('A`)バケモノが暮らすお城のようです

30: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 14:40:47.49 ID:ValHNKvi0

第十話  再来


城と草原の間にある大きな森の中
三人は草木を掻き分けながらゆっくり進んでいた。


ガサガサ
( ^ω^)「おっおっおっお」

ガサガサ
(;'A`)「……あのさ」

ガサガサ
(;'A`)「…森が自然のままってのも考え物だと思わない……?」

ガサガサ
(;ФωФ)「…燃やさんぞ」

ガサガサ
(;'A`)「いやそうじゃなくて……ちょっと考えただけ…」

ガサガサ
( ^ω^)「おっおっおっお」



31: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 14:42:37.82 ID:ValHNKvi0

ガサガサ
(;ФωФ)「…草木は世界と生物の為にもなくてはならん」

ガサガサ
(;ФωФ)「……それを精霊のわしが燃やすなど……言語道断じゃ」

ガサガサ
(;'A`)「……そうじゃないってば」

ガサガサ
(^ω^ )「遅いお!何やってるんだお二人共!」

ガサガサ
(;'A`)「……お前は何でそんな元気なんだよ」

ガサガサ
(;ФωФ)「…疲れないのか?」

ガサガサ
( ^ω^)「このぐらいで何言ってるんだお!」

ガサガサ
(;'A`)「……」

ガサガサ
(;ФωФ)「……」



32: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 14:44:17.54 ID:ValHNKvi0

ガサガサ
(;'A`)「……なぁ」

ガサガサ
(;ФωФ)「……なんじゃ」

ガサガサ
(;'A`)「もしこれでシュールが見つかんなかったらさ……」

ガサガサ
(;'A`)「……やってみたい事があるんだ」

ガサガサ
(;ФωФ)「……なにを」

ガサガサ
(;'A`)「……えっと」

ガサガサ
( ^ω^)「お!」

(^ω^ )「見えたおー!」

(;'A`)「!!」(;ФωФ)



33: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 14:46:05.08 ID:ValHNKvi0

ガサガサ
( ^ω^)「おっおっおー!」

ガサガサ
(;'A`)「……」

ガサガサ
(;ФωФ)「……何をやりたいって?」

ガサガサ
(;'A`)「……着いてから話させて」

ガサガサ
(;ФωФ)「……うむ」

( ^ω^)「おー!!」



34: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 14:48:04.47 ID:ValHNKvi0

(*^ω^)「すごいおすごいお!やっぱり広いおー!」

森を抜けると真っ先に太陽の光が目に入る。
その下には広く、緑一面の草原が視界を埋めつくす程に広がっている。
それを見たブーンはすぐに草原を走り出す。


⊂ニニニ(*^ω^)ニニ⊃ブーン!


遅れてドクオとロマネスクも森を抜け出した。


(;'A`)「…元気だな、本当に」

(;ФωФ)「目が!目があああ!!」

(;'A`)「ばか!早く木の影に……!」

(;'A`)「……俺もいこ」



36: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 14:50:04.40 ID:ValHNKvi0

(;ФωФ)「……」

(;'A`)「大丈夫か?」

(;ФωФ)「…いや、いきなりこの光は死ねる」

(;'A`)「…前から思ってたんだけどさ」

(;'A`)「何で光が嫌いなの?」

(;ФωФ)「…まぶしいから」

(;'A`)「はぁ?」



37: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 14:51:35.85 ID:ValHNKvi0

(;ФωФ)「ただ単にまぶしいからじゃ、深い理由はない」

('A`)「……それだけかよ、心配して損した」

(;ФωФ)「…そんなことよりも」

(;ФωФ)「おらんな…」

('A`)「…ああ」


草原に視線を戻す。
だだっ広い草原を見渡して生物と呼べるものはブーンのみ。


('A`)「いない…」



38: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 14:53:23.19 ID:ValHNKvi0

( ФωФ)「…」

('A`)「…」

( ФωФ)「…何をするつもりなんじゃ」

('A`)「…」

('A`)「…やっぱりいいや」

( ФωФ)「は?」

('A`)「…忘れていいよ、俺寝る…」

( ФωФ)「いやいやいやいや何を言っとる」



39: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 14:55:41.93 ID:ValHNKvi0

(-A-)「…ここなら日光もまぶしくないし」

( ФωФ)「待て、寝るな。気になるじゃろうが」

(-A-)「…だから忘れていいって」

( ФωФ)「だめじゃ、話せ」

(-A-)「…」



(!)



