( ^ω^)ブーンはイレギュラーハンターのようです
- 2: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 00:20:46.63 ID:PXr3LArtO
- 最初に感じたのは、冷たい空気。
そして、漆黒に染まった世界。
転送を終えたブーンは、半ば呆気に取られた様子で視線をあちこちへと泳がせていた。
ξ゚听)ξ『どうしたの?』
(;^ω^)「あ……いや、あまりにも予想GUYな場所だったから………だお」
古代の地下遺跡―――だろうか。
風化し、一部が崩れ落ちた石壁はこの建物が過ごしてきた年月の長さを物語り、ひっそりと静まり返った暗闇は、既にこの場所が人々の記憶から忘れ去られてしまった事を示している。
建物の地下特有のひんやりとした空気が、少しだけ乾いたカビの匂いを乗せてブーンの顔をそっと撫でた。
確かに、今にも何か良からぬ物が出てきそうな雰囲気ではある。
しかし、古代遺跡にイレギュラーが化けて出たと言う話は聞いた事が無い。
ましてや基地で聞いたボスの情報とは、あまりにも駆け離れた場所だ。
それとも、変わった場所でスポーツをするのが今のトレンドなのだろうか、などと、とぼけた感想がブーンの頭の中に浮かぶ。
- 3: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 00:23:17.59 ID:PXr3LArtO
- ( ^ω^)「本当にここに『あの』ボスが居るのかお?」
ξ゚听)ξ『ええ、この遺跡は――――』
怪訝そうなブーンの問いかけにツンが答えようとした、その時だった。
突如、遺跡を大きな振動が襲った。
天井から石片が降り注ぎ、床に敷き積もった埃が盛大に舞う。
(;^ω^)「なんだお!?地震かお!?」
ξ゚听)ξ『――おいでなすったわね』
忌々しげに、ツンが言葉を吐き出した。
ξ゚听)ξ『良い?ブーン。手短に今回の任務を説明するわ。
この上には建設途中の野球場があるの。だけど、その工事中に遺跡が発見されて、工事は途中で中断されたわ。
ここのボス、ダトォモナキャッチーの目的は遺跡を潰して工事を完成させる事よ』
(;^ω^)「ナンテコッタイ/(^O^)\」
ξ゚听)ξ『この遺跡を破壊しているメカニロイドの存在が確認されているわ。
今回の任務は二つ。この遺跡を破壊して回っているメカニロイドを破壊し、工事を阻止する事。
そして、ここのボスを処分する事よ』
- 4: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 00:25:59.56 ID:PXr3LArtO
- (;^ω^)「なんで今回のボスは変な奴ばっかりなんだお?」
ξ゚听)ξ『お前が言うなよ。外道』
( ^ω^)「ヒデェwww」
もう一度、振動が走る。否、今度は一度だけではない。
何度も連続して遺跡が揺れ、更にその間隔は回を経る毎に狭まり、振動は強さを増していく。
ξ゚听)ξ『ブーン!!後ろよ。来るわ!!!!』
( ^ω^)「ちょwwwいきなりかおwww」
予想GUYの出来事は続くものだ。
巨大なイレギュラーの反応は、背後から凄まじい勢いでブーンに迫りつつあった。
振り向く間もない。ブーンに今出来る事はただ一つ。
( ^ω^)「よーし、パパ思いきって逃げちゃうお!!!!」
一目散に逃げ出した。
ξ;゚听)ξ『逃げんのかよ!?』
(;^ω^)「そんな事言ってもこんなに狭い場所じゃ闘えないお!!!」
- 5: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 00:28:51.82 ID:PXr3LArtO
- 人一人通るのが限界の通路。
