川 ゚ -゚) 少女クーは‘2’に棲まうモノ達と奇妙な旅をするようです
- 2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:17:13.31 ID:EbXIJ5ug0
@お猿さん列車
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:31:56.74 ID:EbXIJ5ug0
- ごとん、ごとん。
ごとん、ごとん。
('A`) ・・・
いきなり、不健康そうな顔を見せてすまない。
俺の名は、一里身毒男。
実家に帰るため一人、列車に乗っている。
何もすることも無く、暇だ・・・
隣の席を見る。
そこには無表情に本を読む、和服の似合いそうな可愛らしい女の子がいた。
名前は・・・知らん。
満員列車で、他に座るところがないから
俺の隣に座ったに過ぎない他人だから。
話相手もいない。
暇だ・・・なんか・・・ねむく・・・
- 13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:35:42.48 ID:EbXIJ5ug0
- ・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
Σ('A`) はっ!
ん・・・
あれ?
ここは何処だ?
俺はいつの間にか、駅のホームのベンチに座って眠りこけていた。
なんでだ?
いつの間に、列車から降りたんだっけ・・・
そもそも、ここの駅、どこだろ・・・
隣をみる。
あら。
さっき、隣にいた女の子だ。
まだ、熱心に本を読んでいる。
俺が見ているのに気がついたのか、
少女は本を閉じてこちらを見返してきた。
- 14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:36:02.08 ID:EbXIJ5ug0
- 川 ゚ -゚) ・・・起きたのか?
('A`) あ、あぁ。
驚いた。
話しかけてくるとは、思わなかったから。
問いに答えただけで、
何を言ったらいいか分からなくなって。
俺はまた、黙ってしまった。
すると、また女の子は勝手に喋りだした。
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:36:50.30 ID:EbXIJ5ug0
- 川 ゚ -゚) 気の毒に。目が覚めなきゃ、良かったのにな。
('A`) え・・・?
川 ゚ -゚) ・・・
('A`) ・・・
川 ゚ -゚) ・・・
独り言の様に少女はぼやくと、
また本を読もうとし始めた。
い、意味不明だ。
まあ、いい。
それより、ここは何処か、だ・・・
・・・
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:37:13.88 ID:EbXIJ5ug0
駅のホームには不思議な事に、
ここの駅がどこかを示す看板も何もない。
しかも、無人のようだ・・・
しょうがない。
話しやすいとは言い難いが、この子に聞いてみるか。
- 18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:38:45.01 ID:EbXIJ5ug0
('A`) あの・・・
川 ゚ -゚) む?
('A`) こ、ここは・・・どこの駅かわかる?
川 ゚ -゚) ・・・
(;'A`) あ、分かんないか。
川 ゚ -゚) お前、名前は何ていうんだ?
(;'A`) え・・・
- 20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:39:25.46 ID:EbXIJ5ug0
・・・唐突な女の子だ。
会話が成立しない。
それに、何だか偉そうだ。
別に、名前くらい教えてもいいが・・・
ちょっと、礼儀というものを、年長者が教えてやるとするか。
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:39:45.65 ID:EbXIJ5ug0
('A`) た、他人に名前を聞くときは、自分から名乗るもんじゃないかい?
それに、お前っての、ちょっと、偉そうだと、思う・・・んだけど。
うわ、ださ。
喋るの苦手だからって、
子供と話すときくらい、どもるなよ・・・
俺。
噛み噛みな俺のセリフを聞いても、
特に飽きれる様子もない。
・・・というか、俺に興味がないのか。
しょうがない、といった表情で
少女は自分の名前を名乗った。
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:40:29.18 ID:EbXIJ5ug0
川 ゚ -゚) クーだ。・・・貴方の名前は?
('A`) 一里身毒男。
川 ゚ -゚) ふむ・・・名乗れるのか・・・
('A`) ・・・?
川 ゚ -゚) ふむ。それでは、ここの駅はさしずめ・・・
('A`) ?
川 ゚ -゚) クー・毒男駅というわけ・・・だな
(;'A`) ・・・?