40: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 14:57:47.18 ID:ValHNKvi0

(-A-)「…そういえば、話してなかったと思うんだけどさ」

( ФωФ)「逸らすな、言え」

(-A-)「…この草原で目が覚めた時」

(-A-)「…走ってた気がしたんだ」

( ФωФ)「…?」

(-A-)「…たぶんね」

( ФωФ)「…」

(-A-)「……そんだけ…おやすみ」

( ФωФ)「……」



(……何でここに?)



42: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 14:59:29.09 ID:ValHNKvi0

(-A-)

( ФωФ)「…結局なんだったんじゃ」

( ФωФ)「…」


( ФωФ)

( ФωФ)「…いかん、わしまで眠くなってきた」



(……)



43: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 15:01:04.09 ID:ValHNKvi0

( ФωФ)「…思ったより疲れておるか」


⊂ニニニ(*^ω^)ニニ⊃ブーン


( ФωФ)「…あいつは元気じゃのう」

( ФωФ)「……」

( ФωФ)「…奴もおらんし」

( ФωФ)「……少しなら…」

( ФωФ)「…」

( ФωФ)

( ФωФ)「zzz…」



(……やった)



44: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 15:02:39.74 ID:ValHNKvi0

ロマネスクが寄りかかる木の数メートル後ろ。
そこから静かに二人に近づく一人の女性。




lw´‐ _‐ノv(あるもんだね、御都合展開って)

lw´‐ _‐ノv(まさか大の大人が二人してこんなとこで寝るとは)

lw´‐ _‐ノv(……ほんと何しに来たんだろ)

lw´‐ _‐ノv(どうでもいっか)

lw´‐ _‐ノv(まずはうるさい方から…)

( ФωФ)「zzz…」



45: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 15:04:43.44 ID:ValHNKvi0

シュールはロマネスクの頭にそっと右手を置く。

lw´‐ _‐ノv「♪」

(⊃ФωФ)「zzz…」

するとロマネスクの頭から煙がゆっくり湧き上がり
シュールは左手の人差し指を煙の中に指を入れ、指だけを回し始める。

lw´‐ _‐ノv(白か……つまんない生活送ってるなぁ)

 ニア∬  

(⊃ФωФ)

やがて煙は止まり、シュールの指にわた飴のような状態で集まる。



47: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 15:08:01.67 ID:ValHNKvi0

lw´‐ _‐ノv(やっぱり大して味しない)

lw´‐ _‐ノv(精霊の甘々生活じゃこんなもんか)


⊂ニニニ( ^ω^)ニニ⊃ブーン


lw´‐ _‐ノv「!!」


シュールはブーンの走ってる姿を見て慌てて姿を木の後ろへ隠した。



49: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 15:11:03.24 ID:ValHNKvi0

⊂ニニニ( ^ω^)ニニ⊃


lw´‐ _‐ノv(気付かれてない…ね)

lw´‐ _‐ノv(びっくりした……もう一人いたんだ)

lw´‐ _‐ノv(…)

lw´‐ _‐ノv(早めに済ませよう)


ゆっくり歩き始める。



51: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 15:13:05.76 ID:ValHNKvi0

lw´‐ _‐ノv(…)

ドクオの傍へ歩み寄り、しゃがむ。
先程と同じように手を伸ばしてドクオの頭に置く。

(⊃-A-)

lw´‐ _‐ノv(…)

lw´‐ _‐ノv(あれ?)


しかし煙は出ない。


(⊃-A-)「…おいブーン」

lw´‐ _‐ノv(!?)



52: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 15:14:38.80 ID:ValHNKvi0

(⊃-A-)「…今眠いからさ」

lw;´‐ _‐ノv(起きてた…!?)

⊃))(-A-)「…いじるならロマネスクの方にして」

lw;´‐ _‐ノv(…)

(-A-)「…」

(-A-)「…おい…?」

(-A-)「…」

('A`)

lw´‐ _‐ノv

('A`)



56: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 15:16:42.34 ID:ValHNKvi0

lw´‐ _‐ノv「御機嫌よう」

('A`)「…」

(゚A゚)「おお!?」

lw´‐ _‐ノv「可愛いからってその反応はちょっと受け付けないな」

(;'A`)「いやいやいやいや」

(;'A`)「…何しようとした」

lw´‐ _‐ノv「別に何も」



58: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 15:19:10.24 ID:ValHNKvi0

