('A`)と怪異のようです
- 2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:09:00.26 ID:77AvCbTJO
- 今までの登場人物
- ('A`)(・∀ ・)( ´_ゝ`)ミセ*゚ー゚)リ( ^ω^)o川*゚ー゚)o
- _
- ( ゚∀゚)(-_-)(゚、゚トソン(´<_` )川 ゚ ゚) ( ゚∋゚)
- 3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:11:43.03 ID:77AvCbTJO
- ('A`)「今日の運勢は…と」
- 夜に寝て、朝に起きる。
- 規則正しい生活をしている俺は、一日の始まりをTVから始める。
- 一人暮らしになってから、どうも縁のなかったTVだった。
- それも、同居人が勝手にスイッチ付ける事で縁が復活する事になる。
- 動くものを追う動物としての習性で、目が勝手にTV画面に向く。
- つまりは、誰かがTVをつけていなければ、結局見ないのだけど。
- ミセ*゚ー゚)リ『今日の運勢第一位は、蛇座の皆さんです。超ラッキー! 氏ね!
- 最下位は天秤座の皆さんです。生きてりゃいい事あるって! ざまぁ!』
- (・∀ ・)「よっしゃ一位だ!」
- 半角仮名の髪をした女が、それじゃまたねー、と手を振った直後画面がブラックアウトする。
- 別にこの一角だけ霊的な現象が起き、あらゆる電子機器が消えたとかではない。
- 兄者がゲェムをやる為に、チャンネルを外部端子に切り替えたのだ。
- それは日常の光景と化して久しいものなので、咎めはしない。
- それよりも、
- ('A`)「最下位…だと……」
- 心の中で、こんな占い結果を出した占い師にファッキンをかます。中指を立てる。
- なんだよ、生きてりゃいい事あるって。そんなの当たり前じゃねーか。
- 死んだらそこで終わりなんだから、いい事なんて無いに決まってんだろksめ。
- 4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:13:56.72 ID:77AvCbTJO
- (-_-)「上野公園の鳩のほうが僕よりご飯食べてる…羨ましい…嫉ましい…妬ましい…」
- 突如背後から響いた怨嗟の声。それは俺が心の中で吐いた悪態よりも格段上だった。
- 俺は思わずレフトエルボゥを繰り出す。手加減なしの全力で。
- 攻撃は相手の柔らかい場所に突き刺さったらしく、タコス! とか叫んで崩れ落ちる。
- (;_;)「酷いよドックン! これが君の挨拶なのかい?」
- ('A`)「その呼び方やめれ、心臓の鼓動みたいだから」
- ぎゃーぎゃー騒ぐヒッキーを片手で制しながら、朝食の開始。
- 今日は、珍しく居候二人が飯を作ってくれていたようだ。毎日インスタントもアレだしな。
- メニュゥは簡単なハムエッグとコォンフレィク、外国の食卓のようだ。
- 少し形が崩れた卵は、またんき作のものだろう。微笑ましい。
- (-_-)「そう言えば、今日は犬鳴峠に行く日だったよね?」
- 俺は皿を取り落とした。 物見事に割れた。
- ('A`)と怪異のようです
- 『そぉれマンマミィア!』の巻(-_-)
- 5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:17:46.09 ID:77AvCbTJO
- ('A`)「よし夜逃げしよう」
- ( ´_ゝ`)「朝だけど」
- 的確な突っ込みを入れてくる兄者。確かにその通り。
- しかし夜になるまで待ってれば、確実に死地へ連行される。
- ('A`)「朝逃げって言葉、語呂悪くね?」
- その後の兄者の持論を流しつつ、ちゃちゃっと朝食の後片付けをする。
- この家では、飯を作ってない奴は食った後の片付けをしてくてはならない。
- 別に決まりでもなんでもなく、ただの暗黙の了解だ。
- 特に不満もないので、黙って食器を棚に収納していく。
- ('A`)「よし」
- 一段落した所で、いつものようにパソコンの電源を付けようとする右手を制し、荷物をまとめる。
- 財布と、缶詰と、お菓子と、携帯と、手回し充電器と、これくらいでいいかな。
- 着替えは面倒臭いからいいや。
- 別に街中に出る訳でもないし、このままでいいだろ。
- ( ´_ゝ`)「…なあドクオ、そのスウェット黴生えてるぞ」
- ('A`)「俺流コゥディネィトだ」
- 物凄く何かを言いたそうな兄者を無視して、俺は長岡の用意したトラックに乗り込んだ。
- 6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:20:01.03 ID:77AvCbTJO
- (゚A゚)「ってコラァアアアアアアアアアアアアア!!!」
- _
- ( ゚∀゚)「んだようっせーな」
- そのままキィを回し、ばるんとエンジンを唸らせる軽トラ。待てコラ。
- (・∀ ・)「それじゃしゅっぱーつ!」
- ぴょんと膝に飛び乗るまたんき。軽い。
- やだなにこれぬいぐるみ? 空気嫁?
