( ^ω^)ブーンはイラクの独裁者のようです

  
1: 猪(乱視): 2006/12/30(土) 18:55:26.41 ID:e87+/04r0
  
∩( ^ω^)∩「イラク万歳だお!アッラーは偉大だお!」








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( / ⌒ヽ
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 ∪ / ノ
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  ∪∪
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4: 猪(ミニスカ): 2006/12/30(土) 19:21:22.60 ID:e87+/04r0
  
(´・ω・`)「大統領、北部のクルド人が自治運動をしているようです」

( ^ω^)「クルド人uzeeeeee」

(´・ω・`)「どうしますか」

( ^ω^)「マスタードガスを使うお!」

(´・ω・`)「わかりました」



  
6: 猪(ミニスカ): 2006/12/30(土) 19:31:31.91 ID:e87+/04r0
  
〜〜〜クルド人の村〜〜〜

クルド人は主にトルコに、一部がイラク北部に住む少数民族である。

J( 'ー`)し「ヘリカル、ビロード!ご飯できたわよ!」

*(‘‘)* 「おかーさん、ビロードのようすがおかしいのです!」

いつもと変わりない、食事時、ヘリカルという少女は、家に戻ってくるなり
外の異常を訴えた。

J( 'ー`)し「どうしたの?」

*(‘‘)* 「いきなり村の人が倒れていったんです!ビロードも!」

J( 'ー`)し「えっ!?」

ただ事でない様子を感じ取った母親は、急いで外に駆け出していった。



  
7: 猪(ミニスカ): 2006/12/30(土) 19:36:58.83 ID:e87+/04r0
  
外に飛び出した母親が見たもの。それは喉を押さえて倒れている隣人達と、
水から飛び出た魚のように口をパクパクして痙攣している息子の姿だった。

((;><)) 「カ・・・カフッ・・・ガ・・・」

J(;'ー`)し「ビロード、どうしたの!」

あわてて駆け寄り、声を掛けるが、返事はない。
息子は目を白黒させ、呼吸をしようともがくのみだった。



  
8: 猪(ミニスカ): 2006/12/30(土) 19:42:00.46 ID:e87+/04r0
  
目で見る限り、周りには何も異常はない。
いつもの空、いつもの風景である。

J(;'ー`)し「どうしたの!何が起きたの!」

何が起きたのかを理解しようと、必死に頭を働かせているうちにあることに気が付いた。
転がる息子の皮膚がただれている。それに―――

J( 'ー`)し(この臭いは!?)

何か刺激的な臭い、例えればマスタードのような臭いが、鼻腔に広がった。



  
9: 猪(ミニスカ): 2006/12/30(土) 19:49:30.03 ID:e87+/04r0
  
異常の原因が、空気中を漂う何かにあるのでは、と彼女が気付いたとき、
皮膚に、目に、鼻に、喉に、今までに味わったことのない痛みが広がった。

「ああhじgぢおあdぁあdぁlだ!!!」

激痛で、反射的に体をよじり、絶叫して倒れ、焼けるように熱い顔面を押さえてもがく。
痛い!痛い!痛い!
どこが痛いのか。それすらも分からないほどの痛みを感じ、さらに絶叫する。

しかし、絶叫を続けることはできなかった。
絶叫となって吐き出される空気が、肺に入ってこない。



  
11: 猪(ミニスカ): 2006/12/30(土) 19:58:13.24 ID:e87+/04r0
  
身体の表面を襲っていた激痛が、今度は胸の内からもやってきた。
熱した炭を飲ませられたような熱さ。
もはや息を吸うことも出来ず、隣に転がる、もう動かなくなった息子のように
ただピクピクと痙攣することしか出来なかった。

焼け爛れた目が、視力を失う直前に見たのは、家を出てこちらに向かう娘の姿だった。

(だめよヘリカル!こないで―――)