それをお構い無しに破壊しながら突き進むイレギュラー。
正面からぶつかれば到底勝ち目は無いだろう。
ブーンは、必死に足を動かす。
不本意だが、前回変態じじいから貰ったフットパーツが大活躍しそうだ。
走りながら、後ろを振り返り、自らの背中に迫る敵の姿を確認する。
ブーンの目に映ったのは、あちこちにトゲの付いた巨大なローラーを振り回す、重機を思わせるイレギュラーの姿。
それが、壁や床をグシャグシャに破壊しながら爆走していた。
(;^ω^)(あれは掠っただけで死ねるお)
再び前を見据え、加速するブーン。
狭い通路の中、命を賭けた追い駆けっこは続く。
たまに顔を出した哀れなメットール達がブーンのバスターの餌食になるか、イレギュラーに粉々に打ち砕かれ、破片だけが遺跡の闇へと消えていった。
登場のタイミングの悪い彼らに心の中で手を合わせつつ、ブーンは闇の中を駆け抜ける。
- 6: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 00:30:45.14 ID:PXr3LArtO
- ξ゚听)ξ『ブーン。もうちょっとで開けた場所へ出るわ』
(;^ω^)「おk」
更にスピードを上げ、指定された場所へ飛び込んだ。
思ったよりも狭い、小さな部屋。
開けている、とはいえ相手の横を取るのは難しいだろう。
ただ、天井はかなり高い位置に有るらしく、ブーンの足音と破砕音が大袈裟な程に反響し続けている。
恐らくあの天井のすぐ上は、もう地上なのだろう。
度重なる振動に耐えきれず、天井の石が一つ崩れ落ちた。
床へと叩き付けられて粉々に砕け散り、埃と土煙を辺りに振り撒く。
( ^ω^)(遺跡もそろそろ限界かお……)
ブーンは足を止め、背後の敵に向き合った。
崩れた天井から射し込む一筋の光が、まるでスポットライトの様にブーンの姿を照らし出す。
( ^ω^)「……生き埋めだけは勘弁だお」
辿って来た道に視線を投げながら、ブーンは独りごちた。
- 7: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 00:32:06.77 ID:PXr3LArtO
- 微かな光に照らされた部屋の向こう、無尽の漆黒を抱く通路は、咆哮する野獣の顎の如くぽっかりと大きな口を開けている。
そしてその奥から姿も無く迫る、振動と、轟音と、破壊。
( ^ω^)(来る!!!)
通路の出口を周囲の壁ごと打ち破り、イレギュラーがその姿を現した。
吹き飛ばされた壁の破片に僅かに怯んだ隙に、イレギュラーはブーンの目前にまで迫る。
(;^ω^)(速ぇお!!)
死の棘がブーンの身体に肉薄する。
生と死を別ける、ひたすらに濃密な、一瞬。
(#^ω^)「だあらっしゃああああああああ!!!!」
雄叫びをあげながらブーンは素早く跳躍すると、空中を滑るように敵の頭上を通り抜け、その背後へと降り立つ。
- 10: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 00:35:40.98 ID:PXr3LArtO
- エアダッシュ。
Dr.ライトから授かったフットパーツに込められた力だ。
確かに今回はこのフットパーツが大活躍だと、ブーンは苦笑した。
ブーンにとっては、あまり良い気分ではない。……なんせ、Dr.ライト本人がかなりアレだし。
〜回想 かなりアレなDr.ライトの図〜
iソ! iミ;!
iミ! ,.==、、_ ,__,,,..、、、 i;;リ
i^iト. _ィェァ了 (ェoヮ、 /!7 ______________
Yl.| ´!| |!` ! ! } /
レl /u__,ゝ i:l‐' │ ひああぁぁあん!!!
