('A`)と怪異のようです
- 3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 20:56:14.17 ID:Bbr1KNwV0
- 例えば、自分が二人いたとする。
- ここで生まれる矛盾やパラドックスや二律違反は総スルー。
- ('A`)「知恵熱が出るよ」
- 自分の性別は男とする。両方男だ。ふたなりではない。
- ここで、自分のブツで自分のアナルを犯した場合、
- それはセクロスなのか? 自慰なのか?
- また、自分のアナルで自分のブツを慰めた場合、
- そえはオナニーなのか? 性交なのか?
- そんなふとした疑問に答えをくれる賢者はいなかった。
- 皆、一様に黙るか、熱い議論を交わすだけであった。
- ('A`)と怪異のようです
- 『明日はないようです』の巻( ´_ゝ`)
- 6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 20:57:59.54 ID:Bbr1KNwV0
- ('A`)「何この始まり」
- ( ^ω^)「ほぼながらですから」
- メタ視点を小汚い服の袖で拭い去り、眼前を見据える。
- 許容し難い肉達磨がいるだけだ。ただし、動けるデブである。
- ('A`)「さて、朝飯の前に布団畳むか」
- 俺が寝ていた布団を片付けると、下から潰れたサンドイッチが出てきた。
- 道中のコンビニで買ったような、万引きしたような記憶がないでもない。
- ふと辺りを見回すと、部屋には俺以外誰もいなくなっていた。
- 多分、食堂に行ったんだろう。みんなしねばいいのに。
- 怒りに任せて、サンドイッチを袋ごと食い千切る。上唇が切れた。
- ('A`)「優しいドクオは、皆の布団も畳んであげる事にした。」
- 優しい俺は地の文の手助けすら行う。
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 20:59:40.71 ID:Bbr1KNwV0
- 長岡が寝ていた布団を片付けると、下からエイチな本が溢れ出た。
- 早朝からご苦労様です。代わりに私がこれを失敬しておきます。
- 内藤の寝ていた布団を片付けると、下からヒッキーが出て来た。
- ( _ )「うぐォ………カフッ」
- お前、一晩中あのデブに潰されたままだったのか。
- どうりで昨日の夜いないと思った。気付いてくれた人に感謝しろよ。
- あのままスルーされていたら、お前は消える予定だったんだから。
- ('A`)「さあ、今度はゆっくりおやすみ」
- 俺は長岡が寝ていた布団を顔にかけてあげた。
- 少々湿っており重量があるが、内藤の布団よりマシだろう。
- 兄者が寝ていた布団を片付けると、中から兄者が出て来た。
- 全員に置いて行かれたと思っていたが、まだ人がいたとは。
- 素直に喜んでいいのか、呆れ返ればいいのか判断に困る。
- ( ´_ゝ`)「朝から一人百面相とは面白い奴だな」
- ('A`)「うるせーさっさとてめぇのふとんかたづけやがれ」
- またんきの寝ていた布団を片付けたが、何もなかった。
- 8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 21:02:43.77 ID:Bbr1KNwV0
- ('A`)「べっ、別に何かを期待していたワケじゃないんだからねっ!」
- またんきの寝ていた布団を乙女風に抱きしめながらツンデレってみる。
- 兄者とヒッキーのほうをチラ見してツッコミを視線で催促したが、来ない。
- ('A`)「ノリの悪い奴らだ」
- ( ´_ゝ`)「あー……うん、すまん、朝からそのテンションは無理だわ」
- 珍しく謝られた。気味が悪い。二重の意味で素直に引く。
- 持っていた布団は、そのままヒッキーの上にかけた。
- 幼女のかほりで心地良い夢が見られるだろう。
- ('A`)「永眠しろ」
- ヒッキーの上に、兄者が寝ていた布団も重ねた。
- 布団の墓の下から、苦しそうな呻き声が聞こえる。
- だが、俺の企みが成功すれば、この程度では済まされない。
- ここでそれを説明しよう。
- 心の綺麗な人は読み飛ばしてほしい。
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 21:06:29.04 ID:Bbr1KNwV0
- 〔ドクオくんのよくわかる横断面図解〕
- _現実_ _夢_
- 上 兄者の布団 おにいさん
- ↑ またんきの布団 ようじょ < キャー!
