('A`)と怪異のようです
- 6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 17:42:34.74 ID:4g2duaV90
- ('A`)「野菜も食わんといかんのかな…」
- 俺は、三日間溜まったうんこを出し切るべく、便器の上で漫画を読んでいた。
- トイレにある漫画とか、新聞紙とか、トイレに置いてあるものは正直汚いと思う。
- だが、これはトイレに置く用の漫画だ。トイレに置く用の漫画だ。大事な事なので二回言いました。
- ブックオフの処分品コォナァで乱雑に置かれていた、一冊五十から十円までの本。
- 落丁、印刷ミス、鼻糞付き、落書き、カピカピしたものが付いたエロ漫画だとこんなもんなんだろう。
- それを売る本屋もどうかしていると思うが、転んでもただでは起きぬと言うやつなのだ。多分。
- 『ちーっす! ドクオ! 遊びに来たぜ!』
- そして、そんな俺の快便タイムを邪魔する不届き者が出現した。
- 出口に身が顔を出してたってのに、引っ込んじまったじゃねーか。
- これでも地味に力んでたんだぞ。
- 『開けろよ! 聞こえてんだろ! 開けろって!!』
- うるせぇ黙れ。
- エクスクラメーションマークが多過ぎだっての、この騒音公害野郎が。
- ('A`)「今うんこしてるんだよ!」
- 取りあえず、先日の内藤の助言通り叫んでみた。
- これで、ドアがぶち破られる事がなくなればいいのだが。
- 8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 17:44:25.79 ID:4g2duaV90
- 『そっちがその気なら容赦しねぇぞ!』
- しかし、相手が大声を出している所為で、俺の声が届かない。
- 乱暴にドアがぶち破られる。訂正、乱暴じゃないぶち破り方なんてないよな。
- 先週直したばっかだったてのに、何してくれとんじゃこの腕振りおっぱい星人め。
- _
- ( ゚∀゚)「おお久し振り! 久しいなドクオ! 遊びに来てやったぜ! この俺が!」
- この俺様が! と言いながら、土足で人の部屋に上がり込む。
- どうして俺の知人達は、日本人としての礼儀がなってないのだろう。
- ああ、日本人以前の、人としての問題でした。
- こんなのが俺の従兄弟だなんて、世の中は狂ってる。
- ('A`)と怪異のようです
- _
- 『何をしているんだお前さん』の巻( ゚∀゚)
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 17:47:56.94 ID:4g2duaV90
- _
- ( ;゚∀゚)「って、クッサ! くっせぇ! 何だこの臭い! まさかドクオが中で腐乱死体に!?」
- 確かに、俺は部屋で孤独死するタイプに見えるだろう。
- くれぐれも夏場に死なないよう注意しなければ。
- じゃなくて、
- ('A`)「どう嗅いでも便臭だろ…」
- _
- ( ゚∀゚)「ん? 何隠れてるんだドクオ、姿現せよ! 隠れんぼか?!」
- 何故と書いてなにゆえと読む。
- 何故そんな結論に行き着くのだろうか、理解出来ない。
- だんだんだんと床を踏み鳴らす音。
- いい加減、階下の住人がキレて床をぶち破って来そうだ。
- 隣の、壁をぶち破って来たヒッキーのように。
- がちゃり、開けられるトイレの扉。
- _
- ( *゚∀゚)「見ーつっけたあ!」
- _
- ( ;゚∀゚)「クサッ!!?」
- ばん! と閉められるトイレの扉。その間、実にコンマ数秒。
- 今のでトイレの鍵が壊れて、閉じ込められたらどうする。
- それこそ糞まみれの腐乱死体の出来上がりだ。
- つーか、勝手に人が入ってるトイレに入って、その言い草はないだろう。
- 12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 17:50:59.32 ID:4g2duaV90
- お゙ヴぇ゙ーえれえれえれびちゃびちゃびちゃ、と床にぶち撒ける音が聞こえる。
- その床の吐瀉物は誰が掃除すると思ってんだ、この毛虫眉毛が。
- つーか、今回は内藤みたく風呂場にいなくても誰かが来やがったな。
- …いや、トイレもある意味水場か、畜生。
- ジョルジュと言い、その他大勢と言い、お前らは水に呼び寄せられる幽霊か何かか。
- ('A`)「この間の悪さは絶対何かあるだろ…」
- このままだと、将来俺が嫁とあはんうふんしてる間に強盗が押し入ってくるかもしれない。
- 会社をサボッたら説教強盗とか、一緒に飯を食う居直り強盗とか。
- ('A`)「なんだか有り得そうで嫌だ」
- 嫁や就職ではなくて、強盗が来そうな辺りが。
- 引っ込んだ大便に、区切りをつける。
- 出してないけど、トイレットペェパァで丹念に拭く。
- 一応出口まで出かかったしね、下着に茶色い染みとか付くのは嫌だし。
- ごぼじゃあと流してから、下まで降ろしてたスウェットを上げる。
- 大腸菌が手についた状態で服を触るのは汚いとかなんとか誰かが言っていたが、
- トイレと手を洗う場所(洗面所)が4m離れてるこの部屋じゃ、どうしようもねーだろ。
- そこまで丸出しで行けってのか。
- 行っていいのか。
- おぢさんイっちゃうよ?
