川 ゚ -゚) 少女クーは‘2’に棲まうモノ達と奇妙な旅をするようです

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:17:13.31 ID:EbXIJ5ug0



@お猿さん列車



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:31:56.74 ID:EbXIJ5ug0
ごとん、ごとん。

ごとん、ごとん。

('A`) ・・・

いきなり、不健康そうな顔を見せてすまない。

俺の名は、一里身毒男。

実家に帰るため一人、列車に乗っている。
何もすることも無く、暇だ・・・

隣の席を見る。
そこには無表情に本を読む、和服の似合いそうな可愛らしい女の子がいた。

名前は・・・知らん。

満員列車で、他に座るところがないから
俺の隣に座ったに過ぎない他人だから。

話相手もいない。

暇だ・・・なんか・・・ねむく・・・



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:35:42.48 ID:EbXIJ5ug0
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・

Σ('A`) はっ!

ん・・・

あれ?

ここは何処だ?

俺はいつの間にか、駅のホームのベンチに座って眠りこけていた。

なんでだ?

いつの間に、列車から降りたんだっけ・・・

そもそも、ここの駅、どこだろ・・・

隣をみる。

あら。

さっき、隣にいた女の子だ。

まだ、熱心に本を読んでいる。

俺が見ているのに気がついたのか、
少女は本を閉じてこちらを見返してきた。



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:36:02.08 ID:EbXIJ5ug0
川 ゚ -゚) ・・・起きたのか?

('A`) あ、あぁ。


驚いた。
話しかけてくるとは、思わなかったから。

問いに答えただけで、
何を言ったらいいか分からなくなって。

俺はまた、黙ってしまった。


すると、また女の子は勝手に喋りだした。



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:36:50.30 ID:EbXIJ5ug0
川 ゚ -゚) 気の毒に。目が覚めなきゃ、良かったのにな。

('A`) え・・・?

川 ゚ -゚) ・・・

('A`) ・・・

川 ゚ -゚) ・・・


独り言の様に少女はぼやくと、
また本を読もうとし始めた。

い、意味不明だ。

まあ、いい。

それより、ここは何処か、だ・・・

・・・



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:37:13.88 ID:EbXIJ5ug0

駅のホームには不思議な事に、
ここの駅がどこかを示す看板も何もない。
しかも、無人のようだ・・・

しょうがない。

話しやすいとは言い難いが、この子に聞いてみるか。



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:38:45.01 ID:EbXIJ5ug0

('A`) あの・・・

川 ゚ -゚) む?

('A`) こ、ここは・・・どこの駅かわかる?

川 ゚ -゚) ・・・

(;'A`) あ、分かんないか。

川 ゚ -゚) お前、名前は何ていうんだ?

(;'A`) え・・・



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:39:25.46 ID:EbXIJ5ug0

・・・唐突な女の子だ。

会話が成立しない。
それに、何だか偉そうだ。


別に、名前くらい教えてもいいが・・・



ちょっと、礼儀というものを、年長者が教えてやるとするか。



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:39:45.65 ID:EbXIJ5ug0

('A`) た、他人に名前を聞くときは、自分から名乗るもんじゃないかい?
    それに、お前っての、ちょっと、偉そうだと、思う・・・んだけど。

うわ、ださ。

喋るの苦手だからって、
子供と話すときくらい、どもるなよ・・・

俺。

噛み噛みな俺のセリフを聞いても、
特に飽きれる様子もない。

・・・というか、俺に興味がないのか。

しょうがない、といった表情で
少女は自分の名前を名乗った。



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:40:29.18 ID:EbXIJ5ug0

川 ゚ -゚) クーだ。・・・貴方の名前は?

('A`) 一里身毒男。

川 ゚ -゚) ふむ・・・名乗れるのか・・・

('A`) ・・・?

川 ゚ -゚) ふむ。それでは、ここの駅はさしずめ・・・

('A`) ?

川 ゚ -゚) クー・毒男駅というわけ・・・だな

(;'A`) ・・・?