li / _二' _、〉 i l <
______-ー;;;;;;;;;;;;ヽ ´  ̄ ` i/;`''ー-、,,,, \ らめぇ!!!出る!!!出ちゃうのお!!!!
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;゙ヽゝ、 , ノ// ;ヽ;;;;;;;;;;;;;;"'' \ ____________
- 11: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 00:38:10.95 ID:PXr3LArtO
- 狭い空間は先程までとは一転、ブーンが有利な状況を作り出していた。
小回りの利かないイレギュラーの巨大な図体では、一度背後に回ってしまえば機動性に勝るブーンに利があるのは明白だ。
( ^ω^)「今度は僕が追い詰める番だお!!!」
敵の背中にぴったりと貼り付くように執拗に追い回し、次々と構えたバスターをイレギュラーの背中に撃ち込む。
ブーンのバスターが装甲に穴を開け、内部を食い荒らし、機関部に小さな爆発を巻き起こす。
がくん、と、大きく痙攣する様な動きを見せイレギュラーはようやく動きを止めた。
腹の底まで震わせる様な爆音。
暗闇を急激に照らす炎。
その中で鉄の塊と化して行くイレギュラーを見つめ、ブーンは安堵の溜め息を漏らした。
( ^ω^)「ツン、遺跡を破壊していたイレギュラーは始末したお」
ξ゚听)ξ『そう』
- 12: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 00:40:23.57 ID:PXr3LArtO
- ( ^ω^)「今回は調子がいいお。もしかしたら一回も死ななくて済むかも知れないお」
ξ゚听)ξ『あれ?ブーン?』
(*^ω^)「まあ、これくらい僕にとっては楽勝だお」
ξ゚听)ξ『二体目が来るわ』
( ゚ω゚)「モルスァ」
◎
◎ ◎
◎
◎ ◎ ◎ ◎
◎ ◎
ティウンティウンティウン
ティウンティウン
◎ ◎ ◎ ◎
◎ ◎
◎ ◎ ◎ ◎
◎
◎ ◎
◎
- 13: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 00:43:48.65 ID:PXr3LArtO
- ( ´ω`)「酷いお。せっかく良い感じだったのに……」
ξ゚听)ξ『私は一体だけ、なんて言った覚えはないわよ』
( ^ω^)「あれ?……ほんとだお」
ξ゚听)ξ『まあ、こっちも正確な数までは把握できてなかったしね。でもさっきの二体目で終わりみたいよ』
( ^ω^)「それで、その二体目はどこに居るんだお?」
ξ゚听)ξ『えーっと……ちょっと待ってね』
(*^ω^)「ああん!!この焦らし上手!!」
ξ゚听)ξ『心底うぜえ……解析結果が出たわ』
ξ゚听)ξ『あなたのすぐ後ろよ。ブーン』
( ^ω^)「へー」
(;^ω^)「へ?」
ブーンは恐る恐る背後を見やる。
そこには唸りを上げてローラーを回転させるイレギュラーの姿。
(;^ω^)「うおおおおおおおお!!!」
地獄の鬼ごっこ、第二ラウンド、開始。
- 15: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 00:45:25.22 ID:PXr3LArtO
- なんとか一体目と同じ領で二体目を撃破したブーン。
レプリロイドがその身体に疲れを感じる事はない。
しかし、その精神は、まるでガムテープで無理矢理剥がしたスネ毛の様に確実にすり減っていた。
( ´ω`)「なんか地の文ひどくね?僕の心はスネ毛かお……」
ξ゚听)ξ『お疲れ様。そろそろボスの筈よ』
( ´ω`)「……了解」
ξ゚听)ξ『あのメカニロイドが破壊された以上、暫く遺跡の崩壊は防がれた筈よ。焦らず、慎重にね』
( ´ω`)「……うん」
ぐったりとしたまま、遺跡の奥に設置された斜行エレベーターのコントロールパネルの一際大きいボタンを押す。
柵が閉まり、エレベーターが坂をゆっくりと登り始めた。
( ^ω^)「………」
( ^ω^)「斜行エレベーターでメタルギアよりもゼノギアスを思い出す僕は異端」
ξ゚听)ξ『なんとどうでもいい……』
( ^ω^)「じゃあサガフロのリュートのラスボス戦」
