( ^ω^)ブーンは何かの種を見つけたようです

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 21:57:30.63 ID:tBNYtMmS0






……蚊が耳元でうるさい。


……俺はなんで歩いてるんだっけ。


……よく思い出せない。


そうだ、体育館から出て、でっかい蚊に襲われて……。







4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 21:59:55.02 ID:tBNYtMmS0
「ひっ!?」

目の前を巨大な蚊が飛んでいる。
慌てて追い払おうとするが、腕に力が入らない。

(な、え? なんで? 腕が動かない!!)

しかし蚊は男の周りを旋回するだけで、襲ってくることはなさそうだった。

(ひぃぃいいぃ……!! 逃げ、逃げなきゃ!!)

しかし、男は腕だけではなく、足もうまく動かない。


そこで男は、自分が立って歩いていることに気付いた。
立ち止まろうと思っても、足は勝手に動いていた。



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:03:46.50 ID:tBNYtMmS0
首から上だけがかろうじて動く。

「なん、だ、コレ……!?」

呂律もうまく回らない。
しかし足だけは、ゆっくりと前に進む。

(夢だ……リアルな夢だろコレ……)

校舎の中へ入って、転びそうになりながら階段を上がる。
巨大な蚊はつかず離れず、男の頭上を旋回していた。

(なんか……腹がむず痒いぞ……)



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:06:28.95 ID:tBNYtMmS0
階段で、足がもつれて転んだ。
うまく受身を取れず、肘に鈍い痛みが走る。

首から下は麻痺しているわけではなさそうだ。
誰かに操られているかのように、男は立ち上がった。

(ああ、気持ち悪い夢だ……痛みもリアルかよ……早く目ぇ覚ませ俺……)

廊下を進むごとに、蚊の数は増えていった。
ある教室の前で不意に足が止まる。

(音楽室?)

中からは、うるさい位に蚊の羽音が聞こえていた。



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:09:55.77 ID:tBNYtMmS0

(な……なんだこれ……うそだろ……)

教室の中には、十数人の生徒達が横たわっていた。
中には教師の姿もある。

最初に気付いたのは、鼻につく異臭だった。

鉄の匂い。
紛れも無い、血の匂い。


うめき声が聞こえる。

誰の?


足元を見た。
苦悶の表情を浮かべている女生徒と目が合った。

目を見開き、歯を食いしばっている。
体が震えているのが分かる。



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:11:53.66 ID:tBNYtMmS0



「た……すけ……」


腹部が真っ赤に染まっていた。

そのワイシャツの下で何かがモゾモゾと蠢いている。


違う。

腹部だけじゃない。

そこかしこで何かが動いている。



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:13:21.00 ID:tBNYtMmS0


隣の生徒に目をやった。

もの凄い苦悶の表情のままピクリとも動かない。

その顔を、腕を、腹を、イモムシのような幼虫が這いずり回っていた。


いやだ。


助けて。



助けて。


夢なら早く覚めてくれ。



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:13:50.24 ID:tBNYtMmS0
力がふっと抜けて、男は床に倒れこんだ。

「う、ああ、あああああ……!?」

突然の激痛。

腹部を襲う強烈な痛みに、体を丸めようとするが、男の身体はピクリとも反応してくれない。

「い、で……!? いてぇええぇええええ……」

ワイシャツの腹部分がジワリと赤に染まる。
その下で何かがモゾモゾと蠢いていた。

「いてぇ、いてぇよ、助け……助けて……」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:14:38.31 ID:tBNYtMmS0









男は早くこの痛みから解放されたかった。

しかし幼虫はゆっくりと、まるで絶命するのを拒むかのように男の身体を食んでいく。

ワイシャツの下、自分の首元から幼虫が顔を覗かせたとき、男はここが地獄かと思った。









17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:14:55.77 ID:tBNYtMmS0









 第二話
    

     「 希
       望
        と
         絶望 」








18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:15:31.84 ID:tBNYtMmS0
(;'A`)「うわわっ!!」

