( ^ω^)は空蝉のようです

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/06(土) 18:28:56.79 ID:y6MTXi/RO
('A`)「抜糸とかしなくていいのかな……」

( ^ω^)「じゃあ、途中でこの間の診療所に行くお」

内藤はそう言いながら右肩を顎を引き頭を下げて眺めた。
傷はもう塞がっている。が、針の後は生々しく、その痕を残している。

素人目にはもう完治していると感じるが、やはりここは一度専門の医師に見せた方がいいだろう。
ドクオは少し診療所に行くのには気が引けた。何故ならこの間は内藤を治療してもらったのにも関わらず費用を払っていないのだ。
しょうがない、とドクオは数枚の札を乱暴にポケットにしまい込むと後ろに内藤を引き連れながら部屋を出た。




――――第六話 『蜻蛉』



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/06(土) 18:29:52.10 ID:y6MTXi/RO
内藤がドクオ宅で寝泊まりするようになってから実に一週間が経っていた。
その間ドクオは毎日充分に睡眠が摂ることは出来なかった。

日々、アパートの窓から闇に目を凝らしそこに何か影があるようなら後ろ手にナイフを構えるのだ。
そして、それが酔っ払いや猫だと知るとひどく安堵した。

それが自らのせいだとはいえ、ドクオの精神は日に日に衰弱していった。
毎日追っ手の影に怯えながらも住む場所を変えないのは何故なのだろう。

それは一つの余裕、いや危機感がまだ足りないのだ。
人は何か事態が起きない限り「なんとかなるだろう」「そこまで大事じゃない」と感じでしまうのはよくあること。

('A`)「今日、行けるよな」

( ^ω^)「ど、どこにだお?」

('A`)「首なし山」

(;^ω^)「お……」

そして、目先にある目標に気を取られているのも一つあるだろう。
まずは一つのことを終えてからでも間に合うと高を括っているのだ。
さらに幸運なことにその余裕が仇となる事態は、まだ起きていない。



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/06(土) 18:30:46.13 ID:y6MTXi/RO
(;^ω^)「……」

内藤はいっそ肩の傷など治らなければいい。
そんなことを考えたりしていた。それほどにドクオを首なし山に連れて行きたくないのだ。

彼が自らの行うことの痕跡を見つけたら、なんと思うのだろうか。
彼から軽蔑の眼差し、言葉を受けたくない。

ドクオという自分に親切にしてくれた彼には、この秘密は秘密のままにしていたいのだ。
だが、恩人の頼みだ。これを無下には出来ないというものである。

内藤の心には不安ばかりが募っていた。



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/06(土) 18:31:37.42 ID:y6MTXi/RO
('A`)「すみませーん」

ドクオは診療所の中へ入ると、首を回して診療所内を見渡しながら声を上げた。

診療所の白い壁は何かの染みで所々黒ずんでいて、それは何かの顔にも見えそうだ。
それを何かに喩えていると、ドクオの声からしばらくあって奥から足音が聞こえた。
革靴が固い床を叩く軽快な音が段々と玄関から入ってすぐの待合室に響く。

(-@∀@)「ああ、あんたたちか」

朝日が白い白衣を靡かせながら、奥からその姿を現した。
真ん丸の眼鏡を鼻に掛けて、その先からは小さな瞳がドクオ達に向けられている。

('A`)「抜糸、そして治療費を払いに」

ドクオが淡々とした口調で唱えると、朝日は眉を上げて驚愕の表情を見せると
「まさか支払いにくるとは」と心底驚いたと、ややオーバーリアクションに両手を広げて言った。



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/06(土) 18:32:22.38 ID:y6MTXi/RO
('A`)「世話になったんだ、それくらいは当然さ」

「ま、第一に抜糸が目的なんだけどね」
それは口に出すことはなく、ドクオは口を閉じた。

(-@∀@)「ふぅん、じゃこっちに来て」

朝日はドクオの言葉を流すようにして返すと、内藤を手招きしながら奥の診察室へと引っ込んだ。
残された二人はその後を追って診察室へと足を踏み入れる。

診察室は当たり前に薬品の匂いが立ち込めていた。
嗅いでいても煙草のように不快ではないが、どこか居苦しい空間である。

(-@∀@)「よし、肩を見せて」

( ^ω^)「お」

朝日の言葉に従い、内藤はがさつに巻かれた黄ばんだ包帯をゆるゆると解き、その肩を包帯から開放させた。



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/06(土) 18:33:04.45 ID:y6MTXi/RO
(-@∀@)「ふむ」