- 13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 17:54:01.49 ID:4g2duaV90
- 他人の家ではないのだし、まあいいかと楽観的に考えて、丸出しのまま洗面所に向かう。
- _
- ( ゚∀゚)「ドクオ、うんこしてるんなら教えてくれよ」
- ('A`)「人の話を聞かなかったのはどこのドイツだ」
- 洗面所に手を洗いに行ったら、風呂場のシャワーで豪快に口を漱ぐジョルジュと遭遇した。
- 服を脱がずに、頭から水を被ってる所為でネグリジェがスケスケだ。
- 青と白の縞模様のガラパンとか、白い生地にグロ画像が印刷されたランニングとか。
- 無駄なく剃られた腋毛まで、色々と見たくないものがスケスケだ。
- 俺の視線に気付いたのか、内股になり、その筋肉質な腕で胸部を覆う。
- _
- ( ゚∀゚)「やんドクオのエッチ」
- その姿は、昔引っ掛かったモーターサイクルに匹敵する程。
- ('A`)「この場合、悲鳴をあげるべきなのは俺だと思う」
- 汚物を視界に入れないように手を洗う。
- 洗ってから、廊下に広がるゲロを片付けなければならん事に気付く俺。
- 静かに泣いた。
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 17:57:53.72 ID:4g2duaV90
- ( ^ω^)「おやおや、懐かしい顔があるお」
- _
- ( ゚∀゚)「んん…西川? いや、内藤、か?」
- ( ^ω^)「内藤だおwwwwwいい加減見分けつけろおwwwwwwww」
- _
- ( ゚∀゚)「わりーわりー。お前らって従兄弟なのに双子みたいに激似でさー」
- ( ^ω^)「よく言われるおっおwwww」
- _
- ( ゚∀゚)「『(』と『(』の違いとかパッと見じゃ見分けられねーよwwwww」
- 俺を差し置いて、客同士で慣れ合うとかマジ死ねばいいのに。
- まるで、ハムスタァを二匹飼って、ハムスタァ同盟を組まれたあの時のような気分だ。
- (-_-)「その例えが逸脱だよ…ドックン」
- 餓鬼が現れた。
- ('A`)「お前、どっから入って来やがった」
- (-_-)「この僕が作り過ぎたオムライスをお裾分けしてやろうと、この大皿を両手やって来たのに
- 何故だかドアが開いてくれなくてね…。心苦しいけど、また壁を薙ぎ払わせてもらったよ」
- まさにオムナギ。俺はゲロ雑巾をヒッキーの持つ大皿に投入した。
- しかし、寸での所で避けるヒッキー。
- この家に居る俺以外の奴ら、敏捷性高過ぎだろ。
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 17:59:29.70 ID:4g2duaV90
- ('A`)「俺の部屋のドアは、自動ドアじゃねーんだぞ」
- (-_-)「ふふふ…僕の気配を察して、ドアを開けなかった君の負けだよ…」
- 何その理不尽。もうみんな死ねばいいのに。
- (-_-)「それにしても君は友人が多いね…家に来る人がセールスしかいない僕は君が妬ましいよ」
- ('A`)「俺の友人を見て、そんな事言えるお前の目と脳が信じられない。あと片方は俺の従兄弟だ」
- ぶち破った壁の補修作業を尻目に、オムライスを食う。中々美味い。
- ちなみに、以前壁を破った時は厚紙とダンボールで直してある。
- 何故って、ヒッキーにも俺にも、そんな修理に出す金などないからだ。
- 今回の補修道具は、スネェクが入っていたダンボォルと文房具の下敷きだ。
- ダンボゥルに赤い染みのような物が付着してるが、幻覚だろう。
- (-_-)「僕は脛を齧っているのにね…敷金を負担してくれる居候がいて羨ましいよ」
- ('A`)「俺も将来的にそうなりそうで怖いから、そういう事はやめてくりゃれ」
- 大皿をトイレの水で洗いながらしながら、ついでにゲロ雑巾も洗う。
- 言っとくけど、便器に溜まってるほうの汚い水じゃないからな。
- タンクに溜まってるほうの水だからな!