ドクオは咄嗟に腕を振り回し、蚊を追い払おうとする。
しかし蚊はしつこくドクオの周りを飛び交っていた。

(;^ω^)「ド、ドクオッ!!」

(;゚∀゚)「あわわ……」

ただ後ずさりするばかりで、ジョルジュもブーンも動けなかった。


そんな中、一人蚊に飛び掛る者がいた。
右手の金属バットを振り回して。



兄者は器用に叩き落し、落ちた蚊を踏みつける。
蚊とは思えない巨大な腹から、不快な音とともに緑色の内臓が飛び出した。

(;´_ゝ`)「きもっ」

(;'A`)「はあっ、は、あに、兄者……!!」

兄者は恐る恐る足を上げる。
上履きの裏にはべっとりと、粘りのある緑色の液体が糸を作っていた。



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:17:39.12 ID:tBNYtMmS0
(;´_ゝ`)「礼……礼は……いらな、いらんぞ。うん」

(´<_`;)「無理するな兄者。上履き捨ててしまえ」

('A`)「あ、兄者……助かったよ、ありがとう」


(;゚∀゚)「なんなんだよコイツ……こんなでっけぇ蚊見たことねえぞ」

(;^ω^)「そ、外にいっぱいいるお」

異常な程大きな蚊。
自分達の日常に、何かが起こっている。



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:20:13.52 ID:tBNYtMmS0

( ゚∀゚)「おかしいよ……あのブツブツといい、この蚊といい……なんなんだよ一体」

(;^ω^)「あのブツブツも、もしかしてあいつのせいかお?」

(;゚∀゚)「だとしたらやべぇだろ。コイツに刺されたら、い、一発アウトか?」


ξ;゚听)ξ「ねぇ見て!! あそこ!!」

ツンの指差した先、体育館の外で、巨大な蚊に襲われている生徒たちがいた。

生徒たちは頭を丸めて、蚊を手で追い払おうとする。
その頭上を蚊が飛び交い、針を突き立てている。

(;^ω^)「あわわ……」

(;'A`)「た、助けなくちゃ!!」

( ・∀・)「待てよ、何するつもりだ?」

ドクオが慌てて飛び出そうとするトコロを、二人の生徒が遮った。



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:21:36.89 ID:tBNYtMmS0
('A`)「なにって、助けるんだよ!!」

<ヽ`∀´>「バカ言うなニダ!! 今お前がドアを開けたら、アレが入ってくるニダ!!」

ニダーの言うとおり、ガラス越しに数匹の巨大な蚊が張り付いている。

( ・∀・)「そうだよ、どうせ外のヤツらはもう手遅れだ」

('A`)「だ、だって」

( ・∀・)「だってじゃねぇよ。バカかお前」

('A`)「んだとこの野郎……」

「待てよドクオ」



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:22:05.90 ID:tBNYtMmS0
ドクオが振り返る。

( ゚∀゚)「外のヤツらには悪いけど……モララーに賛成だぜ」

ジョルジュがドクオを横切って、モララーの隣に並んだ。

( ゚∀゚)「もうあいつらはダメっぽいぜ。みすみす死にに行くようなモンだ」

ホラ、と言って外を指差す。
襲われていた外の生徒たちは力尽きて倒れていた。
その上を蚊が群がる蚊のせいで、黒い塊にも見えた。


( ゚∀゚)「な? お前まで死ぬことねぇよ」

('A`)「……そんな……だって……」



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:22:18.45 ID:tBNYtMmS0
俺は、アイツらを見捨てるのか?