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:41:02.69 ID:EbXIJ5ug0
言ってる意味が、やっぱり、さっぱり、わからん。
更に質問を重ねようとすると
邪魔が入った。
いや、ホームにアナウンスが流れてくれたから、
この女の子から聞くより貴重な情報になりそうなものだが・・・
・・・
それは、この少女より更に意味不明で、
そして・・・
「 まもなく、電車が来ます。その電車に乗るとあなたは恐い目に遇いますよ〜」
- 25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:42:04.79 ID:EbXIJ5ug0
生気の無い、男の声。
怖い目にあう、という警告をしているにも関わらず、
相手を気遣ってる気配は微塵も無い。
仕事をただこなす。
それも、仕方なくこなす。
それだけの、感じしかしない。
ので、余計・・・そのアナウンスから、怖さを感じてしまった。
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:42:48.28 ID:EbXIJ5ug0
('A`;) な、なんだろう。今のアナウンスは・・・
川 ゚ -゚) ・・・
('A`;) ・・・
少女は平然としたものだ。
なんだというんだ、一体。
さっきから、おかしくないか?
もしかして、これって夢・・・?
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:44:06.31 ID:EbXIJ5ug0
俺が一人、考え込んでいるうちに
電車が入ってきた。
この電車が来た時点で、
さっきの「夢」という想像に確信をもてた。
何故ならその電車は電車というより、
よく遊園地などにあるお猿さん電車のようなものだったから。
こんな電車があるかい。
と一人突っ込みしながら、
少女の方を見た。
なんと、少女は乗ろうとしている。
- 29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:44:23.87 ID:EbXIJ5ug0
('A`) あれ、君、乗るのかい?
川 ゚ -゚) ああ。勿論。私は、そもそもこれに乗る予定だったからな。
さっき乗ってた電車は、乗り換えのためだ。
('A`) ・・ふーん。でも、この電車にのると、怖い目にあうらしいよ?
川 ゚ -゚) 問題ない。
('A`) ・・・
川 ゚ -゚) 貴方は、乗るのか?
('A`) えっ・・・
- 30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:45:44.23 ID:EbXIJ5ug0
・・・
どうしよう。
ここのホームに一人でいても仕方ないし、
目が覚める気配もない。
暇だし、寂しくなるな・・・
どーせ、夢だし・・・
怖いといっても、実際に身に危険が及ぶ事はないだろ・・・
いや、夢なんだからこそ・・
自分の頭の中から生れてくる「恐怖」が、
どんな物なのか。
それを、見たくなってきた。
- 31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:47:14.55 ID:EbXIJ5ug0
('A`) 俺も、乗るよ
川 ゚ -゚) ・・・そうか
('A`) うん
川 ゚ -゚) お気の毒に・・・
('A`;) ・・・
- 32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:48:05.09 ID:EbXIJ5ug0
俺は電車の後ろから4番目の席に。
さっきの少女は俺の後ろの席に座った。
前のほうにも、空席がちらほらあるのに。
ひょっとして、俺に懐いてきたのかな・・・?
・・・馬鹿だ、俺は。
これは、俺の夢。
都合のいいように、展開するのは当然。
・・・?
てか、俺、ロリだったのか・・・?
- 35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:50:08.25 ID:EbXIJ5ug0
電車の前のほうから、生暖かい風が流れてくる。
ちょっと、本当に夢なのか不安になった。
こんなにも、夢ってのは敏感に感じられるものだったっけ・・・?
ちょっと不安になって、
やっぱり降りようかと思い出したとき。
「出発します〜」
というアナウンスが流れてしまった。
ごとん、ごとん。
ごとん、ごとん。
電車は、走り出す。
- 36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:51:14.97 ID:EbXIJ5ug0
少女は、また本を読み始めている。
俺は、周りの景色を眺めていた。
恐らく、不安げだった事だろう。
他の乗客は・・・
ただ、無表情に、前を見ていた。
- 38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:53:15.99 ID:EbXIJ5ug0
走り出してすぐ。
トンネルに入った。
紫色ぽっい明かりが、
トンネルの中を怪しく照らす。
・・・そういえば。
この景色、見たことがあるなぁ・・・
そう、ガキの頃、遊園地で乗ったスリラーカーかな?