朝日は肩をしげしげと見つめながら、眼鏡の奥の眼を光らせる。

(-@∀@)「まだ抜糸は早いかなぁ」

内藤から視線を外して、乗り出した体を後ろに引くと間延びした声で言う。

( ^ω^)「そうかお? 動かしても痛みは気にならないお」

(-@∀@)「いや、まあそうだとしても深い傷だったんだ
     また開く可能性は普通よりも高いよ
     ま、軽い運動ならなんら問題は無いかな」

( ^ω^)「……なるほどお」

内藤はうんうんと頷きながら、わかっているのかいないのか、わからない仕草を浮かべた。
脳裏に過ぎるものは「登山、崖登りが軽い運動に入るのか」というものだった。
だが、崖登りは腕力と体を上手く支える為のバランスだ。
負傷で違和感のある肩では中々難しいものがあるのではないだろうか。



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/06(土) 18:34:08.96 ID:y6MTXi/RO
('A`)「そうか、じゃあまた今度来るよ」

内藤が思考を巡らせながら肩に触れていた時、それまで声を出さずに黙っていたドクオが口を開いた。

('A`)「とりあえず、金はこれだけしか持って来てない」

ドクオは言いながら、木製の椅子に腰掛ける朝日にポケットから取り出した生温い札をくしゃりと折り曲げながら渡す。

(-@∀@)「毎度ありー」

医者が言うと何か違和感のある言葉を言うと、朝日はそれを丁寧に広げ、机の上に置いた。

('A`)「行くぞ」

(;^ω^)「お、お?」

ドクオは椅子に座ったままの内藤の左手を取ると、この間そうしたようにまた半ば引きずるようにして診療所から出るのだった。

( ^ω^)「何を急いでるんだお?」

('A`)「……別に急いでなんかねぇ……首なし山行くぞ」

(;^ω^)「え、だってまだ完治はしてな……」

(#'A`)「いいから!!」

(;^ω^)「!」



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/06(土) 18:35:04.84 ID:y6MTXi/RO
ドクオが突然に上げた怒声に内藤は体を震わせた。

( ^ω^)「ドクオ?」

('A`)「……」

ドクオは気まずそうに内藤から顔を背けると、内藤の手を取ったまま歩き続ける。

('A`)「……チッ」

ドクオは焦っていた。
『蟲』の追っ手に終われ、内藤にいつ『蟲』だったとばれてしまうか、そしてこれからどうやって生活しようか。

目先にある目的を成し遂げたい、とりあえず思うその考えが焦りを生んだ。

そして、内藤の完治していない肩。早く治らなければ首なし山に登ることはできないのだ。
もう治ったであろう思っていた肩はまだ開いてしまう可能性を持つと朝日は言った。
今からさらに日が経つということには、ドクオは耐えられなかった。

( ^ω^)「わかったお」

ドクオに手を引かれながら後ろを歩く内藤が口を開く。

( ^ω^)「首なし山を登るお」

('A`)「……すまね」

力強く掴んでいた内藤の左手を離すと、ドクオは頭を小さく俯かせて一言謝罪するのだった。



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/06(土) 18:36:06.24 ID:y6MTXi/RO



内藤は早くドクオの元から立ち去りたい気持ちでいた。
自らは『空蝉』という名を持つ殺人鬼だ。
またいつ怒りに震える『蟲』が現れるかわかったものではない。
もし、『蟲』が今の状況で現れたらドクオに害がないはずないのだ。
だから、一刻も早くドクオの元から姿を消したかった。

( ^ω^)「……」

だが、助けられた恩を仇で返すわけにはいかない。

内藤は目の前に聳える首なし山を見上げた。
垂直に伸びる山。その頂上は見えず、見えるのは小さな隙間しかない険しい岩肌だ。
いつもなら意気揚々とした気持ちで登るそれだが、今はそんな気持ちにはなれなかった。

('A`)「よし、じゃあ登るぞ」

ドクオは言いながら、太いロープを脇の下に巻き付けてそれを内藤の腰に繋いだ。
これで上に登る内藤から引っ張るようにして登ろうという策である。
幸いにもドクオの体重は軽い。
これなら行けるだろうとドクオは感じていた。



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/06(土) 18:37:07.90 ID:y6MTXi/RO
( ^ω^)「お」

内藤はゆっくりとした動作で右手で極めて掴みやすい、それでも小さな出っ張りに手を掛けると
次に左手を持ち上げて体を支えてくれるだろう出っ張りを掴む。
それを何度か繰り返して、内藤の体は段々と上へと上がって行く。