- 別に汚くなんかないんだ!
- (-_-)「誰に向かって叫んでるの?」
- 17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 18:02:51.36 ID:4g2duaV90
- 無事補修作業を終えたヒッキーに一礼する。
- またも華麗なアァトを遺して逝きやがった。
- ダンボォルに付着した血糊を利用したアスキィアァトの再現とは、やってくれるぜ。
- \
- ::::: \
- \::::: \
- \::::: _ヽ __ _
- ヽ/, /_ ヽ/、 ヽ_
- // /< __) l -,|__) >
- || | < __)_ゝJ_)_>
- \ ||.| < ___)_(_)_ >
- \| | <____ノ_(_)_ )
- ヾヽニニ/ー--'/
- |_|_t_|_♀__|
- 9 ∂ (` ) (__- ) ∧ ∧
- 6 ∂ ( ) ( ) (・∀ ・)
- (9_∂ || UU へ(( ノ )ヘ
-  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- ('A`)「これは俺の将来を象徴した未来的な絵画か何かか?」
- (-_-)「中々のAAセンスだろう…ふふふ……」
- ('A`)「いや最低だよお前」
- (-_-)「精々解き放ったりしないようにね…」
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 18:06:33.49 ID:4g2duaV90
- ちなみに前回はクマーだったりする。
- アナロ熊追悼記念として、
- (\
- \\
- (\\
- \\\ ┼╂┼
- (\\\\ ∩__|_∩
- (\\\\\ | ノ ヽ
- \\ || / ● ● |
- ( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ | ( _●_) ミ
-  ̄ ̄( ̄ ̄//// ̄\彡、 |∪| 、`\
- (//// ̄\\/ __ ヽノ/´> )
- (/(/// ̄(___) / (_/
- (/(/| /
- (/(| /\ \
- | / ) )
- ∪ ( \
- \_)
- を作ってたらしいのだが。
- 地デジ化が二千十一年に延期され、使いどころを無くしたとの話だ。
- ぶっちゃけ、既に誰かが同じ事を思い付いて作ってそうなもんだが。
- ('A`)「名無しで制作したAAの著作を求める事程愚かな事はない…」
- (-_-)「何か言った?」
- ('A`)「いやなんでも」
- 20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 18:10:01.16 ID:4g2duaV90
- リビングルゥムに行くと、何故か俺以外の来客四人でぷよぷよをやっていた。
- アイスストームブレインダムドばよえ〜んと呪文が乱舞する。
- 余談だが、ダイヤキュートは間違いで、ダイアキュートが正しいらしい。
- そして、俺は余人らしく、同じ余人のヒッキーとトランプで遊ぶ事にした。
- 二人で行うババ抜きは、空しいだけだった。
- (-_-)「ふふふふ…僕には分かる…分かるよ僕には」
- ('A`)「正しい日本語の使い方」
- (-_-)「君がババを持っている事はワカッテマス( <●><●>)」
- ('A`)「二人でやってんだから、どっちがババ持ってるかなんて消去法で考えりゃわかるだろJK」
- (-_-)「女子高生?」
- ('A`)「常識的に考えて」
- 暫くして、このトランプにはジョーカーが二枚ある事を思い出した。
- 思い出した時には、二人とも既に上がっていた。
- (-_-)「虚しい戦いだったね…」
- ('A`)「ああ…」
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 18:13:43.07 ID:4g2duaV90
