('A`)ドクオくんの家には変な人が来るようです

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/09(土) 23:33:18.93 ID:QGlrDY/U0
 
オレの名前は、鬱田ドクオ
貧乏大学1年生

住んでるアパートは、6畳風呂なし1R

南向き、日当たり良好
駅から徒歩で10分程度

立地条件からすれば非常にリーズナブル
大学生の一人暮らしとしては中々のものである




('A`)「毎回思うんだが」

('A`)「たまには変人以外来ないのかな、この家」

('A`)「変人だけならまだしも人外とか来るし」

('A`)「ほらほら、せっかくなら最近話題のアイドルとかさ」



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/09(土) 23:35:44.94 ID:QGlrDY/U0
 
('A`)「まぁ、別にアイドルじゃなくてもいいんだけど」

('A`)「こう知的なメガネっ子委員長とか、物腰柔らかな和服美人とか」

('A`)「主人公を殺すために現れた黒服金髪宇宙人とか、ちょっと天然な袴姿の青髪自縛霊とか」


('A`)「そういうの」


▼・ェ・▼ …

▼・ェ・▼ クゥン

▼・ェ・▼(いいからエサよこせ、このダボが)


('A`)「…はぁ」

('A`)「やっぱり駄犬に何言っても一緒か」

('A`)「一応ファンタジー世界の生き物だから、少しは期待したんだけど」



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/09(土) 23:38:35.09 ID:QGlrDY/U0
 

▼・ェ・▼ クンクン


('A`)「ん? なんだ?」

('A`)「しっしっ、もうお前に用はねーよ」

(A` )「テレビでも見よ」


▼・ェ・▼ …




ただ、問題があるとすれば――…



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/09(土) 23:43:08.16 ID:QGlrDY/U0
 
ピンポン
ピンポーン

ピンポン
ピンポン


(メ'A(メメ)「はいはい…」

(メ'A(メメ)「んなピンポンピンポン鳴らすなつーの」

(メ'A(メメ)「へーい、どこの変人さんです…」



ξ;゚听)ξ「助けて!! 追われてるの!!」



('A`)


(A` )

≪ドMステ!! 本日のゲストは――
≪超人気アイドルのツンちゃんでーす!!
≪きゃあああああ!!
≪ツンちゃーん!! 可愛いー!! 結婚してくれー!!



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/09(土) 23:45:43.46 ID:QGlrDY/U0
 
(A` )「…」

(ノ-A-)「…」

ξ ゚听)ξ「…あ、あの、助けてほしいんですけど」

('A`)「あ、えっと、その前にちょっと質問いいですか」

ξ ゚听)ξ「は、はぁ…」

('A`)「その…」

('A`)「変人さん……です、か?」


ξ ゚听)ξ「は?」




  変じゃない人もたまには来る、ということだ






17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/09(土) 23:47:14.29 ID:QGlrDY/U0
 


 ('A`)ドクオくんの家には変な人が来るようです

          Case8:ξ ゚听)ξ





21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/09(土) 23:49:59.14 ID:QGlrDY/U0
 
(;'A(メ)「ごめんなさい」

ξ#--)ξ「初対面で変人なんて言われたの初めてだわ」

('A(メ)「初対面で殴るのはOKなんですね」

ξ;゚听)ξ「し、失礼なこと言うからよ!!」

('A`)「…」

ξ ゚听)ξ「なによ」

('A`)「いや、追われてるんじゃ?」

ξ;゚听)ξ「は!! そうだったわ!! 早く!! 入っていいわよね!?」

(;'A`)「構いませんけど…」

(;'A`)「えっと、その、ツンさんですよね? ア、アイドルの」

ξ;゚听)ξ「そうよ、見れば分かるでしょ!! お邪魔します!!」

('A`)「…」

(;'A`)(アイドルが我が家に…!!)

(;'A`)(どどどどうしよう。お茶ぐらいしか出すものが…)



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/09(土) 23:54:36.54 ID:QGlrDY/U0
 

バタン!!


