( ^ω^)ブーン達はマインスイーパに集められたようです

49: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/24(土) 23:21:05.59 ID:N2qCj+VQ0
この状況が異常なことはわかっているが、もう後には引けない。

( ^ω^)モララーさんは、信じられる人間だと思ってましたお。
      中級を2回もクリアしてくれたから……ですお。
      でも、何らかの形で裏切られた時に、信じたままの僕なら立ち直れませんお

モララーさんは少しだけ考えるそぶりを見せ、

( ・∀・)信じないってのも、良いんじゃない?

と、先程と同じ台詞を言った。
モララーさんは表情には出さないが、ここで「誰も信じない」宣言。
面食らっているだろう。
申し訳ない。

それでもやはり、僕は生き残りたい。
生き残るためには、プレイ以外のところで変な影響を受けたくない。
裏切られることによるショック……なんてものを、受けたくはない。



57: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/24(土) 23:25:26.69 ID:N2qCj+VQ0
そしてショボン君。

(´・ω・`)…………僕は……、僕は、信じるに値しませんか?

( ^ω^)……ごめんだお。でも、信じることと、裏切られることに疲れたんだお
    そしてショボン君は「偽名を使う」という過ちを犯したお
    そっちが信用していなかったのに、信用する筋合いは無いお

ショボン君が偽名を使った理由も分かる。
見ず知らずの大人9人に囲まれて、ただ一人の小学生。
不安だから、自分を隠した。

だからこそ、僕はその点を指摘した。

(´・ω・`)……そうですか

嫌なことを言ってるのは分かってる。
小学六年生という、まだ幼いショボン君に対して、厳しすぎる口を叩いている。

でも彼もここまで生き残ったプレイヤー。
未知の裏切り方法を編み出すかも知れない。
だから、ショボン君にも牽制。



61: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/24(土) 23:27:24.90 ID:N2qCj+VQ0
裏切られる前に裏切ってしまおう。
そうも考えた。

しかし上級とオリジナルが潰れてしまった今、どうやって裏切るというのか。
僕の頭では思いつかなかった。
モララーさんかショボン君ならその方法を思いつくかも知れない。だから怖い

だからこそ、口に出して「信じない」と言った。
これは裏切らせないための牽制球。
効果は無いかも知れないが、できる限りのことはしたい。

僕に利する全てのことを、し尽くしておきたい。



63: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/24(土) 23:30:34.31 ID:N2qCj+VQ0
黙ってばかりでは無いのがモララーさんだ。
僕に対しても、釘を刺してきた。

( ・∀・)マインスイーパは一人用のゲーム
     確かに馴れ合う必要は無い。
     でもな、孤独との戦いって事を忘れるなよ
     モナーさんのプレイを忘れたのか?

古猫=モナー。
10人の中で最年長のプレーヤーだ。
元々彼には上級のプレイ権が認められていた。

だが、モナーさんは中級を選び、結果として失敗した。
皆のために、と。一人で全てを背負いすぎたためか。
プレッシャーに潰されて、旗の立て間違えという基本ミスをおかすことになった。
そして死んだ。



67: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/24(土) 23:35:07.32 ID:N2qCj+VQ0
( ^ω^)……

僕は黙っていたが、彼の意見は苦し紛れであることに気付いていた。
モナーさんの死は、皆から独立して行ったプレイでは無く、皆を想っての行動。
つまり、他人を思い遣っていた人は死んだ。
経験からいうと、信じる者は救われなかった

モララーさんの言葉を最後に皆が黙った。

( ^ω^)…………

( ゚∀゚)…………

(´・ω・`)…………

( ・∀・)…………

僕らは皆ここまで生き残ってきた。
形はどうあれ、ここまで来た。
脱出の光はすぐそこにある。



69: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/24(土) 23:37:22.69 ID:N2qCj+VQ0
居心地の悪い静けさだった。
もちろんその原因は僕にある。

