( ^ω^)はミュージカルをするようです

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/08(月) 23:25:44.95 ID:rngJM0OCO

八曲目・モナー



彼が四季の中で一番好きなのは夏だった。

それは海に入れるとかアイスが美味しいとか薄着の女の子が見れる、
といった理由からではない。

それはこうして自分が下校する時に集まる
冷ややかな視線がその季節の暑さによって、
軽減されているような気になれるからだった。

( ´∀`)(……それにしても……離れ過ぎだモナ)

歩くモナーを中心に、円が出来ていた。
誰もがみんな、あからさまに彼を拒絶していたのだ。

( ´∀`)(……でも、いいモナ。これぐらいなら平気――)

DQN1「モナーちちゃぁぁぁぁぁんっ!!」

(;´∀`)「っ!?」

平気じゃないのが来た、と思った。
嫌な汗が、流れた。

DQN1「先に帰らないでよーwwwww寂しいじゃーんwwwwwww」



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/08(月) 23:30:04.54 ID:rngJM0OCO

走り寄って来たクラスメイトはモナーの背中を蹴った。
なんとか転ばないいように、彼は踏ん張った。

(;´∀`)「…………」

DQN2「今日も一日ご苦労様でしたーwwwwwwww」

頭を平手で叩かれた。
でもモナーは気にしてない素振りを貫いた。

DQN3「月火水木・キン肉マ〜ン♪金土日は遊びたい♪ヤッホー♪」

(;´∀`)(こいつらは他にやることないモナ?……もう、うんざりモナ)

一刻も早く家に帰りたい。この悪夢から解放されたい。
叶わぬ望みを心中で唱えながら、モナーは足を早めた。

DQN1「……シカトしてんじゃねーぞ!!」

前に回り込まれ、胸を叩かれた。



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/08(月) 23:31:46.56 ID:rngJM0OCO

一瞬つまる息。

DQN2「なにお前?何様?」

肘で背中を突かれた。
かなり、痛かった。

DQN3「キン肉バスターすんぞコラッ!!」

モナーは喋りたくなかった。
どうせ何を言ってもからかわれるか、相手を激昂させてしまうかだ。
だから口を閉ざして、曖昧に笑った。

DQN1「おい、なにヘラヘラしてんだよ。気持ちわりぃ」

DQN2「スカしてるつもりかよ、マジうぜぇ」

DQN3「テメーはテリーマン気取りか!?似てやがるな!!」

(;´∀`)(……どうすればいいんだモナ)



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/08(月) 23:34:04.26 ID:rngJM0OCO

困惑し、途方に暮れた。
解決策が見付からなかった。

DQN1「あれぇ?顔が引きつってませんかぁwwwwwww」

DQN2「本当ですねぇwwwww気持ち悪いですねぇwwwwwww」

DQN1&DQN2『ぎゃははははははははwwwwwwwwww』

(;´∀`)(…………)

道行く人の中には、同級生が大勢いた。
みんな見てない振りをしているか、遠巻きで笑っているかのどちらかだった。

モナーに味方など、いないのだ。話し相手すらいなかった。
そんな彼に出来ることは、苦笑いすることだけだった。

(;´∀`)(でも……このままじゃダメだモナ。勇気を出すモナ……)

そう思い直して、意を決する。
クラスメイト達を見て、口を開く。



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/08(月) 23:35:41.52 ID:rngJM0OCO

(;´∀`)「い、い、嫌がらせは、もう、やめて、モナ……」

DQN1「はあ?」

(;´∀`)「だ、だ、だ、から、嫌がらせ、はもうやめ……」

DQN2「ハーイ!分かりました!」

(* ´∀`)「!?」

DQN2「絶対に止めませーんwwwwwwwwww」

DQN1「おまwwww酷すぎwwwwwwww」

(;´∀`)「…………お、お願いだモナ……」

DQN1「うるせーよwwww黙れバカwwwwwwww」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/08(月) 23:37:35.09 ID:rngJM0OCO

大笑いするクラスメイトに脛を蹴られた。
痛さに思わず声が出た。

(;´∀`)「モナッ!?」

DQN2「『モナッ』だってよwwwwwマジうけるwwwwwwww」

DQN3「『コーホー』だったらウォーズマンっぽかったのにな」

(;´∀`)(……何度も、何度も思ったけど)

(;´∀`)(本当に、うんざり、モナ…………)

涙目になるのが、分かった。
でも、懸命に堪えた。

ここで泣いたら相手を調子に乗らせるし、なにより無意味だったから。


―――――


料理と虐めの共通点は、フルコースを味わうのに長い時間かかることだ。
モナーはそんな皮肉気なことを考え、自嘲した。

(* ´∀`)(でも今は関係無いモナ)



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/08(月) 23:40:14.41 ID:rngJM0OCO
下校時に不快な思いはしたが、今は自宅にいる。

だから自由だ。

趣味に没頭できる。

幸せだ。

(* ´∀`)「ふんふ〜ん♪モナモナ〜♪」

制服とトランクスを脱ぎ捨てると、黄色のパンティーを履いた。

(* ´∀`)「今日のラッキーカラーはイエローのはずだったモナよん♪」

洋服箪笥を開けて、物色。
目を瞑って、ど・れ・に・し・よ・う・か・な、とニヤつきながら選ぶ。

(* ´∀`)「……エッチな服をチョイスしちゃったモナ。嫌々だけど、着るモナ」

ハンガーに掛かったワンピース。
それに着替えてカツラを被った姿を鏡に写す。

( ´∀`)「…………」

(* ´∀`)「可愛いモナ〜!似合い過ぎだモナッ!!」



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/08(月) 23:41:52.04 ID:rngJM0OCO

部屋の端から端まで歩くモナー。
気分はすっかりパリコレだ。
もちろん立ち止まる時にはワンポーズ。

(* ´∀`)(聞こえるモナ…………拍手の音が!!)

モナーは自分の姿に魅了された。
なんてセクシーでキュートなのだろう、と自画自賛した。

(* ´∀`)「現代の三大美女!その名は――」

親指を噛んだ。

( ´∀`)「モナ美!」

余った手は頭にやった。

( ´∀`)「モナ江!」

胸を張って鏡を見た。

( ´∀`)「モナ子!!」

( ´∀`)「…………」

(* ´∀`)「ヒュー!
       ビューティフル・スーパー・レディ!ミス・モナー!!!」



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/08(月) 23:44:05.22 ID:rngJM0OCO

照れてその場で飛び跳ねた。
モナーは一人の時間を堪能していた。

彼には、変わった趣味がある。
それは女装癖だ。

困ったことに自分が相当な美人であると信じ込んでいる、
たちの悪いナルシストだった。


―――――


暇だし気が向いたら、ちょっと試してみようかな。
最初はそんな軽い思い付き。

留守にしていた妹の部屋に行き、適当に選んで服を着た。

そうしたら、凄く似合っていた。
サイズこそ小さく、上着がチョッキのようになっていたが。

その日から、モナーの夜はモナ子として生きられた。
学校のことなんて、簡単に忘れられた。

(* ´∀`)「プリティモナ〜♪マジ可愛い〜♪」

(* ´∀`)「プリティモナ〜♪マジでやっばい♪」



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/08(月) 23:46:09.37 ID:rngJM0OCO