なんだ、やっぱり、夢か・・・
ガキの頃の、記憶の奥底から引っ張り出してきただけの、
ただの映像。
ちっとも、怖くなんてねぇや・・・
- 39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:54:30.12 ID:EbXIJ5ug0
気分が良くなって、
後の少女に俺は話しかけた。
('A`) なんだ、怖い事なんて、何もないな
川 ゚ -゚) そうだな・・・
('A`) ・・・
川 ゚ -゚) ・・・
- 40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:54:45.11 ID:EbXIJ5ug0
('A`) ・・・この電車って、どこまで行くんだろ?
川 ゚ -゚) 貴方には、関係の無いことだと思うぞ?
(;'A`) え・・・関係ないって。俺、乗ってるのに・・・
川 ゚ -゚) お気の毒に・・・
(;'A`) だから、何が・・・
- 42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:56:01.54 ID:EbXIJ5ug0
すぐに、分かった。
分かって、しまった。
答えのようなものが、すぐに。
・・・すぐに
アナウンスで流れたから。
「 次は活けづくり〜活けづくりです。」
- 44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:00:52.89 ID:EbXIJ5ug0
はぃ?
活けづくり?魚の?
そんな事を考えていると
急に後ろからけたたましい悲鳴が聞こえてきた。
思わず、振り向く。
そこには・・・
なんだろう。あれは。
小さな、人間・・・?
- 45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:01:10.64 ID:EbXIJ5ug0
ぼろきれのようなものをまとった、小さな人間がいる。
そいつらは、乗客同様、無表情に、
ただ、淡々と。
小さな刃物のようなもので、
最後尾に乗っていた男の体を少しずつ、確実に、削って・・・
- 46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:02:28.15 ID:EbXIJ5ug0
そうか、これが活けづくり・・・
強烈な、血の臭い・・・
耳の痛くなるような悲鳴。
腹部の辺りが完全に開かれて、
細長い器官。
どうやら、小腸・・・
それから、何だ、あれは・・・
肝臓か・・・?
人間のお腹に収まっている、
大事なものが、引きずり出され、
あたりに散らばっていった。
- 55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:21:16.95 ID:EbXIJ5ug0
俺は、その光景を見たくなかったのに、目を離せないでいた。
男の絶叫が途絶えて、
血と内臓がばら撒かれる音しかしなくなると・・・
俺はようやく、そこから目を逸らすことができた。
少女、クーは、平然と本を読み続けている。
その後には髪の長い顔色の悪い女性が座っていたけど、
やっぱり、気にも留めていない様子。
いや、気にしているのは・・・俺だけ?
もう一度、少女を見ると。
少女は本から目を俺の方に向けて、
語りはじめた。
- 56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:22:26.00 ID:EbXIJ5ug0
川 ゚ -゚) 等括地獄・・・というわけだ
(;'A`) え・・・
川 ゚ -゚) 知らんのか?
(;'A`) あ、あぁ・・・
川 ゚ -゚) 人間たちの妄想では、人間界の下、一千由旬の所にあるという。
そこに連れて行かれた罪人は、
肉が裂かれ、血肉はなくなり骨だけとなる苦しみを受け続けるという地獄だ
(;'A`) ・・・
- 57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:22:40.87 ID:EbXIJ5ug0
川 ゚ -゚) あの男は、人を殺したのかもしれんな
(;'A`) え?
川 ゚ -゚) 等括地獄というのは、殺生したものが落ちるという地獄だ
(;'A`) ・・・
- 58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:23:37.17 ID:EbXIJ5ug0
淡々と語る少女に圧倒されつつ
俺は気がついてしまった。
夢の中で、知識を得た・・・?
俺は、とうかつ(?)地獄のことなんて、知らなかった。
だが、少女は平然と俺に語り、
新たな知識を授けてくれた。
・・・
まさか。
夢では・・・・?
- 59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:24:01.74 ID:EbXIJ5ug0
川 ゚ -゚) どうだろうな?
(;'A`) え?
