( ^ω^)('A`)( ,,゚Д゚)ξ゚听)ξ(*゚ー゚)川 ゚ -゚)
- 12: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/29(金) 23:52:11.10 ID:ain/Zywc0
( ^ω^)('A`)( ,,゚Д゚)ξ゚听)ξ(*゚ー゚)川 ゚ -゚)
1、ニューゲーム(残数0)
⇒2、ロードゲーム(4)
ロードします。
- 14: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/29(金) 23:56:35.61 ID:ain/Zywc0
- メモリーカード1
主人公:川 ゚ -゚)クー
時:夜
場所:部屋
参考:シンチャクイッツウ
メモリーカード2
主人公:(*゚ー゚) しぃ
時:放課後
場所:生徒会室
参考:一度体験したアレ
メモリーカード3
主人公:ξ゚听)ξ ツン
時:夜
場所:家
参考:彼と付き合って損はない
メモリーカード4
主人公:( ,,゚Д゚) ギコ
時:夕刻
場所:家
参考:ウツダシノウ
>>16-20
- 16:初詣で痴漢 [sage] : 2006/12/29(金) 23:57:25.82 ID:+6YZW9uz0
- 1
- 17: ダイコン: 2006/12/29(金) 23:57:27.32 ID:rkGA6ufF0
- 1が激しく気になるが敢えて4
- 18: 書初め(佳作): 2006/12/29(金) 23:57:28.58 ID:13NKdCyV0
- 2
- 19: あしたこそ初詣: 2006/12/29(金) 23:57:29.98 ID:qF1H0BXx0
- 1に一票
- 20: 黒豆(二粒): 2006/12/29(金) 23:57:31.23 ID:ymwc52OLO
- 1
- 26: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 00:01:14.17 ID:Mo5TbXDL0
- 川 ゚ -゚)「新着一通……」
私は携帯を開いた。
送信者は………。
川 ゚ -゚)「……内藤……」
少し苛立ちを覚える私。
だけど──心の底では、少し安心したのかもしれない。
───ドクオからだったら、返信できる自信がないから───
差出人:boon@livedoor.tom.jp
時間:22時48分
本文:
明日の放課後、屋上で待ってるお
- 28: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 00:03:01.66 ID:Mo5TbXDL0
- 川 ゚ -゚)「明日……屋上……」
確かに、時間があると言えばある。
だけど──行ってもいいのだろうか?
1、「把握した」を送信する。
2、「だが断る」を送信する。
3、返信しない。
>>33
- 33: (´<_` ) ◆KlJl2kUtuk : 2006/12/30(土) 00:04:00.05 ID:6IXKSPXb0
- 1
- 37: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 00:06:20.14 ID:Mo5TbXDL0
- 川 ゚ -゚)「……」
私は携帯をもう一度手に取り、文字を打ち始めた。
一瞬、手が止まるが、すぐに進みだす。
『把握した』
川 ゚ -゚)「……」
アイツなら、ドクオの事を少しは知っているかもしれない。
それに、今までの怪しいメール。
この事も聞こう。
内藤には話さなければいけない事がたくさんある。
弁当、メール、怪しい言動。
明日、決着をつけよう。
- 42: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 00:09:32.39 ID:Mo5TbXDL0
- 数分、返事を待ったが返事はこなかった。
これ以上の事は、明日話すという事か……。
川 ゚ -゚)「……」
内藤は、恐らく私の事が……
そして、ドクオはその事を知っているだろう。
私はドクオが好きだ。
一度、内藤にはしっかりと告げたはずだ。
だけど……彼の怪しい行動は止まらなかった。
全ては、明日終わるのだろうか?