ξ゚听)ξ『…………知らん』
- 16: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 00:48:49.58 ID:PXr3LArtO
地上は良く晴れていた。
ブーンは大きく息を吸い込んだ。
別に酸素が必要な体ではないが、やはり太陽の下の新鮮な空気は清々しい。
やはり、レプリロイドでも日の光を浴びると安心するのだろう。ブーンの顔にも、ようやく元気が戻ってきている。
( ^ω^)「ツン。例の野球場があるお」
『ここのボスの反応はその中からよ。気をつけてね』
( ^ω^)「了解だお」
ブーンは眼前にそびえ立つ、建設途中の野球場を見上げた。
もっとも、待ち受けているのは、野球の相手なんかではなく逃げる事の許されない死闘。
ブーンの目には、野球場と言うよりも生死を賭けて闘う為のコロシアムの様にすら映る。
- 19: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 00:49:43.53 ID:PXr3LArtO
静寂。
ブーンが足を踏み入れたそこは、静かで寂しいと言う字が正にぴったり当てはまる様な場所だった。
完成していれば、数えきれない人間の歓声で埋めつくされていたであろうスタンドは、ただ乾いた風が通り過ぎるのみ。
選手が熱い汗を流していた筈のフィールドは、ただ虚しく広がるだけだった。
ただ独り、マウンドに佇む人影を除いて。
( ^ω^)「ダトォモナキャッチーかお?
イレギュラーの反応が出ているお。大人しくこちらの命令に従えば手荒いマネはしないお」
( ´∀`)「君は……ブーンかい?」
( ^ω^)「!!何故僕の名前を知っているんだお!?」
振り向いた人影にバスターを構え、叫ぶ。
( ´∀`)「僕は今まで君を忘れた事は無かったよ」
- 20: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 00:51:12.11 ID:PXr3LArtO
- ―――
( ^ω^)「僕、ラウンジ学園に編入するんだお」
(;´∀`)「えっ、ラウンジってあのスパルタの……?」
( ^ω^)「モナー、アルプスで会おうお」
―――
ξ;゚听)ξ『二人にそんな過去が……』
(;^ω^)「いや、僕にそんな過去は一切ないお」
( ´∀`)「ブーン、僕は約束どおりここまで来た。」
ξ;゚听)ξ『二人にそんな約束が……』
(;^ω^)「だから、そんな約束してないお」
( ´∀`)「このマウントで決着を付けよう。ブーン」
(;^ω^)「くっ……やる気かお(マウント?)」
- 21: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 00:55:20.65 ID:PXr3LArtO
- ブーンのバスターから閃光が迸る。
左腕に集束した光は、一本の光線と化しモナーに迫る。
(;´∀`)(う、打てない)
「諦めるな、モナーよ」
( ´∀`)(あなたは、野球の神?)
「いや、ちがうな」
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|\:::::::::/ `、::::::::/ ヽ:::::::::::::::|/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ:::::::::/ !::::/ !:::::::::::/ | 久々にベジータ
\::::::::> V __<,,=-、/ | ブーン小説に良く出ていたのが昔の俺なんだよな
ヽ「`|〒=。,_;' 。=〒|#l) | 今の俺は出番が無いからクソッタレめぇぇえええ!!!!
‐ゝ、!  ̄",└≡=ナ-┘ <
`∧ i=`==、 ∧´ \_________
―┬─┬―i⌒/ \ー='/ ヽ⌒i―┬─┬─┬―
! ! | | |. ハ`ー'´ハ | | | ! ! !
- 22: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 00:59:32.10 ID:PXr3LArtO
- ( ´∀`)「わかりました。神様」
ベジータ「…………」
110キロは出てるスピード。
だけど、見える!!