(゚、- ξ「…むー」


('A`;)「…」

ξ --)ξ=3「ふー」

ξ ゚听)ξ「とりあえず大丈夫みたいね」

('A`)「…大丈夫?」

ξ ゚听)ξ「さっきも言ったけど、追われてるの」

('A`)「誰にですか?」

ξ ゚听)ξ「…」


ξ;--)ξ「……ストーカー」

(;'A`)「ス、ストーカー…!!」



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/09(土) 23:57:10.78 ID:QGlrDY/U0
 
(;'A`)「ストーカーって、あのストーカー!?」

ξ ゚听)ξ「まぁ、そのストーカーでしょうね」

(;'A`)「警察に…」

ξ --)ξノシ「あーダメダメ。何度か言ったけど信じてくれないし、というか、警察はNGなの」

('A`)「…?」

ξ ゚听)ξ「色々あるのよ」

('A`)「じゃあ、どうするんですか?」

ξ ゚听)ξ「とりあえず、ちょっと匿ってくれない?」

ξ ゚听)ξ「落ち着けば大丈夫だと思うから」

('A`)「それは全然いいですけど」

ξ ゚听)ξ「…」

('A`)「なんすか」

ξ ゚听)ξ「いや。あんた、どっちかっていうとストーカー面ね」

(;'A`)「人を顔面で判断するの良くない!!」



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/09(土) 23:59:41.35 ID:QGlrDY/U0
 

ξ ゚听)ξ ←とりあえずやることがないので、茶でも飲んでる

('A`)    ←とりあえず場をつくろうために、茶を出してる


ξ ゚听)ξ「薄い」

('A`)「飲んで一言目がそれですか」

ξ ゚听)ξ「だって薄いんだもの」

('A`)「京風の茶葉なんですよ、それ」

ξ ゚听)ξ「ウソくさいわね」

ξ ゚听)ξ「ねーねー。お茶受けとかないの」

('A`)(すっかりくつろいでるな、この人)

('A`)「えーっと」

('A`)「ちょっと前まではおっぱいプリンとかあったんですけど」

ξ ゚ -゚)ξ「…」

('A`)「わぁ、蔑んだ目」



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:01:39.24 ID:qmlHTMxT0
 
('A`)「一応言っときますけど、もらい物ですからね」

(A` )「えっと、確かここらに煎餅が…」 ゴソゴソ

(A` )「んー…」 ゴソゴソ

(A` )「しかし、いいんですか?」

ξ ゚〜゚)ξ「何が?」 モグモグ

(;'A`)「あぁ!! 冷蔵庫に入れておいたオレのゼリー!!」

ξ ゚听)ξ「うん、お茶受けにゼリーはないわ」

('A`)「じゃあ、なんで食ったし」

ξ ゚听)ξ「それはそれよ。で、何?」

('A`)「その…」

('A`)、「現役トップアイドルが、わ、若い男の部屋にだなんて…。それにストーカーとか…」

ξ ゚听)ξ「それは大丈夫。アホなこと言ってるけど、あんた無害そうだし」

ξ ゚听)ξ「草食系っていうか、プランクトン系男子って感じ?」

(;'A`)「微生物とな!?」



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:03:28.87 ID:qmlHTMxT0
 
(;'A`)「もうちょっとこう他の言い方は…」

ξ ゚听)ξ「うーん」

ξ ゚听)ξbm「あ。じゃあ、バクテリアとか!!」

(;'A`)「じゃあ、じゃねぇよ!! さほど変わってねぇだろ!!」



ピンポーン


Σξ;゚听)ξ「!!」

('A`)「誰か来たみたいですね」

ξ;゚听)ξ「やだ…、追ってきた、とか?」

('A`)「ありえますね」

ξ ゚听)ξ「ねぇ、見てきてよ」

('A`;)「オ、オレが!?」



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:05:09.11 ID:qmlHTMxT0
 
ξ ゚听)ξ「あんたの家でしょ!!」

('A`;)「あんたの客かもしれないだろ!!」

ξ ゚听)ξ「刺されたりしたらどうするのよ!!」

('A`)「え、刺すの?」

ξ ゚听)ξ「…」

('A`)「…」

ξ ゚听)ξ「…」

ξ ゚ー゚)ξ「えへっ☆」

('A`;)「えへっ☆じゃねぇよ!! そんなところに他人を送りこむなよ!!」

ξ#゚听)ξ「現役トップアイドルを送りこむよりは100億倍マシでしょ!?」

('A`;)「100億分の1以下なの!? オレの命!?」



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:08:28.18 ID:qmlHTMxT0
 

ピンポンピンポン


ξ ゚听)ξ「きっとあんたが頼んだおっぱいプリンよ」

('A`;)「そんなん買うか!! だから、あれはもらいもんだっつーの!!」

('A`;)「さ、刺されるなんて嫌だぞ、オレは!!」

ξ#--)ξ「えぇい、ウジウジと……」

ξ#゚听)ξ「いいから、さっさといけぇ!!」


ξ#゚听)ξ┌┛☆(;'A`)「んげぇ!!」 ゲスッ!!