川 ゚ -゚) お前の認識する現実と夢の境界は、人外の考えているものとは違うぞ
(;'A`) ・・・
川 ゚ -゚) 人外のものが感じるリアルは、その二つが密接につながっている
(;'A`) ・・・何を、言って・・・
川 ゚ -゚) くくくく・・・
- 61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:25:26.18 ID:EbXIJ5ug0
無表情に笑い出したクー。
俺は怖くなってきた。
それは、この少女がだ。
意味の分かる日本語を喋ってはくれないが、
妙な説得力がある。
そして・・・くそ。また、思考を邪魔された。
次のアナウンスが流れたからだ。
「 次はえぐり出し〜えぐり出しです。」
- 62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:26:50.82 ID:EbXIJ5ug0
今度は、二人組みの小人が現れた。
手には、すくう部分がギザギザのスプーンの様なものを持っている。
先ほどまで、最後尾に座っていた男を解体していた小人達が
少女の一個後ろに座る女性の頭を押さえつけた。
- 63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:27:05.88 ID:EbXIJ5ug0
新たに現れた小人は、
女性の目の辺りにスプーンを当てると
一気に突っ込み、
少し柄を下げ、
手前に引いた。
無表情だった女性は、
痛みのために俺の頭が壊れんばかりの悲鳴を上げる。
目があった部分から、
ところどころが赤く染まった白い球が落ちる。
- 64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:28:29.18 ID:EbXIJ5ug0
それは、床に落ちると、
べちゃっと音を立てて。
潰れた・・・
やばい。
やばい。
やばい。。。。。。
- 65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:28:52.36 ID:EbXIJ5ug0
「ふむ。・・・今度は大叫喚地獄・・・といったところか?」
少女の冷静な声が、
逆に俺の心を凍らせる。
な、なんでだ?
何故そんなに、冷静にいられる?
最後尾の男が殺され、
次はその前の女性。
次は・・・君じゃないのか?
- 66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:29:57.13 ID:EbXIJ5ug0
俺の頭の中からは既に、夢という甘い希望は消え去っていた。
今、目の前にあるリアル。
これは、間違いの無く、
俺や、この少女に迫ってきている危機だ!
俺は、正直この少女も怖い!
でも、こ、殺されるなんて、そ、そんなのは・・・!
- 67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:30:13.32 ID:EbXIJ5ug0
(;'A`) な、なぁ!?
川 ゚ -゚) む?
(;'A`) き、君、逃げた方がいい!!
川 ゚ -゚) 何故?
(;'A`) わからないのか!? つ、つ、次はきっと、君だぞ???
川 ゚ -゚) 私か・・・? ふふん・・・
(;'A`) !?
- 68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:30:27.96 ID:EbXIJ5ug0
「次は挽肉〜挽肉です〜」
- 69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:30:43.04 ID:EbXIJ5ug0
次のアナウンスが聞こえた。
やばい。
次は、この少女。
この少女が、ひき・・・にく・・・?
- 70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:31:55.39 ID:EbXIJ5ug0
急に「ウイーン」という機械の音が、響き渡る。
音の方を見ると・・・
小人達が、不思議な機械を一生懸命運んでくる。
あれは・・・なんだ?
大きな鉄製の、箱のようなもの。
それには、ひき肉を作る材料の取り込み口の様な物がついており、
それは簡単に、少女の上半身くらい飲み込んでしまいそうだ・・・
- 71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:32:13.86 ID:EbXIJ5ug0
(;'A`) や、や、やめろぉおおお!!1
少女が、驚いたような顔をした。
それは、ミンチを作る機械が現れたからじゃなく、
俺が叫んだからの様に見える。
- 72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:33:49.08 ID:EbXIJ5ug0
川 ゚ -゚) 何を驚いている・・・?
(;'A`) だ、だって、君! あれ、君が、君がかけられちゃうんだぞ・・・!?
川 ゚ -゚) ふむ・・・
(;'A`) ふ、ふむって・・・!いいから、前に逃げてっ!
川 ゚ -゚) ・・・
- 73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:34:14.17 ID:EbXIJ5ug0
川 ゚ -゚) 阿鼻地獄の刑を科せられた罪人の貴方が、
他人の心配をするとはな・・・?
