(´・ω・`)ショボンのお店に憑く神様のようです('A`)

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/16(火) 23:01:59.03 ID:FDGkTbbp0

小さな木造の建物。洋風とも和風とも言えない独特な感じの雰囲気を醸し出している。
それはどうやらお店のようで、出入り口となる扉の前には『開店中』と細い黒字で書かれている。
ちなみに、一度【回転中】と書いてしまいお客さんに「回れよ!」といわれたのは秘密だ。
その店の中で一人、しょんぼりと眉毛を下げたバーテンダーがカウンターの向こう側で椅子に腰掛け、肘を折り曲げて顔を手に乗せ項垂れていた。

(´・ω・`)「はあ・・・・・・」

どうやら、お客さんが来ず暇なようだ。
男の後ろには埃の被った多種の飲み物が黒茶色の棚の上におかれていた。

('A`)「暇なのか?」

カウンターの外に備えられている丸椅子に腰掛け両手をぶら下げた覇気のない表情の男が一人。
声をかけられ、項垂れた顔を上げ見合わせる。

(´・ω・`)「暇だよ・・・・・・誰のせいだと思ってるんだ・・・・・・」

('A`)「そうさねぇ。俺かねぇ」

蝶ネクタイを結び、きっちりと黒のスーツを着込んだしょぼくれた男とは対照的に、
薄汚れ、所々破けてしまっている黒の無地Tシャツを着ている覇気の感じない男。いかにも貧乏ですよオーラが漂っている。



2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/16(火) 23:02:47.46 ID:FDGkTbbp0

(´・ω・`)「わかってるならどうにかしてくれよ」

('A`)「それがそういうわけにもいかないんだな。狙ってるわけじゃないからなぁ」

(´・ω・`)「まったく・・・・・・」

('A`)「まあ、オレンジジュースをくれ」

(´・ω・`)「ならお客さんでも呼んできてよ・・・・・・」

('A`)「固いこと言うなって。俺とお前の仲だろう?」

軽く笑い声を出しながらバーテンダーの肩をばんばんと叩く。

(´・ω・`)「何がお前と俺の仲だよ。貧乏神のドクオ」

('A`)「はっはっは!」






(´・ω・`)ショボンのお店に憑く神様のようです('A`)


第一話 登場人物其の一 貧乏神どくおちゃん



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/16(火) 23:04:00.34 ID:FDGkTbbp0



('A`)「うーっす。頼まれたもん買ってきたぞー」

荒々しく扉を蹴り開け、両手に抱えた少し大きめなビニール袋をカウンターへと降ろす。

(´・ω・`)「ご苦労様。はい、オレンジジュース」

('A`)「この一杯の為に俺はこの糞熱い日中を歩き続けたのか・・・・・・」

(´・ω・`)「文句言いながら氷まで食べないの。全く・・・・・・」

喉を鳴らしながらごくごくと冷え切ったオレンジジュースを腰に手を当てながら飲んでいる。
おまけに氷まで口に含んでガリガリと噛み砕く始末。
僕は呆れながらその様をため息をつきながら眺めているが、
当の本人はそんなことお構いなしにグラスの中身を飲み干して大きな音を立てて僕の目の前にグラスを置く。



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/16(火) 23:05:40.58 ID:FDGkTbbp0

('A`)「ぷはぁっ! はっはっはっは! ツンデレって奴だな!」

(´・ω・`)「死ねばいいのに」

(;'A`)「仮にもバーのマスターがそんなセリフ吐いていいのかよ」

(´・ω・`)「お客さんは相も変わらず来ないけどね」

('A`)「この食材も酒も無駄ってことか」

(´・ω・`)「ドサクサにまぎれて果汁100%のオレンジジュースを買っておきながらよくもそんなこと言えるね」

('A`)「最近流行のツンデレだろ?」

(´・ω・`)「君は半年ROMればいいと思うよ」

('A`)「ひゃっひゃ!」



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/16(火) 23:06:59.49 ID:FDGkTbbp0