(;'A`)「くそ、いてぇ…」

(;'A`)「現役トップアイドルが蹴りなんてしていいのかよ…」

(;'A`)「はぁ、仕方ねぇなぁ」

(;'A`)つ「どちらさまですかー…、刺さないでくださいねー…」 ガチャ



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:10:19.62 ID:qmlHTMxT0
 

゚听)ξ「…どう? 大丈夫だった?」


('A`)「…」

('A`)「amazonでした」

ξ ゚听)ξ「…」


ξ#゚听)=つ)'A`)「ぎゃーす!!」 ドゲンッ!!


ξ#--)ξ「ったく、紛らわしいったらないわ」

(メ)A`)「amazonの人を殴るべきじゃね?」

ξ ゚听)ξ「手近なとこで済ませたの」

(メ)A`)「オレは休日のランチか何かか」

ξ ゚听)ξ「いやよ。こんなランチ」

(メ)A`)(普通に拒否されると地味に傷つくな…)



37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:14:10.06 ID:qmlHTMxT0
 
('A`)「しかし、そんなに怖いんですか」

('A`)「ストーカー」

ξ ゚听)ξ「…」

ξ ゚听)ξ「怖いわよ。まぁ、ストーカーやる側のあんたには分からないだろうけど」

(;'A`)ノシ「いやいやいや、普通にストーカー側の人間にしないでもらえます!?」

ξ ゚听)ξ「ストーカーは皆そう言うのよ!!」

(;'A`)「あんたどんだけストーカーと面識あんだよ!!」

ξ ゚听)ξ「両手で足りないぐらい」

('A`)「トップアイドル半端ねぇ」

('A`)「…」

('A`)「じゃあ、今日のもその中の一人ってことっすか?」

ξ;--)ξ「いいえ、なんというか…。でも、今日のが一番最悪」

ξ ゚听)ξ「他のやつらなら、クロスでカウンターとるぐらいできるんだけど」

('A`)「随分と実践的なストーカー撃退法だな…」



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:16:07.37 ID:qmlHTMxT0
 
('A`)「しかし、アイドルなんてやってると色々苦労があるんすね」

ξ ゚听)ξ「…」

ξ --)ξ「…」

('A`)「…」

('A`)「どうかしました?」

ξ --)ξ「ま、いいか。どうせ、もうすぐ公式発表だし」

('A`)「…?」


ξ ゚听)ξ「私、アイドルやめるの」


('A`)「え」

('A`)「マジっすか」

ξ ゚听)ξ「マジよ」



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:18:10.89 ID:qmlHTMxT0
 
('A`)「なんで、また…」

('A`)「オレが言うのもあれですけど、今、一番ノってるときじゃないんですか?」

ξ ゚听)ξ「…」

ξ --)ξ、「そう、ね」

('A`)「その、ストーカーですか?」

ξ --)ξ「ううん。…まぁ、それも一理あるけど…」

ξ --)ξ「…」

ξ ゚听)ξ「あんた、夢ってある?」

('A`)「へ?」

ξ ゚听)ξ「夢よ、夢。アメリカンドリームとかそういうの」

('A`)「アメリカンドリームって…」

ξ;゚听)ξ「うっさいわね! 大体意味は分かるでしょ!! 夢、あるの、ないの!?」

('A`)「まぁ、分かりますけど。夢は…、特にないっすね」

ξ --)ξ=3「まぁ、そんな感じよね。あんた、夢も希望もない顔してるもん」

(;'A`)(じゃあ聞くなよ…)