運送会社で荷物の仕分けをするアルバイト。
貰った給料は女性用の服に費やした。
おかげで、今では小さな洋服屋が開けるぐらいの量がある。

試着してから選んだので、その全てが自分に似合っていた。

(* ´∀`)「……こんにちわ、モナはモナ子というモナよ」

愛され上手になるために、鏡に向かってそう言った。

そこにはスイーツ(笑)でパスタ(笑)な等身大の自分がいた。
これが、アタシ流。

小悪魔メイクとキラキラ小物でワザアリだ。
ロハス(笑)。

( ´∀`)(これは……世間に披露しないと罪になるモナ)

存分に自分らしさを演出したモナーは、部屋を出た。
そして外に飛び出し、声を張り上げた。

( ´∀`)「みんな私を見て!こんなに可愛いのよ!!」

(* ´∀`)「モナモナモナwwwwwwwwww」

辺りは夜の帳が降りており、真っ暗だ。
しかしモナーの表情は陽光のように輝いていた。



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/08(月) 23:47:44.19 ID:rngJM0OCO

(* ´∀`)(ナンパされちゃったらどうしよう……モナw)

自分には同性愛の趣味など無い。
でも素敵な女性、つまり艶女(アデージョ)だと思われたら凄く嬉しい。
だから声を掛けてくれるぐらいなら、大歓迎だった。

そんなレディースプランを起てつつ、モナーは夜の街に向かった。

女装したまま外出するのは初めてだったので、
気分は嬉し恥ずかし少し怖い、といったところだった。


―――――


( ´∀`)(……おかしいモナ)

不可解だった。
それに、気付いた。

( ´∀`)(これじゃいつもと同じモナ……)

自分が歩く。
すると人が避ける。

まるで登下校すると同じではないか、とモナーは愕然とした。



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/08(月) 23:50:19.96 ID:rngJM0OCO

( ´∀`)(…………)

通行人の男性に、物は試しとウインク一つ。
食らった相手は眉間にシワを寄せてから、下を向いた。

( ´∀`)(……?)

別の男性に投げキッス。
その人は顔を背けて壁とにらめっこ。

( ´∀`)(照れて……る?)

そうとしか思えなかった。
なんてシャイな住人達だろう、とモナーは呆れた。

(;´∀`)(……それなら……モナーがやるか、モナ)

強行策に出ることにした。
それは究極の自分磨き(笑)、逆ナンだ。

向こうが来ないなら、自分から行けばいいのだ。

( ´∀`)(やってやるモナ……!!)

例えどんなに素晴らしい作品が出来たとしても、
それを机の引き出しにしまってしまえば意味が無い。

評価を得るには、恥を忍んで表に出す必要があるのだ。



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/08(月) 23:51:55.51 ID:rngJM0OCO

( ´∀`)(……あの人にするモナ。少し暗そうだけど、大人しそうそうだモナ)

('A`)「…………」

頭に包帯を巻いている痩せた男が目に止まった。
コンビニ帰りだろうか、手に持つはビニール袋。

( ´∀`)「ハーイ♪」

無駄毛を処理した腋。ふわモテカールなカツラ。
その二つをアピールしながら色っぽく挨拶した。

Σ('A`;)「おわっ!!?」

男は何かに驚き、尻餅をついた。
ひょっとしたら自分の美しさのせいかもしれない。

( ´∀`)「……どうしたの?大丈夫かしら?」

相手を気遣う女ヂカラを発揮させ、モナーは彼に接近した。

(;'A`)「ななななな、なんだなんだ!?なんだ!!?」

急に近付き過ぎたせいか、男は混乱したようだった。
あまり女性に慣れていないのだろう。



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/08(月) 23:54:22.06 ID:rngJM0OCO
( ´∀`)「こんばんわ、私はモナ子よ」

上目使いで自己紹介。
アタシ、百点。

(;'A`)「こ、こっちに来るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

物凄い勢いで壁まで下がるナイスガイ。
老酒をかけた海老みたいな動きがミステリアスでちょっとワル。

(* ´∀`)(そんなに照れなくてもいいのにモナ……)

でも、相手の動揺をもっと見たい。
もっとリアクションが見たい。

だからモナーは更に近付くことにした。

((((((;'A`))))))「ひっ…………ひいぃぃぃぃっ!!」

壁に阻まれているためもう下がる場所など無い男。
顔顔を寄せ、モナーは言う。

(* ´∀`)「貴方とお友達になりたいわぁ……」

(;'A`)「おっ……おホモダチ!?」

(* ´∀`)「そう、お友達よぉ……」

彼の恥ずかしがる様が、嬉しくて仕方なかった。
そんなに自分が可愛いのだろうか?



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/08(月) 23:56:14.37 ID:rngJM0OCO
やはり自分は魅力的だったのだ、と確認出来た。

((((((;'A`))))))「おおお、怒らずに、お聞きして欲しいのですが……」

( ´∀`)「なにかしら?」

((((((;A;))))))「あっ、明日も俺、就活あるし……だから……その……」

( ´∀`)「だから?」

((((((;A;))))))「……帰……うぁぁ……」

(;´∀`)(……?よく聞こえないモナ……)

男の途切れ途切れの言葉から真意を推理しようとした。

( ´∀`)(えっーと……)

用事があって長居できない。それが残念でならない。
きっとそう言いたいのだろう、とモナーは察してあげた。

(;´∀`)(……悔し泣きとはオーバーだモナ)

(* ´∀`)(でもそう思ってくれてありがたいモナ!……お礼をするモナよ!)

良い考えを思い付き、女運が無い彼にとっての最高の返礼をすることにした。



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/08(月) 23:57:59.29 ID:rngJM0OCO
( ´∀`)「そう……帰らなくちゃならないの……それは残念ね」

('A`)「っ!!」

('A`)「そうっす!残念っす!!でも行かなくちゃ――」

男の言葉を遮るように、彼の髪を優しくかきわけるモナー。

(;゚A゚)「〜〜〜〜〜〜っ!!?」

(* ´∀`)「これから起きることは、一夜限りのドリームよ」

ふっ、と耳に息を吹きかけてやる。

Σ(;A;)「ひぃっ!!」

男が体を固くした。
モナーは彼を見ていると悪戯心が湧いてきた。
だから少し、サービスがてらにからかってやろう、と思ったのだ。

(* ´∀`)「さあ……立つのよ」

((((((;A;))))))「はっ……はひぃ……」

促され、生まれたての小鹿のような足取りで彼は立つ。



44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/09(火) 00:00:10.20 ID:Fni9c/FXO
モナーは男の手を取り、胸を触らせてあげた。
もっとも、大量のパットを仕込んだ偽物のEカップだが。

(* ´∀`)「どう……?これがおっぱいよ?」

((((((;A;))))))「…………」

男は何も言わない。
恐らく今まで触れたことのない感触に打ち震えているのだろう。

( ´∀`)「さあ……次はどうしたいの?」

((((((;A;))))))「かえ……帰りたい…………」

(* ´∀`)(ぷぷっwまーだ照れてるモナ)

( ´∀`)「そうね……次はお尻を触らせてあげるわぁ」

そう言って、男の太股に尻を擦り出すモナー。

((((((;A;))))))「ひぃぃぃ…………」

(* ´∀`)「ふふふ…………」

ルンバのリズムで尻を押しつける。
男はヒップと壁に挟まれていた。



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/09(火) 00:03:12.76 ID:Fni9c/FXO
(* ´∀`)(きっと幸せの絶頂モナね)