(;'A`) ・・・
「・・・え?」
- 74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:34:34.35 ID:EbXIJ5ug0
ミンチの機械は、少女を素通りした。
小人は少女に向かって、軽く頭を下げる。
少女はそれに対し、
「ご苦労」と声をかけた。
- 75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:35:20.60 ID:EbXIJ5ug0
小人は俺の膝の上に乗ってきて、
俺の姿勢を固定するようなベルトをつけてくる。
俺は思考が停止してしまって、
動けない。
あれ?
後の少女が先なんじゃ・・・?
なんだ、今の会話は・・・
もしかして、この少女が、
この乗客たちを
こんな目にあわせる・・・
しゅぼうしゃ・・・?
- 76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:35:46.72 ID:EbXIJ5ug0
川 ゚ -゚) 違う
(;'A`) ・・・っ!
川 ゚ -゚) 私は、ただ単に、乗せてもらっているだけだ
(;'A`) ど、ど、ど、どういうことだ! なんで、こんな狂った電車にっ!!!
川 ゚ -゚) 私は、貴方たち人間の言う、「天国」に用があってな。
この電車はそこに向かう電車だ。
だから、乗せてもらっている
- 78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:36:06.81 ID:EbXIJ5ug0
(;'A`) は???
川 ゚ -゚) 人間、天国に向かうためにはこうやって罪を償わなければならない
(;'A`) つ、つ、罪って! 俺が、こんな目にあわなきゃならないほどの事、
何をやったって言うんだよ!
川 ゚ -゚) 自覚があろうが、なかろうが。
生物は、処罰を科せられるだけの罪を、生きている間に行なってしまうものだ
それは、償わなければならない
- 79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:36:38.20 ID:EbXIJ5ug0
(;'A`) ま、ま、まって!!!
川 ゚ -゚) お前は、さっきの二人のような、頭の痛くなる喚き声を出さないでくれよ?
「本に、集中できないじゃないか」
- 81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:37:56.86 ID:EbXIJ5ug0
最後の言葉と同時に、
上半身にすっぽり、ミンチの機械が被せられた。
何か、操作をしている様な音がする。
そうか・・・
お、俺・・・
俺、ミンチになるのか・・・
あ、
あはは・・・
アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ・・・
- 82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:38:13.49 ID:EbXIJ5ug0
- ・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
がたん、ごとん
がたん、ごとん
('A`) ・・・ん?
- 83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:38:34.80 ID:EbXIJ5ug0
どうやら、寝ていたらしい。
何かにもたれかかって寝ていたので、
酷く首が痛い。
あれ?
俺、何にもたれかかってたんだろ・・・
川 ゚ -゚) ・・・
(;'A`) あっ!!!
- 84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:38:51.27 ID:EbXIJ5ug0
隣の少女が、酷く迷惑そうな顔でこちらを見ていた。
慌てて、謝る俺。
俺が頭を少女の肩の上に置くのを止めたから、
少女の顔は元の無表情に戻った。
川 ゚ -゚) ふむ
('A`) ・・・?
川 ゚ -゚) 実は、車掌から伝言があるのだが
('A`) ・・・あ
- 85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:39:11.75 ID:EbXIJ5ug0
しまった。
切符の提示が求められていたのかな?
もし、そうなら、
早く車掌さんを探して・・・
と考えていると、
少女の声に思考を中断された。
- 86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:39:40.72 ID:EbXIJ5ug0
川 ゚ -゚) 君はまだ、大罪を犯す前の段階だったのだな
('A`) ・・・え?
川 ゚ -゚) だけど、君は将来、必ず罪を犯す
('A`) ・・・
川 ゚ -゚) その時は、夜毎、阿鼻叫喚の無間地獄の刑に処す。
('A`) ・・・
川 ゚ -゚) 「次に来た時は最後ですよ〜」
(;'A`) !?
- 102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 22:02:16.54 ID:dQnbTM000
- 思わず、立ち上がる。
最後に聞こえた、少女の声。
それは、間違えなく、少女の声ではなかった。
それは、そう。
あの、アナウンスの声・・
- 103: 代理 :2008/03/23(日) 22:02:51.32 ID:dQnbTM000
- ・・・
・・・
・・・
「あれ、貴方も見てますか?
貴方も・・・ソロソロ、乗らなきゃいけない頃かもしれませんよ・・・?」
戻る/A