('A`)ドクオは宇宙人を釣るようです

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/12(金) 20:12:08.83 ID:tgzSd6nd0
 
('A`)「あー暇だな。釣りでもするか」

ぽちゃん。

('A`)「何か釣れねーかなー」

ぐいぐいっ!

('A`)「お、珍しく何か引っかかった。そらよっと」

(゚、゚トソン バシャーン

('A`)「何者だよ」



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/12(金) 20:15:36.41 ID:tgzSd6nd0

(゚、゚トソン ふるふるふる

(゚、゚トソン「ここが地球ですか」

('A`)「地球ですよ」

(゚、゚トソン「ようし、頑張って地球人滅亡させるぞー」

('A`)「おう。頑張れ」

ざぶーん

('A`)「海に帰れ。南無南無」

('A`)「さて、帰って飯にするか」



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/12(金) 20:18:35.21 ID:tgzSd6nd0

俺の名はドクオ。鬱田ドクオ
海岸沿いに住む高校一年生。
両親は海外出張に行ってる。小学生の妹がいる。

終わり。

('A`)「今日の昼ごはんのおかず、シーチキンでいいよな?」

*(‘‘)*「わーい! 死んで」

('A`)「ごめんな、ヘリカル。兄ちゃん、仕送りを全部落としちゃってごめんな。
    無能でごめんな」

*(‘‘)*「自覚があるって事は少しはマシだね。で、いつ死ぬの? まだ生きてるの?」

追記。仕送りで暮らしている。
あと妹は怖い。



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/12(金) 20:22:55.36 ID:tgzSd6nd0

('A`)「いただきまーす」

俺は飯を食べる。
生きる為に飯を食う。

*(‘‘)*「くちゃくちゃ音立てないでよ、童貞」

('A`)「ごめんな。兄ちゃん童貞でごめんな」

*(‘‘)*「泣きながらご飯食べないで。醜い」

俺は泣いた。
妹はモテるし、勉強も出来る。
俺はその真逆。

同じ血筋なのに、どうしてこんなに違うのだろうか。
ちなみにウチにはテレビがないので、食事中は結構気まずい



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/12(金) 20:26:06.91 ID:tgzSd6nd0

('A`)「ちょっと夢を探してくる」

*(‘‘)*「永遠にばいばーい」

飯を食い終わった俺は、妹に見送られ旅へと出た。
散歩である。
食後の散歩は、俺の習慣である。健康第一。

('A`)「あなたは〜もう、忘れたかしら〜あなたがくれた〜魚の目玉〜♪」

ポケットに手を突っ込みながら、歩く俺。
潮風が心地よい。
あー、巨乳揉みたい。
美人教師といけない関係になりたい。

俺は風情を感じながら歩いていた。
その時だった。



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/12(金) 20:30:01.45 ID:tgzSd6nd0

(゚、゚トソン「こんにちは。地球人さん」

('A`)「こんにちは。どこかでお会いしましたっけ?」

見覚えのあるような、ないような女と出会った。
年は同じくらい。
そこそこ可愛いが色気がない。主に胸がない。
そして性格は電波だ。スルー決定。

('A`)「ちょっと今から金髪ツインテールの可愛い幼馴染と出会い頭でぶつからなきゃけないから、
    では、これにて失礼」

(゚、゚トソン「待って下さい」

袖をつかまれた。嫌な予感その一。

('A`)「病院はあそこの内藤クリニックがおすすめです」



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/12(金) 20:39:23.30 ID:tgzSd6nd0

(゚、゚トソン「違います。一つお聞きしたい事があるのです」

('A`)「はい?」

嫌な予感そのニ。

(゚、゚トソン「申し送れましたが、私は第三エクトセルプト星第一級銀河総帥のトソンと申します。
     銀河惑星条約第八千七十条に基づき、この星にすむ人類、地球人を滅亡させる事になりました」