目の前で掻き毟りながら倒れた、ビロードのときみたいに。


(;^ω^)「ド、ドクオ……」

ブーンがドクオの肩に手をおいた。

振り向けば、体育館に残っていた生徒たち全員が、心配そうにやりとりを見ている。

(;'A`)「……」

外の生徒は、ピクリとも動かなくなった。



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:22:40.93 ID:tBNYtMmS0
('A`)「……あっ!!」


(;'A`)「皆!! 窓だ!! 体育館の窓全部閉めろ!!」

(;^ω^)「おっ?」

(;'A`)「早く!! 手分けして、こいつらが入ってくるの防ぐんだ!!」

ドクオの声に、数人が反応して走り出す。

(;^ω^)「あわわ、もう何匹か入ってきてるお!!」

(;'A`)「その辺にあるモノを手にとって叩き落すんだ!!」



(;'A`)「……こんなモンか?」

( ^ω^)「とりあえずあいつらが入って来れそうなところは全部確認したお」

('A`)「ふぅ……」

ドクオ達は一息ついて、あらためて外を見渡した。



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:22:54.65 ID:tBNYtMmS0
('A`)「先生……どうするんですか、これから」

遥か後方、一番安全な位置で遠巻きに見ていた教師。
ドクオに話を振られて、挙動不審に答えた。

「どうするって言ったって……とりあえず、警察に連絡をだな……」

周りの生徒は一斉に教師に振り返った。
自分で言った教師さえ、自分の言葉に驚いていた。

( ゚∀゚)「それだ!!」

( ^ω^)「自衛隊出動だお!!」

我先にとポケットから携帯を取り出す。
一人が掛ければいいようなものだが、全員が110番を押していた。



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:23:10.24 ID:tBNYtMmS0
( ゚∀゚)「はい……ニュー速島VIP高校なんですけど……」

ξ゚听)ξ「いや、大きな蚊が大量発生してて……」

( ・∀・)「体育館に閉じ込められてんだよ!! あ!? いいから早く助けに来いよ!!」

('A`)「はい……はい……お願いします……はい」

( ^ω^)「お!? 今の時間はどうでもいいんだお!! ちょ、人の話聞いてるかお!? ねぇ!!」


('A`)「はぁ……とりあえず救助待ち、だな……」

( ^ω^)「ドクオ、警察はダメだお。ぷっぷぷっぷぽーんぽーんうるさかったお」



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:23:26.49 ID:tBNYtMmS0
ξ゚听)ξ「お、お母さん……弟も大丈夫かな」

身内の安全も確認できて、ホッと胸をなでおろす生徒たち。
皆、屋内に避難しているようだ。

中には、家族と連絡がつかない者もいた。
たまたま携帯を所持していないだけだ、とお互いを励ましあう。


外部との連絡が取れたからか、皆の表情も心なしか明るい。

ある者はグループ毎に身を寄せ合い、ある者は一人ですみに丸くなっていた。



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:23:40.16 ID:tBNYtMmS0
体育館中央にはギコとしぃ、端にはちんぽっぽの遺体があった。
誰もそれらには近づかない。
つとめて話題にも出さない。

ただ一人、ワカッテマスを除いては。

( <●><●>)「ビロードさん……ちんぽっぽさん……」

ちんぽっぽの遺体に、なにやら呟くワカッテマス。
彼の目には、決意めいた暗い光が宿っていた。

( <●><●>)「許さない……あいつ等のせいだ……絶対に許さない……」



('A`)「ワカッテマス……」

( ゚∀゚)「……そっとしておいてやれよ。今日一日で、親友二人も失くしたんだ」

('A`)「ああ……」



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:24:03.04 ID:tBNYtMmS0
( ・∀・)「……偽善者ぶりやがって……ムカつくな」

<ヽ`∀´>「?」

( ・∀・)「ドクオのヤツだよ。しかもなんかリーダーぶりやがって」

<ヽ`∀´>「じゃあ一発ぶん殴ってやるニダ?」

( ・∀・)「いや……今は兄者も居るからな。アイツはなんかドクオ寄りだから、ちょっと目障りだ」



(;´_ゝ`)「あっ!! 俺の兄者丸になんかついてる!!」

(´<_` )「む、さっきギコをぶん殴ったときに付着したんじゃないか?」

(;´_ゝ`)「うぇ〜……」

(´<_` )「気をつけて取れよ」

(;゚∀゚)(兄者丸……?)



