川 ゚ -゚) 少女クーは‘2’に棲まうモノ達と奇妙な旅をするようです

2: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 20:22:08.74 ID:gjJ1w3uf0


Jだーるまさんが、こーろんだ



4: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 20:23:27.77 ID:gjJ1w3uf0


ノハ#゚听) うぉおおおおおおおおっ!!!


ざっぱーーーーーーーーーんん

ノハ#゚听) 風呂だ、風呂だっ! お風呂だぁああああああっ!!!

(´・ω・`) 君は元気だねぇ・・・

ノハ#゚听) うきゃぁあああああっっ!!!!

(´・ω・`) ・・・

ノハ#゚听) うきゃぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!!!

(#´・ω・`) ・・・



5: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 20:24:39.75 ID:gjJ1w3uf0


(#´・ω・`) うるさいっ!

ごちんっ!


ノハ#>凵メj いったぁあああああああっ!!!



7: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 20:26:46.03 ID:gjJ1w3uf0

風呂場に飛び込むヒートを叩く。

おもくそ叩く。
遠慮なく叩く。

何故なら、僕は彼女が嫌いだから。

うるさい、しつこい、うっとうしい。

まとわりつくなと言っても、聞いてくれやしない。
風呂くらい、静かに入りたいものだ・・・



9: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 20:29:56.25 ID:gjJ1w3uf0

(;´・ω・`) まったく。風呂のお湯が半分減ったじゃないか

ノハ ゚听) すまない。兄ちゃん

(´・ω・`) はぁ・・・ちょっとは、静かにしてくれ

ノハ ゚−゚) ・・・

(´・ω・`) ・・・

ノハ ゚−゚) ・・・

(´・ω・`) ・・・

ノハ ゚〜゚) ・・・ムズムズ

(;´・ω・`) ・・・



11: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 20:33:02.28 ID:gjJ1w3uf0


ノハ#゚听) うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお


ばきっ

ぶくぶくぶく・・・

・・・



12: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 20:34:01.36 ID:gjJ1w3uf0

・・・
ヒートは、何故か僕に懐いている。
今日も、五月蝿く叫び、暴れる。

そんな、小学生の従姉妹。
最近は水着を着て風呂まで一緒について来るようになった。
恐らく、最近失踪した父親の代わりを僕に求めているのだろう。

・・・
そんなの、僕の親父に求めればいいんだ。
何で僕に? 僕はマダ、中学生だぞ?

懐かれても、まったく有難く無い。
本当に、迷惑だ。

今だって、のぼせて頭を抱えるヒートの世話をしなきゃならない。



14: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 20:35:50.74 ID:gjJ1w3uf0

ノハ >凵メj うぅー

(´・ω・`) ・・・

ノハ ゚听) はっ!

(´・ω・`) ?

ノハ#゚听) 風呂でたから、遊ぶぞおぉぉおおおおっ〜!

(#´・ω・`) ・・・一人で遊んでろ



15: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 20:37:25.83 ID:gjJ1w3uf0

うっとうしい。
出て行けば、いいのに。


・・・

きーんこーんかーんこーん。

鐘が鳴る。
昨夜の事をムカムカしながら思い出してたら
朝礼が始まってしまった。

なんの準備もしていないことに気が付いて
慌てて鞄をひっくり返す。


がらがらがら・・・

・・・ン?



16: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 20:38:39.25 ID:gjJ1w3uf0

先生が入ってきた。
その後に、見知らぬ少女がいる。

まさか・・・転校生?
何の前情報もなかったけど・・・

いつもにこやかな顔をしている先生は、
今は妙に無表情・・・というか、しまりのないトボケタ顔で
その少女を紹介し始めた。


「今日から、うちのクラスに来る事になった須直くーさんだ。
 よろしく」

「・・・よろしく」



18: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 20:41:47.97 ID:gjJ1w3uf0

何だ?この女。

僕達と同い年にしては
やけに落ち着いたふいんき(ry・・・

まぁ・・・
僕としては、五月蝿い人より
こういう人の方が有り難いけど。



19: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 20:42:04.96 ID:gjJ1w3uf0


「ショボンー。彼女は、お前の隣の席に座る事になる
 よろしくー」

「あ、はい・・・」

「よろしく、お願いします」



21: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 20:44:08.77 ID:gjJ1w3uf0

クーさんは、僕の隣の空席にやってくると
静かに腰を下ろした。

先生は、既に別の項目について話し始めてる。

・・・やけに淡白だな。
普通、転校生が来たら、
質問タイムとか、
もっとそういうものを設けるものじゃないか?

