ドラえもんがジョジョにハマったようです

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:12:24.44 ID:SIdfqIjX0


「ドラえもーーーん」
(またのび太くんが泣きついてきた。どうせジャイアンにでもいじめられたのだろう。すぐに僕を頼るのが悪い癖だ。ここは簡単にひみつ道具を出さないのが彼のためだろう。と、思ったらどうやら今回はちょっと違うらしい。まあ話だけ聴いてあげよう。)
「出来杉のやつとSBRの話をしてたら、しずかちゃんが“ねえ、何の話してるの?”って訊いてきたんだ。」
「待て、SBRとはなんだ?」
「ジョジョの第七部だよ。」
「ジョジョってあの絵柄がキモい漫…」
「……!」
(…どうやら言ってはいけないことを言ってしまったようだ。)
「ヒドい!ドラえもんまで!しずかちゃんと同じこと言うんだ!」
(しずかちゃんもジョジョの絵がキモいと言ったのか…まあ、心優しいしずかちゃんのことだからもっとオブラートに包んで言ったと思うが……)
「で、要するに僕のひみつ道具でしずかちゃんにジョジョのおもしろさを伝えろと?」
「ちがうよ。ドラえもん。」
(ちがうのか?)
「そのあと出来杉のやつが“確かにあまり馴染みにくい画風だけど、読んでみると以外とおもしろいんだよ”って言ったんだ。そしたらしずかちゃんなんて言ったと思う?“出来杉さんがそう言うなら読んでみようかしら?”だって!そのあとも出来杉のやつと…」
(長くなりそうなのでこの辺でのび太くんの話を聴いてるふりにすることにした。何が言いたいんだ?こいつはアホか?それにしてもそんなにジョジョっておもしろいのかな…ちょっとのび太くんに借りて読んでみるか…)


この時、まだ誰も今から始まる奇妙な物語のことを知る者はいなかった…


「ドラえもん。もうこんな時間だよ。」
「ちょっと今、吉良吉影と戦っているところだから静かにしてくれ。」
「しょうがないなあ。先に寝てるよ。」



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:13:26.96 ID:SIdfqIjX0

【あと9日】

ジリリリリリリリリリ……

めざまし時計が鳴っている…………うるさい…
ぼくは半分無意識にめざまし時計を止めた。

「のびちゃん。急がないと学校に遅れるわよ。」
「はーい。ママ。」
ぼくはめざまし時計で時間を確認した…
もうこんな時間か……このめざましうるさい上にちゃんと起こしてくれないなんて…不良品だな……ドラえもんに頼んでもっと静かに起こしてくれるめざまし時計をもらおっと……
今から急いで学校に行ってもどうせ遅刻だしもう一回寝よ……タイムマシンを使えば遅刻しないし……
「のび太!いいかげんに起きなさい!」
「わかったよ…ママ……」



『この時まだのび太は異変に気づいていない……』
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:14:24.01 ID:SIdfqIjX0
「このばかもん!」
先生の声が教室に響きわたる。遅刻した上に宿題忘れたから仕方がない。
「きみたち!いくらこの時期とはいえ3人も遅刻をするものがいるなんて気持ちが緩んでいるぞ!」
どうやらジャイアンとスネ夫も遅刻らしい。珍しいな…しかも3人いっしょになんて…
まあそんなこともあるのだろう。
「なあ…のび太……」
ジャイアンが話しかけてきた。
「なんか変じゃないか?」
変?ジャイアンが言った言葉が一番変だと思うが…
「別に。」
「そうか…」
珍しく元気のないジャイアンは今度はスネ夫の方をキョロキョロ見始めた。どうした?とうとう頭がおかしくなったか?

ふと教室を見ると出来杉のやつが学校を休んでいた。
これまた珍しいことだが、まあ出来杉も人間だし風邪になることもあるのだろう。ちょっと季節はずれだが…

先生も普通に授業を進めていき、ぼくにとって今日という日も何事もなく過ぎていった。ちなみに授業内容は覚えていない。


『この時まだのび太はまだ異変に気づいていない……そろそろ気づいてほしい…』
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:15:52.74 ID:SIdfqIjX0
学校も終わり、ぼくは急いで本屋に向かった。今日は週間サ○デーの発売日だからだ。さっそく家に帰って読むことにした。
あれ?知らない漫画ばかりだ……間違えて月刊の方を買ってしまったかな?でもコナ○が載ってるし……まあいいや。