- ↓ ジョルジュの布団 おにいさん
- 下 ヒッキー本人 (傍観者)
- 現実の布団は、夢の中で寝ていた本人に変換される。
- 本人自体は更なる次元へ昇華し、所謂神の視点へ。
- つまり、夢の中で男二人に林間学校されるまたんきが幼女。
- ヒッキーはそれをAVやエロアニメのカメラのように見る。
- 大好きな幼女が知っている男共にNTRされると言う悪夢。
- NTR属性があれば、悪夢でもなんでもないただの淫夢。
- その時は奴と縁を切ろう。俺はNTRは趣味じゃない。
- ('A`)「とにかく苦しめ」
- 昨日の夜中、お前の姿が何処にも見えないのを、
- 〔気付いたら一人ずついなくなっていき、最後自分一人になる怪談〕
- 系のオゥソドックスな展開だと思い、布団の中で震えてたんだ。
- 12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 21:08:40.02 ID:Bbr1KNwV0
- 悪人と言うなかれ、俺は外道だ。元より歩むは修羅の道だ。
- 八つ当たりと言うなかれ、俺は元々似非エゴイストだ。
- そもそも、俺は一度として自分が正義だと言った覚えはない。
- ブルシートを紐で括ってマント代わりにしたのは小学生時代の話だ。
- その後、強風に煽られたマントが俺の首を絞め正義ごっこは終わる。
- そのまま死ねとのたまういじめっ子、逃げる友人だったモノ。
- 女子など元より寄り付かぬ。公園だったので、教師は論外。
- そんな中で助けてくれたのは、通りすがりの頭のハゲた中年だった。
- 頭上を見てこうはなりたくないと思いつつ、こんな人間になりたいと思った。
- ('A`)「そうだ……俺は何をしているんだ!」
- ヒッキーの上に積み重なっていた布団を剥ぎ取る。ぬめる。重い。くさい。
- 穏やかな死に顔、いや寝顔が発掘された。涎まで垂らしている。歴史的価値無し。
- (* _ )「んごすぴーぃ」
- ト ワ
- ('A`)「やっぱ寝てろ、永久に」
- 全ての布団をヒッキーの上に片付けて、一息をつく。いい汗かいた。
- こう色々している間に、時計の針は朝餉の時間を差さなくなっていたが。
- 14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 21:12:02.38 ID:Bbr1KNwV0
- 一人暮らしで、実家に帰省中部屋のエアコンをずっと付けっ放しだったような。
- そんな背筋が一気に冷や汗だくになるような寒気がして、廊下側を振り向く。
- ( ^ω^)「……」
- _
- ( ゚∀゚)「……」
- (・∀ ・)「……?」
- 黙ってこちらを見つめる、食事から帰って来た内藤御一行様がいた。
- ご丁寧に、またんきの耳は長岡がきちんと折り畳んでいる。
- ('A`)b+ 「gj!」
- _
- ( ゚∀゚)「…………」
- いい仕事をしたと褒めてやったのだが、「どういたしまして」の言葉はない。
- さっきと変わらず、腐った生魚を見るような視線を向けて来る。心が痛い。
- ('A`)「いや、流石にさっきの解説は冗談だよ、うん、ハハハ、冗談冗談」
- ( ^ω^)「冗談は冗談でも、人にとっては冗談じゃ済まされないお」
- 長岡がまたんきの耳を抑える手はまだ解けない。またんきの頭上には?。
- 俺は素直に土下座をして謝った。両手を頭の上で合掌させるのも忘れない。
- 家族以外に土下座をしたのは、これが初めてだ。
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 21:16:07.35 ID:Bbr1KNwV0
- 説教されている間に、そろそろ旅館からお暇する時間が迫る。
- それぞれが普段の私服(?)に着替え、荷物を持つ。
- 馴染みだと言うシュールさんから弁当を貰う長岡を尻目に、
- 「忘れ物がありますよ」と泊まってた部屋からヒッキーが届けられた。
- こいつは寝る時はジャージ派の人間なので、着替える必要はない。
- こうして俺らを並べると、服装的にまともなのが俺だけじゃないか。
- いつもより奴らが元気そうなのもあって、変人度は更に上がる。
- lw´‐ _‐ノv「皆様は、夜の暗さにあてられたのでしょう」
- ('A`)「
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 21:17:46.86 ID:Bbr1KNwV0
- 最初に服装紹介するつもりだったけどうっかり忘れてた
- 途中だけどここで服装と特徴
- ('A`) よれよれ、黴が生えている、スウェット
- ( ^ω^) 裸コート、素肌ネクタイ、色白デブ
- (・∀ ・) ランニング、短パン、ノーブラ
- ( ´_ゝ`) 紺色の甚平、草履、布団