そういや、クラスメイト達も妙に静かだ。

割と、綺麗な少女なのに・・・
まぁ、僕の好みではないが。

クーさんは、僕の方を見て話しかけてきた。



23: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 20:45:55.92 ID:gjJ1w3uf0

川 ゚ -゚) やぁ。初めまして

(´・ω・`) あぁ・・・初めまして

川 ゚ -゚) ・・・ふん

(´・ω・`) ?

川 ゚ -゚) なぁ、君

(´・ω・`) なんだ?

川 ゚ -゚) 私の左肩の上に、何か見えるか?

(´・ω・`) えっ?



28: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 20:49:34.47 ID:gjJ1w3uf0

クーさんの左肩を見る。

・・・そこには、美しくしなやかな髪が
おりて来ているだけだった。

別に、何も見えない。

もしや、自分の髪を誉めてもらいたいのだろうか?
自意識過剰な奴だ。

僕はこの女を嫌いになる事に
決めた。



29: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 20:51:22.38 ID:gjJ1w3uf0

(´・ω・`) 別に、何も?

川 ゚ -゚) ふん。そうか

(´・ω・`) ・・・

川 ゚ -゚) ・・・


クーさんは興味をなくしたように、
前のほうを向いた。

また、鐘の音がなった。
1時限目の授業の開始だ。

その音と同時に、クーさんは自分の机を、
僕の机にくっつけた。

やれやれ、転校生にお決まりの
「私、教科書まだ持ってないの」って奴か。

・・・めんどう



31: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 20:53:39.84 ID:gjJ1w3uf0


場所と時間が変わり、
ヒートの通う小学校。

子供達が騒がしく暴れまわっている。
授業はまだ、始まっていない。



32: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 20:55:12.23 ID:gjJ1w3uf0

( ´∀`) モナもな! 饅頭うまぃモナ〜

( ・∀・) お前、またソレ喰ってるのか。
      デブになるぞ?

( ;´∀`) う、うるさいモナ!

( ・∀・) それより、昨日面白い話きいたぜー?

( ´∀`) モナ?

( ・∀・) 「だるまさんが、ころんだ」って奴さ

( ;´∀`) ? だるまさんがころんだ、くらい、モナーでも知ってるモナ

( ・∀・) ちげーよ。ばーか。風呂場で言うと、やべえんだって

( ´∀`) ? なんで風呂場なんだモナ?

( ・∀・) ふふん。やっぱりシラネェかw



33: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 20:56:50.21 ID:gjJ1w3uf0

( ・∀・) な、ヒート。お前知ってるか?

ノハ ゚听) え?

( ・∀・) だるまさんが、ころんだってやつ

ノハ ゚−゚) 知らない

( ・∀・) しょうがねぇなあ。教えてやるよw

( ´∀`) もなもな

ノハ ゚−゚) 私、あんま興味ないんだけど・・・

( ・∀・) おーい、ヒート! お前ってホント、消極的な奴だナァ
      完全に名前負けしてるじゃねえか

ノハ ゚听) うるさいなぁ・・・



35: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 20:59:14.63 ID:gjJ1w3uf0

( ・∀・) まぁ、いいから、聞けよ

( ´∀`) もな

ノハ ゚听) しょうがないな。早く話して

( ・∀・) うむ。いいか?



37: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:00:55.22 ID:gjJ1w3uf0

「お風呂に入ってさ、頭を洗ってる時。
 お前ら、絶対「だるまさんがころんだ」っつー
 フレーズを口にしちゃいけないぜ?」

「なんでだモナ?」

「頭洗ってる格好ってさ、「だるまさんがころんだ」で遊んでるのと
 同じような格好じゃね?」

「・・・まあ、そうだね」

「もなもな・・・」

「そこでよ?気をつけなきゃいけね。
 お風呂場とか、水場ってのは、幽霊を呼びやすい場所なんだ!」

「も、もな〜」

「ふーん?」



38: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:04:26.18 ID:gjJ1w3uf0

「だから、それに釣られた霊達が、お前らの後ろに集まってくるんだ・・・」

「・・・ご、ごくり・・・だモナ」

「・・・」

「いいか、洗髪中、言うのはおろか、
 そのフレーズを頭の中に思い浮かべるだけでもやべえ」

「・・・」

「・・・」

「あー・・・
 きっと、今日髪洗う時、お前らは思い出しちまうと思うぜ?
 「だるまさんが、ころんだ」・・・!」

「そしたら、お前らの背後には、きっと・・・
 青白い顔の女が、血走った目でよ〜?
 背後から肩越しに、じっとお前らの横顔を見つめてきてるぜ・・・」

「もう一度、いうぜ?
 「だるまさんが、ころんだ」だけは、いけないぞ?「だるまさんが、ころんだ」だけは・・・」



40: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:07:02.07 ID:gjJ1w3uf0

( ;´∀`) も、モナー! そ、その話、モナー聞かなかったら
      そんな「だるまさんがころんだ」なんて思い浮かばなかったモナ!