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:41:02.69 ID:EbXIJ5ug0

言ってる意味が、やっぱり、さっぱり、わからん。

更に質問を重ねようとすると
邪魔が入った。

いや、ホームにアナウンスが流れてくれたから、
この女の子から聞くより貴重な情報になりそうなものだが・・・

・・・

それは、この少女より更に意味不明で、


そして・・・


「 まもなく、電車が来ます。その電車に乗るとあなたは恐い目に遇いますよ〜」



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:42:04.79 ID:EbXIJ5ug0

生気の無い、男の声。
怖い目にあう、という警告をしているにも関わらず、
相手を気遣ってる気配は微塵も無い。

仕事をただこなす。

それも、仕方なくこなす。

それだけの、感じしかしない。


ので、余計・・・そのアナウンスから、怖さを感じてしまった。



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:42:48.28 ID:EbXIJ5ug0

('A`;) な、なんだろう。今のアナウンスは・・・

川 ゚ -゚) ・・・

('A`;) ・・・



少女は平然としたものだ。

なんだというんだ、一体。

さっきから、おかしくないか?


もしかして、これって夢・・・?



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:44:06.31 ID:EbXIJ5ug0

俺が一人、考え込んでいるうちに

電車が入ってきた。

この電車が来た時点で、
さっきの「夢」という想像に確信をもてた。

何故ならその電車は電車というより、
よく遊園地などにあるお猿さん電車のようなものだったから。

こんな電車があるかい。

と一人突っ込みしながら、
少女の方を見た。


なんと、少女は乗ろうとしている。



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:44:23.87 ID:EbXIJ5ug0

('A`) あれ、君、乗るのかい?

川 ゚ -゚) ああ。勿論。私は、そもそもこれに乗る予定だったからな。
     さっき乗ってた電車は、乗り換えのためだ。

('A`) ・・ふーん。でも、この電車にのると、怖い目にあうらしいよ?

川 ゚ -゚) 問題ない。

('A`) ・・・

川 ゚ -゚) 貴方は、乗るのか?

('A`) えっ・・・



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:45:44.23 ID:EbXIJ5ug0

・・・
どうしよう。

ここのホームに一人でいても仕方ないし、
目が覚める気配もない。

暇だし、寂しくなるな・・・

どーせ、夢だし・・・

怖いといっても、実際に身に危険が及ぶ事はないだろ・・・


いや、夢なんだからこそ・・

自分の頭の中から生れてくる「恐怖」が、
どんな物なのか。

それを、見たくなってきた。



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:47:14.55 ID:EbXIJ5ug0

('A`) 俺も、乗るよ

川 ゚ -゚) ・・・そうか

('A`) うん

川 ゚ -゚) お気の毒に・・・

('A`;) ・・・



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:48:05.09 ID:EbXIJ5ug0

俺は電車の後ろから4番目の席に。
さっきの少女は俺の後ろの席に座った。

前のほうにも、空席がちらほらあるのに。

ひょっとして、俺に懐いてきたのかな・・・?


・・・馬鹿だ、俺は。

これは、俺の夢。


都合のいいように、展開するのは当然。


・・・?
てか、俺、ロリだったのか・・・?



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:50:08.25 ID:EbXIJ5ug0

電車の前のほうから、生暖かい風が流れてくる。
ちょっと、本当に夢なのか不安になった。

こんなにも、夢ってのは敏感に感じられるものだったっけ・・・?

ちょっと不安になって、
やっぱり降りようかと思い出したとき。

「出発します〜」

というアナウンスが流れてしまった。


ごとん、ごとん。

ごとん、ごとん。

電車は、走り出す。



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:51:14.97 ID:EbXIJ5ug0

少女は、また本を読み始めている。

俺は、周りの景色を眺めていた。

恐らく、不安げだった事だろう。


他の乗客は・・・

ただ、無表情に、前を見ていた。



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:53:15.99 ID:EbXIJ5ug0

走り出してすぐ。
トンネルに入った。

紫色ぽっい明かりが、
トンネルの中を怪しく照らす。

・・・そういえば。

この景色、見たことがあるなぁ・・・

そう、ガキの頃、遊園地で乗ったスリラーカーかな?

