( ^ω^)ブーンが伝説になるようです

2: ◆PcO9DmzREo :2008/02/11(月) 23:30:44.41 ID:5fQpFhgO0
第15話 砂中にて


―1―

イシスには昼過ぎに着いた。
真昼の砂漠にはかなり悩まされたが、太陽が襲ってくるなんてこともなく、特に何事もなくたどり着けた。
途中でモンスターが襲ってくることは多々あったものの、それらも難なく撃退していた。

とりあえずの腹ごしらえをした後、彼らは街の探索を始めた。
この街の建物は特徴的で、ほとんどが乾いた土でできていた。
地面も舗装されているところは少なく、当然だが道路の周囲は砂が多かった。
そのため、空気も埃っぽい。

しかし街はオアシスで囲まれているため、水の心配はないようだった。
町の真ん中では泉がわき、人々の憩いの場になっていた。
今日は、ここでしばらく休憩してから王様に会いに行こうということになった。

そのまま夕方まで休息をとり、涼しくなってからようやく彼らは動き出した。



3: ◆PcO9DmzREo :2008/02/11(月) 23:31:35.43 ID:5fQpFhgO0
( ^ω^)「睡眠もバッチリとったし、早速王様に会いに行くお」

ξ゚听)ξ「何が早速よ。アンタのおかげで随分遅れちゃったじゃないの」

(;^ω^)「すまんこ」

そんなおしゃべりをしながら歩いていると、いつの間にやら城は眼前にあった。
この城も他の建物と同じく、土製のようだ。

そのとき、突如目の前に二本の槍が表れた。
驚いて思わず立ち止まったブーンの後頭部に軽い衝撃が走り、よく聞き知ったうめき声がする。
だがその声の主を確認するよりも早く、前方から甲高い声が聞こえてきた。

*(‘‘)*「止まれ。何者ですぅ」

⌒*(・∀・)*⌒「ここはイシスのお城。お前みたいな下賎の輩は立ち入り禁止やで」

( ^ω^)「おっおっお。ブーンって言いますお。この国の王様にお会いしたいんですお」



8: ◆PcO9DmzREo :2008/02/11(月) 23:32:46.84 ID:5fQpFhgO0
何かとんでもない言葉が聞こえた気がしたが、別にそんなことはなかった。気を取り直して用件を伝える。
よく見れば先ほど表れた槍は、この二人の女性が差し出したもののようだった。
両耳の上に髪の毛を団子に束ねた女性は右手、ツインテールの女性は左手に槍を持ち、
互いにクロスさせるようにして構えている。

*(‘‘)*「お前見たいなのがくるとか言う報告は受けてないんですぅ。
    とっととお帰りやがれですぅ」

⌒*(・∀・)*⌒「まぁまぁヘリカルちゃん。そう邪険にせんで。確認くらいとってあげてもええんやないの?」

*(‘3‘)*「ちっ」

(;^ω^)(舌打ち!?)

*(‘‘)*「わかったですぅ。じゃあ、照美はここでこいつら見張っててくれですぅ」

⌒*(・∀・)*⌒ノ「あいあい了解〜」

ヘリカルと呼ばれた団子の女性
――いや、まだ少女と呼ぶべきだろう――は、しぶしぶと言った感じで城内へと消えていった。
ところどころ突っ込み要素が多々あったが、あえてスルーしておく。
そのほうが平和な気がするのだ。特に肉体的に。

しばらくしてヘリカルが戻ってきた。
その顔は先程よりも更に不機嫌そうだった。
そして発した言葉も、やはり不機嫌そのものだった。

*(‘‘)*「女王様がお呼びですぅ。私についてくるがいいですぅ」



10: ◆PcO9DmzREo :2008/02/11(月) 23:34:24.18 ID:5fQpFhgO0
 

―2―

三人はヘリカルの後について2階に上がった。
階段室を抜けると視界が開け、左右には何本かの石でできた柱が建っている。
柱には彫刻が施してあったが、その価値はわからない。