こんな感じで、毎日過ぎていく。多分今日も、お客さんは来ない。
いや、正確にはいつも数名は来るんだけどもお日様が昇っている間は涼みに来る人くらいだ。
冷やかしなら他所でやれともいえないので話しかけることもなく大抵足早に去っていく。
一応珈琲とかも用意しているけど、今は真夏。誰も頼みやしない。アイスコーヒーとかも他の店に比べれば多少高めだから余計に。
そして追い討ちをかけるように最近うちの近くにコーヒーだけ置いてある自動販売機が設置されたことだ。
おかげで客足は減る一方。極めつけは店の少し歩いたところにファミレスとハイカラな喫茶店が出来たことだ。

商売あがったりとか、そんなレベルじゃないよ本当に。
おかげで昼間は「ツメシボ一つ!」とか言って帰るお客さんまで出てしまう始末。
もう、ね。本当に勘弁して欲しい。いっそ麻雀卓でも置いてみようかな。


・・・・・・少し感傷にふけてた。



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/16(火) 23:09:29.82 ID:FDGkTbbp0

('A`)「で、どうした?客が来ないことでまた悩んでるのか?」

(´・ω・`)「そうだよ。これでも生活がかかってるんだからね」

('A`)「まあ、こんな都会に建てれただけでも凄いと思うぜ?」

(´・ω・`)「ほんと、我ながらびっくりだけど多分さ」

('A`)「あん?」

(´・ω・`)「この土地を破格の値段で購入できた時に僕の運は使い果たしちゃったんじゃないかなぁ」

('A`)「そりゃ違いないな!まぁ、ご愁傷様」

(´・ω・`)「全く困ったもんだよ。おかげで先月はガスを止められたし、電話も止められてたよ」

('A`)「電話ってお前・・・・・・使ってるとこ見たことないぞ?」

(´・ω・`)「まあ、業者とワン切りくらいだし」

('A`)「・・・・・・まあなんと悲惨なことでしょう」

(´・ω・`)「ぶち殺すぞ」

(;'A`)「すまんこ」



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/16(火) 23:11:49.36 ID:FDGkTbbp0


(´・ω・`)「・・・・・・それにこの店を建てた翌日にガラスが割れたり、君が居座ってたり」

('A`)「好きで居座ってるわけじゃねーよ」

なんだかんだ言いつつも、店で補いきれない分は土日だけの飲食店のアルバイトとかもやってくれてる。
何でそこまでしてくれるかは分からない。ちょうどいいか。聞いてみよう。

(´・ω・`)「なんでドクオはこの店の為にそこまでやってくれるだい?」

('A`)「ん?んー・・・・・・」

空の見えない店の天上に視線を変え、無表情のまま考え始める。

('A`)「なんで、だろうな」

(´・ω・`)「なんで、だろうね」

僕もドクオと同じく何もない天上を見上げる。
空も隠して、雰囲気を出すために買ってきた少し暗めに演出させる電灯の光だけがその存在を証明していた。

ふと、視線を元に戻してみると、そこには僕を見ているドクオの顔があった。


('A`)「この店が好きだから。じゃ駄目か?」

なかなか、ストレートな言葉だ。



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/16(火) 23:14:25.57 ID:FDGkTbbp0

(´・ω・`)「うれしいことだけど、具体的にはある?あ、恥ずかしいならいいけど」

最初の言葉を聞いた時、少しうれしそうにほころんでいたけども、
最後の言葉を聞いた時、少しうっとうしそうに目を細め、ダンッ! と手を机に叩きつけ身を乗り出してくる。

