( ^ω^)とξ゚听)ξが下校中のようです

  
191: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/23(土) 20:32:41.46 ID:pWbQRHPq0
  

从'ー'从「……」
( ^ω^)「……」

理科室からの帰り道、教室へ向かうために階段を下りる

この学校は、西校舎と東塔校舎でできている
西校舎は、会議室や家庭科室、職員室 そして先ほどの理科室などの教室
東校舎は、1,2,3年のクラスが集まっている

面倒なことに、東校舎と西校舎の行きいきは、1階からでないとできないのだ
要するに、東校舎と西校舎は、1階部分でしか繋がっていない。


階段を下りるとき、渡辺は悩んでいた
私はこの後、どうするべきなのか
私はこの後、何をするべきなのか

もちろん、窓を叩いたならば体育館横の廊下に連れていって、ツンと鉢合わせにしなければならない

しかし、渡辺の心の中ではまだ迷いがあった



  
192: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/23(土) 20:39:22.20 ID:pWbQRHPq0
  

トッ  トッ トッ トッ トッ
トッ トッ トッ  トッ  トッ

2人の足音が、階段を下りるたびに聞こえる



从'ー'从「…ブーン君?」
( ^ω^)「お?なんだお?」
从'ー'从「ちょっと…一緒について来て欲しい所があるの」
( ^ω^)「ぉ、解ったお」

トトッ トッ トッ  トトッ
 トッ トッ トッ  トッ トッ



  
194: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/23(土) 20:46:42.06 ID:pWbQRHPq0
  

トン
  トンッ


2人は、一階まで降りた
あとは、この先にある体育館の横に行くだけ

2人は、歩く






从'ー'从「ブーン君 …好きな人っている?」



  
197: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/23(土) 20:55:39.15 ID:pWbQRHPq0
  

(;^ω^)「ぉ、お!? いや… んんー」
从'ー'从「…ふふっ」

ブーンの反応を見て、渡辺は少し微笑む

从'ー'从「あのね… 私、好きな人がいる人って、幸せだと思うんだ」
(;^ω^)「お…?」
从'ー'从「好きな人がいれば、何だって頑張れる 何だって出来るって気がするんだよ」

渡辺は言葉を続ける

从'ー'从「それとね、そんな人に好かれてるって事も、凄い幸せな事だと思うんだ」
从'ー'从「自分の近くに、自分の事を信頼してる、好いていてくれている人がいるって事でしょ?」
从'ー'从「…だけど、そう言う人って 近くに居るからこそ…解らないと思うんだよ。灯台下暗しってやつかな?」



  
199: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/23(土) 21:04:03.47 ID:pWbQRHPq0
  

从'ー'从「だから、もしそんな2人が両思いだったら、もっと幸せになれるって 私 思うんだよ」
从'ー'从「自分の好きな人を見極めるっていうか、本当に好きな人を見つけるって事は難しいことだけど…ね」



从'ー'从「…だから、幸せっていうのは、凄い尊いものだって思うんだ 私。」





从'ー'从「…」
( ^ω^)「…」



  
200: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/23(土) 21:08:03.62 ID:pWbQRHPq0
  


从'ー'从「…あはっw ちょっと説教みたいになっちゃったねw」
( ^ω^)「…いや、渡辺さんが言ってるのは、凄い 解るお」

( ^ω^)「幸せって言うのは、本当に尊いモノなんだお それは…僕も解ってるつもりだお」
从'ー'从「そっ…か♪」


トッ トッ トッ  トッ トッ トッ トッ
トッ トッ トッ トッ トッ トッ トッ


トン…



2人は、体育館横の廊下に着いた



  
205: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/23(土) 21:17:42.94 ID:pWbQRHPq0
  

( ^ω^)「…お? ついてきて欲しい所って、ここかお?」

ブーンは、掃除の時 ついでに持ってきていたバックを下ろし、辺りを見回す

体育館横の廊下
薄暗く、人通りも少ないこの場所では、放課後 体育館で部活をしている音が聞こえるだけの場所である

从'ー'从「…うん ちょっと…少しだけ用事があったんだけどね」
从'ー'从「でも…もう、いいや♪」
( ^ω^)「ぇ…?」

渡辺はブーンに背を向ける

从'ー'从「んー 何かね、どうでも良くなっちゃった気分なの」
从'ー'从「話したい事…話して…すっきりしちゃったっていうか…さ」

渡辺は、くるりと半回転してブーンの方を見る


从'ー'从「ブーン君… 幸せ 逃すなよっ!」



そう言って、渡辺は一気に背を向け 走って行った



  
215: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/23(土) 21:22:27.78 ID:pWbQRHPq0
  



