( ^ω^)ブーン達はマインスイーパに集められたようです

124: ◆Dti7WkoCEo :2009/02/23(月) 22:56:06.62 ID:IptpSrId0
【監視室前通路。ブーン初級編の少し前】


長岡の執行が終わった。
アニジャ執行人の後も、他の執行人が一発ずつ弾丸をぶち込んだ。
念には念を、だ。

これで残っているプレイヤーは4人。
箱捨=シィを除けば、たったの3人だ。
下眉=ボーノン。内藤=ホライゾン。苛猫=ウララー。

そういえば監視官の立てた生存者の予想は
伊藤=ペニサス。鬱田=ドクオ。苛猫=ウララーの3人だったか?
既にその内二人が死んでいる。

やはり、あいつはアテにならんな。

(メ^Д^)はぁ……



130: ◆Dti7WkoCEo :2009/02/23(月) 22:59:49.73 ID:IptpSrId0
( ´_ゝ`)どうしました、溜息などつかれて。

(メ^Д^)あ? いや、監視官の予想、外れたな。って思ってただけだ。

( ´_ゝ`)ああ……鬱田と伊藤と苛猫。って予想ですか

記憶は正しかったか。
その3人は確かにあの中でもかなり巧かっただろう。
だが、マインスイーパに飲まれた。

(´<_` )鬱田、か。
     そういえば、こんなものを貰ったな

オトジャ執行人は、自分の黒服のポケットをまさぐりだした。
何が出てくるか期待していたが、出てきたのは白い錠剤だった。
期待はずれ……



134: ◆Dti7WkoCEo :2009/02/23(月) 23:02:17.06 ID:IptpSrId0
色は白。大きさはゲームコントローラのボタンくらい。といったところだろうか。
別に変な所は無い。

(メ^Д^)それは?

(´<_` )あいつらが飲んでる薬だよ。
     鬱田が俺に渡した。
     素直=クールがあいつらに残した「精神安定剤」だ。

(メ^Д^)ああ……確か、ヴィプクオリティ?だったか
     でも、それがどうかしたか?

(´<_` )ちょっと、興味深いことがあるんだ。

ほう、オトジャ執行人が何かに興味を示すとは珍しい。

だが、その錠剤は一番最初の死亡者、素直=クールが残した錠剤だ。
管理は下眉が行っているが、別にオトジャ執行人の興味を引くような変なところは無かったように思う。
ただの精神安定剤だと認識しているが……



140: ◆Dti7WkoCEo :2009/02/23(月) 23:05:32.06 ID:IptpSrId0
喋り慣れてないからだろうが、オトジャ執行人は説明が長い。
アニジャ執行人の方を見て、代わりの説明を求めるが、彼はこの薬について何も知らない風だった。
諦めて、オトジャの説明を聞くことにする。

(´<_` )執行長、素直=クールの調査書をよく読んだか?

素直=クールの?
一番最初に脱落した人間だから、あまり目を通していない。
苛猫=ウララーの調査書なら、暗唱できるほどに目を通したが……

素直=クールの調査書を探していると、ゴノネガイが持ってきてくれた。
気の付く奴だ。
何があるか見当も付かないまま、ザッと目を通す。

備考の欄で目がとまる

(メ^Д^)これは…………

(´<_` )そういうことだ。



144: ◆Dti7WkoCEo :2009/02/23(月) 23:08:09.16 ID:IptpSrId0
       素直=クール。

タイトルはそのままだ。
その後、彼女の家族、学歴、生年月日、現住所、勤務先などの概略。
そして顔写真が貼ってあり、最後に小さくこう書いてあった。



 
       備考   末期癌を患っており、延命のために抗ガン剤を服用している。
            故に、この抗ガン剤はプレイ部屋からの回収を許可しない。
            また、彼女は癌を通告されておらず、この薬を精神安定剤と知らされている。




携帯電話や携帯ゲーム機などは回収後処理。
ペンやヘアピン・ネクタイピンといった、凶器となりえそうな物も回収後処理した。

しかし確かにあの時、錠剤の入った白い袋は残していた。



150: ◆Dti7WkoCEo :2009/02/23(月) 23:10:11.04 ID:IptpSrId0
奴らを支えていた柱が、一本折れた。
素直=クールの残した「ヴィプクオリティ」は、精神安定剤では無く…………