( ・∀・) くっくっく

( ;´∀`) モララーの馬鹿だモナ!

ノハ ゚听) ほんと、お馬鹿〜

( #・∀・) ・・・なんだと?

ノハ ゚听) そんな話して、びびらせて
      何が面白いの? 馬鹿なの?

( #・∀・) ぐぬぬぬ・・・

( ;´∀`) ・・・ぅわ、直球だもな・・・

ノハ ゚听) フン



42: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:08:38.30 ID:gjJ1w3uf0

ヒートは冷め切った表情で、
モララーとモナーの前から去った。

モララーは悔しそうな、悲しそうな顔をしている。

モナーは妙に納得した顔で、
モララーの肩を叩いた。

モララーはソレに対して怒り狂って
綺麗なアッパーカット。

ソレと共に場所と時間は移り、
今度は夜のショボン亭。



43: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:12:28.53 ID:gjJ1w3uf0

(´・ω・`) ・・・

ノハ#゚听) うおおおお〜

(´・ω・`) うるさいなぁ・・・

ノハ#゚听) あんちゃんのテンションが低すぎなのだぁ〜!!!!

(´・ω・`) ・・・風呂でもハイロ

ノハ#゚听) おおおっ 私もはいるぞぉおおおおおおっ!!!

(´・ω・`) ・・・一人で入る

ノハ ゚听) えっ

(´・ω・`) お前、鬱陶しいんだよ

ノハ ゚−゚) ・・・



44: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:13:37.21 ID:gjJ1w3uf0

ヒートの表情が凍りつく。

僕はいい気味だと思いながら、
一人お風呂に向かった。

黙ってヒートがついてくる。

お風呂場にまで付いて来ようとしたので
僕は素早く中に入り
ヒートを入れさせなかった。

僕は一人、鼻歌を歌いながら体を洗い始める。

・・・ドアの外にいる、気配がする。

なんなんだよ。一体。
なんなんだよ!



48: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:15:54.60 ID:gjJ1w3uf0

「お前、なんなんだよ!」

「・・・」

「なんか、言えよっ!!!」

「・・・出るよ」

「はぁっ!? 何がっ!?」

「お化け。だるまさん、ころんだって言うとね。出るの」

「・・・へ?」

「髪の毛あらう格好しながら、そう言うと。お化けでるんだよ?」

「・・・何を馬鹿なことを言ってるんだよ」

「・・・」

「ぅぜえ。どっか行け」

「・・・」



49: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:16:50.52 ID:gjJ1w3uf0

とんとんとんとん・・・ばたん。
ヒートが去る足音がした。

言いたい事が言えて、すっとした気分。
・・・

だけど、流石に僅かな罪悪感も生れる。

心の大部分は、後悔していないと感じている。

だけど、どこかがチクチクする。

なんなんだ、アイツは。
姿を消してからまで、うっとうしい。

完全に、消えてしまえばいいのに・・・

・・・さて、体洗うか。
まずは、髪の毛を・・・



52: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:18:49.07 ID:gjJ1w3uf0

(´・ω・`) ・・・

(´・ω・`) だるまさんが、転んだ・・・か

(´・ω・`) ・・・

(´・ω・`) ・・・?



55: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:21:15.23 ID:gjJ1w3uf0

ん?
何かが、髪の毛に触れた気がした。
急いで振り返る。

・・・誰も、いない。

誰も、いない・・・


よな?


・・・
馬鹿馬鹿しい。

あんな奴の言ったこと、真に受けるなよ。
俺・・・



56: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:25:11.01 ID:gjJ1w3uf0

それでも、髪の毛を洗いながら、
体を洗いながら。

何度も、何度も、後を振り向いてしまう僕。

お化けが出る?

・・・そんなもの、この世にはいねぇ

・・・
・・・



57: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:26:47.39 ID:gjJ1w3uf0

「気をつけー」

「礼」

「さあー授業をはじめるー」

「「「はーい・・・」」


川 ゚ -゚) ・・・

(´・ω・`) ・・・



60: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:27:41.85 ID:gjJ1w3uf0

また、授業が始まる。
今日も学校に包まれる雰囲気は、奇妙なものだった。

異常に、淡々としている。

妙に、無駄がない感じ。

先生は、先生の最低限必要なこと。
生徒は、生徒の最低限必要なこと。

まるで、役割をこなすためかのように、
それらしく見えるために、下手な演技をしているような・・・

何となく、落ち着かない感じがする。

・・・今日はじめて必要な事以外やらない、
という法則を打ち破ってくれたのは、
気に入らない転校生だった。



62: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:30:55.59 ID:gjJ1w3uf0

川 ゚ -゚) ・・・おい

(´・ω・`) ・・・ん?

