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ブーン系情報誌:Boon Novel Magazine
第三号


連載:天国
天国さん

第三回となります今回は、プロットについて少し書いてみようかと思っています。
プロットとはつまり、その作品の骨格、筋書きであります。

それ以前に、まずブーン系小説にプロットなんぞが必要なのかという問題がありますが、まあそのあたりは個々人の好きずきでありましょう。勢いに身を任せるギャグ物などは、プロットなど書かずにそれこそその場の思いつきで突き進んだ方が効果的な場合もありますし、逆に重厚なSFや長編戦記物などは、やはりある程度プロットを練り込んでおいた方が、後々矛盾やキャラ人格の相違などに悩まなくて済みます。ブーン系ならではのメリット・デメリットです。

さて、皆さんお気づきかどうかは分かりませんが、私はこのBNMでライターを務める傍ら、実はブーン系で作者などもやっているのです。で、作者として何を書いているかというと、
現行では『川 ゚ -゚)クーは想像上の生物のようです』というものを投下しており、過去には、まあ名前を挙げるのも憚られる阿呆な作品どもを投下していたわけです。

別に宣伝しようという意図はありません。ただ、プロットとは何ぞやということを知ってもらうためには、やはり至近な例を挙げるのが一番分かりやすいと思いますので、ここではわが作品群を取り上げるわけです。

とはいえ、上記の現行作品『想像上の生物』は、これはもう完全なるキチガイによるキチガイ沙汰、プロットなど有って無いようなものであり、まあ無いことはないのですが、見せても理解してもらえること請け合いでありますので、このプロットを公開するのはやめておきます。

そこで、これより一つ前の作品、『( ^ω^)ブーンは漂流したようです』を例に取り上げたいと思います。
これ以前にはプロットを書いた作品はありませんでした。
ガチガチに設定した作品としては、『漂流』が初めてだったのです。

まず、プロットの前段階としての雑文があります。
これはプロットよりも更に大まか、粗雑な、いわば思いつきの集合体みたいなものです。
『漂流』を構想し出した時の最初の思いつきは、元ネタである、楳図かずおの『漂流教室』の延長線でした。
若い男女複数人が未来の、荒廃した世界に飛ばされる、怪物が登場する、などです。
「こういう話を書きたいなあ」などというぼんやりした妄想をまず、メモ帳なりなんなりに記します。

それから、プロットを作ります。ここでは主に展開についてを記すのが良いと思われます。
私は、ガッチリしたプロットを作る際にはまず、オチを決めることにしています。
そうすると、展開の軸が揺れることなく、伝えたいことがよりはっきりすると思うからです。
だから私も、『漂流』のオチ――タイムループのネタを最初に決めてしまいました。
これを決めてしまうと、何より精神的に気楽なのでオススメです。

次に、物語の始まりを決めます。
始まらなければどうしようもないのですが、これを決めるのがなかなか難しい。
誰だったか忘れましたが、最初の部分を一番最後に書くなどということをする作家さんもいるそうです。

最初ですからインパクトが無くてはならない、それでいて世界観の説明やキャラ説明も加えて、物語に読者を引きずりこまなくては駄目な訳ですから。
『漂流』の冒頭も、総合スレに投下したりして幾度か試行錯誤しました。
最初考えていた冒頭と、実際に投下したときの冒頭は随分と違ってしまっています。

ブーン系で長編を投下する際、よっぽどの書きため上手でも無い限り、上記の作家さんのように、物語の冒頭を最後に書くなんてことは出来ません。ですから、ここで一番苦労しておきましょう。

さて、こうしてスタートとゴールを決めてしまえば後はどんなに道を外しても、取り敢えず線を一本、引くことが出来ます。物語で一番大事なことは面白くすることですが、次に大事なのは物語全体を破綻させないことです。最初どれだけ面白い展開を書けても、最後の最後で、一応にでもまとめ上げなければならない、こう考えるとプロットは割と大事です。

ここまでで、いわゆる、起承転結の『起』と『結』の部分のプロット記述について書きました。
残るは『承』と『転』ですが、これについては次回にまわします。
何故そんなことをするかと言いますと、文字数がここまででいつもと同じぐらいになったからと言うこともありますが、それ以上に数少ないネタを最大限活用しようという後ろ暗い意図も隠されているのです。
オトナって、本当に汚いですね。


天国

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