- 抱きしめてもいいかしら、この可愛いの。
- 両手をわきわきさせながらまたんきをハグしようとする。
- そしたら、誰かが携帯でボタンを三つプッシュする音が聞こえた。
- 仕方ねーな。我慢してやんよ。
- 忍耐力のある俺に感謝しろ。
- ( ^ω^)「もしドクオがまたんきに害を与えるような事があれば、僕は今から行き帰り
- ずっとお前に抱きついててやるから覚悟しろお。この骨皮ドクオめ」
- ('A`)「俺もう微動だにしない」
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:22:16.99 ID:77AvCbTJO
- そして運転席に長岡、助手席に俺、俺の上にまたんき(性的な意味ではない)。
- 荷台に肉と木と餓鬼、ダンボォルを乗せて出発した。
- 内藤の体重の所為か、微妙に前輪が浮いていた。
- _
- ( ゚∀゚)「これが今日のスケジュゥルな」
- 長岡が、修学旅行のしおりみたいな感じの本を取り出す。
- 昨日徹夜でコピー用紙に何を書いているんだと思ったら、これを書いていたのか。
- ホッチキスで留められていないので、ページを捲った瞬間それは解体された。
- ( ^ω^)「あれ、日帰りじゃないのかお?」
- 内藤が後ろの窓から前のほうに身を乗り出した事で、車体の重心が中心に移動した。
- 前輪も浮き上がる事がなくなり、スピィドが少々あがる。
- _
- ( ゚∀゚)「流石に遠いからな。それに、地震で使う筈だった高速が使えなくなっちまったんだ
- 泊まる場所は俺の知り合いが用意してくれるからタダだ。内藤はそこから動くな」
- 目的地までの道のりは長く、途中で一泊する事になりそうだった。
- 食事はどうするんだと言う内藤と、この肉めと言う長岡の口論が火花を散らすまでに発展し、
- 漏れ出したガソリンに危うく点火という所でエンストした。
- ('A`)「もうどうすんだよ」
- (-_-)「微動だにしないんじゃなかったの?」
- ('A`)「乗ってる車が爆発しそうだって時は、流石に動きますよ」
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:26:05.67 ID:77AvCbTJO
- 取りあえず、コンビニの駐車場まで移動させる事にする。
- またんき以外男だらけのむさ苦しいパァティだったので力押しで行けた。
- 軽トラの尻に手をつき、思い切り押す。
- 視界の端から、後輪が転がるのが見えた。
- ( ;^ω^)「おっしゃ行けるお!」
- 正直これは俺以外の力で動いている。
- 何故ならば、早々に力尽きてダウンした俺を置いても車は同じ速度で進み続けたからだ。
- 内藤からすっぱり戦力外通告を出された俺は、スキップしながら追いかける。
- 兄者とジョルジュから目障りだとキレられた。
- 二人とも汗だくだ。二人とも格好は涼しそうなのに。
- それよりも、ヒッキーより筋力がない事を知らされたのがショックだった。
- ('A`)「握力四百とか、どこのゴリラだ」
- (-_-)「ふふ…色々なものに嫉妬して、毎日歯を食い縛り手を握り締めていたら
- いつの間にかこのザマさ………………ヌゥン!」
- 上下真っ赤なジャージを着たヒッキーは、片手で西瓜を握り砕いた。
- 真っ赤な果実が地面に散る。
- 確かに、服の色だけを見たら、お前は熱血怪力キャラだ。
- ('A`)「森へ帰れ」
- 奴はコンクリですら、指先でつまみ砕く。
- 11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:29:17.61 ID:77AvCbTJO
- 労働力にならない俺とまたんきは、運転席と助手席に乗って移動した。