感想を聞いてみようと顔だけ振り返る。
しかし男の表情すらも見えないうちに、突き飛ばされてしまった。

(;´∀`)「モナッ!?」

(;A;)「うおおおおおおおおおおおおっ!!!」

叫びながら走り去る男。
モナーは呆然とそれを見送った。

( ´∀`)「…………」

(* ´∀`)「凄い恥ずかしやがり屋さんだモナ……」

彼のおかげで、美しさが証明された。
自分の魅力が立証できた。
まさか泣いて喜ぶとは予想だにしなかったが、嬉しい誤算だった。

(* ´∀`)「モナ〜♪モナモナ〜♪」

上機嫌になって鼻唄。楽しい帰路だ。
家に帰ってホットヨガでも試して更に可愛さを磨こう。

意気揚々とそんなことを考えていた思考が――一瞬飛んだ。

後頭部をとてつもない衝撃が襲ったからだ。



49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/09(火) 00:04:56.76 ID:Fni9c/FXO
≡);´∀`)「モナアアアアアアアッ!!?」

ガラスの割れる音とその破片が辺りに飛び散った。
痛む頭を押さえながら、誰がやったのかとモナーは振り返る。

从 ;Д从ノシ「あばばばばばばばばばばばっ!!!」

そこには割れた空き瓶を振り回す、見たこともない女がいた。

(;´∀`)(だっ……だれだモナっ!?)

从#;Д从「ぶべらごばぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

女が動いた。
そう知覚した次の瞬間、とんでもない速度の拳がモナーの顔面に叩き込まれた。

(;´∀(# 「モガァッ!!」

がくんと動く首。
遅れて感じる鈍痛。
吹き出す鼻血。



51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/09(火) 00:07:46.98 ID:Fni9c/FXO
从#;Д从「おぼががががががががっ!!!」

今度は腹を蹴り上げられる。
その威力のせいで軽く浮いた気がした。

(メ;´∀`)「ゴェェッ!!」

くの字に体が曲がり、視線の先に地面があった。
そこに髪を掴まれる感触。
女の膝が、目前に迫る。

(メ;´∀((# 「グギィッ!!」

一発、二発と膝蹴りが顔に当たり、目の奥で火花が散った。

(メメ;´∀`)(だ、誰か助けてモナァ……)

女の手が離れた。
そのまま崩れ落ちた。

しかし襟首を掴まれ、無理矢理立たされる。

从 ;д从「ごんぼぐぼっ!がべら!?」

(メメメ;´∀`)「な……に…………?」



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/09(火) 00:08:57.51 ID:Fni9c/FXO
从#;Д从「がばばびらぼばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

拳を握り、振り被る女。
そしてモナーを殴り飛ばした。

(メメメ;´∀`)「モガァァァァァァァァァッ!!!」

地面に倒れ、転がる。
アスファルトのせいで皮膚と服が傷付いた。

(メメメ;´∀`)「うっ……うぅっ…………」

なんとか保っていた意識を総動員して、女を見上げた。

从 ;д从「ぁぐぅ……ぇぅ…………」

肩で息をつきながら、鬼のような形相の女。
なぜこんな暴行を受けなければならないのか、見当がつかなかった。



56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/09(火) 00:12:41.04 ID:Fni9c/FXO
从 ;д从「……触っ……た」

(メメメ;´∀`)「?」

从 ;д从「ドックンに触って……お喋りした……」

(メメメ;´∀`)「??」

从 ;д从「私だって……ベタベタ触っていっぱいお喋りしたいのに……」

(メメメ;´∀`)(ドックン?さっきの人のことかモナ?)

なるほど、とモナーに合点がいく。

つまり原因は嫉妬なのだ。
片想いの相手か何かに、
この魅力的な自分という存在にちょっかい出されたのが腹立たしいのだろう。

从 ;д从「声かけて……髪に触って……迫って……胸触らせて……」

ぶつぶつと呟く女。
よろよろと立ち上がるモナー。



57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/09(火) 00:14:12.13 ID:Fni9c/FXO
(メメメ´∀`)「お姉さん……」

まずは誤解を解こう。
自分は口説く気など毛頭も無かったと言い、話し合えば解決するに違いない。

――甘かった。

(メメメ;´∀`)「モゲェェェェェェッ!!?」

モナーの鳩尾に拳が突き刺さった。
吐き気が込み上げてくるが、股間に食らう激し過ぎる痛みがそれを消す。

金的だ。
玉を蹴られたのだ。

(メメメ;∀;)「モナァッ…………」

从 ∀从「……許さねーぞ、このカマ野郎……」

(メメメ;∀;)「……モ……ナ?」

从 ∀从「私なんかドックンと目が合ったこともねーのによ……
     ぜってぇーに許さねー。ガチで許せねー……」

((((((メメメ;∀;))))))「モ、モナァ……」



58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/09(火) 00:15:42.38 ID:Fni9c/FXO
从#゚∀从「 テ メ ー は こ こ で 死 ね 」

(メメメ;∀;)「モナアアアアアアアアアアアアアッ!!!??」

女が割れた瓶の切っ先を突き出してきた。

刺す気だ。

目に宿す殺意に、モナーは恐怖した。

(メメメ;∀;)「モナッ!!」

何とか、避けた。

自分らしからぬ素早い動き。
これが死に際の抵抗力、火事場の馬鹿力か。

从#゚Д从「おらああああああああああああああああっ!!!」

風切り音と共に連打で繰り出される鋭い突き。
モナーはそれを紙一重で避け続けた。

(メメメ;∀;)(こ、殺されるっ!!!)



v 60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/09(火) 00:17:12.81 ID:Fni9c/FXO
人生で怖いと思ったことは何度もあった。
でも死を間近に感じられたのは初めてだった。

それは誰も自分の命を奪おうとはしなかったからだ。
だが彼女は違う。
確実に殺しにきていた。

(メメメ;∀;)「モナッ!モナッ!モナナッ!!」

避ける避ける、モナーは避ける。
右へ左へ回避する。

从 ゚∀从「……ん?」

(メメメ;´∀`)「モナ?」

不意に女の手が止まった。
視線が下に注がれていた。

そこには先ほど立ち去った痩せた男が持っていたビニール袋が落ちていた。

从//∀/从「うわああああああ!!エロい本だぁぁぁぁぁぁっ!!!」

袋の口から成人向け雑誌が顔を出していた。
女はそれに飛び付き、読み始めた。



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/09(火) 00:19:00.59 ID:Fni9c/FXO
从//Д/从「くはぁぁぁぁぁっ!
     相変わらずドックンはHな趣味してんなぁぁぁぁぁっ!!」

(メメメ;´∀`)「…………」

从//д/从「ひゃあぁぁぁっ…………こんなこと私に出来るかなぁ…………」

(メメメ;´∀`)(……チャンス、モナ?)

从//Д/从「でも!ドックンのためなら頑張るぜぇっ!!!」

足をばたつかせながら熟読する女を置いて、モナーはその場から逃げ出した。


―――――


(;´∀`)「ヤバいヤバいヤバいモナッ!!」

モナーは全力で走っていた。
肺が潰れそうなほど息が切れそうだったが、刺し殺されるよりましだった。



64: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 00:20:52.42 ID:Fni9c/FXO
(;´∀`)「モナッ!?」

遠くから、女の咆哮が聞こえた。
その声は夜の住宅街に響き、不気味に木の葉を揺らす。

(;´∀`)「や、やつが来るモナ!!どうするモナ!?」

猛獣に追われる草食動物の気持ちが、リアルに理解できた。

(;´∀`)「隠れるモナ!!」

両腕を上に伸ばして電信柱と壁の間に体を滑り込ませる。
駄目だ、すぐバレる。

今度は丸くなってゴミ置き場の隣に座った。
無理だ、絶対見付かる。

(;´∀`)「どうすれば……」

そこでモナーは、目を疑うような事態に遭遇した。



65: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 00:22:33.50 ID:Fni9c/FXO
( ´∀`)「あれは……なんだモナ?」

……………((□ トコトコトコ

( ´∀`)「段ボールが……歩いてる……?」

Σ□ビクッ

□「…………」

( ´∀`)「…………」

自分の声が聞こえたのだろうか、その箱は動くのを止めた。

( ´∀`)(……もしかしたら……任務中のスネークかモナ?)