新聞で今日あるテレビを確認するか……あれ?知らない番組ばかりだ………まあいいや。

「のび太。ドラちゃん知らない?」
「知らない。」
そういや朝から見てないな……まあいいや。

今日は先生に散々怒られたからなあ……明日こそは宿題を持って行かないと大変なことになりそうだ…………………まあいいや。
もう寝よう。


『この時まだのび太は異変に気づいていない……なんといういいかげんな性格なのであろう……
脳ミソ足りないのと……ちがうのオーッ!………この物語の主人公を任せていいものか非常に不安になってきた…………
まさか気づかないまま【あと9日】が過ぎていくのではないのだろうか…この男の場合本当にありそうで怖い。
現になにもしないまま一日が経ってしまった。
しかし今日すでに物語は劇的に動き始めていた………………』
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:17:16.59 ID:SIdfqIjX0

【あと9日;出来杉サイド】

ジリ…ピッ!
んー清々しい朝だ。……何ぃぃいいっ!!!



めざまし時計の今日の日付が2012年3月14日になっているッ!!





よし落ち着いて今の状況を把握しよう……

可能性@;僕は夢を見ている。
  →頬をつねったら痛かったので×
可能性A;めざまし時計が壊れている。
  →テレビ、新聞、インターネット等を確認しても結果が同じなので×
可能性B;僕は狂ってしまった。
  →数学の問題も解けるし、記憶もはっきりしてるので×
ということは……
「英才。学校に遅れるわよ。」
「今日は気分がすごく悪いから休むよ…」
学校なんか行ってる場合じゃあない。僕は非日常的超常現象に巻き込まれてしまったのだ。



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:20:49.47 ID:SIdfqIjX0
『注;ここから長々と出来杉の推理が始まるので忙しい人は飛ばしてください。』
世界中のほとんどの人にとって非日常的超常現象は無縁なものだ。
しかし僕の友達にはそんな非日常的超常現象を何十回と体験した男の子がいる。
恐竜の卵を拾ったり、自分の部屋の畳が別の宇宙の異空間とつながったり……そんな現象を何十回もだ。
しかしそんなことが起こりえる確率なんてどのくらいのものだろうか…この宇宙ができる確率より遙かに上だと断言できるね。
ここからは僕の推測だが…これらの現象は単なる偶然ではなく未来からやってきたあの猫型ロボットによるものではないのか?
そう…ドラえもんには願望を実現する能力がある…んっふ、困ったものです。
要するに僕の推理ではこの現象の原因はドラえもんじゃあないか?ということだ。

さて、この2012年のことだが、単なる僕たちの未来の世界とは思えない。
なぜなら母さんが僕を見ても何も驚かなった。これが逆におかしい。
もしこの世界が僕たちの未来の世界なら“未来の出来杉英才”がいるわけだ。
当然この世界に存在しないはずの“小学生の出来杉英才”を母さんが見て何のリアクションもないわけがない。
よってこの世界は僕たちがいた世界とは別の世界だ。
ここで考えられる可能性は、@、この世界はパラレルワールドだ。A、この世界は改変された世界だ。
僕が○をしたいのは@だね。これなら元の世界がまだ残っているから元の世界に戻るだけだ。
しかしこの場合パラレルワールドに住むもう一人の自分がいるはずだ。だけど僕はまだ会っていない。お互いの世界を交換しあった可能性もあるけど………
おっと話がややこしくなりそうだからこの辺で止めよう。どうあろうと原因ははっきりしている。ドラえもんだ。



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:21:30.93 ID:SIdfqIjX0
では次になぜ2012年なのか考えてみよう。
2012年は日曜から始まる閏年だ。よってオリンピックが開催される。
この年は確かイギリスのロンドンの予定のはずだ。今、インターネットで確認しても変更の予定はない。
だがしかしオリンピックがきっかけなら、3月14日でなく7月頃の世界になってるはずだ。
3月14日……ホワイトデーか………しかしこれでは2012年である必要性は感じられない。
2012年を他の紀年法に変えてもこれといった答えは出ない……

いやもっと単純に考えてみよう。原因はドラえもんである可能性が高い。
僕とドラえもんは最近会話をしてないけどなにか前兆があったはずだ……
そうだ!のび太くんだ!ドラえもんはあまり自分から動こうとしない。
だからのび太くんがなにかをドラえもんにそそのかした
……
……ぼくとのび太くんが最近話した話題………………

……
………ジョジョ?