(;^ω^)「いやいや!!もっと速いお」
( ´∀`)「うおおおおおおおお!!!」
ベジータ「く、風が――みんな、何かにつかまるんだ!」
摩擦で弾がじりじりと燃える。
( ´∀`)「ファイヤーショットガン!!!!」
キィィィィィン
(;^ω^)「えええええええ!?」
弾は火を噴き、黒くなった弾はブーンの顔面に直撃した。
(゚ω゚(#〇≡「ギャー」
( ´∀`)「やったぞ、ランニングホームランだ」
ベジータ「やったな!!モナー!!」
- 24: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 01:03:30.47 ID:PXr3LArtO
- うれしそうにモナーはベースを回っている。
(´ω(#)「目がー目がー」
ξ゚听)ξ『ブーン、今の内に撃っちゃいなさい』
(;^ω^)「え?でもアイツ、今、嬉しそうに三塁回った所だお」
ξ゚听)ξ『良いのよ。闘いなんだから』
(;^ω^)「良いのかお……?ちょっと気が引けるお」
ブーンは痛む頬を右腕でさすりながら、バスターの照準をモナーに絞る。
当のモナーは満面の笑顔で、丁度本塁のベースを踏もうかという所だ。
( ´∀`)「やったあ、これで逆転・・・うわあ!」
撃ったブーン本人ですら気が引ける程、完全に油断した所への強烈な一撃。
モナーは力無くその場に膝を着いた。
因みにきっちりホームベースは踏んでいる。流石だ。
(;^ω^)「うーん。本当に良かったのかお?」
ξ゚听)ξ『別に問題ないでしょ。敵なんだし』
ツンの言う通りではあるものの、やはり気が引けてブーンは思わず唸ってしまった。
- 25: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 01:05:10.82 ID:PXr3LArtO
- モナーはというと、今にも泣き出しそうな顔で、何かをしきりに呟いている。
(;´∀`)(無理だ。僕には無理だ。やめたい。やめたいよ)
ベジータ「諦めるな、モナーよ」
( ´∀`)(あなたは野球の神)
ベジータ「……いや、だからベジーt……」
( ´∀`)「そうだ!!野球は勝つための効率ゲームじゃない!!」
(;^ω^)「これを本当に野球と呼んで良いのかお?」
( ´∀`)「機械みたいになんかそういうのじゃない!!」
(;^ω^)「いや、実際僕らレプリロイドだから、機械みたいな何かそういうのだお」
( ´∀`)「みんなで楽しむものなんだ!!」
(;^ω^)「ここには僕らと変なM字ハゲしか居ないお」
( ´∀`)「五月蝿い少し黙れ空気読め」
( ´ω`)「………ごめん」
- 26: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 01:07:37.79 ID:PXr3LArtO
- ( ´∀`)==〇「ハートオブボンバー」
〇ピカァ
(;^ω^)「う、まぶしい」
モナーの腕から放たれたボールが、目映い光を放ち始める。
ブーンは目の眩む様な光の中で、自らの体に起こった異変にようやく気付いた。
指先から、まるで光の中に溶けて行く様に消滅していく。
( ゚ω゚)「ぎゃあああああああ」
最早、首から上を残して消滅したブーンに出来るのは、叫びをあげる事だけ。
やがて、それすらも光の中へ消えていった。
ベジータ「アウトォ!!試合終了!!」
( ´∀`)「やったぞ甲子園だ」
ベジータ「モナー!!」
ベジータ「モナー!!お前すげぇよ!!」
ベジータ「よくやったな」
- 27: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 01:09:42.46 ID:PXr3LArtO
- ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
( ^ω^)「ボス強すぎワロタ」
復活し、決戦の場へと舞い戻ったブーン。
だが、バスターを跳ね返し、おまけに反則的な威力の攻撃を持つ相手に勝利の糸口は全く見えてこない。
ξ゚听)ξ『せめて、こっちの攻撃が届けばどうにかなりそうなんだけど……』
( ^ω^)「敵もそう何度も油断はしてくれないお」
ξ゚听)ξ『打ち返されない攻撃方法が必要ね』
( ^ω^)「打ち返されない……かお。でもバスターでさえ打ち返せる相手に通じる攻撃なんて……」
そう簡単には無い。
そう言いかけたブーンは、脳裏に浮かんだ記憶に言葉を飲み込む。
( ^ω^)「あったお!!!」
たった一つだけ。打ち返されない攻撃が。
ξ゚听)ξ『本当なの!?ブーン?』
( ^ω^)「うん。今度は上手くやって見せるお!!!」
- 28: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 01:12:33.20 ID:PXr3LArtO
- ( ´∀`)「また来たのかい?」
( ^ω^)「さっきの様にはいかないお!!!