- _
- ( ゚∀゚) ネグリジェ、グロ画像印刷ランニング
- (-_-) 上下真っ赤な長袖ジャージ、着膨れ
- lw´‐ _‐ノv どどめ色の着物、高下駄、きりたんぽ
- (゚、゚トソン 赤紫ギンガムチェック僧衣、ポニテハゲ
- (´<_` ) ピンクスーツ、クリスマスカラースカーフ
- 17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 21:20:52.59 ID:Bbr1KNwV0
- ('A`)「お前らって職質された事とかないのか?」
- (・∀ ・)「しょくしつ?」
- まあ、またんきはね。ないよね。
- これからあるとしても、まだまだ先だよね。
- ( ´_ゝ`)「時代劇のエキストラと答えたら納得されたぞ」
- ねーよ江戸の町人A。
- 桜吹雪に捌かれてろ。
- _
- ( ゚∀゚)「服がこれしか無いと言ったら釈放された」
- ありえねーよ筋肉バカ。
- どんな警官が相手だったんだよ。
- (-_-)「『アスリートです』」
- くたばれ外見詐欺野郎。
- そのままパラリンピックへ逝け。
- ( ^ω^)「質問される前に、あいつら警棒を後ろ手に隠して近付いて来るお」
- ('A`)「俺だったら逃げるが、法の手前あいつらは逃げるのを許されないしな」
- 内藤と前にした警官達に、俺は心の中で同情する。
- 18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 21:24:10.84 ID:Bbr1KNwV0
- 下らない会話を生暖かい目で見続けた優しい女将と女中さん達。
- その方達の生温いお見送りを背に、軽トラを停めた駐車場へ向かう。
- ('A`)「これは」
- 駐車場に停めていた軽トラは、来た時よりも綺麗になっている。
- 錆びていたら浦島太郎だと覚悟を決めていたが、その逆とは。
- ('A`)「俺は昔に戻ってやり直せるのか」
- ( ^ω^)「ワケのわからない事を」
- 小さい軽トラに、サザエさんのEDよろしく乗り込んで行く仲間達プラスα。
- 感動を一蹴されて固まっていた俺は、長岡に片手で軽々と持ち上げられた。
- (li A )「ぐふぉおおおお首がぁぁああああああああ」
- _
- ( ゚∀゚)「はいはい乗ろうね、乗車拒否とか小学生か」
- 服を首部分を後ろから掴まれた。俺は猫じゃない、殺る気か、こいつは。
- ここで『実演! 首吊り死体三分クッキング!』でもヤる気なのかと喋る前に、
- 鍛え上げられた筋肉によって、トラックの荷台部分に投げ飛ばされる。
- 投げられた俺は内藤の腹で一度バウンドし、また地面へ投げ出された。
- 勿論、尖った砂利のダイナミックな求愛を体全体に受ける。とても痛い。
- これならまだ冬季オリンピックのスケートリングで転んだほうがマシだ。
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 21:26:07.79 ID:Bbr1KNwV0
- 斜め上から内藤の歓声が聞こえる。シャッター音もする。経も聞こえる。
- ざけんな、まだ死んでねえ。それに経が違ぇよ。南無妙法蓮華経じゃねぇよ。
- 俺は浄土宗だ。南無阿弥陀仏だ。別に何の誇りもないが、とにかく浄土宗だ。
- (# A )「糞が……! !?」
- <ブッシュゥ
- 立ち上がろうとした俺の手の平に、ガラス片が突き刺さる。
- 何この逆補正。ホラーだからか。メンタルから殺すつもりなのか。
- つーか駐車場くらいちゃんと整備しろ糞旅館。潰れてえのか。
- あと兄者、シャッター切るのいい加減やめろ。携帯の連写モォドがウゼえ。
- こんな顔だが肖像権の侵害だ。迷惑防止条例違反だ。捕まってしまえ。
- 豚箱でも精神病院でもいい。どっちでもいいから入ってくれ。でも金はくれ。
- 死ね長岡。ついでにヒッキーも。あと、これから出会う怪異共。
- こうして恨み辛みを頭の中で捏ねる俺の前に、一本の太い手が差し出された。
- それは汗で光り輝き、肉で引き延ばされた皮膚に皺はない。
- ( ^ω^)「ごめんお……抱き止めてあげられなかったお」
- ('A`)「キメェ事言うんじゃねぇよクソピッツァが」
- 善良な一般市民である俺も暴言くらい吐く。例えそれが仏だろうと。
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 21:28:03.07 ID:Bbr1KNwV0
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- | ̄('A`) ̄| ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;; ;;;;;