ドドドドドドドドドドドドド…



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:22:57.69 ID:SIdfqIjX0
僕はグーグルで検索を始めた。

[荒木飛呂彦]
 荒木飛呂彦 に一致するページは見つかりませんでした。
[ジョジョの奇妙な冒険]
 ジョジョの奇妙な冒険 に一致するページは見つかりませんでした。


僕は震える手を押さえながらゆっくりキーボードを叩いた。



[岸辺露伴]
 岸辺露伴 の検索結果 約815,000 件中 1 - 10 件目
[ピンクダークの少年]
 ピンクダークの少年 の検索結果 約1,120,000 件中 1 - 10 件目


間違いない。この世界はジョジョの世界だ。



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:24:03.98 ID:SIdfqIjX0
そして、それは同時に2012年3月14日という日付が示す恐怖を表していた。


第六部の主人公である空条徐倫が刑務所に入れられたのが確か2011年11月だった…
それから4ヶ月ほど刑務所生活をした後に脱獄……
そしてその数日後………
世界は……………終わる………

まさに今月のことだ…………
急いでインターネットで次の新月の時を確認した。
来週の金曜日……あと9日しかないじゃあないかッ!!!



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:25:39.53 ID:SIdfqIjX0
すぐにドラえもんのところへ行こうとしたが、ここである一つの考えがよぎった。
この世界はジョジョの世界だからもしかしたら僕もスタンドを使えるのでは?
そう考えると体の奥から得体の知れないパワーがあふれ出ようとしてるように感じる。
たとえるならッ!新品のパンツを履いた元旦の朝のようなッ!
「勇気」とは「怖さ」を知ることッ!「恐怖」を我が物とすることだあッ!
ふるえるぞハート!燃えつきるほどヒート!!
出来杉英才ッ!おのれのパワ−がどの程度のものかとくと拝見してやるッ!

『世界(ザ・ワールド)ッ!』
   時よッ! 止まれいッ!









14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:27:03.86 ID:SIdfqIjX0




静寂の中、時計の針の音と外で鳴くすずめの鳴き声がやけにでかく聞こえた。
あ…あのすずめの目………
犬のウンコを踏んだ人をみるかのように冷たい目だ。
残酷な目だ…「おれがどくのは道にウンコがおちている時だけだぜ」というセリフを言いながらウンコを踏んでるのを見てしまったってかんじの!
マヌケッ!よく考えたらわかるわーーーーッ!
自分みたいな脇キャラにザ・ワールドが発動するか!スカタン!
客観的に自分をみれねーのか バーカ!

自虐ネタはこの辺にしてもう出発しよう……
どうせスタンドが発動するのはメインの5人だけなんだろ…………






17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:33:26.51 ID:SIdfqIjX0
出来杉は念のために身を守る用意をして家を出た。


出来杉がのび太の家に向けて走っていると、道路に猫がいた。
その猫は高価そうな刀をくわえている。
我われはこの刀を知っている!
いや!この奇妙なサヤとこの気味の悪いオーラを知っている!

「なんだ…あの猫
…(約0.2秒の間)
アヌビス神だッ!あのスタンドってそうとう強かったよな(21巻参照)。誰かの手に渡る前に回収しなければッ!
ん?これって僕の心が乗っ取られるフラグか?まあいいや猫の後を追おう。」



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:35:28.23 ID:SIdfqIjX0
「こらー!このいたずら猫め!また盆栽を割ったな!」
今怒鳴ったのは空き地の隣に住んでいる神成さんだ。
「ん?なにかくわえておる……なんだこの刀は……中から音が聞こえるぞ……
勝手にサヤが抜けた……気味が悪い。交番に届けよう。」

おちつけ
おちつくのだ…
神成よ…

なんでもないのだ…
たいしたことはないのだ…
神成よ…

「な…なに者だ………どこからか…………声が聞こえるぞ…………」



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:36:11.02 ID:SIdfqIjX0


おれの名は「アヌビス神」のカード
冥府の神 墓地の守護神を暗示するカードのスタンド!
おまえはわたしを抜いた…
おまえはわたしの本体になるのだ……
おまえが本体だ…
おまえは達人になった…
おまえは剣の達人だ…
おまえは誰より強い…
わたしを使って殺すのだ…



ピキイイイィン スカ! ニャ… バタッ

「こんな猫死んで当然の野郎さ!
そこの陰からずっとこっちを見ているそこの少年っ!
おまえもブッた切ってやりたくなったぞ。」



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:38:15.44 ID:SIdfqIjX0


出来杉はひたすら走っていた。助けを求めようにも平日のこの時間帯、誰もいなかった。誰かいても無駄なのはわかりきっていたが。
(さてこの状態からあの刀を回収できるだろうか…
できるわけがないッ!
そこで問題だ!このスタンドを持っていない僕がどうやってこの危機から脱出するか?)


