川 ゚ -゚) 少女クーは‘2’に棲まうモノ達と奇妙な旅をするようです

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 00:26:43.62 ID:bikIugGH0

川 ゚ -゚) 少女クーは‘2’に棲まうモノ達と奇妙な旅をするようです



Kクーのはなし@



139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 00:28:11.42 ID:bikIugGH0

川 ゚ -゚) ・・・


私は人通りの少ない路地裏で、
名前も知らない誰かを待っていた。

いつも、お天道様が、
お空で一番偉そうになると
大きな男の人が現れた。。

でも、その日は、いつもより遅かった。

・・・お腹が空いた。

あの人は、いつも私にお握りを2つと、沢庵をくれた。

私は、それで飢えを凌いでいた。



140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 00:29:42.12 ID:bikIugGH0

・・・そうそう、男が私にお握りをくれるようになった経緯はなぁ。

この国は、海を越えたところにある大きな、大きな国と
戦争状態にあった。

父も、戦争にいってしまった。

母は、遅くまで外で働いていた。

ぼーせき・・・って言うんだっけ。
なんか、糸作ってるらしい。

当時、子供で何もできない私。
しかも、体も強くなかった。

たまに、何かを手伝う事はあっても・・・

私は、家にいるか
路地裏でぼぅっとしてる事が多かった。



142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 00:31:12.87 ID:bikIugGH0

母は昼に帰ってくることはなく、そんなにお金もない。

じっと、動かないで
飢えを我慢するしかなかったんだ。

まあ、朝と夕は何とか食事にありつけていたし
飢え死ぬ心配はまるでなかったけど・・・

それでも、おなかがすいた。

そんな私を見て、
ある男が興味を示したらしい。

自分のお昼を、私にくれた。

私は、よろこんで、それを受け取った。

それから、男は毎日、通りすがりにくれるようになった。

・・・私は、毎日、よろこんでおにぎりを受け取っていた。



143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 00:32:19.87 ID:bikIugGH0

「・・・よう。今日も元気ねぇな」


川 ゚ -゚) ・・・ぁぁ

(,,゚Д゚) ・・・ほら、やるよ

川 ゚ -゚) ・・・

(;,,゚Д゚) ん? 機嫌良くならねェな。どっか具合でも悪いのか?

川 ゚ -゚) ・・・今日、遅かった

(,,゚Д゚) ・・・あぁ。ちょっと、会議がな・・・

川 ゚ -゚) 心配した

(,,゚Д゚) ・・・おお。そうか

川 ゚ -゚) うむ・・・

(,,゚Д゚) そりゃ、すまなかったな



145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 00:34:02.87 ID:bikIugGH0

男は、私の座っていた段ボールの横、
地べたに腰をおろした。

男も自分の分のおにぎりを持ってきていて、
それを頬張り始める。

私はそれをしばらく見てから・・・

おそらく、不機嫌な顔そのままにおにぎりに口をつけた。


・・・おいしい。


そんな私を見て、ギコはぎこちない笑顔を浮かべた。



146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 00:35:31.61 ID:bikIugGH0

(,,゚Д゚) なあ

川 ゚ -゚) ・・・どうした?

(,,゚Д゚) 俺も・・・

川 ゚ -゚) ?

(,,゚Д゚) ・・・いや

川 ゚ -゚) なんだよ?

(,,゚Д゚) しばらく、ここから離れなきゃならなくなったんだ

川 ゚ -゚) ・・・

(,,゚Д゚) だから、しばらくおにぎり、あげられねえわ

川 ゚ -゚) ・・・



148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 00:38:17.30 ID:bikIugGH0

川 ゚ -゚) ・・・どこにいくんだ?

(,,゚Д゚) え?

川 ゚ -゚) どこだ?

(,,゚Д゚) ・・・

川 ゚ -゚) ・・・そうか。お前も、行かなきゃいけなくなったのか

(,,゚Д゚) ・・・

川 ゚ -゚) ・・・

(,,゚Д゚) お前、勘いいなあ

川 ゚ -゚) ・・・



150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 00:40:50.97 ID:bikIugGH0

(,,゚Д゚) ・・・心配させて、すまねえなあ

川 ゚ -゚) ・・・ふんだ

(,,゚Д゚) ・・・

川 ゚ -゚) ・・・良く分からないんだが・・・危ないとこいくのか?