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- |ノ || 」 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;; ;;;
- 24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 21:33:53.69 ID:Bbr1KNwV0
- 軽トラについてるラジオから、聞きたくない事が流れてくる。
- 『○○付近の麓で、布団に包まれた変死体が発見され……』
- 両手で耳を塞ぎながらアーアーn( ゚д゚)nキコエナーイをする。
- 何てニュースだ。未来放送とかそんなオチじゃないよな。
- (-_-)「最近物騒だよね、引き篭もりの僕には関係ないけど」
- ( ´_ゝ`)「自分が今どこにいるのかわかってるのか?」
- (-_-)「僕を中心とする半径1mは僕の領地だよ、だから大丈夫さ」
- _
- ( ゚∀゚)「何が大丈夫なのか全く理解できんが、確かに物騒だよな
- 住んでる近くで財布どころか服も全部取る強盗とかいたしな」
- ( ´_ゝ`)「そいつ殺されたんだってよ」
- _
- ( ;゚∀゚)「マジか、全裸で発見されてそのまま死亡とかやりきれねーな」
- ( ´_ゝ`)「いや、確か死んだのは輸送先の病院だったような気がする
- 聞いた話じゃあ、一応申し訳程度に……」
- 一人で勝手にビビっている間に、軽トラは山を降り、街中に出た。
- 街中と言っても、田舎だ。ビルがない。電波塔を除く高い建物がない。
- 俺の中の田舎か都会かの判断基準は、ビルがあるかないかだ。
- ('A`)「異論は却下」
- 25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 21:39:04.52 ID:Zv1hutyj0
- ここの田舎はうっすらと霧がかかっていて、サイレントヒルと言うよりSIREN。
- その内、死角からほっかむりを被り、手に鎌や斧を持った屍人が現れそうだ。
- 幸いにも田んぼの水は赤くないので、俺がその中に仲間入りする事はないが。
- _
- ( ゚∀゚)「黄昏てるとこ悪いがドクオ、もうちっと後ろに寄れ」
- ('A`)「おう」
- と言われても、寄る場所がない。
- 仕方ないので、長岡と兄者の肩の上に座り、二人の頭を肘掛にした。
- 小学校の組体操の演目にある、少人数版ピラミッドマフィアver.である。
- ( ´_ゝ`)「狭ぇ、重ぇ、覚えてろよドクオ君」
- (-_-)「……フッ」
- 都合の悪い声はスルーする政治家のような耳なので、兄者の声は聞こえない。
- _
- ( ゚∀゚)「こんくらいなら、ま、いーや」
- 腕に疲労物質を蓄えた長岡が後ろに逃げたので、運転は内藤に交代した。
- 自称ペーパードライバーでも、意外と頑張れる事を彼は証明してくれている。
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 21:47:15.92 ID:Zv1hutyj0
- ('A`)「にしても」
- 大の男四人で、軽トラの荷台の後ろで身を寄せ合う。むさ苦しい上に暑苦しい。
- 前方の運転席では、内藤がその体を車に圧迫されながら運転している。
- 圧迫されていい感じに搾られれば内藤の体も少しマシにはなるだろうが、
- その隣の助手席に座ってるまたんきが心配だ。圧死しなければいいが。
- (-_-)「言うだけ言っても彼女と代わってやらないんだね」
- ('A`)「物理的に俺があの空間に収まるのは無理」
- 福岡県宮若市に来たついでに、この市の名産品でも買おうかと考える。
- 携帯で調べてみると、村おこしに伝統の追い出し猫を使っているらしい。
- 詳細については各自ググってくれ。俺は土産のキーホルダーでも買おう。
- が、よく考えてみれば土産を渡す人物がいない。
- 俺の部屋によく来る全員が、この旅に同行している。
- 頑張っている自分へのご褒美☆って性格でもない。
- ('A`) ( J( 'ー`)し )
- 一瞬カーチャンの顔が思い浮かんだが、卒業証書以外に変な贈り物をしたら怖い。
- 土産から産地を特定し、大学サボって旅行という事実に突き当たられそうだ。
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 21:48:38.51 ID:Zv1hutyj0
- 怖い。間違いなくカーチャンに角が生える。
- ↓
- A A
- J( 'ー`)し ゴゴゴ
- ( )
- ||
- 『……に対し、「豆じゃなく鉛玉のほうがいいようだなポッポマウンテン」
- との声明を発表し、近日中にも日本国内にきのこ雲が生える予定と』