- ババ抜きと同時に、ぷよぷよから発展した血で血を洗うリアルファイトも無事終息した。
- 勝者はジョルジュ長岡。長岡ジョルジュだっけ? どっちでもいい。
- そいつは、最下段に内藤と布団に包まった兄者を敷いてバランスを安定さる。
- その上にダンボォルの中の人を腹這いに寝かせ、その上に空気嫁を仰向けに。
- 最後に、その上で四つん這いになったまたんきの背中に仁王立ちをしてポォズを決める。
- ふざけんな、またんきが可哀想だ。
- 俺は叫びながら、トランプを桜吹雪のように舞い散らせ立ち上がる。
- しかし、殴りかかった俺の拳は汗に塗れた胸板で簡単に止められた。
- _
- ( ゚∀゚)「よしドクオ、一段落した所で、心地良く心霊探検ツアァに行こうじゃないか」
- ('A`)「何の脈絡もなしに、どうしてそうなるんだ」
- _
- ( ゚∀゚)「ここまで来て、主要人物である俺の薄さと物語のテェマが満たされていない」
- ('A`)「俺はgdgdを希望するがな。どうせ外に出たっていい事ないし」
- 最早、内藤と兄者の一件で腹一杯である。
- …ああ、部屋にいても、嫌な事はあったけどね。うん。
- _
- ( ゚∀゚)「そんな訳だ。早速行こうじゃないか」
- ぽんと肩に手を置かれる。
- ああ、断ってもこのまま引き摺られて行かれそうだ。
- しぶしぶと了承の意を示そうとしたが、その後の言葉に、それは途中で止まった。
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 18:16:47.41 ID:4g2duaV90
- _
- ( *゚∀゚)「 『 犬 鳴 峠 』 に !」
- 以下フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用。
- 犬鳴峠(いぬなきとうげ)は、福岡県宮若市、糟屋郡久山町の境を跨ぐ峠である。
- 久山町の東端部および宮若市の西端部にあたり、峠の北側に犬鳴山(583.7m)がある。
- 糟屋郡の久山町・篠栗町側と、宮若市側を分かつ山地を越える峠の一つで、
- 福岡市と直方市を結ぶ福岡県道21号福岡直方線が通る。
- 同道路はヘアピンカーブが連続し、狭いトンネルをくぐる交通の難所であったが、
- 1975年に新犬鳴トンネルが開通した後は道幅も広がっている。
- なお、周辺は山間部なので大雨や積雪などの影響で通行止めになることもある。
- 福岡市と北九州市の中間に位置し、直方市や飯塚市と福岡市とのショートカットとして
- 利用されることや、宮若市にはトヨタ自動車九州本社である宮田工場が存在する関係などで、
- 交通量は非常に多く、大型トラックやダンプカーなども多数通行している。
- 旧道も引き続き残されたが、一部は犬鳴ダムの建設により沈み、旧道はほとんど閉鎖され、
- 旧犬鳴トンネルも両側とも閉鎖されている。
- 公共交通機関としては、宮若市・久山町を経由して福岡市と直方市を結ぶ
- JR九州バスの路線(直方線)が犬鳴峠を越えて運行されており、
- 新犬鳴トンネルの両端出口付近に停留所が設けられている。
- 停留所名は宮若市側が「犬鳴口」、久山町側が「白木橋」である。
- 犬鳴山を挟んで峠と反対側に山陽新幹線が通っているが、
- 峠近くの区域はすべてトンネル(福岡トンネル)内となっている。
- 新犬鳴トンネル入口の銘板には「新犬鳴トンネル」と記されている。
- 閉鎖された旧道トンネルの銘板には「犬鳴隧道」と記されていた。
- 峠の約2km北東、宮若市側では1970年から犬鳴ダムの建設が進められ、
- 1994年に完成した(完成当時は若宮町)。ダム湖は「司書の湖」という愛称がつけられ、
- 展望台やレストランなど観光整備もされている。また峠の入口には、
- 温泉地である脇田温泉も存在する。
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 18:20:17.78 ID:4g2duaV90
- ( ´_ゝ`)「読みにくい」