(メ^Д^)これは…………面白い

( ´_ゝ`)素直が他の9人に渡したのも、悪意があった、ってわけじゃない。
     奴らの言葉を借りれば、「天然の害悪」か。

ヴィプクオリティは、精神安定剤ではなく抗ガン剤。
そしておそらく、その名前も適当にでっち上げたものだろう。

唯一の家族である素直=ヒートは高校生。家族の意志、を聞くには不適切だったということか
だから医者は自分で「癌を通告しない」選択をした。
彼女を診た医者は、末期であることを伝えずに「弱気になっているだけ」と言ったのだろう。

医者は架空の精神安定剤「ヴィプクオリティ」なるものを素直=クールに渡した。
その実は、末期に至った癌を患う素直=クールに与えられた、寿命延ばしの薬。



157: ◆Dti7WkoCEo :2009/02/23(月) 23:13:04.48 ID:IptpSrId0
(`・ д・´)医者が処方箋を出す時に、精神安定剤だと誤魔化さなければ良かったのですが、
       その医者も仕方ないでしょうね。
       それが最善の対処だったのでしょうから。

(メ^Д^)インフォームドコンセント、ってヤツだな
     医療における素晴らしい精神だが、ここではそれが仇となったな。

そして、そのことを裏付けたのが、古猫=モナーだった。

(`・ д・´)古猫=モナーは、ベテランの臨床心理士であったはずです。
       にもかかわらず、あの薬を見た時「知らない」という反応をしました。
       なるほど、適当にでっち上げた薬ならば、知るはずも無いですね。

(メ^Д^)あー、確かにカウンセラーとかって、精神安定剤ならたくさん知ってるよな。普通。
     無免許だからって、普通の処方薬なら知らないはずは無いか…… 

(メ;^Д^)っつーか、抗ガン剤って、癌患者以外が飲んでも良いのか?

(´<_` )この種類の抗ガン剤ならば、大量に摂取しなければ……たぶん大丈夫だろ。
     治療薬じゃなくて、ただの延命薬だしな。ちょっと過激な栄養剤だ。
     現に、苛猫や内藤には何も体調の変化が起きていない。
     でも抵抗力の弱い子供なんかは、ヤバいかもな。



166: ◆Dti7WkoCEo :2009/02/23(月) 23:17:26.72 ID:IptpSrId0
(メ^Д^)となると……下眉=ボーノンか

( ´_ゝ`)ああ、錠剤を飲んだだろうしな。
     一日一錠。そのルールを守っているとしてもヤバい。

(´<_` )さらに、奴は薬の管理をしてる。
     異常な緊張にさらされて、過剰に薬を摂取してる可能性もある。

( ´_ゝ`)ま、どうなるかは知りませんよ
     薬学は習っておりませんので。

確かに、癌は重病だ。
その病気への抵抗をする薬が、弱いハズがない。
もちろんその抵抗力は、人間の体にも及ぶ。

(メ^Д^)(面白い…………)



170: ◆Dti7WkoCEo :2009/02/23(月) 23:19:23.27 ID:IptpSrId0
このマインスイーパ、中々に面白いじゃないか。
イレギュラーな存在が満載だった。

鬱田のクリア目前での自殺。
実際、あそこでクリアしていたら、脱出はかなり早かっただろう。
鬱田はおそらく苛猫に次ぐプレーヤーだったはずだ。

次に箱捨=シィのオリジナルの裏活用。
この発想は、正直無かった。
10人のプレイヤーで執行人を上回ったと言えるのは、おそらく箱捨と苛猫だけ。

さらに「偽精神安定剤」ヴィプクオリティ。
皆が信じ切っていた素直=クールの残した遺産。
彼女自身も信じて疑わなかったために、それは天然の害悪となった。

そして、苛猫=ウララー。
お前も、このマインスイーパを盛り立てる上で、大きな要素だ。
最後にして、最大の異端と言っても過言では無い。

期待してるぜ?



(幕間、終わり)



戻る