いや、終わらせよう。
川 ゚ -゚)「……勉強……するかな」
私は机へと向かう。
重たい参考書を取り出して、それに向かって視線を送る。
- 47: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 00:12:29.82 ID:Mo5TbXDL0
- 何時間か立っただろう。
私は寝る前にお茶を飲みにリビングへと向かう。
つけっぱなしのテレビからは、世の中の理不尽な事件が報道されていた。
私は冷蔵庫からお茶を取り出し、それをコップへと移す。
その居場所を変えていく液体は、今度は私の口へと吸い込まれていった。
川 ゚ -゚)「……おやすみ」
部屋に戻った私。
いつも通り、豆電球のみの光とする。
暖かい布団につつまれ、
暖かい体を休めるため
私は目を閉じた。
- 48: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 00:14:50.36 ID:Mo5TbXDL0
- ・・・・・・・・
・・・・・
・・
鳥の声が聞こえた。
朝を知らせる、すがすがしい声。
私は気持ちよく起き上がり、大きく背伸びをする。
朝食をとり、制服に着替え、家を出た。
女子「おっはよー!」
クラスの女子が私についてくる。
私は小さく返事を返した。
女子「ねぇねぇ、クーちゃんって、ドクオ君と付き合ってるの!?」
いかにも目を輝かせ、彼女は私に問いかける。
本当に、楽しそうな事。
- 50: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 00:17:00.81 ID:Mo5TbXDL0
- 川 ゚ -゚)「……否定はしない」
女子「うっへぇー!ドクオ君って優しい?」
川 ゚ -゚)「……分からん」
女子「う〜ん……もしかして、お金持ちとか?」
川 ゚ -゚)「もの凄い一般人だ」
彼女はさらに首をかしげる。
そして、今度は別の質問を投げかけてきた。
女子「じゃぁさ、なんで付き合ってるの?」
……なんで……
少しだけ考えると、その答えは意外と早くでた。
数学や英語なんかより、よほど簡単な答えだった。
川 ゚ -゚)「好きだからさ」
- 51: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 00:19:40.13 ID:Mo5TbXDL0
- 女子「へぇ〜」
いかにもつまらない、という顔をする彼女。
彼女の基準では、かっこいいとかお金持ちとか、そういうのなんだろう。
否定するわけではないが、私とは違うようだ。
女子「おっけー!ありがと!」
彼女は私に手を振りながら走っていく。
私も小さく頷いた。
どうも手を振るという行為は性に合わない。
教室に入ってみるが、あのいつものうるさいアイサツはなかった。
というより、いなかった。
川;゚ -゚)「……」
一瞬びっくりするが、考えればなんてことない。
朝練だったのだ。
- 53: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 00:22:17.17 ID:Mo5TbXDL0
- 始業ギリギリの時間、彼等は教室に現れた。
内藤、ドクオ。
二人は同時刻に教室に入るも、その間に会話はない。
というより、避けている気がした。
授業───
特に話すことはない。
いつもどおり受けて、いつも通りに過ごしたのだ。
その授業を終えて、休憩時間。
私は
1、ドクオの元へ向かう
2、内藤の元へ向かう
3、勉強をする。
>>55
- 55: (´<_` ) ◆KlJl2kUtuk : 2006/12/30(土) 00:22:43.12 ID:6IXKSPXb0
- 2
- 58: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 00:26:38.68 ID:Mo5TbXDL0
- 川 ゚ -゚)「内藤」
私はドクオの後ろの席の内藤の下へ向かう。
ダルそうに顔を下げていた内藤の顔が一気に上がった。
川 ゚ -゚)「昨日の事、忘れるな」
特にいう事もない──
私はこの事だけを伝えると、すぐに顔を背ける。
( ^ω^)「……把握だお」
代わりに私の目に入ってきたのはドクオ。
昨日と同じように、顔をうつぶせにしている。
川 ゚ -゚)「どk……」
声をかけようと思ったところで、声を止めた。
ここで声をかけたら、昨日の二の舞だからな。