('A`)「そうですか」

(゚、゚トソン「理由は環境汚染による星の力『スターヴィップ』の減少値が三割を超えたからです。
     この星の未来の為、一度人類を滅ぼしリセットするのです」

('A`)「是非とも俺の人生のリセットボタンも押してください」

(゚、゚トソン「しかし、私はこの決定にはまだ納得していません。
     銀河連邦のやり方は主観的で客観性に欠けています。
     その点にういて抗議した所、この星の命運は私に一任される事になりました」

('A`)「来世は俺だけイケメンにして後の男はブサ面にしてください」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/12(金) 20:45:21.78 ID:tgzSd6nd0

俺はめんどくさいなー、と頭をかいた。
女の子から声をかけられるなんて、人生ではじめての経験である。

だけど、そのお相手は電波だった。
可愛いけど電波だった。
流石に常識人である俺がお相手できるような相手ではない。


('A`)「……で? 聞きたい事って何ですか? 宗教ならお断りですけど」

(゚、゚トソン「失礼。話が長くなってしまいました。とにかく、そういった理由から、私は
     『果たして地球人は生かす価値があるのか?』という事を判断しなければなりません。
     猶予期間は一ヶ月です」

(#'A`)「で? 何が聞きたいんですか!?」


流石に俺も切れた。悪徳キャッチセールスのが、まだましである。
大抵、そういうのだとお相手は美人なねーちゃんだからだ。
俺は年上スキーなのだ。あと巨乳派。



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/12(金) 20:50:23.44 ID:tgzSd6nd0

(゚、゚トソン「ごほん。つまり――あなたは人類滅亡に賛成ですか?
     それとも、反対ですか?」

なるほど。そういう怪しげなアンケートか。
ここで反対とか言うと、怪しげな薬を売られるに違いない。

俺は天邪鬼なので、あえて

('A`)「賛成」

にした。

(゚、゚;トソン「え……? 賛成、ですか?」

('A`)「おう。滅べ滅べ。特に道行く中学生カップルなど滅んでしまえ。
    互いに赤面しながらも手を握り合って休みの日には手作りお弁当とかもうね、アホかと。
    お前ら、どこの新婚さんだよ、と。コンビニで買った肉まんを一人歩きながら食べる俺のこのむなしさ
    どうすればいいのって思うわけですよ。つまり滅んでいいと思います」



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/12(金) 20:53:45.58 ID:tgzSd6nd0

俺は早口にそうまくし立てた。
すると、宇宙人は

(゚、゚;トソン「……分からない。貴方も、一応私と同じヒューマンでしょう?」

('A`)「人間です」

ヒューマンとかカタカナ使う辺り、キャラに徹してるなーと感心する俺。

(゚、゚;トソン「死が怖くないのですか? もっと、生にしがみつかないのですか?」

('A`)「性には大いに興味がありますけど?」

下品な返答をぶちかます。が、宇宙人にはあまり聞かないようだった。
早く解放してくんねーかな。ブックオフに立ち読み行きたいんだよ!(in心)



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/12(金) 21:02:00.24 ID:tgzSd6nd0

(゚、゚;トソン「おかしい。連邦の調べによると、地球人は己がのうのうと生きていくためには
      星のバランスなど考えず、何もかも利用、破壊する人種だと書いてあったのですが……」

何かぶつぶつ呟き始めた。
やばいなー。逃げるタイミングを失ってしまった。
こうなったら強引に逃げるしかない。

(゚、゚トソン「もう少し、観察する必要があるみたいですね」

('A`)「そうですか。じゃ!」

俺は爽やかに手をあげ、忍者の如く走り去ろうとした。
肩をつかまれた。ひぃぃ! やっぱりやばいってこの人!

(;'A`)「すいません許して下さい事務所に連れ込むのだけは勘弁してください」

(゚、゚トソン「決めました。あなたを、サンプルとしてしばらく観察する事にします」

(;'A`)「ああもう、何でもいいから早くどっか行って下さい。刺されたくないです。痛いのは嫌……え?」

宇宙人は俺から手を離し、無表情のまま

(゚、゚トソン「これから一ヶ月、よろしくお願いします」

そう言った。
俗に言う宇宙人型ストーカー時代の幕開けである。



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