  3択−ひとつだけ選びなさい

答え@ハンサムの出来杉英才は突如スタンドが発動する。
答えA仲間がきて助けてくれる
答えB死ぬ。現実は非情である。



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:39:34.40 ID:SIdfqIjX0

(僕が○をつけたいのは答えAだが期待はできない…
たぶんさっきこの世界の異変に気付いた剛くんやスネ夫たちがあと数秒の間にここに都合よくあらわれて
アメリカンコミックヒーローのようにジャジャーンと登場して「待ってました!」と間一髪助けてくれるってわけにはいかねーゼ
逆にのび太くんはまだこの世界の異変に気がついてないのかもしれねえ)

「やはり答えはCのこのまま逃げるしかないようだな。」

「やあ。先回りしてたよ少年。」
「できるわけがないッ!」



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:40:15.52 ID:SIdfqIjX0

出来杉は逆方向にまた走り出した。
体力には自信がある。
しかし凶器を持った男が10メートル後ろを走っている事実が彼の息を乱れさせた。
「できるわけがないッ!できるわけがないッ!できるわけがないッ!さあジャイロ3回以上言ったぞッ!えっ?さっきのは一回にしか勘定しない?」
出来杉は恐怖のあまりに混乱していた



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:41:34.48 ID:SIdfqIjX0

ドグゥッ! ドタァーーン

「うわあああーーーせ…背中を切られた…もうダメだ!できるわけがないッ!できるわけが……」
ま……
待て……
待つんだ……
誰がメインの5人以外スタンドが発動しないって決めたんだ?
メインの5人しかスタンドが発動しなかったら物語が成り立たないじゃあないかッ!
背中の傷はかすっただけで浅い…
スタンドの力は精神の力だ。僕が心のどこかでスタンドなんて出ないと思ったらスタンドも出ない………
空気を吸って吐くことのように!
HBの鉛筆をペキッ!とへし折る事と同じようにッ!
できて当然と思うことだッ!
大切なのは「認識」することだ!
スタンドを操るという事はできて当然と思う精神力なんだッ!
(※これは出来杉の0.5秒分の思考です)



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:43:25.31 ID:SIdfqIjX0
「死ね!少年」
「出ろぉぉぉぉぉお!僕の中の何かぁ!」

ドドオォオーン
刀は出来杉の目の前ではじかれた。神成の刀の軌跡を緑の物体がはじきとばしたからだ。このスタンドに見覚えがある…この筋メロンを知っている。
「ハ…法皇の緑(ハイエロファントグリーン)のエメラルドスプラッシュ……」

また出来杉は走りだした。

「エメラルド状のエネルギーの塊を発射するスタンドか…たしかに………憶えたぞ!逃がしはしないッ!」



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:45:25.01 ID:SIdfqIjX0
(ハイエロファントグリーンが出たのは嬉しいが、このスタンドのパワ−じゃまずアヌビス神には勝てない。
しかしここで逃げてもこのスタンドを倒したことにはならない。
作戦上逃げる事はあっても戦いそのものを放棄することは決してしたくない
………ガンガン闘うッ!)


「よし!あの少年の背中をとらえたぞ。ズタズタに切り裂いてやる!……
…こっちの方をな…」

「今だッ!エメラルドスプラッシュ!」


ドバッ! ドシュゥ!


「わざとおれを追いつかせて姿を見せ油断しているところを背後からスタンドで攻撃するのはいいアイデアだったが…
お前のエメラルドスプラッシュはもう憶えている。
一度闘った相手は絶対に…絶対に絶対に絶っ…〜〜対に!負けなあああああああいィィィ」