私は自分の席へと戻っていく。
- 60: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 00:30:35.41 ID:Mo5TbXDL0
- そして授業──
そして昼休み──
私は一人、弁当を取り出した。
念のため、二つ作っているのだが……。
彼の姿は教室にはない。
恐らく学食に行ったのだろう。
少し……寂しい気がした。
久しぶりに食べる、一人だけの弁当。
歯と歯につぶされる食感が、嫌というほど伝わった。
ほんの昔までは、これが普通だったのに。
幸せを覚えたから、孤独が嫌になってしまった。
川 ゚ -゚)「ごちそう……様」
箸を綺麗に揃え、箸箱に直す。
弁当を三角巾で包み、それを鞄へと直した。
- 61: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 00:32:24.86 ID:Mo5TbXDL0
- きーんこーんかーんこーん……
川 ゚ -゚)「……」
放課後がやってきた。
教室にいる生徒が、次々といなくなっていく。
帰るもの、部活に行くもの。
ドクオの姿が消え、そして内藤の姿が消えた。
私はふぅ、と溜息を着く。
たった一人になった教室。
誰もいない教室。
私は鞄を手に取り、教室を出て行く。
向かう先は……
屋上
- 64: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 00:35:07.73 ID:Mo5TbXDL0
- 廊下にも、もう既に人影はない。
下の階の音楽室から、軽快な音楽が流れてきた。
吹奏楽部の演奏……か。
川 ゚ -゚)「……」
一歩一歩、足音が響く。
それが、私の孤独さを表しているようで、嫌だった。
長い階段を上る──
着いた先は、一つの扉。
その扉の鍵は、既に開いている。
私は携帯電話を取り出した。
昨日のメールをもう一度、確認する。
川 ゚ -゚)「明日の放課後、屋上で待ってる……お」
- 69: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 00:38:46.30 ID:Mo5TbXDL0
- パチン、と音をたてて携帯を閉じる。
重たい鍵を少しうかせ、私は鉄の扉を開いた。
人工の電灯ではなく、点々と光り輝く太陽の光が入ってきた。
私は校舎から一歩、足を踏み出す。
そして、もう一歩。
私の両足は完全に外に出た。
屋上といっても、すぐに外という訳ではない。
一歩、一歩と、私は奥に進んでいく。
ようやく見えた青空。
そして、フェンスによりかかっている人影。
川;゚ -゚)「………!」
自慢の長い金色の髪、ツンとした目付き。
いつも私が見ている、あの彼女。
ξ゚听)ξ
紛れもない、ツンがそこにいた。
- 76: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 00:40:54.90 ID:Mo5TbXDL0
- 私は、いつもより早く一歩を踏み出した。
彼女との距離が、少しずつ縮まっていく。
川;゚ -゚)「ツン……?」
私は彼女に問いかける。
こちらに気づいたのか、長い髪を震わせ彼女がコチラを向いた。
川;゚ -゚)「なんでここに……?」
私は言葉を震わせながら言う。
寒さのせいでもあるが、不安が原因の大半を占めていた。
ξ゚听)ξ 「人を待っているの」
川;゚ -゚)「人……?」
ξ゚听)ξ 「あなた……よ」
- 84: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 00:44:11.72 ID:Mo5TbXDL0
- 川;゚ -゚)「私……?」
確かに聞こえたのだが、意味が分からない。
私はもう一度聞きなおした。
ξ゚听)ξ 「そう、アナタよ」
川;゚ -゚)「なぜ……?」
ξ゚听)ξ 「なぜ?」
彼女の背中がフェンスから離れ、コチラに一歩近づいた。
ξ゚听)ξ 「昨日、メール見たでしょ?」
川;゚ -゚)「アレは内藤からだ……」
ははは、と一つ笑いを入れるツン。
そして、あの目付きに戻った。
ξ゚听)ξ 「あのメールが内藤から?勝手な想像って怖いわね」
- 90: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 00:47:11.91 ID:Mo5TbXDL0
- 川;゚ -゚)「どういう……」
言葉が途切れる。