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:24:22.24 ID:tBNYtMmS0
('A`)「そういえば弟者」

(´<_` )「ん?」

('A`)「さっきの話だけど……」

(´<_` )「ああそうだ。俺のPCになにやら変なPDFファイルがあったんだ。あのブツブツの症状の観察日記みたいな。
       見つけたのは昨日でな。大して気にもしなかったんだが」

(;'A`)「えええ!? なんで!?」

(´<_` )「なんでと言われても知らん。あの病気を研究していたヤツがいる、ということだな。
       何故俺の目にとまるように仕向けたのかはわからん」

('A`)「……」

( ^ω^)「この学校で研究してたとか?」

(;'A`)「そんなバカな」

( ゚∀゚)「いや、そうかもしんないぞ。きっと学校の地下にでっけぇ研究所があんだよ。
     あのでっけぇ蚊も、そこの研究してたウイルスが漏れ出したせいなんだよ」

(;^ω^)「バイオハザードwww」



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:24:45.89 ID:tBNYtMmS0
( ^ω^)「お?」

('A`)「どした?」

( ^ω^)「いや……今誰か横切った気が……誰か歩いてなかったかお?」

( ゚∀゚)「生き残りがいたのか!?」

慌てて外を見渡したが、生徒の影は見当たらなかった。

('A`)「気のせいじゃないか? 大体外があんな状況なんだから暢気に歩いてないだろ普通」

( ^ω^)「うーん……」

( ゚∀゚)「状況が状況だし、ブーンも神経過敏になってんだよ」



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:24:58.94 ID:tBNYtMmS0
ξ゚听)ξ「あ、あれ?」

(;'A`)「今度はなんだよ」

ξ゚听)ξ「ねぇ、倒れてた人たち、いなくなってない?」

(;'A`)「えええ?」

ツンの言うとおり、うずくまって倒れていた生徒達が一人もいなくなっていた。

(;゚∀゚)「まだ意識があったのかな?」

('A`)「気付いて、みんな逃げれたのかな」



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:30:48.20 ID:tBNYtMmS0
ドクオたちは、さまざまな仮説を言い合った。
助けが来るのを待つ間、口を動かすことで気を紛らわそうとしてたのかもしれない。


突然変異。

バイオ兵器。

目の錯覚。

人類\(^o^)/論。

夢オチ。


しかし体育館に閉じ込められ、身動きできないドクオたちに、答えが出ようもなかった。

( ゚∀゚)「……なぁ。いつごろ来るんだろうな、警察」

ξ゚听)ξ「この島の警察じゃ頼りになんないし……本土から駆除班みたいのが来るんじゃない??」

('A`)「だとしたら結構かかるよな……」




たぶん、すぐに助けが来る。

きっと、大丈夫。



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:32:49.76 ID:tBNYtMmS0
(´<_` )「……ドクオ。まずいかもしれん」

('A`)「え?」

(´<_` )「本土でも同じ状況なようだ」

( ゚∀゚)「はい?」

(´<_` )「いま、某巨大掲示板を見たんだが、大変な祭り騒ぎになってる」

( ^ω^)「……?」

(´<_` )「まぁ簡単に言えば、あの巨大な蚊が発生してパニックになってるのはこの島だけじゃないということだ」

ξ;゚听)ξ「そんな……」

(;^ω^)「え? じゃあどうなるんだお?」

(´<_` )「なんとも言えんが、簡単に救助してはもらえないだろうな」



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:33:50.69 ID:tBNYtMmS0
ξ゚听)ξ「あ、あたしもう一回電話してみる!!」

ツンは再度110番に助けを求める。
しかし、返ってくるのは録音テープだった。

ξ゚听)ξ「なんで……なんで繋がらないのよ……」


(;゚∀゚)「あ〜……なんか漫画で見たことあるなこういう状況。
     全世界で似たようなことが起こってたり、とか。はは、それで警察もパ、パンクしてんじゃないのか」