- いつケツの下が爆発するのかという人生最大の日常的恐怖に見舞われながら到着する。
- (・∀ ・)「これやる」
- まだ震える俺に、またんきが風船ガムをくれた。ありがとうまたんき。
- 全員降りて、どもりまくる俺とヒッキーに代わりに、兄者がJAFへ電話。
- _
- ( ;゚∀゚)「喉渇いたから、コンビニでなんか買おうぜ…」
- その一言に全員が賛同し、全員がコンビニの中に入ったら軽トラが爆発した。
- 原爆のようなきのこ雲にならず、中途半端に先端が膨らんだ、まるでちn[ピー]みたいだった。
- (・∀ ・)「ちんこ雲」
- ('A`)「そんな言葉駄目!」
- 兄者が携帯を逆パカした。何をしているんだ池沼。
- 彼女の口からこれ以上卑猥なワァドが出ないよう、口を塞ごうと飛び掛ったら兄者に叩き落とされた。
- 地面とキスをする前に、爆発の衝撃で割れた硝子片の激しい求愛を受ける俺。
- _
- ( ;゚∀゚)「逃げるぞ!」
- ( ;^ω^)「待つお! 僕ら見られてるお!」
- 内藤はコンビニ店員をスタンガンで気絶させて、用水路に流した。
- 長岡は、トイレから出て来たミニスカギャルにキャメルクラッチをかけていた。
- 13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:32:12.24 ID:77AvCbTJO
- 俺は内藤からぶん投げられたスタンガンを手に、一人の爺さんの前でもたついていた。
- / ,' 3 「ひ、ひぃいいいいい!」
- 腰の曲がった爺さんは、両手を前に出して必死に防御する。
- 俺は目の前でぷるぷる震える爺さんが、とてつもなく可哀想になった。
- ('A`)「どうすんべ」
- 持っているスタンガンのスイッチをONOFFしていると、肩を叩かれる。
- 振り向いた先には、老人を除く店内全ての人間を用水路に流してきた外道の姿があった。
- ( ^ω^)「ドクオ…」
- ('A`)「呼ぶんじゃねぇ…俺の名を呼ぶんじゃねぇよ犯罪者め!」
- 肩に乗せられた手を払おうとしたら、強く掴んできた。
- 振り解こうとするが、俺と内藤では結果は見えていた。
- ( ^ω^)「ドクオ、僕の目を見るんだお」
- 合わせてきた視線の、そのあまりの真摯さに俺は圧倒される。
- 口内に溜まった唾をごくりと飲み込む。一緒にガムも飲み込んだ。
- ('A`)「やるよ…俺はやってやるよ!」
- 気がつけば、俺の口は勝手にそうほざいていた。
- 14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:34:59.83 ID:77AvCbTJO
- 有言実行。言ってしまったものは仕方が無い。ギャラリィも拍手してるし。
- ('A`)「やってやるよ!」
- 覚悟を決めて、俺は背後の爺さんのほうを向く。
- 爺さんは、俺達の三文芝居に飽きて鼻糞をほじっていた。
- 俺は糞爺の頭に、思い切りスタンガンを振り下ろした。
- (゚A゚)「くらえ十万ボルチオ!」
- / 。゚ 3 「パスタ!」
- なんかスタンガンの効果音として有りがちな、バチィとかいう音は聞こえなかった。
- 銃のバレルで頭蓋骨を殴った時のような音がした。そんな事した事ないけど。
- ( ^ω^)「用水路に流すのは勘弁してやるお」
- ('A`)「老人には優しく、だよな」
- 安らかな顔で眠る老人を仰向けに寝かせ、両手を胸の前で合掌させる。
- 合掌させた時に気づいたが、心臓は動いていなかった。
- (;'A`)「そ、そんな…」
- それから皆で黙祷を捧げた。
- 17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:37:10.84 ID:77AvCbTJO