自分自身でも分からないが、口が上手く回らないのだ。
彼女は答えを返す代わりに、ポケットに手を入れた。
そこから出てきたものは、携帯電話。
川;゚ -゚)「し、しかし君のアドレスは知っている!」
2つのアドレスを携帯で持つなど、不可能だ。
ξ゚听)ξ 「……アナタって、意外と頭固いのね」
彼女は逆の手をポケットに入れ、もう一度出す。
その手にも、携帯電話が握られていた。
川;゚ -゚)「……!!」
ξ゚听)ξ 「今時、安い値段でプリペイド携帯買えるのよ」
プリペイド携帯……聞いた事はある。
- 97: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 00:51:13.91 ID:Mo5TbXDL0
- ξ゚听)ξ 「ま、私が勘違いさせるように仕向けたんだけど」
彼女は両手の携帯をポケットに戻す。
そして、さらに私との距離を縮めてきた。
川;゚ -゚)「………」
私は言葉が出なかった。
この状況が、信じられなくて、意味が分からなくて。
ξ゚听)ξ 「……屋上は、いい思い出がないみたいね」
川;゚ -゚)「!!」
彼女は私から離れていき、またフェンスの方向へと歩いていった。
と思うと、方向転換。
あの場所へと、歩いていった。
ξ゚听)ξ 「ここ……なんでフェンスないか、知ってるよね?」
彼女が指をさしているのは、少しだけフェンスが壊れている場所。
他のところと比べ、少しでも油断したら落ちてしまうような危ない場所。
ξ゚听)ξ 「……あなたの、元彼氏が──
川;゚ -゚)「うるさい!!」
- 102: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 00:55:03.67 ID:Mo5TbXDL0
- 突然、私は大声を出した。
声を出した私自信が、一番驚いている。
ξ゚听)ξ 「……あなたの元彼氏が、ここから落ちたんだよね?」
彼女が言い終わる時には、私の息は既に乱れていた。
別にキツイ訳ではない。
この話を聞くのが嫌なのだ。
ξ゚听)ξ 「2年前……だっけ?"あの事件"って」
川;゚ -゚)「はぁ……黙れ……はぁ……」
やめろ──やめろ
ξ゚听)ξ 「不慮の事故?それとも事件?」
やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ
ξ゚听)ξ 「……彼、まだ生きてるんでしょ?」
川;゚ -゚)「うるさい……はぁ……はぁはぁ……」
- 105: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 00:58:06.57 ID:Mo5TbXDL0
- ξ゚听)ξ 「……死んだような扱いするって、酷いよね」
川;゚ -゚)「はぁ……はぁ……」
呼吸すらきつくなって来た。
本当にやめろ。やめろ。やめろ。
ξ゚听)ξ 「きつそうね……」
彼女がもう一度、ポケットに手を入れる。
今度は、何か大きな写真のような物を取り出した。
ξ゚听)ξ 「これでも見て、笑ったら?」
川;゚ -゚)「!!」
その写真は、私がドクオと行った遊園地のジェットコースター。
楽しそうなドクオと、おかしな顔の私。
ξ゚听)ξ 「ほんっとうに笑える顔してるよね」
彼女はひらひらとその写真を揺らす。
川;゚ -゚)「それを……どこで……」
- 109: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 01:00:23.87 ID:Mo5TbXDL0
- ξ゚听)ξ 「普通に売ってあったわよ」
川;゚ -゚)「……」
ξ゚听)ξ 「アナタ、本当に全国52位?」
少し遅れながら、理解する。
理解するけど───したくないんだ。
川;゚ -゚)「なんで……こんなことを……」
少しずつ呼吸も落ち着いてきた。
彼女を見ながら、私は問う。
ξ゚听)ξ 「なんで……?そんな事もわからないの?」
少しだけの間。
冷たい風が、二人の髪を揺らした。
ξ゚听)ξ 「彼を救うためよ」
- 116: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 01:03:21.20 ID:Mo5TbXDL0
- 川;゚ -゚)「彼……?」
アイツのことか?ドクオの事か?誰だ?
ξ゚听)ξ 「そんな事も……ブーンに決まっているじゃない」
内藤……!?
なぜ内藤を救う事ために、こんなことをしなくちゃいけないのだ……!