(,,゚Д゚) なに、俺は医者だからな。前線に立つことはねえから
      まず帰って来れるわ

川 ゚ -゚) ・・・本当か?

(,,゚Д゚) ああ

川 ゚ -゚) ・・・そうか

(,,゚Д゚) ・・・



162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 01:04:56.42 ID:bikIugGH0

「・・・絶対、帰ってきてくれよ?」

「だから、大丈夫だって」

「嘘ついたら、許さないからな」

「・・・ああ」



163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 01:06:31.94 ID:bikIugGH0

そういって、
男はしばらく、私の前に姿を現さなくなった。

一週間、私は一人で我慢した。

母親はあいかわらず、帰りが遅い。

父親は、帰ってこない。

・・・友達なんていない私は

孤独で、暇だった。


困った・・・。

ふと、思い出す。

あの男の、言った言葉。

「困った事があったら、ハニャ診療所にいってみな?」

・・・私は、そうすることにした。



164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 01:08:19.47 ID:bikIugGH0

・・・こんこん

「はーい。どーぞ?」


がらら・・・

中には、40代手前・・・だろうか?

老化を隠せはしないが、美しく年を取っている・・・
そんな、不思議な女性がいた。

中からも活力があふれ

私から見ても魅力的な女性に映る。



166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 01:10:44.07 ID:bikIugGH0

(+゚ー゚) あら、可愛らしいお嬢ちゃんね。どうしたの?

川 ゚ -゚) ・・・あの

(+゚−゚) ?

川 ゚ -゚) ・・・えっと、ぎこさんの、知りあい・・・

(+゚ー゚) ! ああ! クーちゃんね!

川 ゚ -゚) あ、はい・・・

(+゚−゚) ・・・失礼だけど・・・お年、幾つかしら・・・?

川 ゚ -゚) ・・・えっと、10歳です

(+゚−゚) ・・・あの子、まさかのロリコンじゃないわよね・・・

川;゚ -゚) ?

(;゚ー゚) あ、なんでもないわ。クーちゃんは気にしないで

川;゚ -゚) ・・・うん



167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 01:13:04.35 ID:bikIugGH0

(+゚ー゚) 今日は、遊びに来てくれたの? それとも、どっか具合悪い?

川 ゚ -゚) ・・・えっと、暇・・・だったの

(+゚ー゚) そう、遊びに来てくれたんだ

川 ゚ -゚) ・・・うん

(+゚ー゚) まず、おにぎりたべない? 作ってたんだ〜

川*゚ -゚) あ・・・

(+゚ー゚) お腹すいたら、いつ来てもいいから

川 ゚ー゚) ・・・ありがとう

(+゚−゚) あ、いけない

川 ゚ -゚) ?

(+゚ー゚) わたし、まだ名乗ってなかったね〜?

川 ゚ -゚) うん



170: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 01:16:03.42 ID:bikIugGH0

「わたし、でぃって言うの。あの、無愛想なギコのかーちゃんやってます。
 クーちゃん、よろしくね!」



・・・それから、私はでぃさんの所に
入り浸るようになった。

やっぱ、お医者さんはすごいなぁ。

一杯、いっぱい患者さんがやってきた。
それを、笑顔で、手際よくこなしていった。

傷だけじゃなく、
でぃさんの笑顔に、心まで癒されてるよう。

私は、遊んでばかりじゃ悪いと思うようになり、
ちょっとでも力になりたいと、

手伝うようになった。



171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 01:18:04.18 ID:bikIugGH0

・・・

突然、それはやって来た。

おとーさんが、帰って来た。
でも、私は・・・ソレを認められなかった。

あの、元気なおとーさん。

私を笑顔で、いつも誉めてくれてた、おとーさん。
そのおとーさんの顔は、昏く歪んで、私を見てくれなくなっていた。

その日は仕事を切り上げて、
早く帰って来たおかーさん。

おかーさんは、おとーさんの姿をみて
立ち尽くし、

・・・それから、力なく座り込んだ。

私とおかーさんは、何も話せなかった。

おとーさんは、そんな私たちを見て

けたけた、笑いだした。



173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 01:21:31.53 ID:bikIugGH0

どたどたどたどた!