- _
- ( ゚∀゚)「ごめん、なんとか一レスに収めようとして…」
- 内藤の乳首をクリックしつつ、そんなメタな事をほざく従兄弟に、今度こそ俺は絶叫した。
- (゚A゚)「OVAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!」
- 怒りなのか悲しみなのかよくわからない、それでも、心から溢れる感情のまま拳を叩きつける。
- 今度こそ、ジョルジュは吹っ飛んで逝った。
- だが、空中で体勢を整えた奴は、壁にすとんと着地する。
- ニヤリとこちらを見て笑い、重力に従い地面に降り立った。
- _
- ( ゚∀゚)「甘いな」
- ふわりと舞い上がるネグリジェの裾。
- その絶対領域である筈の場所から、チラリとガラパンが見えた。
- (il'A`)「ヴッ」
- 途端に戦意を喪失し、地に両膝をつく俺。
- _
- ( ゚∀゚)「なんだ、そんなに嬉しいのか?」
- (゚A゚)「嬉しくねぇよ!」
- 途端に回復し、激昂する俺。
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 18:23:58.26 ID:4g2duaV90
- (゚A゚)「いいか!? 犬鳴峠ってのは泣く子も殺られる、とってもハッピィな心霊スポットなんだよ!
- それこそオカルト好きには知らない奴はいないと言ってもいいくらいの、超有名スポットだ!
- 心霊番組に取り上げられ、雑誌、ラジオ、漫画、ゲーム、小説の題材にまでなる場所だ!
- そしてそれらでは一様にバッドエンドだ! 例え生きて帰って来れたとしても、何かしらの
- 後遺症や悪夢、傷跡や不可解な現象が起こる! 車に手跡や幽霊の幻覚がマシなほうさ!
- そんな死亡フラグ酒池肉林の場所に逝くだと!? 俺の寿命が恐怖でマッハだよ糞野郎!」
- _
- ( ゚∀゚)「やっぱそう言われるくらいの本場だと、心霊写真の一枚二枚は取れるだろ?」
- (・∀ ・)「いちまーい、にまーい?」
- (゚A゚)「ふざけんな! それと、またんきのは皿屋敷だ!」
- 勢いよくテェブルに両手を叩きつける。
- ティブルはそれに耐えられず、真っ二つに折れた。軟弱物め。
- ( _ )「あみば!」
- ゴキブリが崩れた木材の下敷きになったが、気にはしない。
- 俺は、長文で消費した酸素を補う為に、深呼吸を二回繰り返した。
- 何故か、向かいのジョルジュが欠伸をした。
- これは相手が俺の深呼吸を欠伸と勘違いし、釣られたんだろうか。
- そこはかとなくどうでもいい。
- ('A`)「寺のTさんと言う人物がいても、語り部含む登場人物の誰かしらは実害を受けるんだよ
- 生存フラグの一つも立てないで行くなんて、俺はごめんだからな、マジで、本当に」
- 27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 18:25:37.10 ID:4g2duaV90
- 人生とは一度きりしかないのだ。
- うっかり軽いノリで命を捨てるなんて、ギャグでもない限りごめんだ。
- ギャグだとしても、ごめんだ。
- _
- ( ゚∀゚)「臆病者め」
- ( ^ω^)「軟弱者め」
- (-_-)「小心者め」
- ('A`)「黙れ卑怯者めら」
- その程度の暴言、痛くも痒くもない。
- ( ´_ゝ`)「親不孝者め」
- (・∀ ・)「童貞め!」
- 今のは効いた。
- それぞれ別の所に。
- ( ^ω^)「と言うか、寺のTさんなら知り合いだお」
- ('A`)「え、マジで?」
- 29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 18:30:18.07 ID:4g2duaV90
- ほうら呼べるお、と言いながら、内藤がプリクラだらけの携帯を見せつける。
- 携帯画面にも貼られていたので、ぺりぺりと剥がして捨てた。
- 今度こそ見えた画面には、登録カテゴリ英数字に一つだけ「T」の文字が。.