その向こうには立派な花壇が備え付けられていた。
この砂漠の土地でこのような花壇が見られるのも、偏にオアシスの恵みのおかげだろう。

足元にはこの地には似つかわしくない真っ赤な絨毯がしかれている。
その絨毯に沿って目を前方に向ければ、簡素な椅子に黒髪の女性が鎮座ましましていた。
その居住まいから察するに、彼女が女王なのだろう。

川 - )「よく来てくれた。さぁ、近こう寄れ」

女性の言葉を聞いたヘリカルは黙って会釈をすると、ブーンたちのほうに振り向いて顎をしゃくった。
そして黙って歩を進めていくのを見る限り、ついて来いという合図らしい。
三人は素直に赤い絨毯を踏みしめていく。折角の赤絨毯が土と埃で汚れるが、気にするだけ無駄だろう。

近づくにつれ、女性の顔がだんだんとはっきりしてくる。
整った顔立ちに漆黒の双眸。ブーンの好みとは違い、肌が褐色なのがなんとも惜しい。
しかしその容貌は、肌の色などほとんど気にならないほどだった。



14: ◆PcO9DmzREo :2008/02/11(月) 23:35:28.49 ID:5fQpFhgO0
(*^ω^)(うはwww美人ktkrwwww)

(*´゚ω゚`)

ξ*゚听)ξ

ブーンがそう思うのも無理はない。
左右を見れば、他の二人も少なからず見とれている様子だ。
なにやらアブナイ様子の人もいる気もするが気のせいだろう。

四人が女性の正面に並んだ。
ヘリカルを正面に押し出し、三人は一歩後ろで横に一列に立っている状態である。
彼女が会釈し、背後の三人を見て座れと左手で合図する。

即座に立膝をつくショボンとツンだが、ブーンは未だに立ち尽くしたままだった。
そんな彼をツンが腕を引っ張って無理やり座らせた。
それを確認した女王と思しき女性が声を発した。

川 ゚ -゚)「ご苦労だったな、ヘリカル。下がってよいぞ。
     さて、お前たちの噂はロマリア王からよく聞いている。
     私はイシス。まぁ、見てもらえればわかると思うが、この国の女王だ」



19: ◆PcO9DmzREo :2008/02/11(月) 23:37:06.87 ID:5fQpFhgO0
やはり彼女こそがこの国の女王だったようだ。
僕の鑑定眼もそう捨てたものではないなとブーンはこっそり思った。
誰から見ても彼女が女王であることは、一目でわかることであるのだが。

(´・ω・`)「ロマリアの王様から…?」

川 ゚ -゚)「うむ。聞けば、賊に奪われた黄金の冠を取り返したそうではないか」

(´・ω・`)「いえ、そんな大したことでは……」

( ^ω^)(……)

ショボンとイシスが堅苦しい挨拶を交わしている間、ブーンは

( ^ω^)(女王様……美人すぐるお。今すぐセク○スしたいよう……)

などと淫らなことを考えていた。



22: ◆PcO9DmzREo :2008/02/11(月) 23:40:01.42 ID:5fQpFhgO0
( ^ω^)(でも……)

ブーンは、イシスの左側に立っている男をそっと見る。

从´‐ _‐)「……」

槍を手に構えた、褐色の男性だ。
目を細めてはいるが、その鋭い眼光を隠しきれていない。
おまけに結構なガチムチだった。

从‐ _‐`)

こちらの視線に気づいたらしく、男も顔をこっちに向けてくる。
静かな立ち振る舞いだが、外はかんかん照りで蒸し暑いというのにまるで氷のように冷たい何かを背筋に感じた。

(;^ω^)(こっちみんなwwwww)

ブーンにはそれが何であるかすぐにわかった。

恐怖だ。

彼は本能的に、この男が自分よりも遥かに強いであろうことを悟ってしまったのだ。
ブーンは、この男には何があっても刃向かわないようにしようと心に決めた。



24: ◆PcO9DmzREo :2008/02/11(月) 23:42:48.16 ID:5fQpFhgO0
川 ゚ -゚)「積もる話はそれくらいにして、部屋に案内しよう。砂漠での疲れを癒すがいいだろう」