('A`)「んん?ショボンちゃん。なんだとう?俺に恥じらいがあるとでも?」

(´・ω・`)「ん?ならもったいぶらずに話せばいいんじゃないかな?」

('A`)「・・・・・・よし、一寸待て。今頭から捻り出す」

(´・ω・`)「浮かばなかったら今日はオレンジなしね」

('A`)「馬鹿が!焦るな!隙が生じるぞ!」

「はいはい」とだけ言って、しばらくお互いに黙り込む。
・・・・・・そういえばドクオはこの店が出来てから居座りだしたというか、工事が終わって色々と荷物を整理しているところで既にいたんだったっけ。



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/16(火) 23:17:26.62 ID:FDGkTbbp0








――――――――


「これで終わりです。短い間でしたが、ありがとうございました」

(´・ω・`)「いえ、こちらこそ」

「それでは、失礼します」

(´・ω・`)「ありがとうございました」



(´・ω・`)「ふう」

お店の建設工事終わり、まだ出来たばかりの扉に手をかけて、感触を確かめる。
洋風チックな、えーっと、めえぷる色だったかな。そんな色で彩られた外装に、扉。
取っ手の部分を握っては離して、握っては離してを五分くらい繰り返す。

今日から僕は店の主になるわけだ。
平たく言えば店主。マスター。そんな感じ。



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/16(火) 23:20:04.53 ID:FDGkTbbp0

いっちょまえに店を構えて、お客さんに飲食物を出して、会話したり。
これから訪れる毎日が、楽しみで楽しみで仕方がない。

よし、ちゃっちゃっと整理して明日明後日にはオープンできるようにしよう。

(´・ω・`)「がんばるぞ、っと」

扉を開いた先。そこにはがらんとした内装が広がって、ダンボール箱やら壁に立てかけられた少し長めの机やら小さめの回転椅子。
そして―――――


('A`)「ちっす」


見知らぬ男が一人。

(;´・ω・`)「・・・・・・」

思わず、固まった。
そりゃそうだ。建設工事が終わって、初めて中に入った筈なのに既に人がいるんだから。
お客さんか?とも疑問符を打ったがそんな雰囲気じゃない。
これは明らかに既に居座っていた感じだ。

何故?どうして?



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/16(火) 23:22:47.98 ID:FDGkTbbp0

('A`)「どうしたんだ?そんな固まってないで中に入ってこいよ」

(;´・ω・`)「あ、はい・・・・・・」

わけが分からないが、こっちにこいと手招きしている彼の元へと歩み寄る。
服装はお世辞にも洒落ているとはいえない。酷い格好だ。
ダメージ加工を加えてるとかお洒落をしているとかそういうわけでもなく、ただひたすらに草臥れているボロボロのジーンズ。
極めつけはあちこちに穴が開いて荒んでいる黒の無地ロングTシャツ。
髪に関しては伸びきってしまっているのかボサボサでところどころ撥ねてしまっている。

('A`)「お前、名前は?」

(;´・ω・`)「・・・・・・人に名を尋ねる時はまず自分から名乗るものかと」

('A`)「・・・・・・ぷっ、ははっ!固い奴だな!うはは!気に入った!俺はドクオでいい。お前は?」

(´・ω・`)「ショボン、だよ」

('A`)「なんだあ?ショボンとはまた変わった名前だな」

(;´・ω・`)「ドクオってのもなかなか変わってると思うんだけど・・・・・・」

「うはは!」と大笑いしながら僕の背中をばんばんと叩く。
痛かったけど、別に嫌な気分にはならなかった。

それから、僕とドクオは運送会社から送られてきていた荷物を整理して店を開けるように準備を一緒にする。
机やら椅子やら荷物やらを整理し終えて、並び終えた後、僕はふと思った。



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/16(火) 23:25:55.95 ID:FDGkTbbp0

(´・ω・`)「・・・・・・あなたは何者なんですか?」

そうだ。あまりに唐突なことが起きて色々と忘れてしまっていた。
冷静に考えてみればこのドクオと名乗った男はかなり怪しい。何せ身なりが身なりだ。
それにいきなりあの態度。常人じゃないのだけはわかるけど。