('A`)「よし、そろそろ俺も」

ドクオはそんな内藤をしばらく眺めていると、二人を繋ぐロープが段々と伸びて張り始めていることに気付き、ようやく動き出した。
内藤の掴んだ出っ張りを掴むと、右足で地を蹴り、その反動で一気に駆け登った。

( ^ω^)「身軽だおね」

('A`)「まあな」

時たま言葉を交わしながらも、淡々と何の障害もなく二人は山を登る。
そして、高さは少しずつ段々と高くなりとうとう山の中腹まで上り詰めた。



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/06(土) 18:37:55.65 ID:y6MTXi/RO



(;'A`)「ふぅ……ひぃ……」

ドクオは荒い呼吸を繰り返しながら、腕を上へ上へと動かしていた。
山の中腹となるとそれはもうかなりの高さで、ビル八階相当である。
下を見れば、もう落ちたら一たまりも無いことが見て取れる。

( ^ω^)「大丈夫かおー? もう僕がずっと引っ張ろうかお?」

(;'A`)「……そういうわけにもいかんだろ」

内藤の問い掛けに拒絶の言葉を返すと、ドクオは額から流れ出る汗を拭いもせずに腕を動かした。
それに比べ、内藤は目に見えて多くの汗は流しておらず、平然とした表情を浮かべている。
一体どうして、どこにそんな体力があるのだろうか。
ドクオは下から内藤を見上げて思う。

('A`)「うへぇ……たけぇな……」

ドクオは上げていた首を戻すと、今度はそれを横に向けた。
そこに見えるのは地平線に、それの上に乗っかるように山々が生えていた。
下には森が緑の絨毯のように広がっており、他にも灰色の廃墟群などがそこからは見えた。



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/06(土) 18:38:40.00 ID:y6MTXi/RO
('A`)「……なんだ?」

そして、首を反対側へ向けた時だった。
晴れているようで曇った、なんとも言えぬ気候のその空に何かが見える。

('A`)「……虫か?」

ドクオから見ると、それは細長く何かの虫のようだ。
しかし、それとの距離はかなり離れており、この離れた距離で見える大きさ。

(;'A`)「なんなんだ? 鳥か?」

ドクオは段々とそれに恐怖を感じ始めた。
黒くぼんやりとして見えるそれは、こちらを見つめるようにしてそこに浮かんでいた。

('A`)「内藤! あれ見えるか!? 左側にいる、なんか変なの!」

( ^ω^)「お?」

内藤はドクオの言葉を聞いて、顔をそちらへ向けた。
そして、内藤もその異様な雰囲気漂わせる何かの体を発見し、その視線を感じたのだ。

(;^ω^)「……あ、あれ……人?」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/06(土) 18:39:31.78 ID:y6MTXi/RO
内藤は自らの目を疑った。
人が空中で浮かぶことはありえない。
しかし、目に写るそれには頭のような丸みが上部にあり、その下には細長い体が伸びていた。

(;'A`)「ち、近付いてくるぞ!!」

ドクオはその場で身を固めると叫んだ。
その何か、人のような物体は段々とその姿を大きくさせていた。
それはつまり二人の元へ近付いているということ。

(;^ω^)「羽!?」

内藤は見た。その何かの背中でうっすらと残像を浮かべながら上下する二枚の長い羽を。

(;'A`)「ま、まずいぞ! 今襲われたら……!」

(;^ω^)「……!」

ドクオがそれに目を向けて動かずにそう叫んだ瞬間。
それは一気に速度を上げて接近し、気が付けば内藤の体には強烈な衝撃が走っていた。



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/06(土) 18:40:22.75 ID:y6MTXi/RO
(;^ω^)「……うっ……く!」

左横腹から反対へ抜けるような鋭い痛み。内藤は衝撃になんとか耐え、必死にここから落ちまいと崖にしがみついた。

(;'A`)「な、何者だ!」

ドクオは今内藤に体当たりをした、その飛行物体。いや、人間に向かって叫んだ。
もうドクオの目にもそれが人間だということは認識出来た。
大きな瞳に長い体、脚。黒を基調とした体に密着した服を着た男。
それに背中に二枚の長い色素の薄い半透明の羽を生やした男はまるで――

( <●><●>)「――『蜻蛉』です」

(;'A`)(くっ……やっぱり『蟲』かよ!
     だけど、こいつも『蟻』同様に化け物だ! 背中に羽なんざ生やしていやがる!)