ばたんっ!!!!


(+゚−゚) んー?

川 ゚ -゚) ・・・

(+゚ー゚) あら、くーちゃん・・・どーしたの?

川 ゚ -゚) ・・・

(+゚−゚) ?



174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 01:23:18.98 ID:bikIugGH0

「お、おとーさん、帰って来た」

「そう! それは・・・よかった・・・?」

「・・・」

「・・・おとーさん、どうかしたの?」

「おとーさん、おかしくなった」

「え?」

「手と、足が、どっかいっちゃった」

「・・・」

「おとーさん、変な声で笑ってるの」

「・・・」

「でぃさん! お医者さんなら、治せるんじゃないのか???」

「・・・」



176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 01:25:36.86 ID:bikIugGH0

「見てみないとわからないけど・・・」

「・・・」

「その、手と、足。両方ないんだよね?」

「・・・うん」

「完全に、なくなっちゃってるの・・・?」

「そうだ、そう・・・」

「・・・」

「・・・」

「・・・」



188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 01:59:52.39 ID:bikIugGH0

私は、途方にくれた。

くるってしまった父と
それを見て壊れてしまった母。

両方使い物にならない。

でぃさんが、助けてくれた。

憐れんで、助けてくれた。

それで、生きてきた。


そのうち、ギコも帰って来た。

私は、ギコに話した。

ギコは・・・

ギコも、変わっていた。



190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:02:30.73 ID:bikIugGH0

(,,゚Д゚) ・・・

川 ゚ -゚) ぎこ?

(,,゚Д゚) ・・・酷い、ところだったぞ。ごるぁ

川 ゚ -゚) ・・・

(,,゚Д゚) 一生残る傷を引きずった人間、一人治療してる間に、
      もっと酷いやつだやってくる

川 ゚ -゚) ぎこ・・・?

(,,゚Д゚) 君のお父さんみたいなの見ても、あぁ、まだマシだって思ってしまう

川 ゚ -゚) ・・・

(,,゚Д゚) ・・・ごめん。変な事をいってしまったな。ごるぁ・・・

川 ゚ -゚) ぎこ・・・



192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:04:31.80 ID:bikIugGH0

ギコは、私のおとーさんを診てくれた。
もちろん、無くなった手足を、治せるわけはなかった。

義足や義手の手配をしてくれた。

リハビリも手伝ってくれた。

でも・・・
おとーさんは、元には戻らない。

そして・・・

ギコも。



194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:07:05.32 ID:bikIugGH0

ギコは私が話しかけても、
はにかんだ様な笑顔をしてくれなくなった。

おとーさんは、ギコさんと色々話している。

難しい話だった。

当時の私には、理解できなかった。

でも、何だか、酷くそれが恐ろしかった気がする。



196: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:11:09.67 ID:bikIugGH0

「ねぇ、君。このままで、この国がいいと思うか?」

「・・・」

「国の言いなりになって、ほいほい行って、
 戦った結果がこれだ」

「・・・」

「しかも、奴等は、大した補償もしてくれない・・・」

「・・・ごるぁ」

「ここ2,3年内に、また大きな戦争がおきるだろう・・・?」

「・・・」

「なあ。今のままで・・・いいのか?」

「・・・何がいいたいんだ、ごるぁ」

「君は、頭がいい。わかって・・・いるだろう・・・」



198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:13:26.11 ID:bikIugGH0

おとーさんの笑顔は、黒ずんでいる。

ギコの顔は、すすけていた。

ギコのおかーさんも、そんなギコの影響を受けて
くらくなる。



199: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:14:38.01 ID:bikIugGH0

川 ゚ -゚) ・・・

(+゚−゚) ・・・ふぅ

川 ゚ -゚) ・・・

(+゚−゚) ギコ、また貴方のお父さんの所にいってる?

川 ゚ -゚) うん・・・

(+゚−゚) ・・・

川 ゚ -゚) ・・・

(+゚−゚) ・・・いいたくないけど

川 ゚ -゚) ・・・うん?

