('A`)ドクオは方舟に乗るようです

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 23:10:52.14 ID:j2EHTrTHO





「12話 歪む」






9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 23:12:07.35 ID:j2EHTrTHO
川 ゚ -゚)「…………」

( ゚∀゚)「…………」


クーの後をジョルジュがついて森を歩いていく。
ジョルジュの心は踊っていた。
あの手紙には「ドクオが朝になっても部屋に帰らない。一緒に探すのを手伝ってくれ」と書かれていたのだ。


( ゚∀゚)(へへへ……いくら探しても無駄だ。
あいつはもう死んでるに違いねえ)


川 ゚ -゚)「…………」


( ゚∀゚)(でも大丈夫。俺がしっかり慰めてやるからよぉ)



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 23:13:59.40 ID:j2EHTrTHO
込み上げてくる笑いを必死に抑えながら、クーへの慰めの言葉を考えていると彼女が突然立ち止まる。


川 ゚ -゚)「…………」


( ゚∀゚)(ん?探すのをあきらめたのか?)
「どうした急に……?」


川 ゚ -゚)「あそこ……」


クーは茂みを指差す。
みるとドクオのきていた服の切れ端が落ちている。


( ゚∀゚)「あれは……!」


思わぬ場所に思わぬものがあったことに思わずジョルジュは驚きの声をあげた。



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 23:15:56.84 ID:j2EHTrTHO
(;゚∀゚)(馬鹿な……!ツンの奴しっかりロープで縛れといったのによ!
ドクオの奴、逃げ出したのか!?
いや、でもあれはドクオの服じゃねえかもしれん)


ジョルジュはその疑念を払拭するため切れ端を確認しようと、クーの一歩手前に出た。
切れ端を拾おうとしゃがみ込む。
そして後頭部に衝撃が走った。


( ゚∀゚)「ッ!!!」


痛みに耐え兼ね頭を手で擦る。
何事かと後ろを振向くと、クーが柳眉をつり上げジョルジュを睨んでいた。


川#゚ -゚)「………!」


初めて見せた怒りの表情。
ジョルジュはその痛みに困惑し、酷く怯えた。



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 23:19:13.37 ID:j2EHTrTHO
(;゚∀゚)「お、おい……一体――」


ジョルジュが問い掛けるとまた痛みが走りその場に倒れ込んだ。
そこで初めてさっきの衝撃の原因が木の棒であったと知る。
急に豹変したクーの事情が飲み込めない。
ジョルジュは酷く混乱した。

川#゚ -゚)「ドクオは生きている」


(;゚∀゚)「なっ!」


予想にもしなかった台詞。
その一言でジョルジュは全てを悟る。突然の事に何も言葉が浮かんでこなかった。
そして相変わらずの憤怒の表情でクーはジョルジュに袋を投げ付ける。
パシャっと音を立てて中身の液体が彼の服を濡らした。


(;゚∀゚)「!!」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 23:19:59.99 ID:j2EHTrTHO
川#゚ -゚)「兎の血だ」


(;゚∀゚)「…………」


川#゚ -゚)「いいか……」

クーは大きく息を吸い込む。

川#゚ -゚)「二度とドクオに手を出すな!!
もしまた何かしたら私がお前を殺す!!!!!」


枝にとまっていた鳥達が思わず飛び去った。
それだけ言うとクーはジョルジュを置いて帰っていった。

(;゚∀゚)「…………」


ジョルジュはただただ、何も言えずにおののいている。
へたっと地面に尻をつけて頭の中は真っ白であった。



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 23:21:04.33 ID:j2EHTrTHO
('A`)「クーの奴、どこいったんだろ……」


ドクオが目を覚ました時にはクーは部屋にいなかった。
机の上に昨日の夜にはなかったワインの瓶が、空っぽになって置いてあるだけである。

特にすることもなく、二度寝をしようとベッドに潜り込むと扉が開いてクーが戻ってきた。

川 ゚ -゚)「なんだ、まだ寝てたのか」

('A`)「いや……違うけど、それよりどこにいってたんだ?」

川 ゚ -゚)「ちょっとな」


('A`)「ふーん…」

川 ゚ -゚)「なんだ寂しかったのか?」


(;'A`)「ば、馬鹿。違うよ」



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 23:22:53.54 ID:j2EHTrTHO
川 ゚ -゚)「フッ……ま、眠たかったら寝ていろ。
今のうちに休んでおかないと昼からは訓練だからな」


('A`)「じゃあお言葉に甘えて寝させてもらおうかな」


毛布を被るとすぐに寝息が聞こえる。
クーは空瓶を捨てて椅子に座り本を開けた。


川 ゚ -゚)「安心して寝ろよ。私が守ってやるからな」


川 ゚ -゚)「それが私の務めだ」


クーは空を見た。



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 23:23:41.70 ID:j2EHTrTHO
(#゚∀゚)「…………」


顔を歪めて無言で帰ってきたジョルジュを見てツンはまたか、と思った。
服に赤い染みをつけて砂だらけ。何があったのかと聞くことは賢い判断ではない。

ツンは怒鳴り声に備えたが、意外にもジョルジュは静かにベッドに座り込んだ。
しかし怒りに震える顔が見て分かる。


(#゚∀゚)「おい」

ξ゚听)ξ「何よ……?」


赤くはれた目でジョルジュを見返す。



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 23:26:15.99 ID:j2EHTrTHO
(#゚∀゚)「殺す………」


ξ゚听)ξ「?」


(#゚∀゚)「クーとドクオを殺す……」


ジョルジュがこんなことをわざわざ自分に言う理由は分かっていた。協力を仰いでいるのだ。
そして、ジョルジュが口に出した瞬間にそれはもう強制力を持つ事になる。


(#゚∀゚)「いいな!」


ξ゚听)ξ「……わかったわよ」



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 23:27:30.18 ID:j2EHTrTHO
(#゚∀゚)「そうか……よし」

ξ゚听)ξ「ッ!!」


ツンが承諾するやいなやジョルジュは彼女の頬を殴る。
歯切れの悪い音を立てた。
口の中を切ったのだろうか、血が垂れる。


(#゚∀゚)「ケッ!……あの女………この俺が下手に出てれば付け上がりやがって!!」


ξ#) )ξ「……………」


憎しみを塗り付けた瞳でジョルジュを睨みつけた。
服が破かれていく。
彼女はただ従う。


(#゚∀゚)「あいつは俺を殺そうとした……あいつは俺を……」



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 23:28:46.63 ID:j2EHTrTHO




「第12話  歪む」 完




戻る第十三話