- 適当に缶ビールやら日本酒を供えていると、ずっと爺さんを観察していた兄者が動いた。
- 何をするのかと警戒していたら、兄者は爺さんの合掌させた両手を解いた。
- なんだそれだけかと思ったら、右手を左肩に、左手を右肩に置いてクロスさせた。
- ( ´_ゝ`)「ツタンカーメン」
- こんなもので噴いちゃうなんて。不覚。
- _
- ( ゚∀゚)「呑気に遊んでる暇はないぜ、サツが来る」
- ('A`)「ああ、そうだな」
- つーか本当にサツとか言うんだな。お札と勘違いしないんだろうか。
- やっぱお金は、銭(ゼニ)とでも言うんだろうか。
- 幸い、近くにレンタカァがあったので無断で拝借した。
- さっきまでの事を、まるで中学時代の馬鹿のように語り笑いながら車は出発する。
- 皆酒が入っているんだろう。総じてテンションが高めだ。
- ジョルジュさんも沢山飲んだらしく、車が対向車線を走ってしまっている。
- ちなみに、未成年である俺とまたんきは飲んではない。
- ( *^ω^)「てかさっきの店員の死に顔マジウケルしー! ぶひゃははは!」
- (-_-)「げひゃひゃひゃひゃひゃ!」
- こうしてがやがや騒ぎながら移動ってのがりあみつるっぽくて、少し嬉しくなった。
- 18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:39:44.53 ID:77AvCbTJO
- (゚A゚)「んなワケねーだろ糞がァア─────────ッ!!!!!」
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:41:01.37 ID:77AvCbTJO
- (;゚A゚)「お前ら何普通に団欒してるんだ! 俺達犯罪者じゃねーか!」
- ( ^ω^)「やっちまったモンは仕方ねーお」
- んぢゅーと紙パックのいちごオレを啜る内藤。
- それ甘すぎ。俺は臭いで吐いた。
- (;'A`)「逃げれば刑が重くなる。今ならまだ間に合う筈だ!」
- 助手席のドアを開けて、かっこよく転がり出ようとする。
- が、後部座席から伸びてきた手によって阻止された。
- ( ´_ゝ`)「立て籠もりの犯人を説得するような言葉だな、それは」
- (#'A`)「その手を放せ兄者!」
- じたばたと暴れるが、離れてはくれない。
- 後ろから襟首を掴まれているので、必然的に首が絞まる。
- (il A )「ぐぅえ…」
- 俺も終に天国逝きか、さよならカーチャンと辞世の句を詠んだ所でやっと解放された。
- げっほがっほと呼吸をし、酸素を胸一杯に吸い込む。
- 吸い込み過ぎてむせた。
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:43:50.27 ID:77AvCbTJO
- (#'A`)「俺は免罪だ!」
- その言葉を呟いた瞬間、車内がしんと静まり返った。
- 「いいえ」と否定しようにも、思わず「はい」と言わされてしまいそうな雰囲気だ。
- きっと、警察の取調べとはこんなものなんだろう。
- _
- ( ゚∀゚)「最初はこんな予定じゃなかったんだがな」
- ぽりぽりと頭を書き、罰が悪そうに長岡が呟く。
- いいからお前はちゃんと運転しろ。
- ( ^ω^)「おやおや責任転嫁ですか」
- 話しかけられた訳でもないのに、内藤が唐突に言葉を紡ぐ。
- またんきはすやすやと寝ている。
- ( ´_ゝ`)「悪い人」
- 主語も動詞もない、何を差しているのか判らない言葉。
- 普段ならばいつも通り流していただろうが、この時だけは肌寒いものを感じた。