川 ゚ -゚) お前、昨日とは違うな?

(´・ω・`) え?

川 ゚ -゚) どれかな? お前の聞いた言葉は・・・

(´・ω・`) 何を言ってるんだ? お前

川 ゚ -゚) おつかれさま?

(´・ω・`) ?

川 ゚ -゚) ふむ。違うか・・・

(´・ω・`) 何をいってるんだ?君は・・・



64: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:31:59.88 ID:gjJ1w3uf0

川 ゚ -゚) ・・・そうだな。今、流行ってるのは

(´・ω・`) ・・・

川 ゚ -゚) だるまさんが、ころんだ・・・か?

(´・ω・`) ・・・ぇ?

川 ゚ -゚) ・・・ふむ。これか

(´・ω・`;) ・・・な、何のことだ?

川 ゚ -゚) ・・・ふふん

(´・ω・`;) おい、それ、どういう・・・

川 ゚ -゚) お前は、新たな世界の扉を開くキーワードを聞いてしまったようだ

(´・ω・`;) は?キーワード?



65: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:34:18.36 ID:gjJ1w3uf0

川 ゚ -゚) ・・・そう。この世界に無秩序に広がっていく言葉

(´・ω・`;) ・・・

川 ゚ -゚) 聞いた者全てが、影響をうけるわけじゃない。
     むしろ、そのほうが少ないだろう

(´・ω・`;) なんなんだ。影響を受ける? え?

川 ゚ -゚) ・・・今はまだ、どう転ぶかはわからん

(´・ω・`;) ・・・?

川 ゚ -゚) また、来る

(´・ω・`) え・・・



66: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:35:29.79 ID:gjJ1w3uf0

ふと、窓からさす光が消えた。
どうやら、太陽が雲の陰にかくれたらしい。

僕はそっちの方に、気が取られてしまった。

空を見上げると、確かに太陽に雲がかかっている。

でも、その雲の大きさは小さく、
またすぐに晴れ渡った。

僕は、転校生の女の方に視線を戻した。

・・・いない。

あれ?
どこに?

少し目を離した間に、姿を晦ますなんて・・・?
四方を探しても、どこにも見えない。

挙動不審な様が気になったのか、後の席の女が背中をつついてきた。



68: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:37:07.79 ID:gjJ1w3uf0

ζ(゚ー゚*ζ ・・・? 何キョロキョロしてるの?ショボくん

(´・ω・`) え・・・転校生が、消えたから・・・

ζ(゚Δ゚*ζ は? 転校生?

(´・ω・`) え・・・

ζ(゚Δ゚*ζ ・・・寝ぼけてる?

(´・ω・`) ?

ζ(゚ー゚*ζ 転校生なんて、うちにいないじゃん

(´・ω・`;) ・・・!?



69: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:38:56.06 ID:gjJ1w3uf0

このクラスメイトは、珍しく信頼できる女。
意味のない嘘はつかない。

・・・
そして、意味ある嘘をついても
僕には読むことが出来ると、思い込んでいる女でもある。

根が、単純だから・・・

だから、そう。

少なくとも、この女は
転校生がいないと、本気で信じている。

・・・
そういえば、突然世界が変わった気がする。

あの転校生が消えてから
僕の周りの皆が
役割を演じさせられるのを止めて
元の彼らに、戻った。

そう、感じた・・・



71: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:42:19.75 ID:gjJ1w3uf0

・・・
その日、何に対しても集中できなかった。

結局、あの女がいたという痕跡は何も見つけられず・・・

気が付けば、もう下校時間。

一人、家に帰ろうとした。

後ろ髪に、また変な感触がする。

一人になると、やけにそんな感覚が湧き上がる。
だが、誰もいない。
絶対、いない。

だから、振り返らない。

絶対。お化けなんて・・・いない!



72: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:43:21.35 ID:gjJ1w3uf0

・・・いや
でも。

この確かな感触
こ、これは・・・



僕は、恐る恐る
後を振り返る。

そこには



76: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:45:41.80 ID:gjJ1w3uf0

ノハ ゚听) あんちゃーん

(´・ω・`;) ・・・何だ、お前か

ノハ ゚−゚) うん

(´・ω・`) ・・・僕は一人で帰る

ノハ ゚听) あんちゃん

(´・ω・`) なんだよ

ノハ ゚−゚) ごめん・・・

(´・ω・`) あ?何を謝ってるんだよ?