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:20:48.59 ID:qmlHTMxT0
 
ξ ゚听)ξ「そんなあんたと違って、私にはでっかい夢があったわ」

('A`)「…」

ξ#゚听)ξ「聞きなさいよ」

(;'A`)「聞いてますよ」

ξ#゚听)ξ「黙って聞いてるだけなんてカカシでも出来んのよ。相槌打てって言ってんの」

(;'A`)「はぁ」

(;'A`)「で、なんですか。その夢って」

ξ ゚ー゚)ξ「ふふん。よくぞ聞いてくれたわね」

('A`)(あんたが聞けって言ったんじゃねぇか)

ξ ゚听)ξ「私の夢は歌手になること!! 日本一のね!!」

('A`)「…」

ξ#゚听)ξ「反応は!?」

(;'A`)「は、え、いや…、なんつーか」

('A`)「叶ってるじゃないですか、その夢」



44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:26:14.40 ID:qmlHTMxT0
 
ξ ゚听)ξ「…」

ξ --)ξ「ううん、ちょっと違うわ」

('A`)「…?」

ξ ゚听)ξ「アイドルは嫌いじゃない。皆からチヤホヤされて、きゃーきゃー言われて、すっごく幸せ」

ξ ゚听)ξ「でも、ね」

ξ ゚听)ξ「分からなくなったの。私の歌がちゃんと皆に届いているのかどうかが」

('A`)「…」

ξ ゚听)ξ「今の歌、作詞作曲は私の知らない人。流行ってるフレーズをそれっぽいメロディーにのせて歌ってるだけ」

ξ ゚听)ξ「自分の作った歌を歌いたいって言ったこともあるけど。でも、それじゃあ売れないから、今の売り上げを維持しなきゃいけないから」

ξ --)ξ「ファンを裏切れないから…」

ξ ゚听)ξ「そう言われるとそうとしか思えなくて。そうやってずっと歌ってきたの」

('A`)「…」



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:28:12.51 ID:qmlHTMxT0
 
ξ ゚听)ξ「でも、ようやく気付いたの」

ξ ゚听)ξ「それは自分を裏切る行為だって。偽った自分を演じてても何の意味もないんだって」

ξ --)ξ「だから、もうアイドルは辞める」

ξ ゚听)ξ「そして、皆に聞いて欲しいの。私の本当の歌を。私の――…」





ξ ゚听)ξ「デスメタルを」





('A`)



('A`)「は?」



49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:29:50.02 ID:qmlHTMxT0
 
('A`)「いや……、え?」

ξ ゚听)ξ「どうかした?」

('A`)「いや、デスメタルとか言いませんでした?」

ξ ゚听)ξ「言ったわね」

(ノ'A`)「…」

('A`)「メタルって、あの? こうFUCKYOU!!とかいう感じの?」

ξ ゚听)ξ「端的に言えばそうね」

(;'A`)「アイドルやめてメタルに走るの!?」

ξ#゚听)ξ「何よ!! メタルを馬鹿にすると許さないわよ!!」

('A`)「いや、馬鹿にしてるわけじゃないんですけど」

ξ ゚听)ξ「パパやママも褒めてくれたのよ」

('A`)「どんなご両親だ」



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:37:57.78 ID:qmlHTMxT0
 
ξ ゚听)ξ「親戚のおばさんも、知らないおじさんも、ヤンキーのお兄さんも褒めてくれたわ」

ξ ゚听)ξ「ツンちゃんの歌はハイになるね、キマってるねって」

(;'A`)「キマってるの意味違ぇだろ!!」

ξ ゚听)ξ「ちょっと上手いわね、あんた」

(;'A`)「そんなことに関心しなくていいから!!」

ξ ゚听)ξ「懐かしいわ」

ξ ゚ー゚)ξ「ギターとベースとドラムと白い粉でセッションしたこともあったわ」

('A`)「おい、変なの混ざってるぞ」

('A`)「てか、遠い目をしてるけど犯罪だから」

('A`)「警察にいけない理由が分かったわ」



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:39:37.86 ID:qmlHTMxT0
 
ξ ゚听)ξノノ「まぁ、この際それは置いといて」

('A`)(置いてていいのか、この問題)