どら焼きといえばドラえもん。
段ボールと言えばスネークだ。
間違いない。

( ´∀`)「スネェェェク!!モナーを助けてぇぇぇぇっ!!」

段ボールを、剥いだ。



66: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 00:24:49.90 ID:Fni9c/FXO
(;^ω^)「うおおおおおっ!?なんでバレたんだぉぉぉぉぉぉっ!?」

中から柔和な顔を青年が現れた。
残念なことに、タフな特殊部隊の人間には見えなかった。

(;´∀`)(でも四の五の言ってる暇は無いモナ!)

(;´∀`)「助けてモナ!!殺人鬼に追われてるんだモナ!!」

(;^ω^)「殺人鬼!?それは大変ですお!!」

(;´∀`)(話が早くて助かるモナ……きっと良い人だモナ)

(;^ω^)「ささっ!どうぞ隣へ!!」

(;´∀`)「ありがとうだモナ!!」

二人は段ボールを被った。
座り込むにはスペースが無さすぎたので、立つ羽目になってしまった。

(;^ω^)「なるべく目立たないようにするためにも、道の端に移動しますお!」

(;´∀`)「モナッ!!」

とことこ、と歩いて壁に張り付く二人。
そのまま、息を殺した。



68: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 00:27:42.01 ID:Fni9c/FXO
( ´∀`)「…………」

( ^ω^)「…………」

耳が痛いほどの静寂。
完全な、無音。

( ^ω^)「…………」

「どこじゃボケェェェェッ!!?」

(;´∀`)「っ!!」

怒声が聞こえた。
さっきより近かった。

あれは鬼だ。鬼の声だ。

「逃げられると思うなよぉぉぉぉっ!!絶対にぶっ殺してやる!!!」

(;´∀`)「…………」

(((((( ;ω;))))))「…………」

声の主が、来た。
駆ける足音が接近していた。

「ぶっ殺す!バラバラにしてやる!!!」

近づく、近づく、もうすぐそこに。



70: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 00:29:36.86 ID:Fni9c/FXO
モナーは圧倒的な恐怖に陥れられ、叫び出したかった。

そして、自分達のすぐ側を声と足音が――。

「どこに消えやがったぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

(;´∀`)「…………」

(((((( ;ω;))))))「…………」

通り、過ぎた。

女は自分を見付けられずにどこかへと走り去った。

(;´∀`)(助かった…………モナ……さすが段ボール……)

安堵のため息。
肩から力が抜けた。



71: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 00:31:15.70 ID:Fni9c/FXO
こうして命があるのは、青年のおかげだ。
モナーは段ボールから出て、丁寧に礼を言った。

心を、込めて。


―――――


( ´∀`)「なんで隠れてたんだモナ?」

(;^ω^)「……友人から『誰にも見付かるな』と言われてまして……」

( ´∀`)「それは懸命で確実な方法を取ったモナね」

夜の街を、ぶらりぶらりと歩いていた。
静まり返った住宅街に、二人の足音だけが鳴る。



73: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 00:33:16.44 ID:Fni9c/FXO
( ´∀`)「でもなんで見付かったらマズイモナ?」

(;^ω^)「そ、それは……」

( ´∀`)「あっ、言いにくいならいいモナ。
       誰にでも事情というもなあるもんだモナ」

先ほどモナーは、青年の拳が赤く腫れ、血がにじんでいたのを見た。
だから何か深いわけがあって隠れていたのだろう、と想像していたのだ。

(;^ω^)「……すみませんですお」

もしその傷が誰かを殴ってものだとしても、気にはならない。
この善人そうな顔を見ていると、
きっとその被害者の方が悪いのだろう、と思えたからだ。

それに命の恩人は、無下に出来ない。
恩返ししなければならないぐらいだ。

( ´∀`)「……もし良かったら、今日はうちに泊まるかモナ?」



74: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 00:34:45.28 ID:Fni9c/FXO
(;^ω^)「えっ!?」

( ´∀`)「すぐそこだし、遠慮することないモナ」

(* ^ω^)「で、でも……こんな夜遅くですし……」

( ´∀`)「気にしないでモナー」

もしトラブルに巻き込まれているのなら、見捨ててはおけない。
彼は自分を助けてくれたのだ、だったら力になるべきだ。

恐らく行き場もないだろう。
そうモナーは察して、彼を自宅に案内した。

家に着くと鍵を開け、ドアをくぐる。
家族は寝ている時間帯だったが、日頃の習慣から、
ただいま、と声を出すモナー。

そして青年を招き入れた。

( ´∀`)「どうぞモナ」

(* ^ω^)「お邪魔しますお……」



76: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 00:36:48.98 ID:Fni9c/FXO
( ´∀`)「お腹は空いてないモナか?」

(* ^ω^)「大丈夫ですお」

( ´∀`)「それじゃさっそくモナーの部屋に――」

絶叫が、言葉を途切れさせた。
階段を駆け降りる音がした。

(;´∀`)(……あいつを忘れてたモナ)

やがて人影が見える。
それは急ブレーキで立ち止まると、舌をベロリと剥いて玄関に立った。

ミセ*゚Д゚)リ「バックホーム!!モナーブラザー!!」

槍を持った妹が、そう叫んだ。


―――――


昔は可愛かった。
舌足らずで甘えん坊なやつだ
った。



77: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 00:38:18.84 ID:Fni9c/FXO
ミセ*゚听)リ『もあー、ちゃん』

( ´∀`)『モナーだモナ』

ミセ*゚o゚)リ『もやー?』

( ´∀`)『モナー』

ミセ;゚‐゚)リ『……も、なぁ』

( ´∀`)『そうだモナ。今のはよく言えたモナ』

ミセ*゚ー゚)リ『えへへへ……だっこ!』

( ´∀`)『ほいモナ』

ミセ*゚ー゚)リ『そんで、いーこいーこ!』

( ´∀`)『ミセリは欲張りだモナー』

ミセ*^ー^)リ『みせり、よくばぁーwww』

それが今じゃこれだ。

ミセ;゚Д゚)リ「ブラッド!ファッキン!!ブラッド・ハンドォォォ!!」

頭を掻きむしり、目をひんむいていた。
言動は意味不明の一言だった。



80: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 00:40:38.32 ID:Fni9c/FXO
ミセ;゚Д゚)リ「デビル・デビル・デビル!!ユーアー悪魔!?ホワット・デーモン!?」

( ^ω^)「おっおっ〜♪あくま悪魔だお〜♪」

( ´∀`)「ノリが良いモナね」

感心して、呟く。
兄であるはずの自分が踏み込むのに躊躇する領域に達しているのに、
彼があっさりと付き合えたからだ。

無礼な妹は青年の言葉など頭から無視して階段を駆け上がって行った。

まったく、実に変な妹だ。

彼女に呆れつつ、青年と共に自室に向かった。


―――――


翌朝。

また妹か。あいつの声か。
そう、思った。



82: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 00:42:23.75 ID:Fni9c/FXO
「うおおおおおおおおおおおおっ!!!」

( ‐∀‐)(ムニャムニャ……うるさい……モナ……)

「おおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

( つ∀‐)「モナーはまだ……眠いモナー……」

(; ゚ω゚)「うわああああああああああああっ!!!」

( ´∀`)「モナ?」

騒いでいたのは青年だった。

昨夜は彼は、
(* ^ω^)『さすがにベットで一緒に寝るのはマズイですお……
ですから、僕は床で寝かせてもらいますお』
と申し出ていた。

恩人を床に眠らせる無作法は心苦しかったが、彼は頑なだった。
だから薄手の毛布を渡して就寝した。

(; ゚ω゚)「おお……おっ……」

青年は顔を青ざめ、怯えているように見える。
お漏らしでもしたのだろうか?