- 黙れレイディオ。どうせ生やすなら自国に生やせ。
- 29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 21:54:14.71 ID:Zv1hutyj0
- そして、俺はどうしてこんな薄気味悪いトンネルに居るんだろう。
- いくらなんでも場面転換が急過ぎる。
- ご都合主義どころではない超展開だ。
- 集中力が途切れたのか。飽きたのか。
- ('A`)「こんな珍妙な格好をした集団を招いた事とかあったのかね、ここは」
- (-_-)「前例があったら嫌なんだけど……」
- 俺だって嫌だ。
- ( ´_ゝ`)「何事にも最初と言うものがあるものだ、今回がそれかは分からんが」
- _
- ( ゚∀゚)「ごちゃごちゃ何言ってんだ、ほれカメラ」
- ('A`)「サノバビッチ!」
- 無理矢理話題を変えようにも、ふいんき(ry がそれを許してくれない。
- 顔のようにも見えるトンネル内の凹凸が、一斉に俺を睨んだようだ。
- 30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 21:57:48.86 ID:Zv1hutyj0
- _
- ( ゚∀゚)「怖がると逆に寄って来るって聞いた事ないか? よくある話だろ
- 中途半端にテンション上げても怖がってるんなら意味ないんだぜ」
- ( ^ω^)「こういう時は全く関係ない事に思考没頭すればいいんだお
- 例えば……ドクオの部屋のエアコンが点けっ放しだったとか」
- ('A`;)}: ゾクッ ゚ ゚
- 今、違う意味で背筋に寒気が走った。漫画みたいな冷や汗も流れた。腋汗もかいた。
- おもむろに長岡が俺の右腕を持ち上げて、腋に顔を寄せて鼻穴を勢いよく広げた。
- _
- ( ゚∀゚)「くっせwwwwwwwwワキガ?wwwww」
- そのまま右の肘を長岡の頭にお見舞いした。見舞い品はタンコブだ。
- 31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 22:01:30.61 ID:Zv1hutyj0
- 肘の痺れに悶えながら、携帯で家電を操作できるアプリを買っておけばと後悔。
- 部屋に帰ったら即行でエアコンを確認しよう。手洗いうがいより先に。
- 手遅れだけど。
- _Ω
- ( ;゚∀゚)「いってーなオイ……何すんだよ」
- ('A`)「永遠に俺の足元に沈め、ファッションテロリストが」
- エアコンがついていなかったとしても、俺の部屋の場合は、
- ビデオデッキ パソコン ディスプレイ キーボード PS2 Wii XBOX360
- の電源が付いている可能性がある。軽くゲハ戦争を起こせる量だ。
- ゲハ論争はゲハ板で。ゲハの意味がわからない人はそのままで。
- 決して、ハゲを反対から言って皮肉っているのではない。
- ( ^ω^)「被写体が欲しいけど、まともなのがいないお……」
- ( ´_ゝ`)「ああ、自覚あったんだ」
- ( ^ω^)「違うお、自分で撮りたいんだお」
- ( ´_ゝ`)「今の意味がわかったって事は、やっぱり自覚あるじゃないか」
- ( ^ω^)「僕はみんなを新しい世界へ導きたいだけなんだお」
- 隣人の声が遠い。同じ場所にいるが、位相がズレてるとかそんな感じ。
- 32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 22:07:19.43 ID:Zv1hutyj0
- 下から「顔面テロ野郎が」と怨嗟の声が聞こえる。地響きはない。怖くない。
- 幽霊よりも怖いのは、生きてる人間です。目に見える実害があるのだから。
- そして、何より怖いのは自分自身。
- 別に、童貞で厨二病を併発したわけじゃない。
- 自分のうっかりとか、ポカとか、アルツハイマーとか、若年性痴呆症とか。
- 隠された自分の何かではなく、そういったものが怖いと言っているのです。
- ('A`)「うっかり話が脱線したので、元に戻しますです」
- 来月初め請求に来るであろう電気使用料金を想像して、身震いしとく。
- 薄暗いどころか真っ暗な未来しか見えない。このトンネルよりも遥かに暗い。
- ただでさえ黒い将来への希望の糸が、内藤の胴体の太さでまとめて断たれた。
- 残っている糸はパスタ一本分しかない。しかも、その糸の強度は鼻水程度ときた。
- 糸の先にある未来も臓器売買、アブない治験、青木ヶ原樹海観光ともうだめぽ。
- 確かに脳内は別の事で埋め尽くされたが、明るいものはなかったのか。
- ついさっき脳内の思考回路をこっちへ切り替えた自分に、黒き光あれ。
- 元に戻しやがった昔の俺に、災いあれ。現在の俺には災いよ来るな。