そして、そんな沈黙に割ってはいるのは決まっている。
スピーカーの声だ

「次のプレーヤーを指名する」
「その前に一つ確認しようか」

「箱捨=シィは生存しているが、オリジナルをプレイ中のため、君ら4人から選ぶことになる」
「また、公平性を守るために、苛猫は他の3人が終わってから再抽選とする」

( ・∀・)つまり、ジョルジュ・ショボン・ブーンの中から……か。

( ゚∀゚)…………
(´・ω・`)……ですね
( ^ω^)…………お

覚悟は決まっている。
再び初級をやる覚悟も、一人で戦うことの覚悟も。
あらゆる手を尽くして生き残る覚悟を決めている。



71: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/24(土) 23:40:53.52 ID:N2qCj+VQ0
「そして残っているランクは初級1回・中級1回だ」

( ・∀・)次のプレーヤーは、誰であっても初級をプレイする
      さっさと画面を切り替えたらどうだ?

「お前の言いなりにはならん」
「あくまで私達の定めたルールに則ってプレイしてもらう」

( ・∀・)………我の強い奴め。

「お互い様だろう」


「無駄話は好きでは無い。」

( ・∀・)嘘吐け

「次のプレーヤーを指名する」
「次のプレーヤーは…………」



74: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/24(土) 23:42:55.89 ID:N2qCj+VQ0
「長岡=ジョルジュ。君だ」

ここで裏切り者ジョルジュ。
ジョルジュ自身の望んだ展開だろう。

ジョルジュは裏切り者。とはいっても、僕は彼の本質を見抜けずにいた。
裏切り者であることは間違いないが、悪い人間には見えなかった。

ペニサスやシィの時はあんなに簡単に見限ったのに。
このジョルジュは、何かが違う。
それはたぶん、裏切ったことに対して、後悔しているか否か。

ジョルジュは反省し、後悔した。
あの一瞬だけ弱気になったのかも知れない。
だとしたら……悪い人では無い?

それでも良い人にも悪い人にも、死は平等にやってくる。
だから僕は信じない。
良い人だと信じて、その人が死んでしまうなんて、悲しすぎるから。

「3分以内に着席しなかった場合、棄権と見なして失格扱いとする」

そしてお決まりの台詞が流れ、ジョルジュは椅子に座った。



79: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/24(土) 23:45:34.71 ID:N2qCj+VQ0
( ゚∀゚)座ったぜ

「そのようだな」
「では、ランクを選べ」

( ゚∀゚)初級だ!

彼が裏切り者であるにもかかわらず、僕らは彼の初級へのプレイを認めた。
絶対にクリアすることが条件。
素直=クールことクーさんの仇を討つことが、彼を許す条件。

( ゚∀゚)ぜってぇクリアする

そして仇を討つことは彼の意志でもある。
死なないためという消極的理由では無く、仇を討つためという積極的理由だ。
気合いは人一倍だろう。

コンクリート部屋の中の誰もが、ジョルジュのクリアを望んでいた。
それは利己的なところもあっただろう。
彼のクリアは、僕ら全体の利益になるのだから、否定はしない。



80: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/24(土) 23:47:45.67 ID:N2qCj+VQ0
「表示はどうする?」

( ゚∀゚)XPのままで良い

「そうか、プレイ開始まで少しまて」

実は、少しだけ彼が中級を選択することを期待した。
責任を感じて中級をやるかと思ったのだ。
しかし、仇を討つという理由ならば、初級の方が適切だろう。

「よし、では長岡=ジョルジュ。プレイを開始しろ」

画面を見ると、ハインさんの残した失敗画面は消え、新たな初級盤が出現している。
これでハインさんがこの世に残したものは全て消えたことになる。
さようなら、ハインさん



81: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/24(土) 23:49:10.32 ID:N2qCj+VQ0
  _
( ゚∀゚)………………

ジョルジュはプレイ開始時から、ぴくりとも動かなかった。
今まで見た誰よりも集中している。
クーさんやドクオさんやペニサス、モララーさんよりも。

所詮初級盤、と侮ることはできない。
実力的にはナンバー3・4のペニサスとクーさんは、初級に飲まれた。
ついさっき、ハインさんもだ。
  _
( ゚∀゚)…………

ジョルジュは未だに一手も開いていない。

マインスイーパにおいて、一手目を早めに開くことは愚かなことではない。
勢いを付ける意味でも、有意義なことだ。
しかし、一つのミスも許されない状況で、勢いなど不要。
「やる気無し」と認められる直前まで時間をかけて、集中力を高めるのが得策。



