〜〜
ズンッ!!
天井から人が落ちてきた。
穴などは開いていない。
いったいどこから落ちてきたのだろう。
( ^ω^)「大丈夫かお」
「あいやーっ。まただめだったあるよ!
でも私諦めないね。いつかきっと上ってみせるよ」
(´・ω・`)「あのー、ここは?」
ショボンが声をかけつつ手を差し出す。
その手を取って立ち上がったのは、口にひげを蓄えた商人風の男だった。
( `ハ´)「ああ、旅の人あるか?ここはすごろく場ね。
ゴールにたどり着けば素敵な景品もらえるあるよ」
ξ゚听)ξ「すごろく場?」
( `ハ´)「さいころを振って…言葉で説明するより、実際にやってみたほうが早いあるね。
こっちに来るある」
- 17: ◆PcO9DmzREo :2007/06/14(木) 21:13:30.31 ID:tuHuf6VH0
商人風の男について階段を上る。
そこは一風変わった空間だった。
床は派手なタイルで敷き詰められ、その上に正方形のマス目がいくつかある。
そのマスには様々な模様や文字が書いてあった。
( `ハ´)「オーナーさん。お客さん、連れてきたね」
商人風の男が周りの雰囲気に負けないくらい派手な格好をした男に話しかける。
オーナーと呼ばれた彼は、ブーンたちを見ると腕を広げてお辞儀をする。
広げた右腕を胸にやる、あの仰々しいお辞儀だ。
- 18: ◆PcO9DmzREo :2007/06/14(木) 21:15:29.00 ID:tuHuf6VH0
オーナー「いらっしゃいませ。ようこそ、当すごろく場にいらっしゃいました」
( ^ω^)「あのー。すごろくって、何ですかお?」
オーナー「あ、初心者さんですか。では、ご説明しましょう。
すごろくとは、このようなさいころを振って
(と言いながら彼は一抱えもある大きさのさいころを見せた)
その出た数だけ進み、最終的にゴールまでたどり着けば上がりです。
途中のマスに書いてある指示には従ってください。
ゴールには豪華な景品をご用意してありますよ」
( ^ω^)「おっおっお。面白そうだお」
ξ゚ー゚)ξ「そうね。ちょっと息抜きに遊んでいくのもいいかもしれないわね」
珍しくツンが賛成の意を唱える。
何だかんだ言って、本当は彼女も休みたかったのだろうか。
- 20: ◆PcO9DmzREo :2007/06/14(木) 21:17:08.37 ID:tuHuf6VH0
( ^ω^)「一回やらせてくださいお」
オーナー「畏まりました。では、すごろく券を一枚いただきます」
す、と右手を差し出すオーナー。
そこで三人の時が止まった。
(;^ω^)「すごろく券?」
オーナー「ええ、ここではお金の換わりにすごろく券をいただきます。
一枚で一回すごろくができます」
ξ;゚听)ξ「ねえ、ショボン。あんた、持ってる?」
(;´・ω・`)「持ってるわけないよ。ブーン君は?」
(;^ω^)「僕も持ってないお。どうするお…」
- 21: ◆PcO9DmzREo :2007/06/14(木) 21:19:20.22 ID:tuHuf6VH0
すごろくは、すごろく券がないとできない。
しかし彼らはすごろく券を持っていない。
諦めるしかないのだろうか。
だが、そんな時背後から声が上った。
( `ハ´)「あいやー、仕方ないあるね。おいちゃんの一枚、あげるね」
( ^ω^)「ホントですかお!?」
( `ハ´)「ただし、そこのお嬢ちゃんのえっちぃ写真、取らせてくれたらね」
- 22: ◆PcO9DmzREo :2007/06/14(木) 21:20:28.37 ID:tuHuf6VH0
ξ#゚听)ξ「……」
ツンが火の玉を商人に投げつける。
轟、という音と共に火球が商人に向かって行った。
火球は商人にぶつかり、炎となって彼を包み込む。
やがてその炎が消えた後に残るのは真っ黒になった商人の体だった。
(;`八´)「おいちゃんのちょっとした冗談だったのに…。ひ、ひどいね…ガクッ」
そう言って彼は倒れた。
ショボンがホイミを彼にかけて、どうにか一命を取り留めたようだった。
結局彼らは商人から巻き上げたすごろく券で、存分にすごろくを楽しんだという。
―――続く
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