(+゚−゚) 貴方のお父さん、ギコに良くないこと言ってない?

川 ゚ -゚) ・・・うん、たぶん

(+゚−゚) ・・・



201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:15:47.57 ID:bikIugGH0

・・・

私はそれ以上、診療所に居づらくなり
家に帰った。

扉を開ける前、
狂ったようなおとーさんの声が聞こえた。


「に ほ ん ほ ろ ぶ べ し」

「あははははははっ!!!!」


「・・・滅多な事を、言うもんじゃないですよ?ごるぁ・・・」

「・・・眼をみればわかる。君も、こっち側だろう?」

「・・・ぐ、ご、ごるぁ」



202: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:17:01.11 ID:bikIugGH0

・・・

おとーさんがくるって、
3か月位たった頃だろうか・・・

おとーさんは、
家に変な人を一杯、一杯呼ぶようになっていた。

皆、おとーさんと同じように、
目から溢れるモノがどす黒い。



205: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:20:04.07 ID:bikIugGH0

「なあ、お前らもそう思うだろう・・・?」

「・・・こくこく」

「・・・こくこく」

「さあ、立ち上がろうじゃないか
 我々は、力を手に入れなければならない」

「・・・こくり」

「だが、我々は力がないどころか、
 戦争でまともな生活すら送れない体になった者が大半を占める」

「・・・」

「・・・」

「そこで、我々が力を得られるとしたら・・・
 人ならざる力に頼らざるおえない」

「人・・・ならざる・・・?」



213: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:33:26.90 ID:bikIugGH0

「・・・外法、というやつさ」

「・・・」

「こんなもの、まともな人間がつかえるものじゃない」

「・・・」

「だが、我々が犠牲になって、人間でない、鬼畜に陥ることによって・・・」

「・・・」

「これからの、この国に生まれるであろう全ての子供たちの
 未来を救うことになる!」

「・・・・・」

「それが・・・たとえ、どんな犠牲の上に成り立つものでも・・・」

「・・・」



214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:35:43.21 ID:bikIugGH0

・・・・・・
・・・・・・

私たちは、引っ越すことになった。

山の中。

変な建物。

そこに、私とおかーさんは閉じ込められた。

たまに、死んだ目をしたギコが、おにぎりを持ってきてくれる。

でぃさんは、私を見ても何も言ってくれなくなった。

それでも・・・
二人とも、一緒に来てくれてるのが・・・

嬉しかった。



216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:37:54.63 ID:bikIugGH0


変な建物に住んで、しばらくたったある日。

おとーさんは、綺麗なスーツに身を包んでいた。

久しぶりに、穏やかな顔をしている。

部屋で二人っきりになった私は、
ちょっと勇気をだして、

話しかけてみた。



218: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:39:34.98 ID:bikIugGH0

「おとーさん、今日はなんだか、いい服着てるな?」

「ああ、クーか。今日は、大事な日なんだ」

「大事な・・・日?」

「今、おとーさんな。日本の為に、日本を変える仕事をしてるんだ」

「・・・ふぅん」

「そのために、おとーさん、今ある組織にはいってる」

「うん」

「その組織のトップが、今日、この建物にいらして下さるんだ」

「じゃあ、えーと・・・接待するわけ?」

「・・・ああ。そう。丁重な御もてなしをしてさしあげるんだ」

「・・・」



222: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:41:50.95 ID:bikIugGH0

ちょっと、おとーさんが不気味な表情を浮かべた。

私は、すこし引く。

おとーさんも、それに気がついて、
苦笑いをした。

それから・・・沈黙が続いた。


沈黙をやぶったのは、
急に開いたドア。

続いて、ギコさんが飛び込んできた。



224: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:44:04.05 ID:bikIugGH0

「須尚さん! ・・・あ、クーちゃんもいたのか」

「ああ・・・ギコくん。来たのか?」

「ええ・・・来ました。腕っ節の強そうなの、二人に囲まれて・・・」

「物部天獄・・・ついに」

「・・・」

「クーちゃん、でぃ母さんの所にいっててくれないか?」

「そうだな、そうしろ、クー」

「・・・」



227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:46:26.97 ID:bikIugGH0

須尚さん・・・って、私のその頃の姓だ。
最終話にして、初登場だな。

・・・なんでもない。変な事言ったや・・・

私は、この二人が何するか
その時は分からなかった。

理解したのは、おとーさんが死んでから
やっと、ギコに聞かされた。

聞く日なんて、来なければ良かったのに。



・・・この日から。

おとーさんは私の前から姿を消した。

おとーさんが、本当に、死ぬことになる。

その日まで・・・



228: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:47:51.08 ID:bikIugGH0


・・・

それから、例の

物部天獄とよばれた男が
この施設に度々くることになった。

5回目くらいの時だったかな?