(;'A`)「そ、そんな馬鹿な……!!」



('A`)「んなわけ……ねぇだろ……」

ドクオの声が空しく響く。
しかし、次の言葉が出てこない。

誰もジョルジュを否定することはできなかった。



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:34:21.21 ID:tBNYtMmS0
(´<_` )「それで、どうするんだドクオ」

('A`)「ど、どうするって言ったって」

(´<_` )「この状況をどうにかしないのか、って聞いてるんだ。あそこで気が狂っとる教師には何も期待できんぞ」

(;'A`)「……」

(´<_` )「このまま助けが来るまで立て篭もるか? どれくらいかかるかわからんが。
       立て篭もるのに大事なのは、情報収集とライフラインだな。携帯があるから外のことは大体分かるかもしれない」

(´<_` )「あいにくココには食糧がない。トイレも外だから、水道も確保できない。
       水なしで人が何日生きられるか知らんが、最悪の状況を考えた方がいいだろうな」

( ・∀・)「な、何言ってんだよ。このまま助けが来るまで待ってたほうがいいだろうが。
      大体よ、なに勝手に決めようとしてんだよ」

(´<_` )「……お前には聞いてない」

(#・∀・)「……ッ!! なんだとテメー!!」

(;'A`)「や、やめろって!!」



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:36:19.65 ID:tBNYtMmS0
(;゚∀゚)「……ドクオ……なんかコイツ、こんな状況なのに生き生きしてないか」

(´<_` )「聞こえてるぞ」

(;゚∀゚)「い、いや……」

落ち着け……落ち着いて考えろ……。

普通に考えて、これは現実世界なんだ。

ジョルジュが言ってたバイオハザードなんて、起きる筈が無い。

外に出たら危ないんだ。

このまま助けが来るのを待ってた方がいいに決まってる。



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:37:33.49 ID:tBNYtMmS0

('A`)「このまま、立て篭もろうよ。外に出るのは危ない」

(´<_` )「……そうか。わかった。兄者」

( ´_ゝ`)「ん?」

(´<_` )「そろそろ行こうか」

( ´_ゝ`)「お、行くの? 了解」

(;'A`)「え? え?」

(;^ω^)「ど、どこ行くんだお」

(´<_` )「ここを出る。意見の相違があったようだから」

(;゚∀゚)「な、なんでだよ!! 外の奴等見てたろ!?」



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:38:03.19 ID:tBNYtMmS0

……生き生きしてる、か。

……確かにそうかもな。


きっとこのままでは終わらない。

根拠はない。

そんな気がする。


現状はもっと悪化するはずだ。


だとしたら、助けなんて来ない。


ゾンビ映画の定石だろう?

どんなに頑丈な殻に守られたって、いつかは壊されて、侵入されるんだよ。


(´<_` )「俺らはもっと安全な場所に行く」



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:38:56.90 ID:tBNYtMmS0
「待って!!」

二人の足が止まる。
ドクオは俯きながら、しかし決意めいた表情で言った。

('A`)「わかった……わかった。俺も、一緒に行く」

ξ゚听)ξ「ドクオ……!?」

(´<_` )「……それでこそだ」

( ゚∀゚)「なんで……!?」

('A`)「わかんない。わかんないけど、やっぱり胸騒ぎがするんだ。このままじゃいけないような気がして……」



49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:39:18.93 ID:tBNYtMmS0
( ^ω^)「……ドクオが行くならブーンも行くお!!」

( ゚∀゚)「……ああ、もう!!お前らにはいっつも巻き込まれるんだよなぁもう!!

('A`)「ジョルジュ」

( ゚∀゚)「わかったよ!! 俺も行くよ!!」

( ^ω^)「別に呼んでないおwwww」

(;゚∀゚)「てめー!!」

ξ゚听)ξ「ねぇ、せめて武器になるようなモノ探しましょうよ」

掃除用具箱の中から、柄の長いほうき取り出した。
人数分は無かったが、それでも蚊を追い払うには充分だろう。

('A`)「……行くぞ」

体育館の扉が、ゆっくりと開け放たれた。



50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/26(金) 22:40:22.77 ID:tBNYtMmS0
第二話終わり



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