ξ ゚听)ξ「私はアイドルをやめて、メタルの道を突き進むの!!」

('A`)「はぁ、さいでっか」

('A`)「なんというか頑張ってください」

ξ ゚听)ξ「えぇ、ありがとう。バクテリアさん」

(;'A`)「その呼び方やめろ!!」


ξ ゚听)ξ「でもやるんだったら、メンバーが…」

ξ ゚听)ξ「…」

('A`)「…」

ξ ゚听)ξ「…」

('A`)「なんすか」

ξ ゚听)ξ「今、気付いたんだけど、あんたって意外とバンドマンみたいな感じなのね」



56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:42:07.14 ID:qmlHTMxT0
 
(;'A`)「え? オレが?」

( 'A`)「…」

('A`*)「そ、そうかなぁ」

ξ ゚听)ξ「えぇ、ガリガリの体にボサボサの髪の毛。それに、どことなく死にそうな感じだし。メタルにはぴったりかも」

(;'A`)「ちょっとでも期待したオレがバカだったよ!!」



ピンポーン


ξ ゚听)ξ「あ」

('A`)「お」

ξ ゚听)ξ「…」

('A`)「分かった。わーかったよ」

('A`)「行けばいいんだろ、行けば」

ξ ゚听)ξ「あら。物分りがよくて助かるわ」

('A`)「暴君による恐怖政治だな…」



57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:43:20.31 ID:qmlHTMxT0
 

ピンポーン


('A(メ)「はいはいー」

('A(メ)「ぶっちゃけストーカーより、あの人のほうが怖いですよー…と」



ガチャ



ζ(゚ー゚*ζ「夜分遅くに申し訳ありません」

ζ(゚ー゚*ζ「私、ツンのマネージャーのデレといいます。ツンはこちらに…?」



('A`)



60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:46:32.65 ID:qmlHTMxT0
 
(A` )「…あ、あのー」


゚听)ξ「なによ、またamazonとかー…」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、ツンちゃん!!」

ξ;゚听)ξ「げぇ、デレ!!」

ξ;゚听)ξノシ「早く閉めて!!」

('A`)「え? だって、マネージャーさんですよ?」

ξ;゚听)ξ「だからよ!!」

('A`;)「いや、意味が…」

ζ(゚ー゚*ζ「お邪魔しまーす」


ξ;ノ-)ξ「あぁ…」

ζ(゚ー゚*ζ「えへへ、ツンちゃん。1時間と50分ぶりだね」

ξ;--)ξ「はぁぁぁ…」



61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:48:41.29 ID:qmlHTMxT0
 
ξ ゚听)ξ「どうしてここが分かったの?」

白ζ(゚ー゚*ζ「はい、GPS。ツンちゃんの位置は常にちゃんと把握してるよ」

ξ ゚听)ξ「この携帯もアウトか。先週変えたばっかなのに」

('A`)「…」

('A`)「あの…、話が読めないんですけど」

ξ ゚听)ξ「どのあたりが?」

('A`)「全体的に」

ξ --)ξ「…」

ξ ゚听)ξ「ずばり核心から言うと」


ξ ゚听)ξ「ストーカーはこいつよ」


('A`)「え」

( 'A`)「…」

('A`)「いや、そんなまさか」



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:50:25.66 ID:qmlHTMxT0
 
ξ;--)ξ「まぁ、そういう反応するでしょうね」

ζ(゚、゚*ζ「ひどい、ツンちゃん!! ストーカーだなんて!!」

ζ(゚、゚*ζ「私はマネージャーとしての役割をまっとうしてるだけだよ!!」

ξ;゚听)ξ「どこの世界に担当アイドルの風呂の湯を飲んだりするマネージャーがいるか!!」

ζ(゚ー゚*ζ「えへへ、甘みがあって美味しいんだよ」

('A`)「…」

ξ ゚听)ξ「わかった?」

('A`)「一瞬で関係性が把握できました」



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:52:31.07 ID:qmlHTMxT0
 
ζ(゚ー゚*ζ「で、ツンちゃん。この男の人は誰?」

ζ(^ー^*ζ「事と次第によっては、東京湾の底に沈んでもらうことになるんだけど」

(;'A`)「何かおっかないこと言ってるんだけど、この人」

ξ --)ξ「こいつは…」

ξ ゚听)ξ「私の新しい相方よ!!」

('A`;)「ちょっ」

ξ ゚听)ξ「アイドルのツンデレは卒業。私はアイドルをやめて、こいつとメタルバンドをやるの!!」

('A`;)「え!? そこまで話決まってたの!?」

ζ(゚ー゚;ζ「そ、そんな…」

ξ ゚听)ξ「分かった、デレ? あなたとの関係も今日で終わり。私のお風呂のお湯も飲み納めよ」

ζ(゚、゚;ζ「や、やだよ、ツンちゃん!! あのお湯がないと私、私!!」

('A`)(…そんなに風呂の湯は重大なのか)