- ジョルジュが嬉しさのあまり、ヘソのゴマをほじくっている。
- ('A`)「今からでも可能なのか?」
- ( ^ω^)「可能だお」
- それって住職としてどうなんだ。寺にいなくていいのか。
- しかし、これで生存フラグが一つ確立された訳だ。
- いや待てよ。
- この場合、寺のTさんが偽物だと言う説もある。
- そんなのをホイホイ連れて行って大丈夫なのか?
- ('A`)「日を改めて行こうぜ、いきなりじゃ向こうも悪いだろ」
- 思考まで流されかけていたが、俺は行くなんて一言も言っていない。
- ここはTさん(仮)をダシに、ジョルジュさんに御帰り願おう。
- _
- ( ゚∀゚)「なんでだよ。行けるんなら行こうぜ」
- だから、まだ誰も行くとは明言してない。
- 携帯をしまおうとする内藤に、ジョルジュが怒ってゴマを飛ばす。くさい。
- 30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 18:31:27.87 ID:4g2duaV90
- 言っておくが、今日は平日。木曜だ。
- ジョルジュもニートなんだろうか。
- ('A`)「人数は多いほうが恐怖も軽減されるだろ。延期して人集めとけ」
- どうせ行くなら明後日に行け。
- 俺は、明日は大学に行こうと決めてたんだ。
- ( ^ω^)「要は、二人で行くのは怖いんだおね」
- ぷーくすくすと内藤が笑う。
- ジョルジュが俺を指差しプギャーm9(^Д^)する。
- ('A`)「殺されるのはごめんなのです。もう僕絶対に参加しない!」
- 捨て台詞を吐いて逃亡した。後ろから二人の罵倒が聞こえる。
- 防音設備の整った扉を閉めて、音を遮断。この部屋の前の住人は何がしたかったんだろう。
- ちなみに、逃亡先は比較的安全圏の兄者とまたんき。
- ( ´_ゝ`)「星黴スパデラでヘルパァをアイテムに戻す技って、なんて言うんだっけ?」
- ('A`)「すっぴんビィム」
- (・∀ ・)「かぁびぃって、おばさん達の敵だったんだな…」
- やっぱり、俺は此処がいい。
- ところでTさんのTって、名字なの? 本名なの?
- 35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 18:43:16.38 ID:4g2duaV90
- 一方その頃。
- 真夏の昼下がり。うだるような熱気。
- けれど、遠い年月を経た銀杏の木のお陰で、此処は涼しげな風が吹く。
- 鳶が高く鳴き、草むらから野鼠を捕まえて飛び上がった。
- さんさんと降り注ぐ日光に瓦の一つ一つが輝き、仏の威光をこれでもとか光らせる。
- ハゲの頭のように。
- そこに響くは木魚の十六ビィト。
- 軽快なリズムに鈴が華を添え、団扇太鼓が音を彩る。
- 撞木で撞き鳴らす梵鐘の、重く余韻のある響きが底を支えた。
- (´<_` ;)「…」
- もう何処の宗教だ。混ぜ過ぎて分からない。楽器も経も混ぜこぜだ。
- そして、その混沌に値する楽曲を制作する破戒僧が一人。
- (゚Д゚トソン「NAN! MAN! DA!」
- 激しくヘッドバンキングする度に、長めに結ったポニテが髪の無い頭頂部に当たる。
- 当たる度に、ぺちんぺちんと情けない音がする。
- 弟者は、込み上げる笑いを必死になって堪えた。
- ちなみに、鈴とは鈴(すず)ではなく鈴(りん)である。
- 仏壇にある、ちーんとか鳴らすやつだ。そう言えば皆大体分かるだろう。解れ。
- 36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 18:46:19.29 ID:4g2duaV90
- もし、ヘドバンをしているのが丸ハゲの年老いた住職だったら…。
- 入れ歯が勢いよくすっぽ抜けるんだろうか。すっぽ抜けた入れ歯が鈴にヒットしてりして。
- 金剛杵で香炉を叩き割り、甲高い音を寺に響かせる住職を見て、そう思った、
- (゚ε゚トソン「BU−!!」
- このままだと永遠に十六ビィトして、そのまま六道に突っ込みそうだ。