83: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 00:44:29.47 ID:Fni9c/FXO
( ´∀`)「……どうしたモナ?」

(; ゚ω゚)「……お」

( ´∀`)「お?」

(; ゚ω゚)「男の人だったんですかおっ!!?」

(;´∀`)(……あ)

夏場はパンツ一枚でモナーは寝る。
なので今は平たい胸が顕になっており、青年はそこを凝視していた。

モナーは失念していた。
説明するのを忘れていたのだ。

青年は毛布を受けとると早々に横になり、熟睡した。
それを見届けてから、化粧をおとしてベットに入った。

妖艶で魅惑的な女性が、一夜を経たら男の子。
青年にしてみれば、狐に化けされた気分だろう。

(;´∀`)「あー……その、これは……」

(; ゚ω゚)「ひいぃぃぃっ!!お邪魔しましたおぉぉぉぉぉっ!!」

なぜかお尻を押さえつつ、青年が部屋から飛び出て行った。



86: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 00:46:57.64 ID:Fni9c/FXO
(;´∀`)(悪いことしちゃったモナ……)

後に残るは、自分の嘆息と憂鬱な朝。

げんなりとしながら登校の準備をする。
今日もまた虐められる一日が始まるな、と気持ちが暗くなる。

朝食を簡単に済ませ、さて行こうかと思った時、
モナーは干していた洗濯物の存在を思い出す。

朝のうちにしまっておこう、と物干場に行った。

そして、驚愕。
世界が引っくり返るような衝撃が、モナーを襲った。

(;´∀`)「無いモナァァァァァァァァァァァァッ!!!?」

(;´∀`)「モナーのパンティーが消えたモナァァァァァァァァァァァァッ!!!」

家族の洗濯物ならあった。
しかし目当ての物はない。
お気に入りだったピンクのパンティーが神隠しにあっていた。



88: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 00:50:53.47 ID:Fni9c/FXO
( ;∀;)「盗まれた……モナ……」

自分の下着を腫れ物のように扱うので、家族の仕業ではない。
だから犯人は第三者だ。
謎の怪盗があのセクシーな下着を盗んだに違いなかった。

( ;∀;)「酷いモナ……」

しかし彼の受難はこれだけでは終わらない。

悲哀と無力感を味わいながら学校に行き、
下駄箱を開けると酢豚が入っていたのだ。

( ´∀`)(昨日はたらこスパゲティで今日は中華モナ……)

もはや上履きを洗う気力も無く、
甘酸っぱい香りを放つそれを、モナーは履いた。

( ´∀`)(……もうどうでもいいモナよ……)

教室に入ると机が叩き割られていた。

( ´∀`)(……新しい机を取りに行くモナ)



89: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 00:52:09.48 ID:Fni9c/FXO
HRが始まるまでにわずかだが時間はあった。
早く手に入れなければならない。

今週だけで三脚目だ。
教師や用務員は呆れたような顔をするだろう。

( ´∀`)(モナーのせいじゃないのに、きっとモナが責められるモナ)

( ´∀`)(いつも……そうだモナ)

ここが底辺だ。モナーは日々の暮らしをそう感じていた。

でも底は深かった。

DQN1「おっはよーモナーちゃーんwwwwwwwwww」

DQN2「あれ?なんか酢豚臭ぇwwwwwwwwww」

DQN1「マジだwwwwwどうしたんでちゅかーwwwwwwww」

DQN2「机もぶっ壊れてるしwwwwwwwww」

DQN1&2『ぎゃはははははははははwwwwwwwwwwwww』

( ´∀`)(……よくもまあ、飽きずにやるもんだモナ)



91: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 00:54:01.57 ID:Fni9c/FXO
DQN1「朝のスキンシップでーすwwwwwwww」

クラスメイトに、小突かれた。
身を裂くような激痛が走った。

(;´∀`)「モガァァァァァァァッ!!」

DQN1「痛がり過ぎwwwwwwwwww」

DQN2「よえぇwwwwwwwwwwww」

DQN3「そんなんでどうやって超人オリンピックを勝ち抜くつもりなんだ!?」

( ;∀;)(違うモナ……これはお前らじゃなくて昨日の死闘のせいだモナ……)

委員長「あんた達!なにやってんのよ!!」



93: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 00:55:33.65 ID:Fni9c/FXO
DQN1「あっ……委員長……」

委員長「私も混ぜなさいよね!!」

DQN1&2「待ってましたwwwwwwwwww」

(;´∀`)(まさか女子からも虐められるとは……)

委員長と呼ばれた女の子は、モナーを睨んだ。

委員長「ひざまずきなさい」

(;´∀`)「え?」

委員長「早く!!」

(;´∀`)「は……はいモナ」

(;´∀`)(この子怖いモナ……)



94: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 00:57:01.14 ID:Fni9c/FXO
上履きを脱いで、モナーの顔の前に足を出す女子。

委員長「ほら、口で靴下を取りなさいよ」

(;´∀`)「わ、分かりましたモナ……」

DQN1&2「…………」

DQN3「おいおい……なんだこりゃ……」

モナーは爪先の方の布を噛んで、一気に引き抜く。
心中は屈辱で一杯だった。

委員長「舐めなさい、丁寧に」

(;´∀`)「…………」委員長「早くしなさい!!」

(;´∀`)「はい……モナ……」

DQN1&2「…………ゴクッ」

DQN3「もはやこれはプレイだな。有料だよ有料」

ここは廊下のど真ん中だ。
大勢の同級生達に見られていた。

まさに恥辱。

こんなことはしたくなかった。
でも、何も言えない。



96: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 00:58:59.69 ID:Fni9c/FXO
(;´∀`)ペロペロペロ

委員長「んっ……くぅっ……///」

(;´∀`)ペロリンペロリン

委員長「……ふぁぁっ……うんっ……ふっ……////」

DQN1&2「…………///」

DQN3「あ、流石先生にニダー先生」

( 〇_ゝ〇)「こら〜、お前ら何をやっとるか〜」

<ヽ〇∀〇>「おはようニダ、糞チョッパリ共」

絶望的な状況に来訪した眼鏡をかけた教師達。
だが、助けなど期待出来ない。

( 〇_ゝ〇)「……朝からエロいことしてんな〜先生、羨ましいぞ」

この二人は信じられないくらい頭が悪く、しかも生粋のドMなので、
モナーが苛められる現場を見ても楽しそうにしているとしか感じられないのだ。

だから止めてくれるはずがない。
いつも、そうだった。



98: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:02:06.86 ID:Fni9c/FXO
委員長「せっ……先生達は……んぁっ……舐めちゃダメ……ですよ……///」

<ヽ〇∀〇>「当然ニダ。ウリ達は聖職者だから、ちゃんとお店に行くニダ」

( 〇_ゝ〇)「まったくですな。
       近頃の教職員はその辺りを理解していないから困る」

DQN3「変態の鏡ですね」

( 〇_ゝ〇)「こらこら〜、それを言うなら『教師の鏡』だろ」

<ヽ〇∀〇>( 〇_ゝ〇)『ホルハハハハハー!』

( ´∀`)ペロペロ(どいつもこいつも……)

委員長「やだぁ……あっ……あんた……マジ、キモ……ひゃぅっ……///」

DQN1「俺……便所行ってくるわ」

DQN2「あっ、俺も」

DQN3「私は(ドジで)強い(つもり)キン肉マン♪」

( ´∀`)ペロペロペロペロ(モナーをバカにして……)



99: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:04:15.95 ID:Fni9c/FXO
なぜ、自分がこんな目に合う?
どうして足なんか舐めなければならない?