- 33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 22:11:40.20 ID:Zv1hutyj0
- ('A`)「この地獄から来たピザデブ悪魔内藤め。もう一度地獄に堕ちろ。
- その腹の中身でモツ鍋を作ったら、一体何杯分作れるんだろうな」
- ( ^ω^)「ええー感謝してほしいおーん」
- 脂ぎった両手を顎の斜め下に設置して、片足を「レ」のように上げて、
- 時代遅れのぶりっ子ポォズを取る内藤。殺意が湧き起こる。
- 腕を組んで復讐の方法を考えていると、後ろから肩を叩かれた。
- 状況が状況なだけにびっくりする。サトラレ的な意味で。
- ( ´_ゝ`)「心配すんなよ、どうせ全部俺持ちだし」
- ('A`)「あ、ああ……そういやそうだな……って」
- 暗い未来を振り払った代わりに、幽霊の恐怖が舞い戻って来る。
- どうしよう。ここは兄者を罵倒すべきか、土下座して感謝すべきか。
- ('A`)「まあ帰ってからでいいか」
- 34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 22:16:50.98 ID:Zv1hutyj0
- 表面だけは気楽に構えても、ぶり返す恐怖は晴れなかった。
- バカ騒ぎをする内藤達を見ても晴れない。怒れない。呆れられない。
- 寧ろ、とても羨ましい。これはアレか。何かどっかで見たアレか。
- 近くにとても怖がっている奴がいると、逆に怖くないってやつ。
- 違うか、これは隣でパニクっている奴がいると冷静になれるってやつか。
- ( ^ω^)「うひぃ! 水滴が僕の雪のように白く美しい肩に!」
- _
- ( ゚∀゚)「服はだけさせてるからだろ……変態かお前は」
- (-_-)「ネグリジェが変態とか猥褻物とか言えるの?」
- ツッコミの台詞も、俺のポジションもヒッキーに取られた。
- 俺に無害なのはもうまたんきだけだ。ある意味下半身に有害だが。
- 精神に猛毒をじわじわ食らわせる奴らよりは数億倍、数兆倍マシだ。
- 目の保養に幼女またんきを視界に入れようとして、トンネル内を見回す。
- 俺の為だけに、物見事に悪意性変異した生物しかいない。誤字ではない。
- もしかして一人だけ先に行ったのかと目を凝らしてみたが、見える筈もない。
- ('A`)「またんきは?」
- 俺の呟きに反応してくれたのは兄者だけだった。
- 他の奴らは忙しくシャッタァを切ったり切られたりしている。
- ( ´_ゝ`)「あるぇ? いねーな」
- 35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 22:22:06.11 ID:Zv1hutyj0
- やる気のない兄者の声が俺の思考力を削いだが、何のフラグだこれは。
- 今すぐまたんきの下へ行かねば、またんきが危ない。生命的な意味で。
- あの軽トラ、ここに来るまでの間とても不穏なニュースを流してくれていた。
- もしかしたら、あのニュゥスの犠牲者はまたんきかもしれないと言うオチもある。
- またんきを追っかけて行く俺が実は犠牲者、の説もあるにはある。
- ここは無きに等しい主人公補正を信じよう。疑いながら信じよう。
- 奥に進むか、車に戻るか迷い、視認した両方の暗さにチビる。
- 本当に何処行ったんだまたんき。お前の目は暗視スコォプなのか。
- ('A`)「頼む! 恥を忍んで頼みます! 誰か僕について来て下さい!」
- 俺は内藤達から注がれるであろう視線を見ない為、地面に頭をつける。
- そのまま両手をつけて三点頭立したりはしない。ただの土下座だ。
- 日本人が誇る、最高の礼儀と降伏と謝罪と悲願を込めたポゥズ。
- ( ^ω^)「どうせ安全圏である幼女の近くにいたいだけだろうお」
- ('A`)「いやいや違うから、普通に心配なだけだから」
- 予想外に冷静が突っ込みが降って来た。思わず固まる。
- 同じ人物に何度も土下座を見せると、土下座の重みがなくなると何かで読んだ。
- つまり俺の土下座は、もう「私の頭を踏んで下さい」の意味合いしかないのか。
- 36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 22:26:11.82 ID:Zv1hutyj0
- 体重の重い奴に足蹴にされたら脳挫滅しそうなので、頭を上げる。
- ( *^ω^)「やん」
- ('A`)「おぶ」
- 内藤は俺の眼前まで接近していたらしく、俺の視界は地獄の中に埋没した。
- 詳しくは、内藤のコートの中に頭を突っ込んだ。
- これが巷のJKならはふはふと息を荒げてハッスルするが、相手は内藤。
- グロテスクを越えた理解したくない何かを見た俺は、
- 自己の精神の安定を保つ為、即座に意識を手放した。
