ブーン系情報誌
Boon Novel Magazine
ブーン系のレシピ


突然ですが、私はブーン系が大好きです。
大好きなので、これからも良い作品良い作者が増えて欲しいなと思っております。
しかしながら現在のブーン系において、「作者になる」「文章を書く」と言うのは、何故だかやたらと敷居の高い事に思われている気がします。
同じVIPにしても「妹スレ」「姉スレ」「やる夫系」「ブーン系以外のようですスレ」「キャラ名「〜〜」系のスレ」などと比べると、その違いは歴然だと思います。

これは一体、何故なのか。
ただ「ブーン系はVIPでも異端」とか「某スレがあるから」だとか言うのは簡単ですが、それでは何の解決にもなりません。
ここは一つ、足りない頭を捻って考えてみました。

ひとまず原因の一つとして、「読み物、物語としての性質がそもそも違うから」と言うのがあると思います。

まず「妹、姉スレ」は『キャラが素晴らしければ、それが最大の武器となる』。基本的にそう言ったスタンスの作品です。
次に「やる夫系」。これは内容がどれだけ興味を引くか。「売り」が最大のポイントだと思われます。
そして「ブーン系以外のようですスレ」。これは更に幾つかのパターンに分類出来るのですが、

とりあえずここでは二つのパターンに。
まず一つは「○○が××の世界にやってきたようです」シリーズです。
これは『キャラと』『世界観』が最初から用意されている訳ですから、意外と書きやすい筈です。
勝負の……と言うと変な物ですが、決め手になるのは二つの要素がどれだけマッチしているか、でしょうか。

もう一つは「(キャラ名)が○○する、した、その他諸々、ようです」シリーズですね。
これも『キャラ』と『世界観』は既に用意されていますから、書きやすいでしょう。
決め手となるのは恐らく作品全体を通しての『主旨や雰囲気』でしょうか。
「キャラ名「〜〜」系のスレ」も、これと似たようなジャンルだと思われます。

このように、上記のようなスレは「自分で全てを作る必要が無い」訳です。
妹、姉スレは、自分で作るのは断片的なシチュエーションと妹、姉が持つ属性、性格でしょうか。
勿論それだけだと断言するのはとても失礼な事でして、そんなつもりは毛頭ありませんが。

やる夫系は基本的には専門知識を売りとする物が多いですね。
最近はオリジナルストーリーの物が多く見られますけど。

ブーン系以外のようですスレは、どのような組み合わせにするか。
それによって何を売りとして、どのような雰囲気、結末を作りたいのかと言った事が、主な自分で考える事ですね。


さて、これらに対してブーン系は「先程挙げた幾つかの要素を、全て自分で作る」必要があります。
だからこそ手間暇がかかり途中で断念してしまう人もいる為、敷居が高いように感じるのではないかと思われます。

と、ここから本題です。
ようやく本題でございます。

この度は「これからブーン系を書こうと思っている方」を対象として、『先の要素』についてを自分なりに解説してみたいななどと思いました所存でございます。
なるべく自重しつつ行きますので石は投げないで下さい。

上では「キャラ」の要素を最初に挙げましたが、実際に作品を作る際には、ジャンルにもよりますが恐らく「世界観」を一番最初に考える事になると思います。
なのでまずは「世界観」の説明を。
とりあえず、言葉の意味は説明するまでもないでしょう。物語が展開される世界の設定です。
「近未来」「剣と魔法」、様々な物がありますね。
この要素が作品に最も大きく反映されるのは、やはりファンタジー、SFと言ったジャンルでしょうか。
ホラーやシリアス、ほのぼのと言ったジャンルは普通に「現実の世界」をベースにした舞台が多い気がします。

世界観の次に考えるのは、これは個人差があると思うのですが、大概は「売り」か「主旨、雰囲気」だと思います。
「雰囲気」は世界観に含まれるとして、ここでは「売り」「主旨」について説明しますです。

とは言ったものの「売り」は結構守備範囲が広かったりします。
「世界観」や「キャラ」が売りの場合もありますし。
そう言う意味では、一番最初に考えられるのは「売り」と言えるかもしれません。

まぁそれは置いておいて、「売り」を手っ取り早く説明するならば、その作品にしかない人を惹きつける要素。
これに尽きると思います。

次に「主旨」。
これは作品が最終的に行き着きたい場所、到達点ですね。
起承転結で言う「結」、作品で例を挙げるならば、分かりやすくbtcmの『世界を救う』が分かり易いかなと。
あるいは、作品を通じて伝えたい事。
同じく例を挙げるならば、商業作品ですが「デスノート」における『正義の定義』、でしょうか。

最後に「キャラ」ですね。
とは言え、人によってはこれを一番最初に作る人もいるかもしれません。
こんなブーンが書きたいから、それに適した世界や売りを作る。それもいいと思います。
ことブーン系においては、ある程度のテンプレ的な性格があるから作りやすいかもしれませんね。
もっとも、テンプレがある故のそれをぶち壊す事で新しさが生まれたり、またそれに縛られてしまうなんて事もあるかもしれませんが。



さてこれで一応、物語を構成する『4つの要素』の説明とも言えないような説明が終わりました。
物語を作る際には、
「物語はどんな世界で展開されるのか」
「そこにはどんなキャラが生きているのか」
「最終的に、どんな結末にしたいのか。また読者に何を伝えたいのか」
「最も読者を惹きつけるファクターは、一体何なのか」

これらの事を考えながら練っていくと、少しは楽になる。
スムーズに構成を練る事が出来ると思います。



長々と書き散らしましたが、これにておしまいです。
もし次の機会があるならば『四要素の手っ取り早い作り方、連想法』なんかを書きたいな、とか。


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