モナーは苦しかった。
侮蔑され侮辱され虐げられる毎日。
言葉と力の暴力と存在を否定される無視という行為。

誰でもいいから、助けて欲しい。
暖かい手を差し伸べて欲しい。

( ´∀`)ペロ

( ´∀`)(…………)

委員長「……なに勝手に……ハァッ……止めてんのよ……」

でも誰もいない。
耐えるしかない。

( ;∀;)「モナ……」

我慢するしかない。



100: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:05:27.04 ID:Fni9c/FXO
( ;∀;)「モナアアアアアアアアアアアアアッ!!!」

モナーは、泣きながら駆け出した。
やっとの思いで逃げ出した。

それしか出来なかった自分が、反吐が出るほど嫌いだった。


―――――


ぼんやりと、歩いていた。
あてなどはない。ただの徘徊だ。

( ´∀`)「…………」

ぶらぶらと無目的に潰す時間。
退屈だが、他にやることも無い。

( ´∀`)(もう疲れたモナ……)

家に帰るわけには行かなかった。
今は平日の昼間だ。
親にあれこれ言われるのは、御免だった。



102: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:06:58.72 ID:Fni9c/FXO
( ´∀`)(…………)

本音を言えば、帰宅したい。
でもそれは家に閉じ籠りたいわけではなく、女装したかったからだ。

モナ子になれば、忘れられる。
モナ子とモナーは別人だ。
モナ子は、苛められない。

( ´∀`)(……でも……そうでも……なかったモナね……)

殺されかけたことを思い出した。
あれは痩せた男と過ごす甘い時間の終わりを告げる、凶悪な鐘の音だった。

モナーは悟る。
自分にもモナ子にも、逃げる場所など無いのだ。
居場所など、どこにも無いのだと。

( ´∀`)(モナは……無価値な人間だモナ)

学生の本分である学業は、クラスメイトに妨害される。
部活はサッカーをやっていたが、苛められて辞めた。
友人どころか挨拶してくれる人もいない。

( ´∀`)(ここまでくると……笑えてくるモナ……)



104: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:08:37.00 ID:Fni9c/FXO
( ´∀`)(……ハハッ……ハハハハハ……ハッ……)

「見付けましたおっ!!やっと見付けましたおっ!!!」

( ´∀`)「……モナ?」

聞き覚えのある声がした。
その方向に、視線をやった。

(;^ω^)「探したかいがありましたお……!!」

そこには袋を持った、柔和な顔の青年がいた。

( ´∀`)「ああ……あんたは……」

(;^ω^)「今朝は本当に無礼をしましたお!!」

正座する青年。

( ^ω^)「貴方のご趣味に勝手に驚き、
       礼を言わずに立ち去るなど、一泊のご恩に対するにはあるまじき行為!
       まことに申し訳ありませんお!」

そう言って青年は土下座した。

(    )「どうかお許ししてくださいおっ!!」

(;´∀`)「オ、オーバーだモナ……別に気にしてなんか……」



105: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:09:42.05 ID:Fni9c/FXO
(    )「いいえ!貴方のご好意に泥を塗る真似をして……
       これは末代までの恥でございますお!!」

(;´∀`)(これは困ったモナ……)

( ^ω^)「それで……お詫びの品と言ってはなんですが……
       これを受け取って欲しいですお」

青年は袋を差し出した。
怪訝な顔をしながらも、モナーはそれを手にとる。

( ´∀`)「……なんだモナ?」

( ^ω^)「どうぞ、開けてくださいお」

( ´∀`)「…………」

中にはキャミソールを初めとする洋服一式と化粧道具、
それに貴金属等が入っていた。

(* ^ω^)「女性の方と相談しながら選びましたお!
       気に入ってもらえると嬉しいですお!」

( ´∀`)「…………」



107: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:11:13.06 ID:Fni9c/FXO
( ;∀;)「モナッ……」

(;^ω^)「お?」

( ;∀;)「モナモナ……」

蛇口を捻ったかのような量で、涙が溢れた。

でもそれは青年の行為が嬉しくて流したわけではない。
悲しくて泣いているのでもない。

モナーは、悔しかったのだ。

現実逃避の女装が役に立たない。
そう理解したばかりの時、まるであてつけか皮肉のように、
青年が女物の服をプレゼントしてきた。

また馬鹿にされた。
そう感じた。



108: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:12:25.47 ID:Fni9c/FXO
被害妄想に近いその考えが頭を支配し、
モナーは涙腺を制御出来なかった。

( ;∀;)「なんでモナァァァッ!
       モナーは何にも悪くないモナァァァァッ!!」

地に膝を着け、叫んだ。

自分が何をしたというのだ?
なぜこんな目に合わなければならい?

(;^ω^)「お?そりゃ悪くありませんお」

嘲笑する人の顔が頭を巡る。
誰も彼もが後ろ指をさす。

( ;∀;)「モナァァァッ!モナァァァァァッ!!」

(;^ω^)「泣かないでくださいお……」

そもそも苛めの切っ掛けはなんなのだ?
過去を反芻してみたが、見当もつかない。

( ;∀;)「教えてモナ!お願いモナァァァ!!」

地面を叩いた。八つ当たりだ。
しかし気など晴れない。



111: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:14:03.50 ID:Fni9c/FXO
( ;∀;)「モナァァァァァ!!」

どうすればいい?
何をすればこの状況から脱却できる?

分からない。
まったく、分からない。

( ;∀;)(……なんか……騒がしいモナ)

顔を上げて辺りを見た。

周囲に人が集まってきた。

そしてなぜか、いっせいに、ジャンプした。

( ^ω^)&皆さん『だおだお♪だおだおんっ♪おんっ♪』

( ;∀;)「…………」

着地と同時に皆が踊り出した。
声を揃えて歌いながら。

( ^ω^)&皆さん『だおだおっ♪だおだおんっ♪』



113: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:16:43.65 ID:Fni9c/FXO
( ;∀;)(……酷いモナ……)

自分の惨めな姿をひやかしてるのだろう、と思った。

みんな嘲笑っているに違いない。
とうとう町中から馬鹿にされたと悲しくなった。

青年も、歌う老人と尻を振りながら踊っていた。
見捨てられたかと失意の念にとらわれた。

( ;∀;)(一人ぼっちモナ……)

鼻水が垂れる。

奇跡が、起こる。

( ;∀;)〜<パプーッ♪

(;´∀`)「……?」

トランペットの音がした。
確かに、した。
だが周りには管楽器を持った人はいない。



115: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:19:22.09 ID:Fni9c/FXO
(;´∀`)(まさか……モナの鼻から……?)