ギコと一緒に、
その男を見ながら話してた。



229: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:49:36.88 ID:bikIugGH0

川 ゚ -゚) ・・・あの、全身真っ黒にしてるのが
     おとーさんとギコがいってた人か?

(,,゚Д゚) ・・・ん? あぁ・・・

川 ゚ -゚) ・・・

(,,゚Д゚) そういや、あの時聞いてたんだったな。ごるぁ

川 ゚ -゚) 顔まで黒い布で隠してら。
     何者なんだ?

(,,゚Д゚) ・・・俺たちが所属している宗教の
      教祖さまだ

川 ゚ -゚) ・・・教祖?

(,,゚Д゚) あぁ

川 ゚ -゚) ・・・

(,,゚Д゚) ついに、ここまで来た

川 ゚ -゚) え・・・?



232: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:51:49.84 ID:bikIugGH0

「なんでもない」

ギコは声は嬉しそうに、
でも、顔はつまらなそうにしていた。

最近は、ギコと話す時間はめっきり少なくなってしまった。

私は、滅多になくなってしまったギコと話せる貴重な時間を
有効に使うことにした。



234: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:53:28.20 ID:bikIugGH0

川 ゚ -゚) なあ、ギコ

(,,゚Д゚) ん? なんだ? ごるぁ

川 ゚ -゚) ・・・おとーさんって、今どうしてるんだ?

(,,゚Д゚) ・・・

川 ゚ -゚) 最近、どこにもいないんだ。
     連絡すらない

(,,゚Д゚) ・・・おとーさん、クーの、おとーさんはな・・・

川 ゚ -゚) うn

(,,゚Д゚) ・・・もう、おとーさんじゃなくなった

川 ゚ -゚) え?

(,,゚Д゚) ・・・

川 ゚ -゚) どういうことだ?



235: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:54:33.78 ID:bikIugGH0

ギコは、だまって黒ずくめの男を指さした。

私は、不思議そうな顔をして
ギコを見つめる。

ギコは、ちょっと難しい顔をして・・・
顔をそらして首を振り、その場を離れた。




・・・
・・・

・・・



237: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:56:20.84 ID:bikIugGH0

(  ^ω^) ・・・? どういうことだお?

('A`) えーと・・・その、クーさんの父親が、
    物部天獄と入れ替わったってことじゃないか?

川 ゚ -゚) そうだ

(´・ω・`) ? 前、聞いた話と違うじゃないか?

川 ゚ -゚) うん?

(´・ω・`) 物部天獄は君だろう?

川 ゚ -゚) そうだ。私は、物部天獄だった

(´・ω・`) ・・・

川 ゚ -゚) だが、生まれてからずっと、そうだったわけじゃない

( ;^ω^)('A`;) ?

(´・ω・`) ・・・クーさんの前は、おとーさんだった・・・ってことか



239: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:57:29.73 ID:bikIugGH0

川 ゚ -゚) ああ

(  ^ω^) ・・・

('A`) えと?

(´・ω・`) クーさんの父親は、物部天獄率いる怪しい宗教団体を
      乗っ取った・・・という理解でいいんだね?

川 ゚ -゚) ああ

(  ^ω^) ・・・

('A`) ・・・

(´・ω・`) ・・・

川 ゚ -゚) それから良く分からない時間がすぎ、
     私の物語の流れはある日を境に急変する・・・



242: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/11(土) 02:58:58.65 ID:bikIugGH0
今日の分は、ここまでです
中途半端なところですいません

次の話が最鬱なので、
いつ書き上げられる正直わかりません・・・

こんなのに支援くれてありがとうです!



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