なんだ、やっぱり、夢か・・・

ガキの頃の、記憶の奥底から引っ張り出してきただけの、
ただの映像。

ちっとも、怖くなんてねぇや・・・



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:54:30.12 ID:EbXIJ5ug0

気分が良くなって、
後の少女に俺は話しかけた。

('A`) なんだ、怖い事なんて、何もないな

川 ゚ -゚) そうだな・・・

('A`) ・・・

川 ゚ -゚) ・・・



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:54:45.11 ID:EbXIJ5ug0

('A`) ・・・この電車って、どこまで行くんだろ?

川 ゚ -゚) 貴方には、関係の無いことだと思うぞ?

(;'A`) え・・・関係ないって。俺、乗ってるのに・・・

川 ゚ -゚) お気の毒に・・・

(;'A`) だから、何が・・・



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:56:01.54 ID:EbXIJ5ug0


すぐに、分かった。

分かって、しまった。

答えのようなものが、すぐに。


・・・すぐに

アナウンスで流れたから。



「 次は活けづくり〜活けづくりです。」



44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:00:52.89 ID:EbXIJ5ug0

はぃ? 

活けづくり?魚の?

そんな事を考えていると
急に後ろからけたたましい悲鳴が聞こえてきた。

思わず、振り向く。

そこには・・・

なんだろう。あれは。

小さな、人間・・・?



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:01:10.64 ID:EbXIJ5ug0

ぼろきれのようなものをまとった、小さな人間がいる。

そいつらは、乗客同様、無表情に、

ただ、淡々と。

小さな刃物のようなもので、
最後尾に乗っていた男の体を少しずつ、確実に、削って・・・



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:02:28.15 ID:EbXIJ5ug0

そうか、これが活けづくり・・・

強烈な、血の臭い・・・

耳の痛くなるような悲鳴。

腹部の辺りが完全に開かれて、

細長い器官。

どうやら、小腸・・・

それから、何だ、あれは・・・

肝臓か・・・?

人間のお腹に収まっている、
大事なものが、引きずり出され、
あたりに散らばっていった。



55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:21:16.95 ID:EbXIJ5ug0

俺は、その光景を見たくなかったのに、目を離せないでいた。

男の絶叫が途絶えて、
血と内臓がばら撒かれる音しかしなくなると・・・
俺はようやく、そこから目を逸らすことができた。

少女、クーは、平然と本を読み続けている。

その後には髪の長い顔色の悪い女性が座っていたけど、
やっぱり、気にも留めていない様子。

いや、気にしているのは・・・俺だけ?

もう一度、少女を見ると。

少女は本から目を俺の方に向けて、
語りはじめた。



56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:22:26.00 ID:EbXIJ5ug0

川 ゚ -゚) 等括地獄・・・というわけだ

(;'A`) え・・・

川 ゚ -゚) 知らんのか?

(;'A`) あ、あぁ・・・

川 ゚ -゚) 人間たちの妄想では、人間界の下、一千由旬の所にあるという。
     そこに連れて行かれた罪人は、
     肉が裂かれ、血肉はなくなり骨だけとなる苦しみを受け続けるという地獄だ

(;'A`) ・・・



57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:22:40.87 ID:EbXIJ5ug0

川 ゚ -゚) あの男は、人を殺したのかもしれんな

(;'A`) え?

川 ゚ -゚) 等括地獄というのは、殺生したものが落ちるという地獄だ

(;'A`) ・・・



58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:23:37.17 ID:EbXIJ5ug0

淡々と語る少女に圧倒されつつ
俺は気がついてしまった。

夢の中で、知識を得た・・・?

俺は、とうかつ(?)地獄のことなんて、知らなかった。

だが、少女は平然と俺に語り、
新たな知識を授けてくれた。

・・・

まさか。

夢では・・・・?



59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:24:01.74 ID:EbXIJ5ug0

川 ゚ -゚) どうだろうな?

(;'A`) え?