そんな気がした。
だから試した。

鼻を、鳴らした。

( ´∀`)〜<パプーッ♪

(* ´∀`)「モナッ♪」

間違いない。
これは自分から出たミュージック。

彼は立ち上がった。
瞬時に役割が理解出来たからだ。

いま自分がすべきこと。
それは、奏でることだ。

(* ´∀`)〜<パッパッパーパッパッパパッ♪

(* ´∀`)〜<パッパッパーパッパッパパッ♪

\(^ω^)/「ヘーイ!」



117: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:20:44.03 ID:Fni9c/FXO
穴を指で調節して、音階を操る。
すると望み通りに鳴るメロディ。

音の奔流が、空に響いた。

(* ´∀`)〜<パッパッパーパッパッパパッ♪

(* ´∀`)〜<パッパッパーパッパッパパッ♪

いま確実に、自分は存在している。
生きて音楽を奏でている。

そう強く、感じられた。

(* ´∀`)〜<パパパパパッパッパッパッパラ〜パッ♪

(* ´∀`)〜<パァーッパパッパッパパパッ♪

皆さん『イェーイ♪』

汗をかいた。
迷わず脱いだ。

青年がくれた服を、着た。



119: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:22:21.83 ID:Fni9c/FXO
(* ´∀`)「…………」

可愛い格好、バッチリメイク、素敵なアタシは百点満点。
まさに自分は――

(* ´∀`)「スイーツ(真実)」

そうだ、人類の砂糖菓子とは自分のことだ。
神というパティシエが作ったデザートだ。

モナーはそう開き直った。

( ^ω^)「だおだお・だおだお♪いいんだおっ♪」

皆さん『そうだお・そうだお♪決まりだお♪』

( ^ω^)&皆さん『おぉーん♪』

モナーの抜けた穴は、曲調を変えることで埋められていた。

( ´∀`)「モナモナモナ〜♪」

何度か側転して青年の前にモナーは着く。



120: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:24:12.02 ID:Fni9c/FXO
指を振り、腰を動かしてヒップをアピールするモナー。

( ´∀`)「ちょいとモナーのお話聞いてよ♪」

皆さん『だおだお♪だおだお♪』

( ´∀`)「イジメにあって困っているのよ♪」

皆さん『だおだお♪だおだお♪』

(# ´∀`)「だから、ぶちのめしていいモナかぁぁぁぁぁぁ♪」

( ^ω^)&皆さん『おーんっ♪』

決まりだ。
欲しかったのは後押しだけだ。

だから、行く。
奴らと対決するために。

(# ´∀`)「こんなに可愛いモナを苦しめるあいつらが悪いモナ!!」



123: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:26:50.24 ID:Fni9c/FXO
波のようにウェーブする人垣。
モナーがゆっくりと腕を広げると、それが割れた。

その先にいるのは空気の読めない妹。

ミセ*゚Д゚)リ「♪棺桶なんか用意しねぇ!!
     道にばら撒く死ねぇ!死ねぇ!!」

嫌な顔をしているバックダンサー達。
任せろ、と声を出さずに言うモナー。

ミセ*゚Д゚)リ「♪気分は爽快、転落死!!手首を切るって、あっ―――」

(# ´∀`)「せいやぁっ!!」

ミセ;゚Д゚)リ「ごはっ!?」

手刀一発で妹を失神させる。
あれほどわずわらしかった妹が、簡単に黙った。

(# ´∀`)「邪魔だモナ!!」

ゴミ箱であるポリバケツの中身を取り出して、
代わりに妹をそこに詰めた。



125: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:28:34.73 ID:Fni9c/FXO
(# ´∀`)「行くモナ!!」

欠片の躊躇もなく駆け出した。
かつて逃げた場所へ、全てを覆すために。


―――――


教室のドアを力強く開けた。

まだ授業中だったが、黒板に手を伸ばす担任の教師とクラスメイト達の目が、
女装している自分を見て驚愕の色を帯びていた。

担任「お、尾前……?」

教師が自分を名字で呼んだ。

(# ´∀`)「なんだよボケ」

悪態を聞いて眉間に皺を寄せる教師。
苛めには我関せずを貫くくせに
こういったことには反応が早いんだな、と鼻で笑うモナー。



127: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:30:04.99 ID:Fni9c/FXO
担任「その態度はなんだ!!それが目上の人間に対する態度か!?」

(# ´∀`)「俺の目の上には眉毛しかねーよ。テメーは毛か?」

モナーは教卓を蹴った。
教師は普段は大人しいはずの彼がとった行動に、目を白黒させた。

(# ´∀`)「毛なら喋んな」

担任「…………」

口を閉ざした教師を確認し、悠然と教室を歩く。
奥の席まで行き、目的の相手の前で足を止めた。

(# ´∀`)「おい」

DQN1「…………」

(# ´∀`)「オメーに言ってんだよ。なんとか言えよカス」

DQN1「……なんだよ、カマ野郎」

(# ´∀`)「ハハッ!カマか?」



129: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:31:36.24 ID:Fni9c/FXO
DQN1「そうだろ、お前オカマじゃん。気持ち悪ぃよ」

(# ´∀`)「そうそう、俺はオカマだよ。
       だからテメーを見てるとこんなに勃起しちまってさー!」

DQN1「!?」

(# ´∀`)「ほら、見ろよ」

モナーはそう言って、服を手で押さえる。
すると、こんもりと盛り上がる何かが、股から鳩尾まで服に皺を作った。

DQN1「……なんだ……こりゃ…………」

(# ´∀`)「な?スゲーだろ!?テメーにイジメられてる時には
       いつもこんな風に固くなってたんだよ。ありがたく思いな」



134: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:32:58.81 ID:Fni9c/FXO
実のところ、それはモナーの男根ではない。
彼はここに来る前に八百屋で大根を買い、それを服の下に仕込んだのだ。

大根は太く、長い。
その雄大さは、クラスメイトを畏怖させるに充分だった。

(# ´∀`)「でさー、俺もう我慢できねーみたいなんだわ。
       だから決めたよ、決めたんだ」

(# ´∀`)「お前のこと、レイプするわ」

DQN1「っ!!?」

モナーの言葉にざわめく教室内。

(# ´∀`)「うるせーぞ!!次に口開いたやつはぶち犯す!!」

うってかわって水を打ったような静寂。
モナーの言葉で、それが実現した。

DQN1「レ、レイプってなんだよ……おれは、お、男だぞ?」

(# ´∀`)「はあ〜?だからだろ?」



137: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:35:40.96 ID:Fni9c/FXO
(# ´∀`)「俺はカマ野郎だからよ、
       テメーの尻の穴に突っ込んでやるっつってんだよ」

DQN1「……そ、そんなことしたら、
     お、お前のこと、殺すし……それでもいいなら――」

(# ´∀`)「上等じゃねーか!!
       テメーはナイフで刺して、俺はペニスで刺す!!」

(# ´∀`)「とことんやり合おうぜ……」

DQN2「調子に乗ってんじゃねーよ!!」

鼻息荒く席から立つクラスメイト。

DQN2「やれるもんならやってみろよ!!
     どうせテメーにはそんな度胸はねーだろ!?」

(# ´∀`)「ありがとな、許可くれて」

DQN2「え?」

モナーはクラスメイトのシャツを引き裂いた。



140: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:37:07.80 ID:Fni9c/FXO
DQN1「うわあああああああああ!!?」