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:49:56.99 ID:SIdfqIjX0

エメラルドスプラッシュははじき飛ばされた。
「クソぉぉ…」

ハイエロファントグリーンは距離をとるため一端神成から離れる。
「物陰に逃げても無駄だ!」
「な…なんだってッ!」

ドシューーーーッ!
アヌビス神はブロック塀ごと切った。
「ば…ばかな!」

ドタァーーン………


「“アヌビス神”は物質を透過して物が切断できるスタンドなんだ!大バカヤローめッ!」



「なあ〜んてね☆
それはもう21巻でもう 憶 え て い る 。
これで完全にお前を油断させることができた。」


「切断されてないッ!胴体をひも状にして耳からおれの体内へ!」



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:51:02.36 ID:SIdfqIjX0
「さあ内部から破裂されたくなかったら、その刀を地面に置け!」
「は…はい。
(しかしひも状になることももう 憶 え た 。このまま別の人にとりつけば…)」


ボトォ

「はっ!わしは何をしておったんじゃ?」
「散歩でもしてたんじゃないんですか?神成さん……」
「そうじゃったかな…って何で君はこんな時間に学校に行っていないんじゃ!それになんじゃこの刀は!」
「ふう…この刀は僕のです。」
「何!それはけし……」

ドクゥ!

「騒ぐようならしばらく眠ってもらいますよ。神成さん………」



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:53:09.34 ID:SIdfqIjX0
(よしこいつおれのことを忘れてるぞ!)

「…さて
この刀どうしよう…」

(ヒイイイ!忘れてなかった!
ん…まてよ…こいつがおれを持ち上げる時にこいつの体を乗っ取れば……)

「おっと、足がすべった!」

(なにしてんだッ!こいつッ!ドブに落ちたじゃないか!これじゃあなかなか人に拾ってくれないッ!水がたまってなかっただけましだが……)


「さて、スタンド能力も手に入れたし、護身用に持ってたこいつはいらないな。捨てよう。」

ドボドボドボ…

(何かけてんだッ!?こいつッ!こ…これは………硫酸じゃねーかッ!!なんでこんなもの持ちあるいてんだよ!?て…鉄が溶けていく………)

ブクブクブク…

「うーん。けっこう濃度が高い硫酸だけどなかなか鉄が溶けないな………まあ後10分もすれば使い物にならないくらいにはなるだろう。」

(やっぱりわざとか!ちくしょう………
せっかく“あいつら”からナイル川の底から引き上げて鍛え直してもらったのに
………ヒィィィィィィィ!!!!!)


 アヌビス神 リタイア



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:55:57.51 ID:SIdfqIjX0
『注;ここから長々と出来杉の推理が始まるので忙しい人は飛ばしてください。』
僕はのび太くんの家に行くのをやめ、また空き地の方へと引き返していた。
理由はこうである。

アヌビス神がいきなりあらわれてびっくりして今まで深く考えてなかったが、そもそもなぜアヌビス神があそこにあったのか。
1989年にナイルの底に沈んだはずだ。それがなぜか2012年のしかもエジプトではなく日本に存在している。
しかもさびていない。ここで最初に思いつくのは、この世界はスタンドが存在するだけでジョジョの奇妙な冒険のという原作とは別世界という説だ。
だいたい花京院のスタンドであるはずの法皇の緑(ハイエロファントグリーン)が発動するのは少しおかしい。
しかし、グーグルで岸辺露伴が出たことから、この世界が原作と別世界とは考えづらい。
第一この世界が原作と別世界ならば当然DIOもプッチ神父もいないわけなので次の新月を怖がる必要性もない。
ではこのハイエロファントグリーンだが、まず僕たちは本来この世界の住人ではないわけだ。
では僕たちに該当するスタンドもないので、2012年では故人になり存在しない花京院のスタンドが僕たちに配分された。
…少々強引の仮説だが、原作のジョジョの奇妙な冒険でも虫食いとラットの例もあるし、同じタイプのスタンドが偶然別々の人に出たということにしておけばいい。
そうなると僕たちに配分されるスタンドは2012年に生きていない人のスタンドになる可能性が高いのかな?
そうだとすればもし裏切り者がいても対応しやすくなる。
いや…こういうことを考えるのはやめよう。
おっと話がずれてしまったな。