川 ゚ -゚) お前の認識する現実と夢の境界は、人外の考えているものとは違うぞ

(;'A`) ・・・

川 ゚ -゚) 人外のものが感じるリアルは、その二つが密接につながっている

(;'A`) ・・・何を、言って・・・

川 ゚ -゚) くくくく・・・



61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:25:26.18 ID:EbXIJ5ug0

無表情に笑い出したクー。

俺は怖くなってきた。
それは、この少女がだ。

意味の分かる日本語を喋ってはくれないが、
妙な説得力がある。

そして・・・くそ。また、思考を邪魔された。

次のアナウンスが流れたからだ。



「 次はえぐり出し〜えぐり出しです。」



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:26:50.82 ID:EbXIJ5ug0

今度は、二人組みの小人が現れた。

手には、すくう部分がギザギザのスプーンの様なものを持っている。

先ほどまで、最後尾に座っていた男を解体していた小人達が
少女の一個後ろに座る女性の頭を押さえつけた。



63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:27:05.88 ID:EbXIJ5ug0

新たに現れた小人は、
女性の目の辺りにスプーンを当てると

一気に突っ込み、
少し柄を下げ、

手前に引いた。

無表情だった女性は、
痛みのために俺の頭が壊れんばかりの悲鳴を上げる。

目があった部分から、
ところどころが赤く染まった白い球が落ちる。



64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:28:29.18 ID:EbXIJ5ug0

それは、床に落ちると、
べちゃっと音を立てて。

潰れた・・・


やばい。


やばい。

やばい。。。。。。



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:28:52.36 ID:EbXIJ5ug0

「ふむ。・・・今度は大叫喚地獄・・・といったところか?」

少女の冷静な声が、
逆に俺の心を凍らせる。


な、なんでだ?

何故そんなに、冷静にいられる?

最後尾の男が殺され、
次はその前の女性。

次は・・・君じゃないのか?



66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:29:57.13 ID:EbXIJ5ug0

俺の頭の中からは既に、夢という甘い希望は消え去っていた。

今、目の前にあるリアル。

これは、間違いの無く、
俺や、この少女に迫ってきている危機だ!

俺は、正直この少女も怖い!
でも、こ、殺されるなんて、そ、そんなのは・・・!



67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:30:13.32 ID:EbXIJ5ug0

(;'A`) な、なぁ!?

川 ゚ -゚) む?

(;'A`) き、君、逃げた方がいい!!

川 ゚ -゚) 何故?

(;'A`) わからないのか!? つ、つ、次はきっと、君だぞ???

川 ゚ -゚) 私か・・・? ふふん・・・

(;'A`) !?



68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:30:27.96 ID:EbXIJ5ug0



「次は挽肉〜挽肉です〜」



69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:30:43.04 ID:EbXIJ5ug0

次のアナウンスが聞こえた。

やばい。

次は、この少女。


この少女が、ひき・・・にく・・・?



70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:31:55.39 ID:EbXIJ5ug0

急に「ウイーン」という機械の音が、響き渡る。

音の方を見ると・・・

小人達が、不思議な機械を一生懸命運んでくる。

あれは・・・なんだ?

大きな鉄製の、箱のようなもの。

それには、ひき肉を作る材料の取り込み口の様な物がついており、

それは簡単に、少女の上半身くらい飲み込んでしまいそうだ・・・



71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:32:13.86 ID:EbXIJ5ug0


(;'A`) や、や、やめろぉおおお!!1



少女が、驚いたような顔をした。

それは、ミンチを作る機械が現れたからじゃなく、
俺が叫んだからの様に見える。



72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:33:49.08 ID:EbXIJ5ug0

川 ゚ -゚) 何を驚いている・・・?

(;'A`) だ、だって、君! あれ、君が、君がかけられちゃうんだぞ・・・!?

川 ゚ -゚) ふむ・・・

(;'A`) ふ、ふむって・・・!いいから、前に逃げてっ!

川 ゚ -゚) ・・・



73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:34:14.17 ID:EbXIJ5ug0

川 ゚ -゚) 阿鼻地獄の刑を科せられた罪人の貴方が、
     他人の心配をするとはな・・・?

