( ^ω^)ブーンはバランスゲームに参加するようです。

32: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/11/13(火) 12:59:12
act.03-1
僕らは銅色のNo.15と、記された鍵を貰った。。

銅とは、古来日本ではアカガネと呼ばれ、鉄はクロガネ、銀はシロガネ、由来は輝いた時に色合いがそう見えたという点から来ているそうだ。

すでにゲームが始まっているとして、金属が銅ということは、ホールから伸びている通路は、左が青で右が赤。

おそらく、赤い通路が正解。

奥から三番目の扉の前まで来ると、クー先輩は手慣れた動きで鍵を開ける。ふと何かを思ったのか、こちらを振り向いた。
川 ゚ -゚)「この馬鹿げたゲームは、さっさと終わらせよう。

―――覚悟はいいな?」
違和感が一瞬だけ僕の中を掠める。

だけど、それが何であるか、わからなかった。

僕は、それでも一体なんだったのか考えていた。
思考の隅に、耳に何かがこすれるような、金属が微かに振動しているような音が
なんとなく発信源を辿る、隣の扉へと行き着いた。

そこに棺桶が



33: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/11/13(火) 12:59:37
( ^ω^)(なんで?棺桶がここに?)

一瞬訝しむも、だが、すぐに思い当たる、芸人がいた。
最近、テレビで人気急上昇、漫才師の棺桶死オサム、だと思う。
その棺の蓋と容器が、激しく振動を繰り返し、ガチャガチャと奏でている。

( ^ω^)(しかたないお。)

僕もそうだけど、彼もまた命がけのゲームに、強制的に参加させられているのだから。

そういえば誰も、オサムが棺からでてきた姿を知らない。
以前、コンビニで立ち読みした際に、女子高生が噂をしていた事。
えーと、棺から出た姿を目撃した者は、なんだっけ?
詳しい内容など、忘れてしまったが、少なくとも不吉な噂だった。

まぁ、今日初めて実物を見たが、明らかに不吉なオーラ出ているから、仕方ないかな。



34: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/11/13(火) 13:00:00

考えることを中断、顔の向きを戻す。
先輩の目と僕の目があった。

そういえば、さっきの質問に答えてない。
気持ちを改め、しっかり頷いた。

先輩は、ドクオとショボンの固まったことも確認してから。
再び鍵の開いた扉の方に、向き直る。
その手に銃を構え、勢いよく蹴り開けた。

一旦、扉横の壁に背中をあずけ、暗闇の部屋の中へ銃口を向け、様子を窺う。

しばらくして「大丈夫そうだな」と呟く。



35: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/11/13(火) 13:00:50
静な声で足音を立てず、中へ入るようにいわれた。
部屋は大きなレンガの煙突を思わせるような造り、広さは八畳ほど。
中央にひたすら上へと続くかと思うような、緑色の螺旋階段。

演出のためか、階段沿いに青い炎が灯っている。

( ^ω^)「すっげえお。」

('A`)「あーこれって、どれだけ工事費用かかっているんだ?」

(´・ω・`)「んーこれは・・・なかなか、趣を感じるね。
こんな状況じゃなかったら、楽しめたのにね。」

三者三様感嘆の息を漏らす。



36: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/11/13(火) 13:01:26
よく目を凝らして見てみると、はるか上の方から、光がもれている事に気づいた。

そこからだろうか、空気の流れに乗って微かにガソリンが臭いがする。

先輩が、銃を螺旋階段の上部へ向けるよう、指示を出す。
彼女は階段に慎重に近付くと、厳しい目で取手や床を、拳で叩いてチェックをしていく。

多分、強度の確認だろうか?

