( ^ω^)は霊探偵になったようです

2: ◆zS3MCsRvy2 :2007/09/14(金) 22:41:04.84 ID:Kg2Zl8SU0




「ああ、それがどうかしたのか?」


ミリ単位の優しさも込めずに、その男、ジョルジュは答えた。

僕が尋ねた事は、次が下りる駅で合っているか。それだけだ。
こう言っては何だが、蚊程度も煩わしくない質問だと思う。
なのに、返事は僕が言い切るか言い切らないかのうちに返ってきた。
しかも、ご丁寧に疑問文まで添えて。

そんな事を聞かれても、僕にはどうしようもない。
単に目的地の確認をしただけだ。何かしら意味があった訳じゃない。

そこで、ふと考える。

自分が発した言葉に本当に意味は無かったのか。
実は、無意識にメッセージを裏に隠していたのかも知れない。
もっとも、自覚していたかどうかなんて分かりようがないのだから、
今となっては考えるだけ無駄なのだけれど。



3: ◆zS3MCsRvy2 :2007/09/14(金) 22:43:37.18 ID:Kg2Zl8SU0
ふて腐れた僕は電車の窓に映る町並を眺めた。
次いで、ジョルジュを見た。
今日はまた一段と派手な装いで、いい意味でも悪い意味でも、「キメて」いる。


ピアス、ネックレス、ウォレットチェーン。
多種多様なクロームの装飾品が第一に目に飛び込んでくる。
着ている服も、言い方は悪いが、町を我が物顔で闊歩するチンピラと代わりない。

まあ、ルックスは悪くない。むしろ男の僕から見てもいい方だ。
崩した服装も似合ってるっちゃ似合ってる。
これでもう少し趣味が良ければ、世の女性は放っておかないだろうに。

と、忘れてた。
この性格じゃどのみち意味無いか。


一方僕はと言えば、自分で言うのも何だが中々いい感じに決まってると思う。
――――上下共ツンに見立ててもらった、ある意味借り物のファッションだけど。

ただ少なくとも、車内でくつろぐ人々の目に留まるような格好ではない。
ジョルジュと違って。



5: ◆zS3MCsRvy2 :2007/09/14(金) 22:46:47.20 ID:Kg2Zl8SU0
( ゚∀゚)「うおっ、まぶしっ!」

ジョルジュが改札を通過して真っ先に発した言葉はそれだった。
確かに、今日は日差しが強い。僕は手をかざした。
お出迎えとばかりにギラつく太陽が、僕達に降り注いでいる。


( ゚∀゚)「どうよ、ここの雰囲気」

( ^ω^)「……ストリート出身の僕が言うのもなんだけど、
      いかにもワルの町って感じだお」

( ゚∀゚)「だよなー。俺も初めて来たけど、どうも怪しげな臭いがプンプンするぜ」


この町にやって来た理由はただの一つ。事件の調査だ。
ドクオの収集した情報から、犯行は通じて夜間に行われている事が分かっている。
だとすれば、調査を進めるとしたら日中。
そして、インドア派の彼が活発な僕とジョルジュに現場での活動を指示したという次第だ。

僕のバッグの中には、ショボンから渡されたデジタルカメラが入っている。
現場の様子を撮影するためでもあり、証拠となる物を収めるためでもある。
――――見つかれば、の話だが。



6: ◆zS3MCsRvy2 :2007/09/14(金) 22:49:57.62 ID:Kg2Zl8SU0
駅を出た時点でも感じられた不穏な気配は、歩を少し進めるだけで増長していった。

ひび割れたアスファルト。到る所に張られたピンクチラシ。
空気は汚れていて、息苦しさを覚える。
路上には転がるゴミ屑。挙句の果てに血や嘔吐物の跡まで。
どこかストリートを思い出させるパーツが、随所にちらほらと見られた。

( ゚∀゚)「何このセンスの無い落書きwwwwwwwwwwwww
    英文法うんこ過ぎだろwwwwwwww中途半端なスラング乙wwwwwwwwww」

高架下のコンクリートの壁に描かれた、
絵とも字とも見分けが付かないモノを見て、ジョルジュが腹を抱えて笑う。
英語は全く読めないので、どこがおかしいのかは僕には判断できなかった。

惨めに存在を主張する落書き。
スプレーの塗料で構築された毒々しいそれに、町の姿が凝縮されているように思えた。

――――と同時に、これだけ治安の悪い町なら、
器物破損など日常茶飯事の事ではないのかという思いが頭に浮かぶ。

どうやらそれはジョルジュも同じのようで、
馬鹿笑いを止めると、いつになく真剣な顔つきを作っていた。



8: ◆zS3MCsRvy2 :2007/09/14(金) 22:51:50.54 ID:Kg2Zl8SU0
( ゚∀゚)「つーかさぁ、こんだけ全体のガラが悪いとどれが問題の件なのか分かんなくね?」