(;'A`) ・・・



「・・・え?」



74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:34:34.35 ID:EbXIJ5ug0

ミンチの機械は、少女を素通りした。

小人は少女に向かって、軽く頭を下げる。

少女はそれに対し、

「ご苦労」と声をかけた。



75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:35:20.60 ID:EbXIJ5ug0

小人は俺の膝の上に乗ってきて、
俺の姿勢を固定するようなベルトをつけてくる。

俺は思考が停止してしまって、
動けない。

あれ?

後の少女が先なんじゃ・・・?

なんだ、今の会話は・・・

もしかして、この少女が、
この乗客たちを

こんな目にあわせる・・・

しゅぼうしゃ・・・?



76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:35:46.72 ID:EbXIJ5ug0

川 ゚ -゚) 違う

(;'A`) ・・・っ!

川 ゚ -゚) 私は、ただ単に、乗せてもらっているだけだ

(;'A`) ど、ど、ど、どういうことだ! なんで、こんな狂った電車にっ!!!

川 ゚ -゚) 私は、貴方たち人間の言う、「天国」に用があってな。
     この電車はそこに向かう電車だ。

     だから、乗せてもらっている



78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:36:06.81 ID:EbXIJ5ug0

(;'A`) は???

川 ゚ -゚) 人間、天国に向かうためにはこうやって罪を償わなければならない

(;'A`) つ、つ、罪って! 俺が、こんな目にあわなきゃならないほどの事、
     何をやったって言うんだよ!

川 ゚ -゚) 自覚があろうが、なかろうが。
     生物は、処罰を科せられるだけの罪を、生きている間に行なってしまうものだ
     それは、償わなければならない



79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:36:38.20 ID:EbXIJ5ug0

(;'A`) ま、ま、まって!!!

川 ゚ -゚) お前は、さっきの二人のような、頭の痛くなる喚き声を出さないでくれよ?



「本に、集中できないじゃないか」



81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:37:56.86 ID:EbXIJ5ug0

最後の言葉と同時に、
上半身にすっぽり、ミンチの機械が被せられた。

何か、操作をしている様な音がする。

そうか・・・
お、俺・・・

俺、ミンチになるのか・・・

あ、
あはは・・・


アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ・・・



82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:38:13.49 ID:EbXIJ5ug0
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・


がたん、ごとん
がたん、ごとん


('A`) ・・・ん?



83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:38:34.80 ID:EbXIJ5ug0

どうやら、寝ていたらしい。

何かにもたれかかって寝ていたので、
酷く首が痛い。

あれ?

俺、何にもたれかかってたんだろ・・・


川 ゚ -゚) ・・・

(;'A`) あっ!!!



84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:38:51.27 ID:EbXIJ5ug0

隣の少女が、酷く迷惑そうな顔でこちらを見ていた。

慌てて、謝る俺。

俺が頭を少女の肩の上に置くのを止めたから、
少女の顔は元の無表情に戻った。


川 ゚ -゚) ふむ

('A`) ・・・?

川 ゚ -゚) 実は、車掌から伝言があるのだが

('A`) ・・・あ



85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:39:11.75 ID:EbXIJ5ug0

しまった。

切符の提示が求められていたのかな?

もし、そうなら、
早く車掌さんを探して・・・

と考えていると、
少女の声に思考を中断された。



86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:39:40.72 ID:EbXIJ5ug0

川 ゚ -゚) 君はまだ、大罪を犯す前の段階だったのだな

('A`) ・・・え?

川 ゚ -゚) だけど、君は将来、必ず罪を犯す

('A`) ・・・

川 ゚ -゚) その時は、夜毎、阿鼻叫喚の無間地獄の刑に処す。

('A`) ・・・

川 ゚ -゚) 「次に来た時は最後ですよ〜」


(;'A`) !?



102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 22:02:16.54 ID:dQnbTM000
思わず、立ち上がる。

最後に聞こえた、少女の声。

それは、間違えなく、少女の声ではなかった。

それは、そう。
あの、アナウンスの声・・



103: 代理 :2008/03/23(日) 22:02:51.32 ID:dQnbTM000
・・・
・・・

・・・

「あれ、貴方も見てますか?

 貴方も・・・ソロソロ、乗らなきゃいけない頃かもしれませんよ・・・?」



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