- ( ^ω^)「やれやれ、自分の発した言霊にすら気がつかないとはねぇ
- 呆れを通り越して、いっそ哀れに思えてきちゃうお」
- ('A`)「どういう意味だ」
- 内藤は携帯を取り出して、EZwebのお気に入りを開いた。
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:45:34.16 ID:77AvCbTJO
- お気に入りの中のフォルダ、その中の「ブーン系」を選んで開く。
- 開こうとしたが、ミスって下の「アヘ顔サイト」を開いた。
- 慌てて戻り、急いで「ブーン系」を開き直す。
- ( ^ω^)「あれ、どこやったっけ」
- ちゃんと名前を整理していなかった所為で、見つけ出すのに時間がかかった。
- その間、俺はジンジャエェルの炭酸を抜いて待つ。
- ( ^ω^)「ドクオに見てほしいのは、これだお」
- ('A`)「どれどれ…」
- それは、('A`)と怪異のようですの3話を投下したスレのアドレスだった。
- ('A`)「それがどうかしたのか」
- ( ^ω^)「気づかないかお?」
- ('A`)「え、何が?」
- ( ^ω^)「……」
- ( ゚ω゚)「ええい言わんとわからんのかお!」
- 24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:46:51.27 ID:77AvCbTJO
- いきなりヘドバンを開始した内藤から逃げる。
- 狭い車内で巨体が暴れているので、内藤が前後に動く度、車輪も交互に浮く。
- ( ゚ω゚)「言わんとわからんのかお前らは!」
- (;'A`)「だから何の事だよ!」
- ( ゚ω゚)「これ難しいから気付けないかもしんないけど、もし気付いた奴が一人でも居たら
- この物語は愚直にハッピィエンドへ向けて貫き通すつもりだったんだお!」
- (;'A`)「だから何の事だよ!」
- ( ゚ω゚)「仕込んだ仕掛けがスルゥされるこの悲哀ィイ!!!」
- (;'A`)「だから何g(-_-)「ギャバン!」
- 風を入れる為に開けた窓から、ヒッキーとまたんきが投げ飛ばされて行った。
- 運良く右側に川があったので、二人とも熱したアスファルトに叩き付けられずに済む。
- ( _ )「がぷ、ごぼぼ…」
- (・∀ ・)「うp」
- どちらを助けるかは明白だ。
- 25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:49:14.61 ID:77AvCbTJO
- ('A`)「待ってろまたんき!」
- 服を脱いでブリィフ一枚になり、足を攣らないよう準備体操をし終わったとこで気づいた。
- 俺泳げないんだった。ヒッキーはもう沈んでいる。
- (・∀ ・)「あっぷあっぷ」
- そういやまたんきって泳げるんだったっけ。台詞も棒読みだ。
- それでも、じゃばじゃばと溺れるフリをするまたんき。
- ('A`)「助けに行けよお前ら」
- ( ´_ゝ`)「言い出しっぺの法則」
- _
- ( ;゚∀゚)「ごめん、俺カナヅチなんだ…」
- ( ^ω^)「や・だ☆」
- 俺は内藤に突っ込む事にした。
- ('A`)「この薄情者」
- ( ^ω^)「クズで結構、メシウマだお」
- 27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:51:20.28 ID:77AvCbTJO
- メロスは激怒した。俺は内藤に怒りを覚える。
- 今なら素足に感じる、アスファルトが吸収した太陽の熱よりも、俺の心のほうが厚い。
- 端的に言えば、俺の足の皮が厚い。
- ('A`)「見損なったぜ!」
- ( ゚ω゚)「『人間は本当に落ちるところまで落ちると、他人の不幸を喜ぶ以外には