- ( *^ω^)「お? ショックのあまり気を失ったかおw」
- ( <●><●>)「単芝やめろ」
- ( ´_ゝ`)「多分、ドクオが気を失った理由を間違って解釈してるぞ内藤」
- 37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [誰か気づいて下さいますよう] :2010/04/26(月) 22:29:29.14 ID:Zv1hutyj0
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- 42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 22:40:39.31 ID:Zv1hutyj0
- 目が覚める。
- 脂肪と筋肉と棒と幼女と赤と眼球が見える。
- ('A`)「またドリィムオチですか?」
- ( ^ω^)「目覚めた第一声がそれとは中々やるなドクオ」
- (・∀ ・)「起きたかー」
- ( <●><●>)「起きた! ドクオが起きた!」
- _
- ( ゚∀゚)「ハイジ乙」
- (-_-)「具合悪くない? 大丈夫?」
- 俺の体調を気遣ってくれているのがヒッキーだけの現実に、泣きたくなってきた。
- 43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 22:47:58.05 ID:Zv1hutyj0
- 服装反逆連合の向こうに、木目の天井が見えた。
- ニスが塗ってあるのか、光を反射していてとてもご立派。
- 少なくとも、俺の部屋じゃない。あの旅館でもない。
- 俺が状況把握に必死になっていると、棒が口を開いた。
- ( ´_ゝ`)「『ここに好きな言葉を入れてドクオを励ましてあげよう。』」
- ('A`#)「兄者ぁあああアアアアアア!!!11」
- 起き上がって殴りかかろうとしたが、またんきが上に乗っていて起きれない。
- 嬉しいんだけど、そういうのは朝か昼寝の後にでもやってくれないだろうか。
- (・∀ ・)「おうまさーん!」
- (-_-)「騎乗……」
- ( <●><●>)「それ以上言うと、糸のような口を無くして私と同じようにしますよ」
- _
- ( ゚∀゚)「腹筋が足りねーなドクオ、貧弱貧弱ゥ!」
- キリがないので、内藤に訊ねる。
- ('A`)「内藤、ここどこ?」
- ( ^ω^)「私は誰? と続かなくて幸いだお」
- 44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 22:51:06.32 ID:Zv1hutyj0
- 俺の質問を逸らそうとしたので、そよ風に等しい無言の圧力をかけてみる。
- 答えは想定外の方向から投げられた。ホリエモンもびっくりだ。
- ( ´_ゝ`)「ここは寺だよ」
- ('A`)「寺?」
- 何と言う安全圏。場合によっては呪いにかかる危険地帯だが。
- あのトンネルよりは数億倍いい。トンネルの中の寺とかナシな。
- ('A`)「つーか、どこの寺? なんか布団まで借りちゃってるし」
- ( ^ω^)「僕の知り合いだから、人一人くらい大丈夫だお」
- 内藤の知り合いの寺。
- 記憶と言う名の過去ログを引っ張り出して調べる。
- 途端に、障子ががらりと開き、よくわからない何かが現れた。
- (゚、゚トソン「目覚めたか、何よりだ」
- 50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 23:38:07.25 ID:Zv1hutyj0
- ('A`)「え、ああ、はい、そうですか」
- いつもの連中とは違うベクトルの奇抜さに、一瞬言葉を失う。
- 目の前の何かがどう奇抜かと描写すると、
- ・頭頂部に髪がない
- ・後光が差していると思ったら頭に光が反射しているだけだった
- ・残った髪の毛を後ろにまとめてポニーテール
- ・そのポニーを結っているのは数珠
- ・僧衣なのに色合いが赤と紫
- ・手に持っているギターの存在
- こんな感じだ。こんな僧に何かをされたくはない。
- 内藤の知り合いって時点で終わっているのに、何を期待したんだろう。
- (゚、゚トソン「また増えたようだな、騒がしい限りだ」
- ( ^ω^)「……僕の所為じゃないお」
- 内藤の声がすぼむ。それに世界の終焉のような衝撃を受けた。
- そんな自分に、普段内藤の事をどう思っていたのか衝撃を受けた。
- (゚、゚トソン「しかし、お前が最初だろう。何事にも最初があるものだ」
- 51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 23:41:43.71 ID:Zv1hutyj0
- ( ´_ゝ`)「すまん、今回は俺の過失だ、内藤は悪くない」