そして、僕の問いに対して何のためらいも、躊躇もなく言葉を返してきた。


('A`)「ん?言ってなかったか?俺は貧乏神だ。名前は――――」

(;´・ω・`)「いや、名前は教えてもらいました。ドクオ、でしょう?そうじゃなくて、その前の・・・・・・」

('A`)「だからさ、貧乏神だって」

(;´・ω・`)「(駄目だコイツ早くなんとかしないと・・・・・・)」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/16(火) 23:28:41.86 ID:FDGkTbbp0


なんだって?貧乏神だって?何を言ってるんだこの男は。
確かに雰囲気はそれといった感じだ。でも、そんなもの存在するわけがない。
意味がわからない。

('A`)「あー、まーそりゃそんな顔するわな。わかる。わかるぜお前の気持ちは」

(;´・ω・`)「はあ・・・・・・」

状況がまた飲み込めず、頭の中でよくわからないものがぐるぐる回ってる感覚になる。
本当に、わけがわからない。この男は何者で、何が目的なのか。
出来れば、関わりあいたくない。

('A`)「まあ、これから嫌でもお世話になるからよろしく頼むぜ?俺はお前が気に入った。
   それだけの理由で居座る。で、まあ貧乏神だってのは信用したくなけりゃしないでもいいと思うぜ? どうせ嫌でも信じちまうことになるしな」

(;´・ω・`)「え?」


待て待て。なんだって?居座る?これからよろしく頼む?お世話になる?
同じ屋根の下で眠るってことか?アッー!・・・・・・じゃなくて!そういうのじゃなくて!


・・・・・・なんだって?



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/16(火) 23:31:02.72 ID:FDGkTbbp0

('A`)「よろしくな」

(;´・ω・`)「いやいやいやいや!なんで僕のとこに居座るんですか?貧乏神だっていうのがなおさら!
       まだ開店もしてないのに、これからお店開いたとしても野球に例えるなら、そう!試合が始まる前から終わっちゃってるじゃないですか!
       プレイボール!って言った後ゲームセットですよ!」

('A`)「・・・・・・ぶっ、はははは!やっぱ気に入った。とことん気に入った」

(;´・ω・`)「・・・・・・住む気満々ですか?」

('A`)「おう。住む気満々だ」

(;´・ω・`)「・・・・・・貧乏神が取り付くなんて」


<人生オワタ!

(´・ω・`#)「ええいうるさい!黙ってろい!」

('A`)「ひゃははははは!!」


・・・・・・今思い返せばどうしてあの時追い返さなかったのだろうと思う。
結局あの後僕は「よくわかんないけど、まあいいか」と思ってしまって。

まあ、今も追い返せるか?と問われれば追い返さない。って答えるけども。
というか追い返す意味もないしね。うん。



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/16(火) 23:33:03.99 ID:FDGkTbbp0

('A`)「まあ、これからよろしくな」

すっと、差し出された手を握り返す。・・・・・・何か、色々とおかしな展開だよね。
エロゲ的展開というか。なんというか。
まあ・・・・・・

(;´・ω・`)「よろしく」

('A`)「おう、よろしく」






――――――――


おっと、また感傷にふけていた。
駄目だなぁ。老けたのかなぁ。いや、でも自分でそう思っている限りはまだ大丈夫だと思う。

(;'A`)「・・・・・・」

ちなみにドクオはと言うと何でこの店に居座っているかを必死に考えていた。
ふと僕が見ているのに気付いたのか、視線を戻してきた。



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/16(火) 23:36:14.76 ID:FDGkTbbp0