82: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/24(土) 23:50:43.72 ID:N2qCj+VQ0
一手目が初級盤において大きな意味を果たすことは、もはや説明不要だろう。
この一手で、全てが決まると言っても過言では無い。
そのことは今まで何度も感じてきた。
  _
( ゚∀゚)よし…………

プレイ開始から、初めてジョルジュが口を開いた。
決断したか。

ジョルジュは、汗一つ掻いていなかった。
ヴィプクオリティ。仇を討つという義務感。自身の生への欲求。
全てが、彼を支えていた。
  _
( ゚∀゚)

マウスカーソルは初級盤の上辺を。
定石だが、それしかない。
あまり考えても無駄だ。


カチッ


クリックした音が、静かにコンクリート部屋の中に響いた。



85: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/24(土) 23:52:20.86 ID:N2qCj+VQ0















鬼が出るか、蛇が出るか。










87: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/24(土) 23:53:47.10 ID:N2qCj+VQ0
  _
(;゚∀゚)…………クッ!!

出てきたマスは3。
かつて初級盤をプレイした中でも、最悪の出。
  _
(;゚∀゚)…………グゥ……ゥゥ……!!

取り乱す。当たり前だ。
僕自身、こうなったのが自分で無くて良かったと思うくらいだ。

こんな状況で、勘で進められるはずがない。
初級を失敗した人は全員勘で挑んで、沈んだ。
ましてや、今出た数は「3」。過去最悪の結果。

クーさんの初級の時は、1/8以下の確率で失格。
ペニサスの時は、1/5で失格。
ハインさんの時は1/2で失格した。
そしてジョルジュが置かれた状況は定石を打てば3/5で死。

二手目の定石である、一手目の真下。
これはほぼ打てなくなった。



90: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/24(土) 23:55:27.72 ID:N2qCj+VQ0
もちろんそこで「3」が再び出れば、かなりの高確率で抜け出せる。
しかし、やはりリスクが高い。
ならば……


(;゚∀゚)(…………飛びマスしか、ねえか……)


隣り合った5マスではなく、まったく別の場所を開く。
クーさんがやった戦法だ。
本来初級などで使うべき技では無い。

いや、初級に限らない。
飛びマスとは「リ・スタート」と同義。
しかも純正の一手目とは違い、リスクを伴ったスタート。

普通のマインスイーパで用いられる技では無い。

だが、今は状況が特殊。
何が正しい判断か、など、僕にもジョルジュにも分かるハズがない。



92: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/24(土) 23:57:51.23 ID:N2qCj+VQ0
一手目とその周りを除けば75マス。
その内、地雷は7マス。
90%以上の安全が確保されていることになる。

冷静に考えて見れば、かなりの確率で安全が確保されている。
決して悪い手では無い。
  _
(;゚∀゚)(だけど……、あの姉ちゃんはこれで失敗した)

やはりクーさんが失敗したことがネックになっているのだろう。
彼女の残した傷跡は予想外に大きい。

クーさんは飛びマスをして、ろくなヒントが出ず、飛びマスを二連続で行った。
結果は地雷。
飛びマスが、普段以上に気軽にできる技ではなくなっている。



98: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/25(日) 00:00:20.24 ID:+bXFHtI40
  _
( ゚∀゚)……(だけど、怖いからって逃げるのか、長岡=ジョルジュ?)
  _
( ゚∀゚)……(仇を討つんじゃなかったのか?
       俺が護るべきはか弱き市民。
       そのために俺は公安機動隊に入ったんだ……)
  _
( ゚∀゚)……(護れなかったから、せめてもの仇討ち)
  _
( ゚∀゚)……(間違ってるかも知れないが……俺は逃げたくない
       勝つためには、死ぬ気で戦うしかない。)
  _
( ゚∀゚)……(飛びマス、やるしかない)