ノハ ゚听) うっとおしかったかな、って

(´・ω・`) ・・・わかってるじゃん



77: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:46:51.66 ID:gjJ1w3uf0

ノハ ゚−゚) ・・・

(´・ω・`) 先、帰るぞ

ノハ ゚−゚) うん・・・

(´・ω・`) ・・・


・・・
・・・
・・・・



79: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:48:17.89 ID:gjJ1w3uf0

それから、ヒートは僕にまとわり付かなくなった。
僕が望んでいた事だ。

でも、僕の気持ちは落ち着かない。
うるさい奴は、くっ付いて来なくなった。

やっと開放されたと、思った。

・・だけど、そうじゃなかった。
凄く物静かで・・・激しく粘着質な誰かが
僕の周りにいる気がする。

何なんだよ・・・
やっと、一人で落ち着けると思ってたのに。

うーん、もやもやする!

お風呂にでも入って、
気持ちを落ち着けるか・・・

む・・・でも、お風呂が、お風呂が切欠だったな・・・



81: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:49:57.58 ID:gjJ1w3uf0

・・・しゃー
椅子に座り、シャンプーで頭皮を洗う。

そして、そのシャンプーを流そうと
頭にシャワーをあてた。

その時、声を掛けられた。


「・・・あんちゃん」

「なんだよ。やっぱりお前、ついてくるんだな・・・」

「あんちゃん・・・」

「ふーん。しかし、お前も五月蝿くなくなったな。
 だけど、陰鬱で

 よけい鬱陶しさが倍増だぞ?

 どっか行けよ」



82: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:51:00.35 ID:gjJ1w3uf0

「なんで、私を嫌うの?」

「うっとうしいから・・・
 すぐ叫んで、暴れて。
 僕、うるさいのは嫌いなんだ」

「あんちゃん、言ったじゃん。
 私が最初にこの家に来た時、
 陰気そうな奴だなって」

「・・・そうだったっけ?」

「うん。だから、私、頑張って元気な振りしてたのに・・・」

「・・・うるさいな」

「・・・」

「知らねぇよ。僕の所為にするのかよ?」



84: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:51:55.74 ID:gjJ1w3uf0

「いいよ、もう」

「・・・ああ。早く、あっち行けよ」

「・・・」

「・・・」



「あんちゃんなんて・・・死んじゃえ!!!」

「・・・あんちゃん!」



87: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:54:15.85 ID:gjJ1w3uf0

ヒートの声が・・・複数聞こえた。

一つは、僕の耳元、すぐ近く。
一つは、お風呂場の外から。

なんだ!?

僕はあわてて振り返る。

・・・目が、あってしまった。

青白い顔の女が、血走った目で
背後から肩越しに、じっと僕の顔を見つめてきていた。



89: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:57:12.90 ID:gjJ1w3uf0

「あんちゃん! さっきから、誰と話してるん!!!」

「死んじゃえばいいのに
 ・・・そうだ、殺してやるよぉ」


僕の目の前に迫る女の顔。
気が付くと、その顔はヒートそっくりだった。

ただ、僕が一度も見たことのないような表情をしていて
僕は気が付くのが遅れてしまった。

青白い顔をしたヒートが、
凶悪そうな包丁・・・
恐らく、出刃包丁だろう。

それを振り上げる。
僕はその姿をじっと見ているだけ。

何が何だか、分からない。
わからない、わからない・・・



90: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 21:58:49.45 ID:gjJ1w3uf0

「あんたも・・・だるまにしてやるよぉ〜・・・
 あははははははははっ!!ははははははははは!!!!!!!」


出刃包丁の鈍い光が僕の方に降りてくる。

体感では、ゆっくり、ゆっくりと。
実際には、恐らく早かったんだと思う。

だるまって、あれか。
手も、足も、無いやつ。

僕、もがれちゃうのかな・・・?

何で・・・だるま・・・・?

・・・そんなの、どうでもいいか・・・
突然だけど、僕・・し・・・?



92: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:00:50.65 ID:gjJ1w3uf0


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」

ヒートの声が、2重に響く。

耳の中を不快で鈍く、重い破壊音が通りぬけると
風呂場の鍵を掛けていた扉が叩き壊され

中にもう一人のヒートが飛び込んできた。


出刃包丁を僕に振り下ろしていたヒートは途中で手をとめ
もう一人のヒートに向き直る。



94: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:04:29.97 ID:gjJ1w3uf0


ノハ#゚听) あんちゃん!!!

ノハ   ) あははははっ 何しに来たんだよー?

ノハ#゚听) 誰だよ! お前っ!!あんちゃんに、何するんだよ!

ノハ   ) 私はお前だよ、ばぁーか! これは、お前の望んだことだろぉ〜が?

ノハ#゚听) そんなことっ!