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 02:57:45.50 ID:SIdfqIjX0
さて、やはりあのアヌビス神は1989年にナイルの底に沈みそれを再び拾い上げ、鍛え直された……可能性が高い。
誰が?
どうやって?
何のために?
そこまではわからない。が、ナイルにアヌビス神が落ちたことを知っている人間でないといけない。
あるいは後からそれを知ったかだ。
さて、理由はどうであれアヌビス神を拾いこの町においた人物がいるわけだ。
そいつは今、何をしているだろうか?
たぶんアヌビス神からの連絡を待っているだろう。
なぜならなんらかの理由があってアヌビス神を置いたわけであって、アヌビス神に勝手な行動をされちゃあ困るわけだ。
つまりアヌビス神に誰かにのりついたら連絡をするように行っておくはずだ。
しかしアヌビス神から連絡がない。
そうなるとまたアヌビス神を置いた場所へその誰かが確認しに戻る可能性があるだろう。
僕なら戻る。そこにアヌビス神があるかないかで状況がちがうからね。
正確にはどこにアヌビス神を置いたかはわからない。
が、すくなくともあの猫の行動範囲であることは間違いない。
よって空き地の方に戻っているわけだ。



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 03:03:04.73 ID:SIdfqIjX0

(見つけたッ!あいつらに違いない!
一般的に怪しい人物とそうでない人物を見分けるのは難しい。
しかしジョジョにおいてそれは単純明快である。
もう見たまんまに怪しい人物が怪しい!!!!)

出来杉は地中からハイエロファントグリーンを潜ませ二人の話を盗み聴くことにした。



(一人は逆リーゼントみたいな頭をしてるし、お互いにイタリア語で会話している。
これで怪しくないならこの世に怪しい人物なんていないだろう。

しかし…
なんでこいつらがここにいるんだ?
さっぱりわからん………
それにしても最初に出会ったジョジョキャラがこの二人か……

そうこの二人はジョジョに出ていたキャラクターだった……
この二人の名前はマリオ・ズッケェロとサーレーだ!
名前だけじゃわからんやつはJC49〜50巻を読むといい。)

「なんでアヌビス神がねーんだ?」
「宇宙のハテをしらねーようにそんなことはしらねー」

(言い忘れてたが、僕はイタリア語がわかるのだ。)



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 03:06:06.84 ID:SIdfqIjX0
「さてどうする?わざわざボス直々の命令で日本まで来たのにやることがよくわからんなんてお笑い草だな。ボスはいったいなにが目的なんだ?」
(ボスってジョルノのことか…2016年だからもう30才になるのか…想像がつかん。
そういやこの二人は第5部で死ななかった数少ないキャラだったな…)

「実はおれ、日本に来る前に幹部たちの秘密会議を盗み聞きしたんだ。」
「ッ!ばれたら消されるぞっ!」
「おれのスタンドを信用してねーのかよ…大丈夫うまくやったさ…」
(ソフトマシーンだっけ?確かに盗み聞きできそうだな)

「心配するな。ばれてたらもうおれらは消されてる。それにのし上がるためには情報が必要だろ?」
「たしかにな……もうおれはおっさんになっちまったが、まだのし上がることをあきらめてねーっ。それでボスの目的はなんなんだッ!?」
「スペアポケットだッ!」
(スペアポケットだとッ?)
「スペアポケットってなんだッ!?」

「そこまではよくわからねー…幹部の連中にも知らされていないらしい。ただ見た目は白い布きれらしーぜ。」
「なんでそんなもののために……だがよっぽど重要らしいな………スタンドでできてるのか?」
「わからない…だがそれを手に入れれば権力は思いのままだ!」
「今すぐ探しに行きたいが、ミスタさんから連絡があった。今すぐ港にあるKB倉庫にいかなくては………」
「まあ焦るな……まずは情報を集めることが大切だぜ。」
「……お前も歳をとったな…………」
「うるせー」



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/21(木) 03:12:22.52 ID:SIdfqIjX0
(あいつらが移動しようとしている!
それにしてもこの住宅地にあのスポーツカー……スネ夫くんのいとこのスネ吉さんを思い出すな……
ああどうしよう……)

闘う? 後を追う? のび太の家に行く?




出来杉はハイエロファントグリーンを忍ばせた。
コツーン

「なんかあっちからおとがしたぞ!行ってみよう!」

(今の内に車のトランクに入ろう。やはりまずは情報を集めることが大切だよな?)



『主人公(?)のび太が学校で居眠りしている間に、出来杉が活躍しすぎている。
なぜこいつが大長編ドラえもんのときにコーラを飲んだらゲップが出るくらい確実に出てこないのかがよくわかってしまった。
この活躍ははたして死亡フラグなのか!それとも主人公交代フラグなのか!
そして作者が書きためてた内容を全部書き終えてしまった…どうする?作者!!
もっと書きためてからスレ立てるべきだろ………常識的に考えて……』

To Be Continued……



戻る次のページ