(´・ω・`)「ありがとうございます」

ショボンが丁寧に礼を返すのが聞こえた。
気づけば、ショボンと女王の対談はもうほぼ終わっているようだった。
横に立膝をついているツンを見ると、彼女はもうすでに立ち上がっていた。
ブーンもそれに倣い、あわてて立ち上がるのであった。

川 ゚ -゚)「ハナーム。彼らを客室へ」

从´‐ _‐)「かしこまりました」

川 ゚ -゚)「彼には皆の世話役を勤めさせる予定だ」

女王が彼に合図を送ると、男が自己紹介をした。



28: ◆PcO9DmzREo :2008/02/11(月) 23:44:33.73 ID:5fQpFhgO0
从´‐ _‐)「ハナーム=セトだ。まぁ、別に覚えてもらわなくてもいい。
      夕食ができたら迎えのものをよこす。それまで疲れた体を休めるがよかろう。
      これからお前たちを客室に案内する。ついて来い」

( ^ω^)「む……」

从´‐ _‐)「何だ?」

彼の態度に軽い憤りを感じたブーンの呟きをハナームは耳ざとく聞きつけ、こちらを振り向いた。
尊大な態度がいちいち鼻につくが、ここは我慢しなければならない。

( ^ω^)「何でも……ありませんお……」

ブーンが不承不承口にすると、何事もなかったかのようにハナームはさっさと歩き出した。
三人は、慌てて彼の後を追いかけるのだった。



34: ◆PcO9DmzREo :2008/02/11(月) 23:47:10.24 ID:5fQpFhgO0
 

―2―

ハナームに案内された部屋は、そこそこの広さを持っていた。
部屋全体に香る土の匂いがなんともいえない砂漠の雰囲気を醸し出している。

しかし、何か違和感があった。
ベッドが二つしかないのだ。
こちらは三人。一人分足りなかった。
ブーンはそのことを聞いて見た。

( ^ω^)「あの〜、ベッドが一つ足りないんですけどお?」

从´‐ _‐)「ああ、男女別部屋だからな。その方がいいだろ?お互いにとっても」

( ^ω^)「あ、ナール」

(´・ω・`)「……」

ξ゚听)ξ「……」

从‐ _‐)「……」

(;^ω^)「すみませんお」

場には寒い空気が流れ、
ハナームが先ほどと同様の冷ややかな視線でこちらを睨み付けてきた。
やはりこの人は苦手だとブーンは思う。



36: ◆PcO9DmzREo :2008/02/11(月) 23:49:23.55 ID:5fQpFhgO0
从´‐ _‐)「女、お前はこちらの部屋を使え」

そう言って、ハナームは隣の部屋を指差した。

ξ#゚听)ξ「失礼ですけど、私にはツンという名前がありますので」

从´‐ _‐)「そうか」

ξ゚听)ξ「そうかって…まぁいいわよ」

まだ多少の不満はあっただろう。
しかしそれをあえて口に出さず、ツンは素直にうなずいた。

从´‐ _‐)「晩餐の準備が整ったら呼びにくる。それまで自由に過ごすがよかろう」

(´・ω・`)「ありがとうございます」

从´‐ _‐)「礼には及ばんさ。では」



39: ◆PcO9DmzREo :2008/02/11(月) 23:52:16.14 ID:5fQpFhgO0
ショボンが礼を言うとハナームは廊下を去り、三人はそれぞれの部屋に入っていった。
その途端、ブーンが怒りをあらわにして怒鳴り始める。