ξ゚听)ξ 「アナタが……アナタは、彼を狂わせたのよ」
川;゚ -゚)「……」
ξ゚听)ξ 「アナタも知ってるかしら?ブーンがアナタの事を愛しているって事」
私は返事をしない。頷く事さえしない。
だけど、それだけで彼女は満足したようだった。
ξ゚听)ξ 「……そして、私は彼を愛していたのよ」
- 118: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 01:06:07.32 ID:Mo5TbXDL0
- ξ゚听)ξ 「彼がアナタの事を好きってしってから、どうしようもなくアナタが嫌いになった」
彼女の目は、私を睨みつける。
その目は、憎しみと怒りに支配されていた。
ξ゚听)ξ 「でもね……でもね。私にもチャンスが来たと思ったのよ」
ξ゚听)ξ 「アナタとドクオが……付き合い始めた」
そういえば、あの現場にツンも……
ξ゚听)ξ 「これでブーンはあきらめると思ったわ。そして、私と付き合えると。」
ξ゚听)ξ 「でも……彼は……アナタを……あきらめなかった」
- 120: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 01:09:24.68 ID:Mo5TbXDL0
- ξ゚听)ξ 「許せなかった……意味が分からなかった……」
ξ゚听)ξ 「なぜ彼がアナタを好きなのか!なぜ私に振り向いてくれないのか!」
彼女の言葉の一つ一つが強くなっていく。
冷たい風、彼女歩き出した。
ξ゚听)ξ 「そこで……私も考えたわ」
ξ゚听)ξ 「アナタの方から、彼を突き放させる」
ここでようやく合点が合う。
理解したという顔をしたのか、彼女は私の顔を見て言った。
ξ゚听)ξ 「分かった……?あのメールは、全部私からよ」
川;゚ -゚)「……」
ξ゚听)ξ 「アナタが彼を嫌いになるように。彼とアナタが離れるように」
……
ξ゚听)ξ 「でも……簡単には変わらなかった」
- 124: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 01:13:00.16 ID:Mo5TbXDL0
- ξ゚听)ξ 「一晩中考えた、いや、一週間は考えた」
ξ゚听)ξ 「……そこで、今度は違う手にしたわ」
彼女は私の横を通り抜け、私の後ろ側へと回る。
少し危険を感じたため、私も彼女の方を向いた。
ξ゚听)ξ 「アナタにも、私と同じ気持ちをあじあわせてやる……ってね」
川;゚ -゚)「ドクオ……ドクオに何をしたっ!!」
彼の最近の異常はコイツのせいか?
コイツのせいか!?
ξ゚听)ξ 「ちょっとだけ、テープを聞いてもらっただけよ」
彼女は左ポケットからカセットテープとレコーダーを取り出す。
それをすぐにセットし、再生ボタンを押した。
- 134: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 01:16:05.04 ID:Mo5TbXDL0
- 「ふぁ……もっとぉ……」
川;゚ -゚)「!!!!!!」
聞こえてきたのは、紛れもない私の声。
それも、あの夢……
ξ゚听)ξ 「ちょっとだけ改造させてもらったけど、主にあなたの声ね」
彼女はカセットテープを地面に置く。
相変わらず、その淫行に走る声が流れていた。
ξ゚听)ξ 「彼、最初は信じなくてね……少し改造してあげたわ」
ξ゚听)ξ 「アナタが、ドクオ以外の男性としている風にね」
川;゚ -゚)「貴様……」
私にも怒りがこみあげてくる。
ただ、この声は私以外の何者でもないと考えると、ただ怒りに任せるだけの行動はできなかった。
- 141: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 01:18:44.88 ID:Mo5TbXDL0
- ξ゚听)ξ 「これで、アナタ達を別れさせれたら、少しは気持ちが分かると思った」
川;゚ -゚)「……」
狂っている、私はそう思った。
彼女は狂っている。今まで知っている彼女ではない。
ξ゚听)ξ 「そこにね……ある日、ブーンが私を呼び出したのよ」
彼女の声のトーンが少し上に向く。
まるで、嬉しがっているかのように。
ξ゚听)ξ 「……彼、何て言ったと思う?」
ξ゚听)ξ 「『もうやめるお』だってよwwww 信じられる?www」
- 156: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 01:22:10.08 ID:Mo5TbXDL0
- ξ゚听)ξ 「私は彼を呪縛から救うためにやっているのに!」
ξ゚听)ξ 「私は彼のことを愛しているからやっているのに!」
ξ゚听)ξ 「彼は……」
彼女の足が私へと向く。
一歩、また一歩と近づいてきた。
ξ゚听)ξ 「もう分かった……彼を自由にするには、これしかないって」
一歩、また一歩と近づいてくる。
川;゚ -゚)「……」
私はそれから逃げるように、後ろ向きに下がっていく。
後ろ、後ろ、後ろ───
川;゚ -゚)「っ!!」
後ろを振り向くと、あの壊れたフェンスが私の後ろにあった。
- 170: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 01:25:04.14 ID:Mo5TbXDL0
- ξ゚听)ξ 「アナタが……死ねばいいの……」
彼女との距離が、一歩ずつ縮まっていく。
やめろ──やめろ──来るな!!