67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 00:53:39.82 ID:qmlHTMxT0
 
ζ(゚、゚*ζ「…」

('A`)「…」

ζ(゚、゚*ζ「この男が…」

(;'A`)「うわぁ、ヤバいフラグがびんびん立ってる気がする」

ζ(゚□゚*ζ「この男がツンちゃんを誑(たぶら)かしたんだね!!」

ξ;゚听)ξ「ば、バカなこと言ってんじゃないわよ!!」

ξ;゚听)ξ「こいつはあれよ、バクテリアよ!! 真正細菌なのよ!?」

('A`)「お前は細菌とバンドを組むつもりなのか」

ζ(゚ー゚*ζ「…」

ζ(゚ー゚*ζ「そういわれればどことなく…」

(;'A`)「そこ!! 納得してんじゃねーよ!!」



69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 01:00:28.74 ID:qmlHTMxT0
 
ζ(゚、゚*ζ「でも、ツンちゃん。私よりバクテリアを取るんだ」

ξ ゚听)ξ「バクテリアはトイレを隠し撮りなんてしないからね」

ζ(゚□゚*ζ「担当アイドルの健康状態を確認することがそんなに悪いことですか!!」

ξ;゚听)ξ「それならもっと違う方法とりなさいよ!!」

ζ(゚ー゚*ζ「趣味と実益を兼ねた素晴らしい方法なのに…」

ξ ゚听)ξ「明らかに趣味の割合が大きいでしょ、それ」


ζ(゚ー゚*ζ「あぁ、私もバクテリアになりたい」

ζ(゚ー゚*ζ「バクテリアになれば隠し撮りどころか体内への侵入すら可能なのに」

ζ(゚ー゚*ζ「バクテリアになってツンちゃんの大腸菌といちゃいちゃしたい」

ξ ゚听)ξ「あんたは人間やめる気なの」



('A`)「どうでもいいけど、オレのことバクテリアで定着させるのやめてもらいます?」



70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 01:06:29.47 ID:qmlHTMxT0
 
ξ --)ξ「まぁ、あんたがバクテリアになろうがなるまいが知ったこっちゃないわ」

ξ ゚听)ξ「これからは新しい私が、ニューツンのようですが始まるのよ!!」

('A`)「なんてセンスのないネーミング…」

ξ#゚听)ξ「…」

(;'A`)「ひぃぃぃ、やめて!! 痛い!! 皮を、皮をひっぱらないで!!」


ζ(゚ー゚*ζ「…」

ζ(゚ー゚*ζ「ツンちゃん…」

ξ ゚听)ξ「何」

ζ(゚ー゚*ζ「本当にアイドルをやめるの?」

ξ ゚听)ξ「そうよ」

ξ ゚听)ξ「私のやりたかった音楽を私のためにやるの」

ζ(-、-*ζ「そう…」



72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 01:11:26.65 ID:qmlHTMxT0
 

ζ(゚ー゚*ζ「じゃあ、私もマネージャーやめます!!」


ξ ゚听)ξ「は?」

ζ(゚ー゚*ζ「マネージャーをやめて、バンドに入ります!!」

ζ(゚ー゚*ζ「バクテリアの人もそれでいいですね!!」

('A`)「は?」

ξ;゚听)ξ「いや、あんた入ってどうするのよ!?」

ζ(゚ー゚*ζ「大丈夫。これでもベースで人を殴るのとか得意だから」

('A`)「いや、得意な部分がおかしいだろ、それ」


ξ ゚听)ξ「……意外とやるじゃない」

Σ('A`;)「!?」



73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 01:14:19.04 ID:qmlHTMxT0
 
ξ ゚听)ξ「何よ、引きこもりがゲーセンで絡まれたような顔をして」

(;'A`)「変な例えかたすんなよ!! リアルだろ!!」

(;'A`)「つーか、ベースで殴るっておかしいだろ!! いや、おかしいよね!?」

ζ(゚ー゚*ζ「ギターのほうがよかった?」

(;'A`)「そういう問題じゃねぇよ!!」

(;'A`)「なんで楽器で人を殴るんだよ!!」

(;'A`)「バンドの中でどういうポジションなんだよ、それは!?」

ξ ゚听)ξ「バイオレンス担当」

ξ ゚听)ξ「デスメタルには欠かせないわね」