まもなくして、こっちに来いと手を振った。
僕とドクオは、軽い足取りで、階段に近づく。

川 ゚ -゚)「馬鹿!気を抜くな!!」

突然の、今までにないくらい張り詰めていて、恐怖を感じさせる、怒鳴り声。
僕は思わず、びくっと、体が反応する。

唯、ショボンだけが冷静に、部屋の上部に銃を向けていた。



37: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/11/13(火) 13:01:45
(´・ω・`)「まぁまぁ、こんな所で、人を殺すような仕組みをは、作ってないと思うなぁ。
こんなところで殺してしまうのは、僕なら――つまらない。」
彼は、説得なりのつもりかもしれない。
しかし、最後の言葉が、場を凍りつかせた。

すぐに、はっとして
(´・ω・`)「ごめん、あはは。」
苦笑いを浮かべ謝った。

(´・ω・`)(殺すにしても『まだ』殺さないのは、確実だと思う。
あくまで、勘なんだけど。)



38: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/11/13(火) 13:02:06

川 ゚ -゚)「気を抜くな、油断は死に繋がる。
もう一度いう、安全な場所へ着くまでは、気を許すな。」
階段を少し上がったところに先輩は、立っていた。

彼女は、振り返らない。

さらに口が僅かに動く、しかしその内容を、聞き取ることはできなかった。
再び前を向き、上へ上へと登り始めた。

上の灯りへと近付くたび、息苦しくて、走ればすぐ酸欠になるんじゃないかと、心配になるくらい、空気が薄くなっていくのがわかる。
だが、先輩はこの苦しさをものともせず、ひたすら進む。
また、小さな灯りが出口であると分かるころには、体が溶けるんじゃないかという、暑さがたちこめていた。
やはりそれすら、ものともせず足を動かす先輩。

それからまもなく、階段を登りきった。
疲れをとろうと僕は、深呼吸を試みた、がしかしガソリンの強い臭いと、あまりにの空気の悪さでむせてしまう。

とはいえ、しばらくすると幾分かはとれるもので、思考にも若干の余裕が出てきた。
ここでようやく、影が僕らの数より、一つ余分、炎にゆらゆらと、揺られている影があることに気づいた。

ゆっくりと、その方を向くと



39: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/11/13(火) 13:02:29
外見は、十歳に届いているだろうか、可愛らしい笑顔で、幼女が行儀よく、炎の噴水の前に立っていた。

(*゚∀゚)「ようこそー、《デッドアンドファイア》という、アトラクションへ。」
スカートの裾を持ち、軽く一礼をする、それから新ルールの内容へと入った。

(*゚∀゚)「あたらしいルールはかんたん。
でぐちまで、はしっていければ、イインダヨー?」
少女は無邪気で、嬉々とした顔と口調で話す。

川 ゚ -゚)「グリーンダヨー。」
彼女は、しっかりとした声で返事をする。
その表情は非常に堅く、とても親しそうな雰囲気ではない。



40: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/11/13(火) 13:02:46
(*゚∀゚)「えーっと、くーちゃんえらいえらい!
おへんじじょーずね!!」
睨まれているというのに、視線など、全く気に留めてすらいない。
いや、その必要がないのだろう。
そろどころか、平然と僕らの周りを軽やかな足取りで跳ねる。
こんな場所で、あんなに動けるものだと、僕は逆に関心した。

川 ゚ -゚)「それはどーも、おかげさまで。」
幼女のいうことに対してほとんど、棒読みで返事をしている先輩。

(*゚∀゚)「ふふ、いいかんじだねぇくーちゃん。
そろそろ、はじめてのこたちもはしれるかな?かな?」
ぐるん、首だけこちらに向いた、そのまま今度は九十度近くひねる。
その少女の目はぎりぎりまで大きく見開かれ、口元は歪につり上がっている。

(不気味というか、こえーよ。)



41: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/11/13(火) 13:03:11
川 ゚ -゚)「そうだな、私は暑いのが嫌いだ。
だから、さっさとここを出たい。」
先輩は、武器の本体を腕で抱えるように、ベルトをかけ直した。
僕らに何があっても、どうなろうと、落とさないようにと、言葉を加えた。
呆然と、会話を聞いていた僕らも、慌てて落とさないよう、鞄へしまう。

(*゚∀゚)「くーちゃんのせっかちさーん。
あ!ひとがおどりだすのみたいなぁ。
はじめよ?はじめよ?」


それにしても、こんな幼い子供に、人殺しを遊びのような感覚で教えているとは、一体どんな親か知りたい。
いや、思いっきりぶん殴ってやりたいと、思った。

目の前の少女は、眉間にしわを寄せ、何かを考えている。
何か思い出したのか、手で相槌をうった。



42: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/11/13(火) 13:04:03
(*゚∀゚)「そだ!じょーけんいうのわすれてたぁ。
このめいろには、スイッチがみっつあります。
いろはきーろ、あお、あかです。
それを、となりのラウンジのしんごうと、おんなじならびじゅんにおすこと!」