- もはや何の興味も持たなくなる』ってゲーテさんも言ってるんだお!」
- (#'A`)「嘘付けメタボ!」
- ( ´_ゝ`)「そんな貴方にググレカレー」
- 兄者が更に持ったカレーを差し出してきた。うまい。
- 俺は携帯を取り出しググる。
- そういや前に総合で、ヤフーでググるとかバカを言ってた奴を見た。
- でかい釣り針だった。しかし、今思えばあいつは真性なのかもしれない。
- (;A;)「畜生本当の事かよ! 俺ゲーテさんに抱いてた理想像砕かれたわ!」
- 31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:54:39.09 ID:77AvCbTJO
- ( ゚ω゚)「うきょきょきょきょー! バーカ(・∀ ・)「バーカ!」
- (#'A`)「うっせぇ黙れバァーッカ!」
- 中指を立てて攻撃的意思を示す。
- 内藤が己の尻をガァドした。するかヴォケ。
- またんきはどちらかと言うと前をガァドしろ。後ろでもいいが。
- ( ´_ゝ`)「真実とはいつも残酷」
- ('A`)「あとググレカレェって懐かしいな」
- ( #´_ゝ`)「なんだとテメェ! 誰が懐古厨だ!」
- (;'A`)「誰も懐古厨なんて言ってねーよ! 何いきなりキレてんだ!」
- ( #´_ゝ`)「その懐かしいって言葉を見る度にAAが廃れていくようで心が痛むんじゃ!
- 決して過去の栄光に縋りつく亡霊だとか、オッサン乙とか言わせねぇ!」
- (#'A`)「うるせぇ黙れまたんき愛してる! この手を放せ!」
- 弾け飛ぶ理性を感じながら、頭の何処かで冷静な俺が自分に語りかける。
- そろそろ収拾つかなくなってきたから、自分だけでも逃げようぜ。
- 本能が言う。危険が危ない。こいつらを盾にして少しでも狙われる確立を下げよう。
- どっちも理由が屑だった。
- 33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:56:12.35 ID:77AvCbTJO
- ('A`)「で、どうしてこうなったんだっけ」
- (・∀ ・)「どうしてこうなった! どうしてこうなった!( ´_ゝ`)「(AA略」
- ( ´ω`)「知らんお」
- 漫画喫茶のパソコンの前で踊り狂うまたんきを見ながら、内藤を見送る。
- ( ´ω`)「暴れたらお腹減ってきたから、なんか食ってくるお…」
- ('A`)「ああ、行ってらっしゃい」
- (´ω` )「お…」
- 俺は内藤の哀愁漂う背中に、リストラされた直後の親父の幻影を見た。
- 無性にいたたまれなくなり、つい言葉を投げかける。
- ('A`)「なあ、ヒント、くれよ」
- その言葉に、内藤は振り返る事なく答えた。
- ( )「……台詞、縦」
- 34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/12(水) 13:57:52.24 ID:77AvCbTJO
- ____________________________
- 浴槽で、手首にカッターを当てている人がいました。
- それを見た通りすがりは、まさか命を捨てる気なのか、と思いました。
- 引き留めようと声をかけます。
- それに人は応えました。
- 「俺ってばメンタルヘルス」
- そう言って、人は手首をカットしました。
- 通りすがりは、人を引き留める事が出来ませんでした。
- ____________________________
- 4” 『そぉれマンマミィア!』
- おしまい
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