(;'A`)「え、えぇー…」

ζ(゚ー゚*ζ「破壊衝動をそのまま客にぶつけるんだよ」

ξ ゚听)ξ「分かってるじゃない、デレ」

(;'A`)「えー…」



75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 01:16:20.64 ID:qmlHTMxT0
 
ζ(゚ー゚*ζ「伊達に、長年マネージャーはやってないからね」

ζ(゚ー゚*ζ「ツンちゃんが自分の音楽をやりたがってることも知ってたよ」

ξ;゚听)ξ「え、そうだったの!?」

ζ(゚ー゚*ζ「うん。でも、黙ってた」

ζ(゚ー゚*ζ「仕事もあるけど、それはツンちゃん自身の問題だから」

ζ(゚ー゚*ζ「私がやることはあくまでもツンちゃんのサポート」

ζ(゚ー゚*ζ「アイドルでもバンドでも全力を尽くして、ツンちゃんをサポートするよ」

ξ*゚听)ξ「デレ…」


ζ(゚ー゚*ζ「だから、お願いね。お風呂の湯」

ξ;゚听)ξ「やっぱりそこか!!」



76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 01:23:00.39 ID:qmlHTMxT0
 
ζ(゚ー゚*ζ「湯さえ飲めればお給料はなしでもいいから!!」

ξ;゚听)ξ「ちょっとでもほろりとした私が馬鹿だったわ!!」


(;'A`)「あ、あのぉ」

(;'A`)「ボクはそういう激しいことは苦手なんで、今回の話は辞退させていただきたいんですが…」

ξ ゚听)ξ「何言ってんの、あんたもメンバーよ」

(;'A`)「バイオレンス担当はマネージャーさんでいいじゃん!!」

ξ ゚听)ξ「バイオレンスされる側が必要でしょ?」

('A`)「…」


(;'A`)「絶対嫌だぁぁぁぁぁぁぁ!! ただの生贄じゃねぇか、それ!!」

ξ#゚听)ξ「はぁ!? メタルを冒涜する発言は許さないわよ!!」

(;'A`)「メタル以前の問題だよ!!」

ζ(゚ー゚*ζ「まぁまぁ、シドヴィシャスに噛まれたとでも思って」

(;'A`)「どんな例えだ、それは!!」



77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 01:24:17.12 ID:qmlHTMxT0
 
オレの名前は、鬱田ドクオ
貧乏大学1年生

住んでるアパートは、6畳風呂なし1R

南向き、日当たり良好
駅から徒歩で10分程度

立地条件からすれば非常にリーズナブル
大学生の一人暮らしとしては中々のものである


ただ、問題があるとすれば――…



79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 01:26:51.25 ID:qmlHTMxT0
 
≪ドMステ!! 本日のゲストは――

≪超人気アイドルがデスメタルバンドへと驚異の進化!!
≪期待の新生、『カツーン&デレ』だ!!


('A`)「お、やってるやってる」

('A`)「まさかここまで大ブレイクするとはなぁ」

('A`)「二人がこの前までウチにいただなんて、誰も信じねぇだろうな」



≪きゃああああああああ!!
≪ツンちゃーん!! 可愛いー!! 結婚してー!!!
≪デレちゃーん!! 踏んでー!! 踏み倒してー!!!


('A`)「…」

('A`)「もしかしたら、オレがこのステージに立っていたかもしれないのか…」



80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/10(日) 01:27:54.59 ID:qmlHTMxT0
 
≪私たちの本当の歌聞いてください
≪わぁぁぁぁぁぁ!!!

≪可愛っ、…ぐああああ!!? うぎゃあああああ!!!
≪踏ん、……ぎぇえええええええ!!!

≪ザ――…



('A`)「…」

('A`)「抜けて本当に良かった…」

('A`)「本当に」




  TVの前で生贄になる可能性がある、ということだ



                 Case8:おしまい



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