(;'A`)「…お前さ」

(;'A`)「夢、食うんだろ?」

lw´‐ _‐ノv

lw´‐ _‐ノv

lw´‐ _‐ノv

lw´‐ _‐ノv「聞いたんだ」

(;'A`)「…そりゃ聞くよ」

lw´‐ _‐ノv「ま、別にいいんだけどね」

(;'A`)「…話聞かせてくれない?」

lw´‐ _‐ノv「もう食事はできたから」

(;'A`)「…?─!!」

(;'A`)「ロマネスク!?」



60: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 15:20:57.02 ID:ValHNKvi0

(;'A`)「おい!!起きろ!!おい!!」

顔を叩き続ける、がロマネスクに反応はない。

( ФωФ)

(;'A`)「…おい?」

lw´‐ _‐ノv「死んではいないよ」

(;'A`)「…」

lw´‐ _‐ノv「ちょっと夢をいただいただけです」

lw´‐ _‐ノv「不味かったけど」

(#'A`)「っ!てめぇ!!」

勢いよくシュールに殴りかかる。



62: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 15:22:27.48 ID:ValHNKvi0

lw´‐ _‐ノv「そう熱くならなくてもいいのに」

(#'A`)「─っ!!」


ドクオがシュールに辿りつく前にシュールは翼を広げ、飛んだ。
怒りはするものの手は届かない。


(#'A`)「…ほんとに飛びやがった」

lw´‐ _‐ノv「サキュバスですから」

(#'A`)「…何処にそんなもん隠してたんだ?」

lw´‐ _‐ノv「ひ・み・つ」

lw´‐ _‐ノv「あんたは精霊じゃないの?」

(#'A`)「…吸血鬼だ」

lw´‐ _‐ノv

lw´‐ _‐ノv「え?」



65: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 15:24:21.45 ID:ValHNKvi0

lw´‐ _‐ノv「嘘でしょ?」

(#'A`)「さぁな…」

lw´‐ _‐ノv「信じられないな」

(#'A`)「うるせぇ!降りて来い!」

lw´‐ _‐ノv「…」



67: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 15:26:14.47 ID:ValHNKvi0

lw´‐ _‐ノv「吸血鬼って血を吸うんでしょ?」

(#'A`)「…」

lw´‐ _‐ノv「なら、さ」

lw´‐ _‐ノv「そいつの血、吸ってみてくれない?」

ロマネスクを指差す。

(# A )「─っ!」



69: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 15:28:04.12 ID:ValHNKvi0

lw´‐ _‐ノv「そしたら、色々と話してもいいよ」

(# A )「…」

lw´‐ _‐ノv「ま、このままどっかに行ってもいいんだけどさ」

(# A )「─!」

lw´‐ _‐ノv「ほら、早く」

(# A )「…」



70: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 15:30:05.93 ID:ValHNKvi0

ほんの少しの沈黙。
シュールはそれをニヤニヤしながら見下ろす。


(# A )「…いいぞ」

lw´‐ _‐ノv「ん、よし」

(#゚A゚)「もういいやれ!!ブーン!!」

(#^ω^)「お!!」


ブーンは両手に土を握りしめ、シュールに思いっきり投げた。
ブーンの位置はシュールの後ろ、当たった場所は─

lw;´‐ _‐ノv「─ぐっ!?」

シュールの翼。

lw;´‐ _‐ノv「…ぅ」



74: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 15:32:30.20 ID:ValHNKvi0

lw;´‐ _‐ノv「…ちょっと焦った」


衝撃に体勢を崩すものの飛行はやめない。
少し高度が落ちるがかろうじて持ち直した。


(#^ω^)「まだだお!!」

lw;´‐ _‐ノv「─!!」

lw;´‐ _‐ノv「翼が……!?」


が、翼についた土が重く感じる。

lw;´‐ _‐ノv(重いんじゃない…抑えられてる…?)

lw;´‐ _‐ノv(…あいつも精霊だったんだ……)

lw;´‐ _‐ノv「──!!」



75: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 15:34:31.60 ID:ValHNKvi0



羽ばたくことのできない翼は─


ドサ
Σlw;´‐ _‐ノv「ぐっ!!」



シュールを地に落とした。



76: ◆8ucKZ4ro3. :2009/02/11(水) 15:37:56.58 ID:ValHNKvi0

(# A )「よう」

lw;´‐ _‐ノv「…」

lw;´‐ _‐ノv「…降参」

lw;´‐ _‐ノv「…何でも話すからさ」

lw;´‐ _‐ノv「殴るのは勘弁して」

(# A )「…」

( ^ω^)「…ドクオ」

(# A )「…わかってる」

( A )「…」

('A`)「よくやったぞ、ブーン」

( ´ω`)「…疲れたおー…」



第十話  終



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