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ブーン系情報誌:Boon Novel Magazine
第三号


連載:ギアス
連載:ギアス
誰もが一度は憧れる、長編の完結。

連載を始めるも全員が最後まで辿りつけるかといえば、それはないです。
連載陣には『逃亡』の二文字が書き手の周りに付き纏って離れません。
では何故、書き続けられないか。それを勝手な推測で綴らせていただこうと思います。

古くには「ポケモン」。「抗護」「ダークヒーロー」などご存知の通り長編は数多く存在します。
また現行で言えば「アルファ」「異能者」「どこ駆け」も長期にわたって連載が続いています。

そのどれもが良作であるという事実。
なら長く書き続ける事で、作品が良質になっていくのかと言えば話は別です。
前述した作品においては、良質な作品を書ける人が永く書き続けているというだけというのが正しいのではないでしょうか。

逃亡には二通りあります。
「書かない者」と「書けない者」。

前者は連載を続けるに最も大事なモチベーション。
それを維持できずに文字通り書くことから逃亡している状態を指すわけですが、その対処法が存在しないのは承知のことと思います。
しかし対処は出来ずとも、書き手次第でどうにかなるのも確かです。

なら後者。こちらは前者と違って深刻です。
書けない理由に挙げられる事項として「物語の矛盾」「現実世界の多忙や怪我」「規制によるVIP隔離」が多いのではないでしょうか。
それが事実であれ、虚言であれ、そこは問題ではないでしょう。

理由や原因を宛がった逃亡こそ、手がつけられません。

全ての逃亡作者が、好きで逃亡作者の呼び名に甘んじているかと言えばそんなことはないでしょう。
書き始めたからには、自分に言い聞かせるような「書かないと」という使命感に近いフレーズが周期的に頭に浮かんでくるのではないかと思います。
しかし、それを否定する理由があれば。

「テスト前だからサーセン」「仕事山積みでサーセン」
「総計して時間ないっすサーセンwwwwwwwwww」

せっかく浮かんだそれも途端に姿を消してしまいます。
だって書けないから仕方ない。ですよねー。

中には「ここで生殺しにして読者をモヤモヤさせてやるぜぐふふ」という作者もいるのかもしれません。それはそれで、格好よすぎる。

少し話を戻します。
言い分をこさえた逃亡の質の悪さに対して、有名な現行陣。
その方々が、多忙や本分などの逃げるための言い分を持っていないかといえばそんなこともないでしょう。

実際、そんな現行陣こそ現実では多忙の身だったりします。
それでも時間を見つけて、合間を縫っては書き続けています。

当人にしてみれば、それは当然のことなのかもしれません。
始めたからには終わらせる。考えてみれば確かに当然のことで。わざわざこんな風に書き起こす程のことではないのかも。

一言で言えば、どれだけ打ち込めるかというか、という話です。
前号のイントロさんの記事から言葉を借りますと、「ごっこ遊び」。
その「ごっこ遊び」にどれだけ打ち込めるか、ただそれだけなのかもしれません。

作者と逃亡作者の違いは、書き続けていることではなく、書き続けたいと思っているかどうか。

「俺、書き続けたいと思ってるけど書けないよ」
……とか言ってる人はもう話になりません。帰ってください。

僕らは何故、逃亡してしまうのか。
書き手自身だからこそ考え、書き手自身だからこそ分かるような気がします。

書けない理由を、書けない原因としてしまうところに答えがあるのではないでしょうか。

それでは、こんなところで自分のコラムは終わりたいと思います。
何故、自分がこのコラムを書いているのか。
それはまたの機会に。


ちなみに俺、書き続けたいと思ってるけど書けないよ。


ギアス
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