ジョルジュの顔が変わった。
いや、顔が戻った。
一手目を打ってから見せていた不安そうな顔が、再び覚悟の顔に戻った。



103: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/25(日) 00:04:08.82 ID:+bXFHtI40
飛ぶ先はたぶん真ん中のマス。

そこは、仇討ちとしては十分すぎる意味を持つマス。
クーさんが地雷を出したマスだから。
そこで空白が出れば、仇討ちとしては十分。

でも、不吉な予想が僕の頭の中を埋め尽くしていた。

結果が失敗に終わり、クーさんと同じく、初級盤の飛びマスに飲まれてしまう
鉄の扉が開き、執行人がジョルジュを連れて行く。
そして執行人の銃で、ジョルジュは殺される……

そのビジョンが頭から離れなかった。

( ^ω^)…………(生きろお)



109: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/25(日) 00:05:50.75 ID:+bXFHtI40
  _
( ゚∀゚)…………(飛びマスは、中央!
         素直=クールを殺した、この中央のマス!)

マウスカーソルは、9×9盤の中央へ移動した。
将棋でいえば五五の位置。
クーさんを飲み込んだマス。

( ゚∀゚)…………

それを恐れず、仇討ちに行った姿勢は認める。
それでも、僕の予想通りのマスに飛んでしまったのが、とても残念だ。




カチ



開いた結果まで予想通りになったことが、とても残念だ。



118: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/25(日) 00:07:38.12 ID:+bXFHtI40
「長岡=ジョルジュ。初級失敗だ」



「初級を潰しきれないな。ははは、これで初級失敗者は4人か?」
「しかも2連続の失格か。鬱田の時とは違い、本気でやったプレイヤーが失敗とはな」

「果たして、何人が生き残れるかな?」

「執行人、長岡を連れて行け」


画面には地雷のグラフィックが出ていた。



125: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/25(日) 00:10:10.99 ID:+bXFHtI40
(  ∀ )…………



失敗して、鉄の扉が開くまでの間、僕らはジョルジュの目を見ていた。
責めるような視線では無く、むしろ哀れむような視線でジョルジュを見ていた。
プレイは終了したにもかかわらず、誰も口を開くことは無かった。

( ・∀・)……
(´・ω・`)……
( ^ω^)……


ジョルジュがやっと口を開いたと思ったら

( ゚∀゚)東京の「杉浦=ロマネスク」って男に遺言を頼む

それはまた、人の死をクリアに想像させる言葉だった。



132: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/25(日) 00:13:16.53 ID:+bXFHtI40
( ゚∀゚)俺は千葉の銚子の生まれでな。長らく千葉に住んでた。
    正義に燃えててな、ずっと警察官になろうと思ってた。

( ゚∀゚)でも、俺は馬鹿だから、千葉県警に採用されなかった。
     その結果に落ち込んで、喧嘩ばっかりの日々になってた。

( ゚∀゚)そんなある時、喧嘩の仲裁をしてくる中年親父がいてな。
    気にくわなかったから、一発で伸してやろうとしたんだ。
    でも「その腕っ節、国のために使わないか?」って言われて、やめたんだ。
    警察官になることに、未練があったのかも知れないな

( ゚∀゚)聞いてみたら、そのオヤジは国家公安実動部隊の隊員らしくてな。
    やることも無かった俺は、オヤジについていった。
    今までの自分を見返したかった。ってのもあるな。

( ゚∀゚)訓練中、ケガすることなんて当たり前だ。
    一時は左眼を失明しかけた。

その時の傷が、まだ残っている。
初めて見た時から気になっていた、左頬にある傷だ。



136: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/25(日) 00:15:27.80 ID:+bXFHtI40
( ゚∀゚)普通、筋トレとかだと思うよな。
    でもさ、視力・聴力まで鍛えさせられたんだぜ?

