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ブーン系情報誌:Boon Novel Magazine
第二号


連載:イントロ
ブーン系はごっこ遊びである。
――――俺

 Vol.2 「このごっこ遊びの世界で」

「早く書かなくちゃ」
「早く読まなくちゃ」
「早く描かなくちゃ」
「早く書け」
「早く読め」
「早く描け」

某スレやチャットなんかにいると、高確率でこのような言葉を目にします。
今回はこの発言たちに僕が思うことなんかをつらつらと記していきたいと思います。

基本的にブーン系は無料です。
当然ですよね、素人が書いたものを公開しているだけなんですから。
絵や感想もそうです。これらはすべて無償で提供されています。
実際の作家、画家や批評家の書いたものは無料ではありません。当然ですが。
これらを読んだり見たりするためには対価――お金が必要です。
ブーン系作家と一般作家の違い。それは対価を要求されているかそうでないか、です。

以前某スレにてこの企画(BNM)について批判がなされていました。
ログをとるのがめんどくさいので確認はしていないのですが、確か「雑誌もどき」とかそんな感じだったと思います。
その通りだと思います。この企画には対価を読者に要求していません。
つまりこのBNMは「雑誌ごっこ」。僕はさしずめ「ライターごっこ」でしょうか。
本職のライターさんはキーボードを叩くことによって給料が発生します。
僕には当然ながら一銭も発生しません。時間を使い、気力をすり減らして書いたこの文章にはまったくなんの報酬も用意されていないのです。
さて、なら僕はどうして前述のようなことをしてまでこの文章を書いているのでしょうか。
それはひとえに「ライターごっこ」が楽しいからです。
目に見える形の報酬がなくとも文章を書いてそれを公開する。そのプロセスが楽しくて僕はこの文章を書いています。 これは作者――いわゆる「作家ごっこ」をしている人たちにも当てはまるのではないでしょうか。
もちろん書く理由は各々あるでしょう。まとめられたい、反応が欲しい、書籍化を狙っている etcetc……
ですが、基本的に「楽しい」という感情が最初にあるのは間違いないと思います。「苦しい」って思いながらブーン系をやってる人、いますか?

他にもブーン系におけるごっこ遊びは存在します。
一般に絵師と呼ばれている人たちは(ブーン系においては)画家ではありません。
彼ら彼女らが公開している絵を閲覧して料金を請求されることはありません。とどのつまり「画家ごっこ」です。

ラジオ。FMやらAMでパーソナリティをしている人は給料が出ます。
ブーン系ラジオをしている人は給料は出ません。長い時間を使っても、です。
手に入れられるのは回線を切断したら終わりの脆い繋がりぐらいでしょうか。
「DJごっこ」といったところでしょうか。

某スレ。
あれこそまさに「批評家ごっこ」でしょう。
某スレが一概にそうだとは思いませんがほとんどは批評とも呼べないような叩きで構成されています。
あれは叩くことが楽しいからやっているんでしょう。気持ちはわかります。わかるだけで僕もやろうとは一切思いませんが。


ここまで冗長な文章でだらだらと書きましたが、そろそろまとめてみたいと思います。
「ブーン系はごっこ遊び」これは僕が冒頭で書いたことです。
ごっこ遊びよりままごとと言った方が近いかもしれません。
みんな肩肘張りすぎなのです。
もっともっと気楽にやりましょうよ。
ブログ毎日更新、誰が決めましたか? 週一現行投下、誰が決めましたか?
あれを読まなくちゃ、これを読まなくちゃ……だれが決めましたか?
「〜しなくちゃ」「〜しろ」 これを見るたび本当に疑問なのです。
ブーン系はごっこ遊びです。遊びは義務感にかられるものでも強制されるものでもありません。
逃亡も結構、休止も結構。まとめを途中で止めるのも別に構わないでしょう。
責任なんてない世界で勝手に責任を感じるのは、それは足枷になるんではないでしょうか。

そんなことを思う、冬の夜なのでした。


――ちなみに。
「責任がない」なんて言いましたがもちろん公序良俗は守りましょう。
お医者さんごっこと称してメスで腹を切開したら捕まるように。
個人を集中的に叩くのはメスで切開する行為と似ているんではないでしょうか。
「俺たちは意見を述べてるだけ」そう言って放たれる言葉のメスは誰かの胸を突いているかもしれません。
僕が叩きを否定するのもそんなのが本当に嫌だからなのです。


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