( ^ω^)「まさに今、僕もそう思っていたとこだお」

( ゚∀゚)「おおー、珍しく気が合うじゃん。
    ――――ただ、ショボンさんが聞いた話だと『異常』らしいからな。
    一目で分かるぐらいの壊れっぷりなのかねぇ……」

歩きながら予測混じりに会話をした。
完璧に証拠を集めるまでは焦る必要はない。
けど僕とジョルジュが共に案じているのは、「区別が付かない」、この一点だった。


( ^ω^)「あちゃー、これも壊れてるお」

数mごとに、看板だとか、自販機だとかが壊れているのを目にする。
だが、生身の人間でも何か鈍器のような物があればこのぐらいの事は可能だろう。
捜査中の人物が関わっているかは不明だが、とりあえず、僕はそれらをレンズに収めた。

ジョルジュはメモを取っている。
何を書き込んだのかは何故か教えてくれなかった。



9: ◆zS3MCsRvy2 :2007/09/14(金) 22:55:06.66 ID:Kg2Zl8SU0
( ^ω^)「……ふぅ」

見事に破壊されたガードレールの写真を撮影し終えたところで、
ちょっとメモリの残量が気になり確認すると、相当な容量を消費している事に気が付いた。

――――不自然だ。
あまりにも数が多過ぎる。

ここに来て、これら全て同一犯の仕業で決定なんじゃないかと思い始めた。
治安の悪化に拍車を掛けているのは、町中の設置物の損壊である事は間違いない。
ゴロツキが壊した事例も少なからずあるだろう。

だけど、やはり多過ぎる。

ここに住む人全員が破壊願望を持っているのか?
そんな訳が無いだろう。


「――――おい、ちょっとこっちに来てみな」

声が聞こえたので、僕は思考を中断し先を行くジョルジュの方を見た。
彼は何やら小難しい顔をして、路肩の辺りに立っていた。



10: ◆zS3MCsRvy2 :2007/09/14(金) 22:58:33.14 ID:Kg2Zl8SU0
僕は近寄り、ジョルジュの視線の先を追った。
そこにあったのは――――不可解なまでに折れ曲がった街灯。
これまで見た物とは違う壊れ方。

( ^ω^)「……これは人間の力だけじゃ無理だお」

叩き壊す事は道具さえあれば可能である。
ただこれは、折れている。垂れ下がるススキの穂のように曲がっている。
鉄の塊が、だ。

( ゚∀゚)「だろうな」

ジョルジュが街灯だったモノの有り様を視認しつつ、ペンを走らせる。

( ゚∀゚)「とは言え、これだけじゃ犯人の持っている能力が分かんねぇな。
    この程度の事なら、生命力の働きかけで得た力だけでも出来るだろうしよ。
    
    ……しかしまぁ、何でこんな面倒な物を壊そうと思ったのかね。
    明かりの元を消すためか? な訳ねぇよな――――」

よく見ると、生真面目な事に先に付けられた電灯も割られていた。
もっとも、これはおまけ程度なのは分かり切った事だ。



12: ◆zS3MCsRvy2 :2007/09/14(金) 23:02:00.39 ID:Kg2Zl8SU0
路上脇に立ち並ぶ街灯の殆どが破損していた。
様態は同じ、皆例外なく針金のように折れ曲がっている。

( ゚∀゚)「おいおい、どういう事だよ。
    いくらなんでも犯人さん張り切りすぎだろ、これ」

( ^ω^)「何が目的で、こんな訳の分からない事をしているんだお……?」

( ゚∀゚)「――――いや、これは『壊す事』自体が目的なんじゃねぇか?」

呟き、続ける。

( ゚∀゚)「まだ十分に自分の力が分かってないのかも知れんね。
    単純に凄い力が付きました、それでは試してみましょう、
    ってな具合に、見境なく実験代わりに物を壊しまくってるとかな。分かる?」

そういうものなのか、と妙にその言葉に納得してしまった。
撮った写真のデータをもう一度閲覧してみる。
ああ、成程。確かに壊れ方―――それ自体は原始的である。


ただそんなあやふやで当てもない考えは、交差点を左折した時点で吹き飛ばされた。
「ソレ」を見た瞬間、僕達は硬直した。



13: ◆zS3MCsRvy2 :2007/09/14(金) 23:04:54.00 ID:Kg2Zl8SU0
(;゚∀゚)「マジかよ、おい――――」

ジョルジュが絶句した。
そこにあったモノのインパクトたるや、これまでに見た光景とは比べ物にならない。


電柱が、曲がっている。


奇跡的に電線は切断されておらず、電力供給においては問題は無さそうだ。
――――今問題なのは、「状態」その物。
電柱を折り曲げるだなんて、ただ怪力というだけで説明が付けられるだろうか。
いや、無理だ。はっきりとそう言える。