- 勇気を出して、猛り狂う馬の尾に話し掛ける。
- (´<_` )「…それで、兄はどの辺に?」
- バッと振り返る住職。中途半端に体を捩じっているのは、かっこつけか。
- そのまま振り返った反動で、ブリッジの体勢に移行する。
- そのまま、某ホラー映画のように、ブリッジの体勢でこちらにずぞぞと近づいて来た。
- 思わず十字を切って、出された茶をかける。渋い茶なので勿体無くはない。
- 茶が鼻に入ったらしく、都村と名乗った僧は涙目になってのたうち回った。
- (;、;トソン「ぶぼっ酷い奴だお前は! 貴様には冬に焚く火鉢の暖かさも生温い!」
- 例えが解からない。
- (´<_` )「それで、兄はどの辺に?」
- 目の前の生物は、余程お莫迦な脳味噌をお持ちの人物だと解釈する。
- そんな馬鹿だと、先程の質問を忘れていそうな気もする。
- 念の為、質問を繰り返す事にした。
- 40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 18:49:27.35 ID:4g2duaV90
- (゚、゚トソン「このYOにはいないYOだNE!!」
- 言葉ではなく、言語野が違う所為で言葉が理解出来ない。
- 何をどうやって調べたのか知れない上に、知りたくもない。
- (´<_` )「ちゃんとした目撃情報と、証拠写真もあるんですが。三日前の」
- 持って来た鞄を漁り、写真をぶち撒ける。
- 一緒にいかがわしい写真も出た。
- 慌てて拾い集める。
- 歌留多で鍛えた俺の手腕が火を噴いたぜ。
- (゚、゚#トソン「嘘だ! それはプラズマだ! 機械の誤作動だ! そうさ、幽霊なんてプラズマだ!」
- プッラッズッマッDA!! と、一音節ずつ区切りながら叫びながら、木魚を踵で叩き割るTさん。
- その木魚が砕け散った破片で片頬に傷を創りつつ、弟者は呟いた。
- (´<_`メ )「寺の坊さんやっといて、幽霊を荷電粒子扱いですか」
- いかがわしい写真が混じっていた事には、どうやら気付いていないようだ。
- 気付いてたら死ねる。恥で。
- (゚、゚トソン「正確には違うがね。プラズマとは、その自由に運動する荷電粒子の正負が混在して、
- 全体として電気的中性となっている物質の状態や、気体分子が高度に電離した状態
- 星の内部・星間空間にある物質の状態などを示す。他にもあるが、伏せておこう」
- 42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 18:52:33.95 ID:4g2duaV90
- いきなり電磁気学的なモノを言う生臭坊主に、曖昧な返事を返す。
- (´<_`メ )「はあ」
- 坊さんが教鞭を手に持ち、理工学部に並ぶ様は異質であると認識する。
- (゚、゚トソン「うむ」
- 神聖な寺にエイチな物品をばら撒いた事に気付かれなくてよかったのかな。
- なんとなく、見せて、どんな反応するのか知りたかった気持ちが沸いて来た。
- 沸いてくるだけであって、実行はしない。紳士として。
- (´<_`メ )「それで兄の事なんですけど…」
- 認知しながら、話を本題へと戻す。戻そうとした。
- (゚Д゚トソン「まだ言うかドグサレめ! お前には盆栽に生える苔の_単位ほどの正気もない!」
- そう言って、何故かそのままラップを歌い出す都村。
- 錫杖をギター代わりに、錫杖ギターを開始する。しゃらんしゃらん煩い。
- ご丁寧に、ラップは経文だ。しかし、南無阿弥陀仏と南無妙法蓮華経が混じっている。
- (´<_`メ;)「頼る相手を間違えた」
- 確信しつつ、弟者は項垂れた。
- 汗ばんだその手には、愛しの姉と兄のツゥショットの写真が力強く握られたままである。
- 45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 18:55:40.22 ID:4g2duaV90
- (゚、゚トソン「いいかね弟君、幽霊とは電子だ。数字で表せば0と1」
- 俯いて畳しか見えない視界に、健康的な色の楕円形が割り入った。