(#^ω^)「なんなんだおあの態度!」

(´・ω・`)「まぁまぁ、しょうがないです。晩御飯までゆっくりしてましょうよ」

(#^ω^)「まったく。プンプンだお」

(´・ω・`)「ハハハ…っと、そうだ。気晴らしにツンさんとこ行ってみます?」

( ^ω^)「おっ。そうするかお。隣の部屋だったお?」

(´・ω・`)「ですね」

何気なくされたショボンの提案に、ブーンは二つ返事で賛同した。
ショボンが先に廊下に出、その後をブーンが追っていく形で彼らは退出して行く。

数分の後、空になった部屋の壁の向こうから声が響いてきた。

「ちょ、一人で僕たちと同じ広さの部屋とかずるいおw」

「うるさいわね。何か文句あんの?」

「まぁまぁ」

その楽しそうな談笑は、ハナームが彼らを呼びに来るまでずっと続けられたのだった。



41: ◆PcO9DmzREo :2008/02/11(月) 23:55:24.99 ID:5fQpFhgO0
 

―3―

ブーンはふと、目を覚ました。
時刻はおそらく午前1時を回っているだろう。

土の壁をくりぬいてできた窓をのぞけば、
夜の帳を背景に湖の水面とその傍らに生えた木が風で揺れていた。
窓際のベッドだったので、外のそんな様子がよく見えた。
彼はしばらくそうしながら、どうしてこんな時間に目が覚めたのだろうとぼんやり考えた。

そういえば昨晩の夕食は豪華だったな。
そんなことを考えながら、なぜだろう。言い知れぬ嫌な予感がした。

心が、ざわつく。

ベッドの脇にある水指しの水をコップに注いで一息に呷り、
その冷たさにほう、と溜息をついた。

まだ眠っているショボンを起こしてしまわないよう、気をつけながら部屋を出る。
夜の清々しい空気が城に満ちていた。等間隔に穿たれた窓から入り込んでいるのだ。



46: ◆PcO9DmzREo :2008/02/11(月) 23:57:50.19 ID:5fQpFhgO0
今までいた部屋の扉と窓の間に立ち、伸びをしながら深呼吸。
鼻孔に目いっぱい空気を溜め、脳を満たす。やおら力を抜き、吐き出した。
よく冷えた酸素を取り込んだことで、寝起きの頭がだんだんはっきりとしてきた。
それでも不安が解消されることはなく、もう一度ベッドに戻る気も起きなかった。

( ^ω^)(しょうがないお。夜の散歩と洒落こむかお)

そう考え、彼は長く薄暗い廊下をふらふらと歩き出して行った。



                 ※



時間は最初に彼が考えたよりもかなり遅い時間らしく、
城内で動いている物といえば、彼と数匹の猫くらいのものだった。
草木も眠るとはよく言ったものである。
しかしそんなもの、今の彼には関係のないことだ。



50: ◆PcO9DmzREo :2008/02/11(月) 23:59:44.30 ID:5fQpFhgO0
(;^ω^)(ここ、どこだお……)

迂闊。まさか、城内で迷子になるとは。
足元は草で覆われていて、背後には城壁。正面には茶色い大地。
なぜか城壁の外側にいるようだ。

(;^ω^)(まずったお。完全に道に迷ったお)

(;^ω^)「あぅあぅあぅあぅあぅあぅ」

「よう。どうしたんだ、そんなとこで」

そのとき、頭上から声が聞こえた。
よく知った声だった。

見上げると、やはり今日ですっかり見知った顔があった。

从´‐ _‐)「夜のお散歩か?」

( ^ω^)「あ、ハナームさん。まぁ、そんなとこですお」

そんなとこも何も、実際その通りだったのだが。
彼のことは嫌いだったが、知り合いに会えたので内心ほっとする。
そんなブーンの心を知ってか知らずか、ハナームはこんなことを言うのだった。

从´‐ _‐)「ちょっとこっちに上がってこないか?」



52: ◆PcO9DmzREo :2008/02/12(火) 00:01:24.46 ID:j4Pf4asX0
 

―4―

( ^ω^)「助かったお。実は迷子になってたんだお。
     ハナームさんがいてくれてよかったお」

从´‐ _‐)「なんだ。じゃあ、声かけなければよかったかな」

(;^ω^)「ちょwwwwwヒドスwwww」

从´‐ _‐)「冗談だ」

(;^ω^)「目が笑ってないお」

彼の言葉に従ってバルコニーにあがったブーンは、早速彼に礼を言った。
ここは眺めがよかった。城壁を超えて、地平線の向こうまで見える勢いだ。



53: ◆PcO9DmzREo :2008/02/12(火) 00:03:43.53 ID:j4Pf4asX0
(;^ω^)「それにしても、あそこからここまで遠かったですお……」