( ゚∀゚)「前言撤回だな、こりゃ。
    こいつ、自分がどんな力を持っているかばっちり理解してやがんぜ」

ジョルジュがメモを取る。僕は慌ててカメラを構え、その惨状を撮影した。
ふとした調子でジョルジュのメモ帳を覗き見ると、
そこに書かれてあったのは――――何重かの丸で囲まれた「確定」の二文字だけだった。



14: ◆zS3MCsRvy2 :2007/09/14(金) 23:07:15.00 ID:Kg2Zl8SU0
瞼の裏に焼き付いた映像は、未だに真実であるかどうか疑ってしまう。
だけど写真を見れば、それが確かに真実であると思い知らされる。

( ^ω^)(これ、どうなってんだお……)

電柱だったモノに触れてみる。

硬い。硬くて、もちろん直径もかなりある。
材質や形状からは、とてもじゃないけどへし折れる要素が見当たらない。
果たして、これをどうやって、ほぼ90度に近い角度まで曲げたのだろうか。


( ゚∀゚)「流石に、建物にまでは手を出してないと思うが……。
    もし建造物損壊までいってたら、警察に任した方が早そうな気がするぜ」

小声で、ジョルジュが誰に語るでもなく自分の考えを述べる。
――――数分呟いた挙句、やけになって大声を上げた。

( ゚∀゚)「あー! 手段だとかそんなん考える必要ねーな、こいつは!
    証拠だけ集めて今日は終了だ。後はドクオさんが解析してくれんだろ」

(;^ω^)「そんな投げやりでいいのかお」

( ゚∀゚)「構わねぇよ、何とかしてくれるさ――――多分」



15: ◆zS3MCsRvy2 :2007/09/14(金) 23:10:51.56 ID:Kg2Zl8SU0
自信が無いのか、予防線を張るように最後の言葉を付け加えた。
珍しい事もあるものだ。

ジョルジュはまだメモに詳細を書き込んでいた。
先程目にした「確定」の二文字、もうそれだけで十分だと僕は思ったが、
実際に提出する情報としては不確か過ぎるのだろう。


ペンは――――あの日、僕の首筋に刺さろうとしていたペンだ。
書き終えた後で、暇潰しとばかりに、器用に指先でくるくると回している。
楽しそうにさえ見えた。

僕を殺す凶器になりかけたそれは、今やジョルジュのおもちゃと化している。
その前に、ペンは仕事の道具だろう、と突っ込みたくなる。

おもちゃなのか、凶器なのか。
相反する二つの物。
決して混じり得ないそれらも、ジョルジュが持つだけで分からなくなる。

何故か。

共通しているのは、どちらの時も笑いながらである事。
まるで――――狂ったように。


恐らくは、彼にとって遊びも殺しも同じなのだろう。



16: ◆zS3MCsRvy2 :2007/09/14(金) 23:14:04.39 ID:Kg2Zl8SU0
そう言えば。
と、調査を終えて引き上げる途中で、僕は声を発した。

( ^ω^)「霊が関わっているのはほぼ間違いないとして、
      意識の有る無しはどうなんだお? この時点で分かるかお?」

( ゚∀゚)「んー、今ん所は何とも言えないな」

だけど、とジョルジュは付け足した。

( ゚∀゚)「俺の予想ではアイボリーだと思うなー。
    電柱まで壊すとか、ありゃ正気の人間のやる事じゃねーよ」

(;^ω^)「おま、そもそもそのアイボリーが何なのか分からんお。
      あともう一つ、エボニーとかも言っていたけど、それも謎のままだお」

( ゚∀゚)「あー、言ってなかったっけ? よく分かんね」

(#^ω^)「いつか分かるとか言って、結局教えてくれなかったじゃないかお!」

( ゚∀゚)「むす……きょく……?」

( ^ω^)「ゆとりうぜえwwwwwwwwwwwwwww」



17: ◆zS3MCsRvy2 :2007/09/14(金) 23:16:59.58 ID:Kg2Zl8SU0
( ゚∀゚)「分かった分かった、教えてやるよ。めんどくせー」

頭を掻きながら、本当に面倒臭そうに答える。
態度は素っ気ない。だけど僕は大人しくジョルジュの発言に耳を澄ませた。


( ゚∀゚)「『ivory』ってのは日本語で象牙、『ebony』ってのは黒檀って意味だ。
    つまり白と黒ってわけ。分かる?」

英単語とその意味を説明する。妙に発音がいい。
「そういうことか」と僕は頷き、話の続きを餌を欲しがる雛のように催促した。


( ゚∀゚)「んで、容疑者の真偽とかもシロとクロって言うだろ?
    やってない奴がシロ、犯人がクロ。ドラマとかでよくあるじゃん」

――――ドラマ、と言われても、僕がテレビを見始めたのはこの一ヶ月だけなのだか。

ジョルジュはそんな事はお構いなしに喋り続けた。



18: ◆zS3MCsRvy2 :2007/09/14(金) 23:20:01.78 ID:Kg2Zl8SU0
( ゚∀゚)「ショボンさんから聞いただろ、霊の憑いた人間にも二種類あるって。
    俺らみたいに意識を保っていられる人間と、逆に乗っ取られる人間の二つが。