- それがこの寺の住職の、ハゲた前頭部と気付いたのはコンマ数秒経ってからである。
- (´<_`メ )「それは機械語ですが」
- 錫杖でどつかれる。加減なしで。
- 迷いなく鳩尾に入れやがった、こいつは曲りなりにも僧である筈なのに。
- (゚、゚トソン「NO! 言語化とは、文字化だ。言語は目に見えぬ、ならば視覚出来るもので説明するのみ」
- 先程とはうってかわって、真面目な口調で話す前頭部ハゲ。
- その手にプレイ中の、初代ゲェムボゥイ、初代ポケモンさえ無けりゃ完璧だった。
- どむどむどむと、壁に当たる虚しい効果音が響く。
- (´<_`メ )「画面見てプレイしろよ後頭部W字ハゲ」
- 47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 18:56:59.89 ID:4g2duaV90
- 所変わって。
- はぁ、と溜息を吐く。
- ちなみに吐くは『はく』ではなく『つく』だ。
- 嘘吐きって言うだろう?
- ('A`)「はあ…」
- これは内藤、長岡、鬱田が消費した食物の買い出しだ。
- オレンジを背に受け、とぼとぼとコンビニまでの道のりを歩く。
- 結局、なんだかんだで逝く事が…行く事が決まっちまった。
- 最初、内藤が挙手をしてくれた時は嬉しかったが、次にまたんきヒッキー我も我も。
- あれよとあれよと言う間に増員していった。
- 最終的なメンバーは、Tさん(仮) ('A`) ( ^ω^) (・∀ ・) ( ´_ゝ`) (-_-) である。
- これだけ居ると、逆に危ない気がするのは俺だけか。
- 気がつかない内に、誰か一人消されてそうだ。皆の記憶からも。
- 想像して、身震いする。
- ('A`)「途中で抜け出して、家に居ようかなあ…」
- だが、それも危険だ。
- 一人仲間の輪から外れた奴が、家に帰って変死している話もある。
- つまり、奴らを目的地に行かせない以外で、回避方法はないのだ。
- 49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 18:59:18.82 ID:4g2duaV90
- ウツダシノウ、と定番の台詞を電柱に投げ掛ける。
- 電柱は何も答えずに、犬の小便を黙って受けていた。このスカトロマニアめ。
- 俺も黙って電柱に小便をかける。
- そしたら、なんか銀色に光るものを携えた女の人に話し掛けられた。
- 何これ。俺のストーカー? 今流行りのヤンデレってやつ?
- その前に、立ちションする男に話しかける女ってどうよ。
- 川 ゚ ゚)「わたし、キレイ?」
- ('A`)「は?」
- 初対面に、いきなり何聞いてんだコイツ。
- しかし、俺はジェントルマンなので素直に答えてやる。
- ('A`)「少なくとも、俺よかマシですね」
- マスクをした女は、たっぷり固まった後「…うん」と呟いて去って行った。
- 夕日に靡く栗色の髪と、同色のコートがかっこよかった。
- あの女のコートの下も、実は裸だったりするのだろうか。
- そんな不埒な事を考え、明日に訪れる悪夢を振り払おうと努力する。
- ('A`)「御払いグッズ…コンビニにも置いてあるかな……」
- 照らす橙が、不気味と孤独を増長させていた。
- 52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/07/24(金) 19:02:46.13 ID:4g2duaV90
- ____________________________
- 暗い海に、腰までつかっている人がいました。
- それを見た通りすがりは、まさか命を捨てる気なのか、と思いました。
- 引き留めようと声をかけます。
- それに人は応えました。
- 「俺ってばホモサピエンス」
- そう言って、人は底の深い部分に移動して溺れました。
- 通りすがりは、人を引き留める事が出来ませんでした。
- ____________________________
- 3” 『何をしているんだお前さん』
- おしまい
⇒おまけ
戻る