ドクオは『蜻蛉』、ワカッテマスを睨みながらタイミングを悪さに舌を鳴らした。
いや、相手はこのタイミングを狙っていたのだろう。
この行動が限りなく制限させるこの時を。



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/06(土) 18:41:20.18 ID:y6MTXi/RO
( <●><●>)「今日はあなたがた殺人鬼『空蝉』と、裏切り者『蠍』を始末しに参りました」

(;^ω^)「……」

(;'A`)「……く」

ワカッテマスの言葉にドクオは忌ま忌ましげに眉をひそめる。
今の一言で内藤に自らが『蟲』であったことがばれてしまったのだ。
ドクオは下唇を噛むと、頭上にいる内藤を見上げた。
内藤の顔はドクオからは窺い知れない。一体どんなことを思っているのだろうか、それはドクオにはわからなかった。

(;^ω^)「……『蟲』」

やはり、とうとう来てしまったか。
内藤は納得と、そして困惑を感じていた。
『空蝉』というのはわかる。自らのことだ。
しかし、裏切り者『蠍』とは何か。
この場には今三人しかいない。それな内藤とドクオと今体当たりを食らわした『蜻蛉』だ。
『空蝉』が内藤というのは確定で、それなら『蠍』はドクオしかいない。

(;^ω^)「ドクオは……『蟲』だった」

内藤はその事実に困惑しながらも少しの納得をしていた。
ドクオは何か一般人とは違うことは薄々感じてはいたのだ。
病室で謎の女と戦闘をしていたし、それに雰囲気が何か違う世界の人間だと訴えていた。

( ^ω^)「……ドクオは『蟲』」



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/06(土) 18:42:00.42 ID:y6MTXi/RO
('A`)「もう、ダメだ……」

ドクオは呟くと、いつものジーンズの後ろポケットからナイフを取り出して抜刀した。

自らが『蟲』であると『空蝉』内藤にばれて、そして追っ手である『蟲』の一員の怪物『蜻蛉』。
ドクオは両者の板挟みによって、ある選択を迫られていた。

('A`)(どっちも敵だ……それなら)

( <●><●>)「では、まずは『蠍』を殺して『空蝉』の重りになってもらいましょうか!」

ワカッテマスはそう言うと、体を前のめりに倒し、ドクオの方へと空中で進み始めた。
二枚の羽を素早く上下させて、その長い体を段々と速度を上げて進めていく。

('A`)「じゃあな、内藤」

ドクオは下から顔の見えない内藤に向かって言うと、ナイフの刃をロープにあてがい、そしてそれを勢いよく突き出した。
鈍い音を起ててロープは断ち切れ、ドクオと内藤を繋ぐ枷は無くなった。

( ^ω^)「ドクオ?」

内藤は不意に聞こえたドクオの声に下を向いたが、その瞬間下に蜻蛉が通過し、ドクオの姿を見ることは出来なかった。



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/06(土) 18:42:40.67 ID:y6MTXi/RO
(#'A`)「どっちも敵ならムカつく方だ!!」

( <●><●>)「!」

ドクオは突進してきたワカッテマスへと身を投げた。
ロープの無い、自由な体はワカッテマスの方へと飛んで行き、さらにこちらへ勢いよく向かって来ていたワカッテマスは突然のことに反応が遅れた。

(#'A`)「てめぇは死ね! バケモンが!!」

( <●><●>)「……ぐっ……これはロープ……か」

ドクオはワカッテマスの体に飛び付くと、先程断ち切ったロープをワカッテマスの首に巻き付けた。

(#'A`)「落っ死ね蜻蛉野郎!!」

( <●><|>)「あああああああああああああああ!!!」

ワカッテマスの大きな左目にドクオのナイフが突き刺さる。
痛みに悶えながら、ワカッテマスはドクオを体から剥ぎ取ろうと奮起するが、ロープと繋がったドクオはしぶとく、体から離れない。

(#'A`)「こんなきもちわりぃ羽はこうだ!!」

( <●><|>)「!!」

ブチリ。と何かが潰れたような不快がワカッテマスとドクオの二人の耳に入る。
それは、ドクオがワカッテマスの右翼を引きちぎった音だ。



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/06(土) 18:43:51.15 ID:y6MTXi/RO
( <○><|>)「……うぁ……」

(#'A`)「……ぬああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

しがみつくドクオと潰された左目と無くなった右翼により、バランスを失ったワカッテマスは右側に体を傾けながら空中から地上へと落下していく。
それと共にドクオも一緒になって、重力に従うままになるのだった。




――――第六話 『蜻蛉』 終わり



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