あの聴力の良さは、そういうことか。
他の誰にも聞き取れなかった銃声が、ジョルジュだけに聞こえたことがあった。
あの時はなんとも思わなかったが、そういう背景があったというのか

( ゚∀゚)まあ、そんなこんなで公安機動隊に入ったわけだ。

( ゚∀゚)「杉浦=ロマネスク」がそのオヤジだ。
    猫みたいな親父でな。
    素早くて、ずるがしこくて、それでもどこか憎めないオヤジだ。

( ゚∀゚)そのオヤジに伝えてほしい。



144: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/25(日) 00:17:43.15 ID:+bXFHtI40
( ゚∀゚)杉浦=ロマネスクに伝えてほしいことってのは、礼だ。
   「こんな俺を、育ててくれてありがとうございました。」って、伝えてくれねえかな。
   この一言で良いんだ。

( ゚∀゚)…………裏切り者の言葉は、伝える気がないかも知れん。
    でも、頼むことしかできない。

( ・∀・)……ああ。
     お前の言葉、確かに杉浦=ロマネスクに届けよう。

( ゚∀゚)頼んだぞ、ロマネスクは東京に住んでる。

モララーさんは彼の意志を尊重することにした。
これで彼の遺言は伝わることになる。

とにもかくにも、鉄の扉が開き、この部屋からまた一人プレイヤーが減った。

残されたのは、3人となった。



149: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/25(日) 00:19:53.17 ID:+bXFHtI40
( ゚∀゚)

暗い道だ。
暗闇に慣れれば多少見えるが、それでも薄暗いことに変わりはない。

このまま逃げ出すことは不可能。
5人の執行人に囲まれて、逃亡しようものなら、きっと背後から撃ち殺される。

( ´_ゝ`)何も喋らんな、古猫=モナーのようだ。
     根底にあるのは、死への恐怖か。

(`・ д・´)鬱田=ドクオは違いましたがね。

( ´_ゝ`)あいつは死にあこがれてたのか?よく分からん奴だった。

( ゚∀゚)……………………

過去形で話している。
やはり死んだのか。
わかっていたことだ。鉄の扉の向こうから銃声が何度か聞こえていたから。

自分の鍛えられた聴力を怨んだ。
死ぬ瞬間が分かってしまったから。
それでも耳をふさぐことはしなかった。



150: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/25(日) 00:20:44.89 ID:+bXFHtI40
最後、アイツらに託した遺言は届くだろうか?
誰か一人でも無事に、ここから脱出して欲しい。

初級と中級を1回ずつ残してしまったのは、俺の責任が大きい。
一巡目に上級を選んだのは、「逃げ」だ。
もう否定しない。皆を裏切った。

だが
「公安機動隊は、自分を犠牲にしてでも目の前の人間を助けなきゃならん」
というロマネスクの教えが、俺の義務感に火を付けた。

機動隊・諜報隊・開発研究隊・治安維持隊・災害救援隊。
機動隊は公安にある5つの部隊でも最強と名高い部隊だった。
その隊長が杉浦=ロマネスク。(今は退職し、別の者が隊長をやっているようだが)

紛れもなく、公安最強の男だったはず。
そのロマネスクに育てられたことは、俺の一生の誇りだ。



152: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/25(日) 00:21:34.45 ID:+bXFHtI40
しばらくすると、執行室という所につれてこられた。
死体が5つ並んでいた。

( ゚∀゚)お前ら覚悟しとけよ?
    俺が死んだら、一生呪い続ける。
    国民を躊躇無く殺す奴らなんて、俺が呪い殺してやる

(´<_` )呪いか……………まるで……サダ……

( ゚∀゚)あ?なんだって?

(´<_` )……………アニジャ。こいつと居るのは不快だ。
     執行しろ



161: ◆Dti7WkoCEo :2009/01/25(日) 00:24:22.65 ID:+bXFHtI40
最後の最後まで、あのマスをクリックしたことは後悔しなかった。
仇を討つためには、あそこ以外無かった。
そこが地雷であったけれども、俺は後悔していない

それだけは、誇っても良いよな?ロマネスク。



銃特有の音が鳴った








(ジョルジュ・初級編)終わり



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