ノハ   ) いいや、いってたね〜
      一人でブツブツブツブツ、お風呂の中で言ってたね〜

ノハ#゚听) ・・・ッ!!!

ノハ   ) お前は、私を呼んだー!
      あの餓鬼どもが、お前に私の事を教えてくれたから
      私はお前に導かれたっ!



97: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:07:29.55 ID:gjJ1w3uf0

ノハ#゚听) なんのことだよっ!

ノハ   ) だるまさんが、ころんだだよぉ〜? あははははっ!!!

ノハ#゚听) !?

ノハ   ) 私は、お前の所に来て、お前の望みを全て聞いたよ!
      私は、お前に力を貰った!
      だって、私は、お前だから・・・
      お前の中の望みが強くなれば、私はもっと、強くなるっ!

ノハ#゚听) ・・・

ノハ   ) さぁー、面倒な問答はもう、いいじゃないかぁ
      素直になれよ〜?
      私たちに冷たくするこの男をさぁー・・・憎いこの男を・・・

      ころしてやろうじゃないかぁー・・・
      あははははははははああああああああああああ〜!!!!!!!!!!!!

ノハ#゚−゚) ・・・



99: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:09:44.31 ID:gjJ1w3uf0


ノハ   ) さあ、どう? お前も、昨日言ってたろ?
      思い出しなよ

ノハ#゚听) ・・・うん。言ったよ。いった



後から入ってきたほうのヒートが僕を見る。
物凄く、怒っている顔だ。

確かに、僕は冷たくしてきた。彼女に。

怒らせて、当然。

でも、だからって、殺されるのか?

この、二人のヒートに・・・

僕は、悪くない。僕は、悪くない。

悪いのは・・・うっとうしかった、お前らの方だろぅ・・・



102: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:11:54.04 ID:gjJ1w3uf0

ノハ#゚−゚) あんちゃん、私に冷たいの。死んじゃえっていった

ノハ   ) ふふふ・・・

ノハ#゚−゚) すぐ、怒って、私無視するし

ノハ   ) ・・・

ノハ#゚−゚) そもそも、陰気な餓鬼だから嫌いって言うから
      元気な振りして、がんばったのに。
      それも、否定されて、もう駄目って思った

ノハ   ) じゃぁ・・・ゃるょ?

ノハ#゚−゚) ・・・



104: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:14:32.29 ID:gjJ1w3uf0

ノハ#゚听) ・・・でも!

ノハ   ) 

ノハ#゚听) あんちゃんは、私のあんちゃん!
      あんちゃんは、私があんちゃんって呼んでも、嫌な顔しなかったもん!!!

ノハ   ) ・・・

ノハ ゚听) お父さんには、お前は俺の子じゃないって言われた。

ノハ   ) ・・・そうかい。じゃあ、そいつもころ

ノハ ゚听) 引き取ってくれた今の叔父さんも叔母さんも、
      仕方なく引き取ってくれた。
      お父さんのこと、叔父さん達嫌いだったけど
      周りの目を気にして、引き取ってくれた

ノハ   ) 

ノハ ゚听) そして、叔母さんにいわれた
      「私たちの事、おかあさんとか、呼ばないでね?」



105: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:16:17.57 ID:gjJ1w3uf0

ノハ   ) ・・・

ノハ ゚听) でも、あんちゃんは、あんちゃんって呼んでも
      冷たい目で見なかった。

      鬱陶しくしたから、冷たくされたけど
      あんちゃんは、あんちゃんって私が呼んでも、嫌がらないでくれた。

      だから、あんちゃんは、私のあんちゃん・・・

ノハ   ) ・・・

ノハ#゚听) 絶対に、ころさせないもんっ!!!

ノハ   ) 

ノハ ゚−゚) ごめん、あんちゃん。
      私、私が・・・こんなことに巻き込んじゃって・・・



108: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:18:01.13 ID:gjJ1w3uf0

「・・・そうかぃ。簡単に、堕とせると思ったけど・・・」

「じゃ、私はあんた、やめるよ」

「あんたのが、美味しそうだったんだけどねぇ。仕方ない。
 私は、今から、こいつになるよ・・・」


出刃包丁をもったヒートが僕を指差す。

え?

僕になる?