川;゚ -゚)「来るな……来るな!!」
ξ゚听)ξ 「あの元彼と同じ結果にしてあげる……」
両手を前に突き出し、彼女は私へと近づいてくる。
川;゚ -゚)「止めろ……ドクオ……ドクオ……!」
ξ゚听)ξ 「彼は今頃、バスケットに夢中の頃ね」
川;゚ -゚)「嫌だ……ドクオ!ドクオオオオ!!」
視界が彼女で埋め尽くされる──
私は目を閉じた。
そして、肩に手が触れる。
- 184: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 01:27:56.85 ID:Mo5TbXDL0
- 川 - )「………」
川 - )「………」
川 - )「………?」
川;゚ -゚)「………?」
目を開ける、私の肩に触れている手は、相変わらず私の肩を掴んでいた。
その手の向こう、ツンの両手が見えていた。
川;゚ -゚)「……」
(;'A`) 「間一髪……間に合った?」
- 203: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 01:30:38.54 ID:Mo5TbXDL0
- 川;゚ -゚)「…ド……ク・・・オ…?」
(;'A`) 「おう」
私の肩を掴んでいるのはドクオ。
その彼の向こうに、ツンがいた。
ξ;゚听)ξ 「な、なんで……?」
一番驚いているのはツンだった。
足元がぐらつき、ゆらゆらと後ろに下がっていく。
(;'A`) 「……」
彼は私を掴んだまま、一歩二歩と前に出る。
ようやく安全という事が分かった。
(;'A`) 「大丈夫か……?」
くるりと私の方を向き、問いかけてくる。
私は、返事の変わりに小さく頷いた。
- 214: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 01:34:54.07 ID:Mo5TbXDL0
- ξ;゚听)ξ 「なんで……」
彼女は未だにふらふらと立っていた。
ドクオが私を後ろにやり、答える。
(;'A`) 「訳のわかんねー先公に呼び出されてな……俺の身の回りのこと全部しっていやがった……」
(;'A`) 「それで、ここの事教えてもらったんだけどな……」
ξ;゚听)ξ「何よ……それ……」
(;'A`) 「クー……悪い。コナンから全部聞いた」
彼は私の手を握り、もう一度、言う。
(;'A`) 「……悪い」
川;゚ -゚)「……気にするな……。こっちが悪い……。」
私とドクオが手を繋ぎ、見つめている間。
もう一人の女性は、ふらふらと進んでいた。
- 216: 猪(ほろよい): 2006/12/30(土) 01:35:08.59 ID:1R+l5cZD0
- 川;゚ -゚)「嫌だ……ドクオ!ドクオオオオ!!」
視界が彼女で埋め尽くされる──
私は目を閉じた。
そして、肩に手が触れる。
「信じるんだ。君は飛べる!」
- 227: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 01:37:07.69 ID:Mo5TbXDL0
- ξ )ξ 「何で……何で……」
彼女はふらふらと、フェンスの方へ歩いていく。
あのフェンスへ。
ξ )ξ 「意味分からない……」
その距離は、もうあと少しとなっている。
川;゚ -゚)「……!!」
(;'A`) 「お、おい!ツン!!」
私たちが気づいたときはもう遅い。
必死で手をのばすも、彼女には届かない。
ξ )ξ 「何で……」
彼女の右足が、空に浮いた
- 245: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 01:40:40.09 ID:Mo5TbXDL0
- ⊂二二二( ゚ω゚)二⊃「ツン!!!」
突然両手を広げ、現れた男。
よく見たことのある、よく話したことのある、
あの男。
その男は、一瞬にして私達の横を通り過ぎ、フェンスへと向かった。
少しずつ消えていくツンの体、ツンの手を、彼は握りしめた。
( ゚ω゚)「ツン!」
彼は握り締めた手を引き上げる。
必死になって彼女を抱きしめた。
ξ )ξ 「……ブーン?」
( ゚ω゚)「だお!」
- 261: ◆sHNGWXTAUA :2006/12/30(土) 01:44:30.81 ID:Mo5TbXDL0
- 彼女と彼は、もう一度顔を見合わせる。
そして、私と彼も。
川;゚ -゚)「……ドクオ?」
(;'A`) 「んあ……?」
彼の腕に包まれている私。
そっと、彼に呟いた。
川;゚ -゚)「少し……汗臭いぞ」
(;'A`) 「バッ!部活中だったんだよ!!」
その彼に向かって、私は抱きつく。
少し恥ずかしそうに、彼は私の頭を撫でた。
〜二十一話完〜
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