(;^ω^)「……」

ブーンは、一人 人通りの無い廊下に残された。


( ^ω^)「渡辺さん…声、かすれてた…お?」






タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ



  
221: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/23(土) 21:31:07.77 ID:pWbQRHPq0
  

ξ;゚听)ξ「はぁ… 早くゴミ出しして…アイツ… 探さないと…」

ツンだ 大きなゴミ袋を抱えて、こっちへ走ってくる


ξ;゚听)ξ(ブ… ちょ、ブーン!?なんでこんなとこに…)

( ^ω^)「お、どうしたんだお?そのゴミ袋… ツンって今週 掃除当番だったかお?」
ξ;゚听)ξ「ぇ、いや、違うんだけど…ギコのやつに頼まれて…ね」
( ^ω^)「ぉ、じゃあ、ブーンがもってって上げるお!」

⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン



  
224: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/23(土) 21:35:17.23 ID:pWbQRHPq0
  

ξ;゚听)ξ「HAEEEEEEEEEEE!!! ちょ、ブーン待ちなさいよ!」

ツンはゴミ捨て場まで、ブーンを追いかける














ξ;゚听)ξ「はぁ…はぁ…」
( ^ω^)「ぉ、ツン 遅すぎだおw」
ξ;゚听)ξ「あんたとは違うのよ バカッ」

とりあえず、ツンが息を整えるまでゴミ捨て場に2人は立っていた



  
225: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/23(土) 21:39:53.28 ID:pWbQRHPq0
  

( ^ω^)「ぉ、もう大丈夫かお?」
ξ゚听)ξ「はぁ まったくもう…」

ツンは肩にしょっていた鞄の位置を戻し、大きく息を吐く

ξ゚听)ξ「…」
( ^ω^)「…」




ぁ、今気付いた





今、二人きりだ…



ξ*゚听)ξ
( ^ω^)「?」



  
233: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/23(土) 21:49:43.00 ID:pWbQRHPq0
  

ξ*゚听)ξ「…ぇーっと」
( ^ω^)「? ぁーっと そういえば、ツン」

( ^ω^)「一緒に帰らない…かお?」

ξ゚听)ξ

ξ゚Д゚)ξ

ξ゚Д゚ )ξ



  
239: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/23(土) 21:53:43.56 ID:pWbQRHPq0
  

はぁ… 
はぁ…

はぁ…


はぁ…




…はぁ

从'ー'从「…さむっ」

渡辺は、通学路を走っていた

从'ー'从「…」

少し速度をゆるめ、歩き始める

サクッ サクッ サクッ サクッ

新雪が、歩くたびに鳴る

渡辺は、不意に ホッ っと息をはいた。

その息は白くなり、空気の中へ透明になって消えていく



  
246: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/23(土) 22:01:30.35 ID:pWbQRHPq0
  

从'ー'从「ブーン君…」

小さな声で、ぼそりと呟く

从'ー'从「今…ツンちゃんと一緒にいるのかな…?」
从'ー'从「ブーン君は、今…どんな気持ちなのかな…」

从;-;从「ツンちゃんは…今…どんな気持ち…なのかな…」


涙が溢れる

なんで なんで なんで

どうして涙が出るんだろう

自分で言ったじゃないか

自分で決めたじゃないか

なのに…なんで?



  
255: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/23(土) 22:11:37.33 ID:pWbQRHPq0
  

从;-;从「ぅ…っく ひっく ずずっ っぐ…」

ダメだ 止まらない

从;-;从「がんばったよ…っ 私っ… がんばっ… たのに…」

料理も練習した
ブーン君が解らない所を教えられるように、勉強もちゃんとした
ブーン君の前では、いっつも笑顔だった


从;-;从「っく…ずずっ ふぇ…っくぅ…  うぇ…」

止まらない

唇を噛みしめる

止まらない

止まらないよ… 





从;-;从「ふぇ…ぇぇぇぇぇぇぇん!」

涙が雪の上に落ちる
涙が雪の上に落ちて、溶けていった━━━━。



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