出刃包丁を持ったヒートの髪の毛が縮み
顔や体が大きくなり・・・形を変え・・・

・・・僕になった。



110: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:19:10.76 ID:gjJ1w3uf0


「あんたも、のぞんだよねぇ・・・
 消えちまえばいい、ヒートが、消えちまえばいいって・・・」

「ちょ・・・」

「ほら、あんた。鬱陶しかっただろう?
 ころせば、永遠に、あんたの目の前から・・・

 きえてくれるよ・・・?」

「・・・」

「あんたは、望むだけでいい。
 やるのは、わ た し・・・」



ノハ ゚听) ・・・あんちゃん



112: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:21:05.47 ID:gjJ1w3uf0

僕は、ヒートが消えればいい、
確かにそう望んだ。

何でだっけ・・・

ああ、そう。
鬱陶しく思ったから。

なんで、鬱陶しくなったんだっけ・・・

それは・・・
そうだ。うるさく、まとわりついてきたから。

でも、そういえば・・・
僕は、確かにヒートにいった。



113: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:22:34.65 ID:gjJ1w3uf0

元気のない、昏い顔のヒートに
「陰気な奴だな」って

次の日から、妙な元気を振り撒いてくれたヒートに

僕は最初、どう思った・・・?
そうだ。嬉しかった・・・なぁ

それから、叫びながら「あんちゃん」って言われた。
あんちゃん?
僕、お前の兄かよ。

正直言うと、その時も、また少し嬉しかったかも



114: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:25:46.89 ID:gjJ1w3uf0

僕は頑張って、不機嫌そうな顔を作った気がする。
でも、さっきのヒートの口上から推測するに
どうやら、隠し切れなかったみたいだ。

・・・変だな。
なんで・・・嬉しかったんだよな?

いつの間に、鬱陶しくなったんだろ。

あ・・・そうだ
友達に、からかわれたんだ。

学校の帰り道、飛びついてきて一緒に帰ろうって言ってきたヒートを
友達に見られて。恥かしくなって・・・



・・・



115: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:27:00.50 ID:gjJ1w3uf0

(    )

(´・ω・`)  止めろ

(    ) 

(´・ω・`) こいつは、鬱陶しくて、馬鹿で、仕方のない奴だ

(    ) それなら・・・

(´・ω・`) そう。僕が、責任もって色々教えなきゃならない

(    )

(´・ω・`) 残念ながら、僕はそいつの、兄になってしまったようだから・・・

(    ) ・・・どうだか



118: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:27:55.42 ID:gjJ1w3uf0

僕になってしまったヒートは、
包丁を振り上げ、もう一人のヒートに振り下ろす。

僕は慌てて、ヒートを庇おうと
包丁の軌道上に体をすべりこませた・・・



・・・その時。

体の中心を貫く妙な熱を感じ、
その熱が包丁を持っている僕の方に噴出すのを感じながら

僕は気を失った。



120: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:30:16.68 ID:gjJ1w3uf0

・・・
・・・・

目を覚ますと、
どこかの駅のホームらしきところのベンチの上で
僕は横たわってることに気が付いた。

慌てて身を起こすと
近くに見たことのある少女が隣に座っている事に気が付いた。

本を読みふけっていたようだが、
僕が起きた事にようやく気が付くと、
話しかけてきた。

あ、そうだ。
この女・・・


クー・・・



121: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:31:53.86 ID:gjJ1w3uf0

川 ゚ -゚) やあ

(´・ω・`) ・・・あれ?君は

川 ゚ -゚) 言葉、と戦った気分はどうだ?

(´・ω・`) ・・・は?

川 ゚ -゚) 「だるまさんが、ころんだ」・・・だよ

(´・ω・`) ・・・

川 ゚ -゚) 君が戦ったあいつは、その言葉につくイメージを取り込んで力を得る

(´・ω・`) イメージ・・・?

川 ゚ -゚) あぁ。言葉、という存在であるアイツは
     世間話やインターネットという媒介を経て色々な場所に広がり
     見聞きした人が思い浮かべる想像、あるいは妄想から・・・
     それを実行できる力まで、得ることが出来てしまった

(´・ω・`) ・・・



123: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:34:06.38 ID:gjJ1w3uf0

川 ゚ -゚) ふむ。だが、そんなものに左右されない人間も多い

(´・ω・`) ・・・

川 ゚ -゚) そういう人間には、そもそも干渉できないか
     干渉できたとしても、実行力は弱いかの、どちらかだ・・・

(´・ω・`) ・・・逆に僕は、・・・弱いと?

川 ゚ -゚) ・・・うむ。それが、私にとっても興味深い

(´・ω・`) ?

川 ゚ -゚) 君も、君の妹も確かに弱かった。
     一歩間違えていたら、もう既に互い殺しあっていたかもしれない

(´・ω・`) ・・・そういえば、僕らは、一体・・・・



124: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:35:12.96 ID:gjJ1w3uf0

川 ゚ -゚) あいつは、撃退したようだ
     仲良く、風呂場で眠ってるだけだ

(´・ω・`) え? 眠ってるって・・・?