彼女は思い切り叫んだが、それは声とはならず、胸を大きく動かしただけに終わった。
文字通り声にならない叫びをあげると、母親は息絶えた。



  
12: 猪(浴衣姿): 2006/12/30(土) 20:02:11.58 ID:e87+/04r0
  
*(‘‘)* 「おかあさん!?」

母親が虫けらのように死んでいく様を見た少女は、
走りよって生死を確かめようとしたが、足が動かない。
怖いのではなかった。本能が危険信号を発していた。

逃げることも出来ず、近寄ることも出来ず、ただ立ち尽くす。



不意に、一陣の風が少女めがけて吹いた。



  
14: 猪(浴衣姿): 2006/12/30(土) 20:07:46.40 ID:e87+/04r0
  
*(‘‘)* 「あぁっ!!!」

吹いてきた風に当たった瞬間、目に焼けるような痛みを感じた。
目だけではなく、顔も、腕も。
とっさに踵を返し、痛みで開かない目をつむったまま、
手探りで家の戸を開け逃げ込んだ。後ろ手でドアを閉め、倒れこむ。

外では、数え切れないほどの人が折り重なるように倒れていた。



  
15: 猪(浴衣姿): 2006/12/30(土) 20:10:23.66 ID:e87+/04r0
  
(´・ω・`)「大統領、ご命令どおりガスを散布しました」

( ^ω^)「フヒヒ」

(´・ω・`)「少なく見積もって1000人以上が死亡、負傷はその10倍かと」

( ^ω^)「うはwwwwwwwwwwガス強えwwwwwww」

(;゚∀゚)「・・・」



  
16: 猪(浴衣姿): 2006/12/30(土) 20:12:45.74 ID:e87+/04r0
  
(´・ω・`)「天候も風向きもちょうど良かったですから」

(´・ω・`)「これで大統領に逆らう不届きものもいなくなるでしょう」

( ^ω^)「おkおk!これからもこの様子で頼むお」

(;゚∀゚)「大統領!」

( ^ω^)「 ? 」



  
18: 猪(浴衣姿): 2006/12/30(土) 20:18:27.88 ID:e87+/04r0
  
(;゚∀゚)「いくらクルド人とはいえ、流石にガスは・・・」

( ^ω^)「なにか不満でも?うん?」

(;゚∀゚)「!!! 何もありません大統領・・・」

( ^ω^)「そうかお。てっきりガスに反対かと思ったお」

(;゚∀゚)「ははは!そんなこと言うわけないでしょう!」

( ^ω^)「そうだおwwwwwwwww一瞬驚いちゃったおwwwwww」

(  ゚∀゚)「ははww」

( ^ω^)「下がっていいよ」

(  ゚∀゚)「・・・失礼します」

(  ゚∀゚)は部屋から出て行った。



  
19: 猪(浴衣姿): 2006/12/30(土) 20:20:26.88 ID:e87+/04r0
  
( ^ω^)「・・・(´・ω・`)」

(´・ω・`)「はっ」

q( ^ω^)「(  ゚∀゚)はコレね」

(´・ω・`)「了解しました」

(´・ω・`)は携帯電話を取り出し、誰かに指示を出した。
5分後、辺りに一発の銃声が響いた。



  
20: 猪(浴衣姿): 2006/12/30(土) 20:23:16.95 ID:e87+/04r0
  
(´・ω・`)「為遂げました大統領」

( ^ω^)「おっお」

(´・ω・`)「ところで、対外的にどうしましょうか」

( ^ω^)「?」

(´・ω・`)「(  ゚∀゚)ではありませんが、ガスの使用が明るみに出るといささかまずいです」

( ^ω^)「そんなのイランのせいにしちゃえばいいお」

(´・ω・`)「・・・そうですね」

( ^ω^)「解決だおwwwwwwwwww」



  
22: 猪(浴衣姿): 2006/12/30(土) 20:27:54.93 ID:e87+/04r0
  
アメリカに後押しされたイラン・イラク戦争中に起きた、ガスによるクルド人の虐殺事件。
舞台となった地名をとって「ハラブジャ事件」という。

この虐殺に使われたのはマスタードガス。びらん性の化学兵器だった。
他にもサリン・タブンなどが使われたといわれる。



  
23: 猪(浴衣姿): 2006/12/30(土) 20:29:13.00 ID:e87+/04r0
  

終わり。

次は湾岸戦争編いきます



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