- ( ^ω^)「明日は槍だおね」
- (゚、゚トソン「裁きの雷かもしれぬぞ」
- ( ^ω^)「僧なのにいいのかお?」
- (゚、゚トソン「どうせ八百万の一柱だ」
- ( ´_ゝ`)「……結構、真剣に謝ってたんだけどな」
- ( <●><●>)「あなたは悪くありませんよ、そうであれば
- ついて行かなかった全員が悪いのです」
- (-_-)「君がそれを言うの?」
- _
- ( ゚∀゚)「ほーらロデオロデオー」
- (・∀ ・)「わーい」
- 話の内容が全く分からない。主人公なのに会話に入れない。
- いや、主人公だから会話に入れないのか。よくあることだ。
- 俺と同じ場外に位置する奴が二人いるのが、少しの救いだ。
- 53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 23:46:42.04 ID:Zv1hutyj0
- (゚、゚トソン「そうだ、流石。お前の弟とやらが先日訪れたぞ」
- ( ´_ゝ`)「追い返して下さい」
- (゚、゚トソン「僧としてそうはいかない。お前を探しているようだ」
- ( ´_ゝ`)「さり気なく混ぜたつもりなのでしょうが、とても寒いです」
- (゚、゚;トソン「奴の兄だけあって中々やるな……メタセコイアか」
- ( ´_ゝ`)「あいつ一体何したんすか」
- (゚、゚トソン「お前とは一対一で決着をつけたい、こっちへ来い」
- ( ´_ゝ`)「怪しい者から待てと言われて愚直に待つバカはいないように、
- 状況が違えど危険には近付かないと言う意味で行きません」
- (゚、゚トソン「ならば実力行使、といきたいとこだが、先日CDが壊れてな」
- ( ´_ゝ`)「はあ……それがどう繋がるんですか」
- (゚、゚トソン「BGMを担当してもらっていたのだが、昨日ついに壊れたのだ
- 中のCDがどうかしたのか、いきなり火を発してな」
- ( ´_ゝ`)「反抗期じゃないですか?」
- (゚、゚トソン「ちがわい」
- 55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 23:49:43.10 ID:Zv1hutyj0
- (゚、゚トソン「まあとにかくだ、電子媒体として供養されろ」
- ( ´_ゝ`)「今お断りのAA持って来るのでちょっと待ってくれませんか?」
- (゚、゚トソン「 ハ,,ハ
- ( ゚ω゚ ) <お断りします
- / \
- ((⊂ ) ノ\つ))
- (_⌒ヽ
- ヽ ヘ }
- ε≡Ξ ノノ `J 」
- ナレーションが入るなら、俺に向かって
- 「お分かりいただけただろうか?」と入るとこだ。
- 俺は全く分からないので、お茶碗でも出しながら
- 「お代わりいただけるだろうか」と応えることにしよう。
- ( <●><●>)「ドクオさん、ぼーっとしてますが頭大丈夫ですか?」
- ('A`)「それは俺の体調を気遣ったのか、俺の脳みそを貶したのか」
- ( <●><●>)「どっちもですよ」
- 腹が立ったので、チョキでワカッテマスの目をどついた。
- 気分は晴れたが、何か胸に燻ぶる蟠りを感じる。
- 56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 23:53:12.82 ID:Zv1hutyj0
- 何かを、見過ごしているような。
- 何かを、知ってしまったような。
- 何かを、壊してしまったような。
- 何かを、見逃しているような。
- 何かを、忘れているような。
- 何かを、見失ったような。
- 何かを、落としたような。
- 何かを、消したような。
- 何かを、探すような。
- 何かを、
- 何かを
- 何か
- 何
- 何?
- 58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/26(月) 23:54:14.50 ID:Zv1hutyj0
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- 暗い部屋で、画面に向かって薄笑いを浮かべている人がいました。
- それを見た通りすがりは、まさか世捨て人なのか、と思いました。
- 確かめる為に声をかけます。
- それに人は応えました。
- 「俺ってば学生ニート」
- そう言って、人はまた液晶画面に向き直りました。
- 通りすがりは、その人の部屋に留まる事にしました。
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- 7” 『明日はないようです』
- おしまい
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