川 ゚ -゚) ・・・ここは夢の世界だからだ

(´・ω・`;) ?

川 ゚ -゚) まあ、わからなくていい

(´・ω・`) ・・・

川 ゚ -゚) きっと・・・君らには、すれ違いつづけてても
     それをさせない、何かがあった・・・ということだろうな

(´・ω・`) ・・・なにか?

川 ゚ -゚) ・・・

(´・ω・`) ・・・



126: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:36:41.39 ID:gjJ1w3uf0

川 ゚ -゚) ・・・

(´・ω・`) ・・・

川 ゚ -゚) ・・・ショボン

(´・ω・`) え?

川 ゚ -゚) 君は、言葉の持つ力を知ってしまった

(´・ω・`) ・・・

川 ゚ -゚) ここで、問題だ。言葉を生み出したもの、ソレは何だ?

(´・ω・`) ・・・? 人間、だろ?

川 ゚ -゚) そうだ。言葉を使うのも、人間だ

(´・ω・`) ・・・

川 ゚ -゚) それじゃ、言葉の持つ力を、どうして人間が使えない?



127: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:38:28.55 ID:gjJ1w3uf0

(´・ω・`) ・・・それは

川 ゚ -゚) そうだ。君もまた、言葉の持つ力で、あいつを撃退したんだろう

(´・ω・`) ・・・

川 ゚ -゚) 兄、か。いいものだな

(´・ω・`;) ・・・

川 ゚ -゚) ・・・たぶん、君はその力を使うのがうまい

(´・ω・`) ・・・え?

川 ゚ -゚) 鍛えておく事を、すすめる・・・

(´・ω・`) ・・・

川 ゚ -゚) ・・・守る、ためにもな

(´・ω・`) ・・・何から?



128: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:39:41.53 ID:gjJ1w3uf0

・・・
クーさんは、何もいわずに立ち上がった。
しばらく、見ていても何もいわない。

クーさんは、歩き出す。
ゆっくりと。

無言で消えていく彼女を見ながら

僕は目を覚ました・・・



131: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:42:43.95 ID:gjJ1w3uf0

・・・・

(´・ω・`) と、いうわけなんだ

('A`) ・・・ふーん

(  ^ω^) ・・・

(´・ω・`) 僕がツンさんにぶつけた力、理解してもらえました?

('A`;) いや・・・

(  ;^ω^) あまり・・・



132: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:43:38.60 ID:gjJ1w3uf0

ぶろろろ・・・
ブーンさんが、津出山の展望台へとタクシーを走らせている。

4年前の話を話しをしていたのは、
彼らも僕が育てた力を欲したから。

まず、その切欠を話してみた。

言葉が持つ力。
言葉の持つ、イメージの力。

それは、実際に人に影響を与え
人の作る世界や、そこに棲むものに大きすぎる影響を与える。

それは、特別な力じゃない。
普段、当たり前に行なわれていること。

そうやって、人は人を動かし、莫大な破壊と創造を行なってきた。

・・・皆が、言葉には、その意味と、力があると・・・
皆が、そうであると信じて疑わなくなるば

実際に、力を持つ・・・



133: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:44:22.82 ID:gjJ1w3uf0

(  ^ω^) さっぱりです

('A`) おなじく

(´・ω・`) ・・・まあ、貴方達には、ムリだと思います

(  ;^ω^) あ、そう・・・

('A`) ヤッパリネ・・・

(´・ω・`) いえ、馬鹿にしてるわけじゃ、ないんです
      貴方達は、言葉の持つ力に影響されにくい人だと思うから

(  ^ω^) ・・・?

('A`) ?

(´・ω・`) ブーンさんは、幽霊になったツンさんと恋仲になるような
      常識ハズレな人ですし・・・

( ;^ω^)  ・・・



135: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:45:59.48 ID:gjJ1w3uf0

(´・ω・`) ・・・ドクオさんは、クーさんから聞いています

('A`) え・・・?

(´・ω・`) 二人は、今からの事態を収拾するに、
      重要なキーとなると思います

(  ^ω^) ・・・きみ、何をしってる・・・

(´・ω・`) ついたら、クーさんから詳しく聞いてください

( ;^ω^)  ぶっ・・・展望台、何で行くのかと思ったら・・・

('A`;) お前、あの子とコンタクトがあったのか・・・

(´・ω・`) ええ・・・そうです。
      僕は、止めなきゃならない・・・よみがえってしまった、今からでも・・・

(  ^ω^) ・・・

('A`) ・・・



136: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:47:10.18 ID:gjJ1w3uf0


ぶろろろr・・・

きぃー・・・

津出山の展望台に、着いた。



137: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/08(日) 22:47:24.14 ID:gjJ1w3uf0


J終わり



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