(# ´∀`)「ざけんなっ!おとなしくしろやっ!!」

担任「お、尾前!やめ――」

(# ´∀`)「邪魔したらテメーもレイプすんぞ!!」

担任「すみませんでした!!」

(# ´∀`)「オラッ!ケツ出せ!!」

DQN1「やめろ!やめてください!!」

(# ´∀`)「なんだとコラ!?なめんてんじゃねーぞ!!
       俺がやめろって言った時、オメーはどうしたんだよ!?」

DQN1「――っ!!」

(# ´∀`)「おい、答えろよ」

DQN1「…………」

(# ´∀`)「あー、もういいや。テメーで良い、言え」

DQN2「…………」



141: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:38:06.69 ID:Fni9c/FXO
(# ´∀`)「言えよ。俺がやめろっつった時、どーしたんだよ?」

DQN2「………………」

(# ´∀`)「……よっしゃ、決まり。標的変更。オメーを犯す」

机と生徒達の間を突き進む。
眼前には顔を青くするクラスメイト。

DQN2「ふ、ふざけんなよ!!なんで俺なんだ!?絶対におかしい――」

髪を掴むモナー。
引き寄せて怒鳴る。

(# ´∀`)「そうだよな!?理不尽だよな!!
       だから俺はオメーをレイプすんだよ!!!」

モナーは耳を噛んで尻を撫でる。
震える相手の股間を優しく叩く。

DQN2「はうっ!!」

(# ´∀`)「ふへへへ……可愛いじゃねーか」

委員長「ちょっと!あんたいい加減にしなさいよ!」



144: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:40:12.41 ID:Fni9c/FXO
騒ぐ女子に一瞥やって舌打ちした。
鋭い目付きで彼女を睨む。

(# ´∀`)「うるせーメスだな……ブタは黙って制服寄越せ!!」

襲い掛かり、強引に服を脱がすモナー。

委員長「やだっ!!……やだよぉ!……やめぇ……///」

(# ´∀`)「なに照れてやがる!?
       誰もオメーの裸なんかに興味ねぇーよバカ!!」

(# ´∀`)「俺はただメス犬以下のお前から
       服を取り上げてるだけだ!!つけあがんな!!」

委員長「ひっ、ひどいよぉ……そんなこと言わないで……///」

(# ´∀`)「黙れ」

委員長「…………はぃ///」

担任「もっとや――止めるんだ尾前!!」

(# ´∀`)「もう終わったわ!!」

モナーの体重を乗せたローキック。
転倒する教師。

(# ´∀`)「はっ!」



147: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:41:36.26 ID:Fni9c/FXO
女子用の制服を肩に掛け、にやりと笑う。

(# ´∀`)「貴様ら全員に告ぐ」

教室全体に響くよう、声を張り上げた。

誰もがモナーと目を合わせないようにしていたが、いつもとは全く違う理由からだ。
当然モナーもそれに気付いている。

( ´∀`)「……俺は明日、この制服を着て登校する。
       つまり、学校でファッションショーをやるつもりだ」

(# ´∀`)「誰一人、欠席を許さねー!!お前ら全員で俺を誉めろ!!
       もし休んだら、男女の関係無く絶対にレイプしに行くぞ!!
       間違いなく強引に犯してやる!!」

( ´∀`)「決定事項だ、反論は聞かん。以上!!」

委員長「…………はいっ///」

最初に響いた彼女の声に、はっと気が付き、遅れながらも全員が頷いた。
満足そうにそれを見届けると、モナーは教室から出た。



149: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:44:09.70 ID:Fni9c/FXO
( ´∀`)「…………」

(;´∀`)「くはぁー……」

壁にもたれ掛かり、ため息一つ。

(;´∀`)「怖かったモナー……」

じわりとかく汗を拭い、緊張からの解放感を味わうモナー。

DQN3「よう」

(;´∀`)「っ!!?」

どこかでサボっていたためか、授業に遅れてやってきたクラスメイトが、
パックのコーヒー牛乳を飲みながら声をかけてきた。

終わりだ、と思った。
こんな弱々しい姿を見られたら台無しだ。



151: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:46:15.82 ID:Fni9c/FXO
そう心配したモナーだが、それは杞憂に終わる。

DQN3「なかなかやるじゃん。スゲーよ」

自分の肩を軽く叩き、軽妙に彼は言う。

DQN3「今日からお前、正義超人オカマ・マンね」

笑って手を振り、彼は教室に入いる。

腰が、抜けた。
どっと疲れて嘆息した。


―――――


( ´∀`)(もういないモナね……)

踊った場所である駅前に戻ると、そこはいつも同じ日常に戻っていた。
歌っていたのが嘘のように静かで、沈む夕日が街を赤く染める。



153: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:48:13.81 ID:Fni9c/FXO
( ´∀`)(ミセリは……?)

妹を入れたポリバケツ。
蓋を開けてみると、彼女はすっぽりと収まっていた。
まだ目は覚ましていないらしい。

( ´∀`)(手荒なことしてごめんモナ)

胸中で、謝罪した。
昔みたいに頭を撫でてやり、蓋を閉めた。

今まで向き合おうとしなかった問題を片付けよう。
彼女の日頃の言動を、兄らしく真摯に諭してやろう。
そう、思った。

( ´∀`)(……こう思えたのも、あの人のおかげかもモナ)

青年のことを考えた。
彼には感謝していたからだ。

一度ならず二度までも、助けてもらった。
きちんと礼を言いたかったが、彼は、煙のように消えていた。



155: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:49:40.18 ID:Fni9c/FXO
( ´∀`)(今頃なにをしているモナかね……)

歌うのが好きそうだった。
だから彼が誰かと歌うところを想像してみる。

なぜか昨夜の痩せた男と青年の絵が鮮やかに思い浮かんだ。

妙に現実味があるのが、面白かった。

( ´∀`)(モナはもう大丈夫だから、
       あんたは他の人と自分のことを考えて欲しいモナ)

青年が巻き込まれているであろうトラブルも、
上手く収まりますようにとモナーは祈る。

でも自身のことには、願をかけない。
それは自分の力でなんとかするべきだと思ったからだ。



156: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:51:28.72 ID:Fni9c/FXO
( ´∀`)(……今日はよく頑張ったモナ。だから明日もファイトだモナ)

学校でした自分の振る舞い。
あの方法が正しかったかは、モナーには判断できない。

しかし、気分は良かった。
クラスの連中が脅えていたのは、爽快な光景だった。

ざまあみろ、だ。

( ´∀`)(もしかしたら、明日もイジメられるかもしれないモナ)

有り得る未来。
それでもモナーは構わない。

( ´∀`)(全力で抵抗して、それでもダメなら転校でもするモナ)

( ´∀`)(だから、やるモナよ。限界まで、戦うモナ)

自分の決意に、微笑んだ。
その意気だと、発破をかけた。



157: ◆PxaeLV0ois :2007/10/09(火) 01:52:41.42 ID:Fni9c/FXO
明朝は今までにないくらいの新鮮な気持ちで、ドアを開けよう。
胸を張って、登校しよう。

絶対に乗り越えてやる、あの苦痛だった毎日を。

そう、誓った。



夕暮れを過ぎて空の色は移り変わる。
黒さが混じり、夜を迎えた。
暑さが和らぎ、穏やな時間が流れる。

彼が四季の中で一番好きなのは夏だった。

前とは違う理由で、この季節が大好きだった。



八曲目・完



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