なんと常に走りながら、スイッチをラウンジ公国の信号の並び方と同じ順で押せとな!
僕は、海外に一度も行った事ないし、社会科の授業は寝ていた、絶対無理な話だ。
次いでドクオだ。
ドクオはゲーマー、休みにはいよぅやジョルジュを連れて、近場のゲーセンへ行っているらしい。

彼が。本を読む姿なんて、とてもじゃないが想像できない。



43: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/11/13(火) 13:04:23
すると頼みの綱になりそうなのは、先輩と、夏休みによく海外へ、家族に連れて行ってもらえる、ショボン。
もし、二人が知らないなら、状況は、一気に絶望的なる。

チラッと、ドクオへと目線を移す。
暢気に携帯をいじっている、僕が真面目にやれとか思っていると、視線に気がついたらしく、こちらを向いた。

('A`)「わからなければ、ググるか、ヤフればいいじゃない。」
この状態になっても尚、マイペースを崩さないドクオ。
それに加え、マリアントワアネット調を真似て見せた。
現在の状況でそれは、他のメンバーを刺激する事になってしまった、うん、ことが落ち着いたら殴ってやろ。

僕が何も言わないでいると、ふたたび、目線を携帯へ戻した。



45: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/11/13(火) 13:43:07
川; - )「ッ!は、走れーーー!!!!!」
突然の先輩の声、三人は咄嗟に走った。
駆けながら元いた場所を一瞬、振り返る。

そこだけ焦げ臭い匂いと、多少溶けた鉄が、赤黒い光を放っていた。
彼女の、かけ声がなかったら…確実に氏んでいただろう。
(;^ω^)(これはヤバい、ガチで氏ねるお。)

即座に前を向き全速で走れ!僕!?
僕は、今回無力だ、授業ちゃんと聞いていたらよかった。
家に帰ったら、しっかり勉強をしよう…うん、かみちゃまかりんの、かりんちゃんに誓おう。

しかし考えるとなると、落ち着ける環境が必要だろう。
僕があの火炎放射器を引きつけ、後はショボンと先輩に任せるしかない。

そして、一呼吸置き、立ち止まった。



46: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/11/13(火) 13:43:46
川; - )「ブーン!何している氏ぬぞ!!!」
あぁ、先輩が心配してくれる。
対して僕は、あの人に見てかすかに笑って見せた。

('A`)「ブーンと、俺があれ引きつけるで、スイッチ頼むわ。」
ドクオは、ひらひらと手を二人に振ったかと思うと、さすが現役の陸上部代表といったところか、逃げ足はピカイチ速かった。

(´・ω・`)「クーさん、今のうちにラウンジのことを考えましょう。」
意外にも肝の据すわっている。
それに比べて当時の私は、恐怖で足が竦んだ。
なにも、考えられなかった。
川; - )「お前たちは、そんなに余裕を持っていられるんだ?」
それは、最も疑問だった。



47: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/11/13(火) 13:44:05

(´・ω・`)「・・・ブーンが貴方を信頼しているので。
それに、いや、この話はゲームをクリアしてからお話します。」

あれが、もう一本あってもおかしくない、ショボンは周りを警戒しながら、一応クーも対象にしておく。

(´・ω・`)(いくら知り合いといえ、半年のブランクと、生活環境の差が大きい。
…警戒しておいて、損はない。)

彼女は話を聞いている間、ずっと俯いていて、前髪で顔が隠れていた。
だから、どのような表情で、この話を聞いていたのか、わからなかった。
その辺りから、警戒を解いてはいけない、そんな気がする。



48: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/11/13(火) 13:44:22
(´・ω・`)「もし、ブーン達に何かあったら、僕が全力でそいつをぶち殺す。
そう決めているんだ。」
釘を刺しておかないと、後々の状況に、大いに差が生まれる事。
昔、経験からよく知っていた。

ブーンとドクオの方を見やる、必死そうに見えるが、実はさりげなく楽しんでいるようだった。

くすり

思わず笑いが、僕の口から漏れた。
さて、僕は僕で、現場を楽しみますか。



49: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/11/13(火) 13:46:44






                             act.03‐1 Fin



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