今度は秘策があるんだお」
( ´∀`)「負けないぞ。ホームラン宣言だ!」
いまいち会話が噛み合って居ない気がするが、最早ブーンにとってそんな事はどうでも良かった。
余裕を見せるならそれでいい。
今度はホームランどころか、「打つ」ことすら出来ないのだから。
( ^ω^)「Eカップキャノン!!!」
突然現れたサッカーボール程の球体を、ブーンは全力で蹴りあげた。
( ´∀`)「見損なったよブーン。野球では無理だからって今度はサッカーかい?
僕のホームランで目を覚まさせてあげる!!」
確かにモナーの言う通りだった。
バスター程のスピードも無ければ、弾も大きい。
バスターを打ち返すよりもよっぽど容易にスタンドへ運ぶ事が出来るだろう。
もっとも、それが普通の球だったならば、だが。
( ´∀`)「ファイヤーショットガン!!」
- 29: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 01:14:59.29 ID:PXr3LArtO
- 十分に引き付けられた球目掛け、モナーはバットを振るう。
だが、ブーンの攻撃がブーン自身へと打ち返される事も、ましてやスタンドへ運ばれることもなかった。
バットが球に触れた瞬間、モナーは爆発に巻き込まれていた。
(;´∀`)「え?」
状況が飲み込めず、ただ狼狽するモナー。
ブーンはお構い無しに第二撃を繰り出す。
(;´∀`)「く!!」
モナーは体勢を整え、ブーンの攻撃を再び迎え撃つが結果は同じ。
虚しく爆発の餌食になるだけだった。
( ^ω^)「このEカップキャノンは敵に触れると爆発する能力があるんだお。
お前のファイヤーショットガンは完全に封じる事が出来るお」
(;´∀`)「そんな……」
(;´∀`)(無理だ。僕には無理だ。やめたい。やめたいよ。)
(;^ω^)「げ!!」
どう見ても例のアレの前フリにしか見えない動きに入ったモナー。
それを見たブーンに焦りが浮かぶ。
- 30: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 01:19:18.19 ID:PXr3LArtO
- ( ^ω^)(落ち着け……落ち着くんだお)
あの会話の最中は隙だらけだ。そこを狙えば勝ちだ。
ブーンは自分に言い聞かせるとゆっくりとモナーに向けて狙いをつけた。
( ´∀`)「神(ry」
ベジータ「諦(ry」
〜中略〜
( ´∀`)「ハートオブ―――」
(;^ω^)(二回目だからって省略すんなお!!!!!)
要らん所を空気読むなよ、と突っ込みたい気持ちがブーンの中に沸き上がる。
だが、生憎そんな時間はない。
(;^ω^)(クソっ!!!こうなったらこれしかないお!!!)
- 31: ◆ndPkY/NmQ6 :2007/07/12(木) 01:22:33.46 ID:PXr3LArtO
- ( ^ω^)「きぃん!!打たれた。フライだ。」
( ´∀`)つ「キャッチだ!!とう!!」
(;´∀`)つ「あ゙」
( ^ω^)「www」ξ;゚听)ξ『………』
ベジータ「はいアウト」
ダトォモナキャッチー。
誰よりも野球を愛した男。
爆死。
( ^ω^)「任務完了だお。これより帰還――」
ベジータ「待て!!」
ベジータ「ブーン。お前がナンバーワンだ」
( ^ω^)「…………」
ベジータ「ぎゃあああああああ!!!!!」
( ^ω^)「任務完了!!!帰還するお!!!!!」
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