    ――――意識を乗っ取られた奴は被害者だ。
    自覚の無いうちに体を奪われて犯行をされるだなんてたまったもんじゃねぇ。
    こういう奴らは総じてシロ、『ivory』だ。落ち度なんて無いからな。

    タチが悪いのは意識があって、かつ悪事を働く野郎だ。
    こいつらは確信犯だ。同情の余地無し、問答無用でクロの『ebony』だな」


(;^ω^)(わざわざ三行で区切っている辺りが親切だお。根はいい奴かお)

大体は把握した。
要するに、霊に意識を乗っ取られた人間がアイボリー、
そうでない人間がエボニーという事だろう。つまり、僕はエボニーという事になる。


( ^ω^)「……ん? じゃああの時、ピアノとか言っていたのは何だったんだお?」

( ゚∀゚)「あれだ、ピアノには白鍵と黒鍵があんだろ。
    あとは自分で調べとけ。もう疲れた。ジュース買おうぜジュース」

強引に話を打ち切って、壊れていない自販機を探しにさっさと歩いていった。
――――この傍若無人さは、やはり変わらないな。



21: ◆zS3MCsRvy2 :2007/09/14(金) 23:23:13.44 ID:Kg2Zl8SU0
( ゚∀゚)「はっけーん!」

意外とすぐにそれは見つかった。

見つけるや否や、ジョルジュはチェーンの先に付けた財布を手に持ち、
何枚かの小銭をジャラジャラと掌の上に落とした。
ボタンを押す。よく冷えているであろうコーラが落ちてきて、さっと取り出した。

その作業を、二往復。

( ゚∀゚)「奢ってやるよ、感謝しな」

――――缶の一つを僕に差し出した。
僕は少々戸惑いながら、片手でそれを受け取った。
手に冷たい感覚が伝わる。

( ^ω^)「これはまたどういう風の吹きまわしだお」

( ゚∀゚)「バーカ、先輩の余裕って奴だよ」

言って、プルタブを引っ張り飲み口に唇を付けた。
喉の動きがびっくりするほどよく見える。胸元の開いた服のせいだ。



22: ◆zS3MCsRvy2 :2007/09/14(金) 23:26:44.86 ID:Kg2Zl8SU0
( ゚∀゚)「俺さぁ、若いうちから好きに金使っても大丈夫なのよね」

缶から口を離すと、聞いてもいないのに自分語りを始め出した。

( ゚∀゚)「俺の爺さんが農業やってんのよ。
    数回しか見たことねぇけど、すんげーでかい麦畑持ってんの。

    けどよ、親父が農家を継がなかった事が気にいらなかったのか、
    土地の譲渡権を孫である俺にくれたんだ。地主の権利だぜ、この年で」


ジョルジュがやけに自慢げに語る。仕事を終えた時のような、そんな口調で。
「ああ、またか」と一瞬嫌になりかけたが、
奢ってもらっている手前、不平は口にはせず当たり障りのない受け答えをした。


( ^ω^)「ほー、そりゃまたラッキーな話だお」

( ゚∀゚)「……まあでも、それ、ヨーロッパにあるんだけど」

照れ隠しっぽく、声のトーンを落として最後にそう呟いた。

不意に、ジョルジュの背後から自転車が迫ってきた。
声を掛けようとしたが、その前に、ジョルジュは既の所で避けていた。
少々奇妙に思ったが、握り締めたコーラの魅惑には勝てない。



23: ◆zS3MCsRvy2 :2007/09/14(金) 23:29:32.98 ID:Kg2Zl8SU0
( ^ω^)「その話は正直どうでもいいけど、一応感謝しとくお。dクスだお」

僕は簡単にお礼を言って、ゴクリと喉を鳴らした。

刺激的な炭酸が口の中で弾ける。
喉元を過ぎると、よりその独特の感覚が顕著になる。
痛みにも似た至福。
ただの甘いだけの水が、こんなにも清涼感をもたらしてくれる。

ジョルジュの行動の意図は読めない。
多分、僕より上に立って優越感に浸りたいだけだろう。
でも、そんな風に決めつけて考えるのは、流石にちょっと失礼かもしれない。


( ゚∀゚)「もっと欧米並のリアクションで、感謝の気持ちを表現してくれてもいいんだぜ!」


――――大当たりだった。
僕は無視してコーラを飲み続けた。



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