(´・ω・`)「答えは出た?」

(;'A`)「いや、なんだ。好きだから、とかじゃ駄目なのか?」

(´・ω・`)「やれやれ・・・・・・オレンジジュースは抜きだね」

(;'A`)「それは勘弁して頂きたい!是が非でも!」

(´・ω・`)「・・・・・・いいよ別に」

(;'A`)「いや、そこをなんとか・・・・・・え?」

唖然と口を開きっぱなしにしているドクオ。
そりゃそうだろう。完全に自分で自分を追い詰めて引くに引けない状況になったのだから。

(´・ω・`)「・・・・・・気に入った、ね。覚えてるかい?君がこの店に居て居座るようになった理由を」


('A`)「・・・・・・あ」

(´-ω-`)「・・・・・・やれやれ」

唖然と口を開くドクオに対して目を瞑りながらため息をつく。



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/16(火) 23:39:27.75 ID:FDGkTbbp0


('A`)「お前が気に入って、だったな。すまんすまん」


(´・ω・`)「わけわかんない理由だよね」

('A`)「ああ、わけわかんねー理由だ」

(´・ω・`)「・・・・・・ぷっ」

('∀`)「うははは!」

(*´・ω・`)('∀`)「あはははははは!」

その日もお客さんは深夜を回るまで来なかった。
でも、僕等は笑っていた。よくよく考えれば何で笑ってたのかもわからないけども。

何故か心地よかった。
まあ・・・・・・実際現実的な話をしてしまうと結構苦しいことが多いんだけども。

たとえばお客さんが来ないとか。
お客さんが来ないとか。
お客さんが来ないとか。
全くお客さんが来ないとか。

・・・・・・お客さんが来ないとか。


ほんと、来ないよなあ。思わず六回も言ってしまった。



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/16(火) 23:42:16.62 ID:FDGkTbbp0

でも、まあ。
そこまで来ないってわけでもないんだよね実際。
何せ深夜になればちゃんとお客さんは来るのだから。

常連、ってほどでもないけど結構来る人もいるのだし。

('A`)「どうした?・・・・・・はっはーん。さてはまた「お客さんがこないよぉーう!」とか思ってんだろ」

(´・ω・`)「そんな言い方してないと思うけどなぁ・・・・・・。でも、まあ思ってなくはないね」

('A`)「やっぱりな!安心しろ!俺がいる限り潰れることはない!」

(´・ω・`)「・・・・・・貧乏神がよくいうよ」

('A`)「神様を舐めてくれるな!」

(´・ω・`)「はいはい。じゃ期待して―――――」

カランコロン。
扉の上部に付けている大きめな鈴、ベルとも言うのかな。その音が鳴り扉が開く。
言うまでもないとは思うけど

(´・ω・`)「あ、いつもどうも。いらっしゃい」

・・・・・・お客さんだ。



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/16(火) 23:45:21.33 ID:FDGkTbbp0


('A`)「俺すげぇ」

何かぼやいてるのは置いておいて、だ。

「いっぱい頼む」

(´・ω・`)「いつもので?」

少ししわが出来ていたネクタイを締めなおして、営業モードに切り替える。
向かい側で座っていたドクオも、少しだけ離れた位置に座っていた。

「ああ、いつものバーボンで」

(´・ω・`)「まいどあり」

透明のグラスに氷をたっぷりと入れて、薄茶色の液体をなみなみと注ぎ、少し細めの筒状の棒で混ぜてからカウンターテーブルの上へ置く。
もちろん、ツメシボと水滴が机に直接落ちないように皮のお皿を差し出す。



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/16(火) 23:46:45.14 ID:FDGkTbbp0

「ああ、ありがとう」

(´・ω・`)「いえ。それで今日はまた何か御話でも?」

「何、くだらない話なのだけども・・・・・・」

('A`)「話す前から下らないなんて言われたらこっちも困る。それに、酒の肴にもなるだろ?」

「ああ・・・・・・そうだね。今日のことなんだが――――」





夜は、更けていく。
少ない人数で、店内は明るく、盛り上がっていく。




第一話 おわり



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