ブーンが真下とバルコニーを順に指差しながら言った。

从´‐ _‐)「ああ、回り道しなければならないからな」

( ^ω^)「正門までぐるーっと周って……また扉まで同じくらい歩いて……
     階段を上がって薄暗い廊下を通って……やっとここまでたどり着けましたお」

从´‐ _‐)「そうか、頑張ったな」

( ^ω^)「ていうか扉が開きっぱなしだったけど、無用心じゃないのかお?」

从´‐ _‐)「なに、こんな砂漠まで泥棒しにやってくる物好きなんかいないからな。
      それに開けといたほうが夜風が通るんだ」

( ^ω^)「なるほどですお。それにしても……」

从´‐ _‐)「何だ?」

ブーンが言い淀む。
ハナームに促され、ふと疑問に思ったことを聞いてみた。



55: ◆PcO9DmzREo :2008/02/12(火) 00:05:09.17 ID:j4Pf4asX0
( ^ω^)「昼間とずいぶん口調が違うお」

从´‐ _‐)「ああ、こっちが地なんだ。あっちはいわば業務用だな」

( ^ω^)「業務てw」

しばし談笑する。その後、しばらく黙って地平線を見つめた。
夜風が気持ちよかった。

それにしても彼、ハナームは思ったより気さくな人物だった。
何というか、話していて心地よかったのだ。寝起きのときの不安など、とうに消えていた。
昼間の態度は女王様の手前、仕方のないことだったのだろう。
もっと話をしていたい。そう思わせる人間だ。



56: ◆PcO9DmzREo :2008/02/12(火) 00:07:21.02 ID:j4Pf4asX0
だからだろう。
質問が不意に口をついて出てきていた。

( ^ω^)「もしかして、一晩中ここにいるんですかお?」

从´‐ _‐)「そうだが、それが何か?」

(;^ω^)「退屈じゃないですかお?
     さっきの言い方だと、めったに事件とか起きないということですお?」

从´‐ _‐)「俺はな、この城を。いや、この国の民を。
      そしてこの国そのものの平和を守って行きたいんだ。これからも、ずっとな」

( ^ω^)「ハナームさん……」

从´‐ _‐)「む」

そのとき、ハナームが声を上げた。
バルコニーの手すりに右足をかけ、左手を目の上にかざす。



58: ◆PcO9DmzREo :2008/02/12(火) 00:09:34.91 ID:j4Pf4asX0
(;^ω^)「ど、どうしましたお?」

从´‐ _‐)「あれを見ろ」

そういって彼が指差した方向に目をやると、地平線上に砂煙が上がっていた。
遠目でよくわからないが、かなり横に長い。

(;^ω^)「な、何だおあれ!?」

从´‐ _‐)「さぁな。だが、こちらに向かってくるようだぞ」

ハナームの言うとおり、その砂煙はだんだんと大きくなってくるようだった。
そして大きくなるにつれ、その正体が掴めるようになってきた。

(;^ω^)「ひゃ、100人はいないかお?」

从´‐ _‐)「いや、せいぜい50人程だな。
      しかしこの城を目指していることは間違いないだろう」

(;^ω^)「ど、どうするんですかお……」

ブーンのつぶやくような疑問に、ハナームは手すりから足を下ろして言った。

从´‐ _‐)「ブーン、お前は仲間を起こしてくるんだ。できれば城の者たちも頼む。
      俺は正面扉を閉めてくる。急げよ」

(;^ω^)「は、はいですお!」



60: ◆PcO9DmzREo :2008/02/12(火) 00:10:08.07 ID:j4Pf4asX0
言い終わらないうちに、ハナームは駆け出していた。
ブーンも後を追うように、急ぎバルコニーから退出する。













人気のなくなったバルコニーの遥か前方。
総勢50名ほどの人間が、ラクダに乗って粉塵を巻き上げていた。




                                             ―――続く



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