( ^ω^)ブーンと隠のツンξ゚听)ξ

  
2: プロローグ ◆HGGslycgr6 :2006/12/28(木) 22:12:38.70 ID:VQFBC5qF0
  
 虫の音も聞こえない静かな夜、重苦しくも冷たい水の流れが二人の間に流れていた。
いつもは隣り合い、笑顔で眠くなるまで話をしていた大切な場所。けれどもその日、思い出の
川辺に、私は初めて泣き顔で立っていた。
 いつも二人ここで見ていた綺羅星も今日に限って一つも見えず、光を浴びない私の顔が
どんどんと憂慮の色へと染まっていくのが判った。

ξ;;)ξ「薄情だ……」

 そう俯き加減に悪態を吐く私を彼は優しく撫ぜてくれた。その掌から伝わってくる優しさが、
頭の天辺から鼻先をくすぐり、首筋を愛撫して全身へと広がっていくのを感じる。
 それでも、身を切るような寒さが私のどうしようもない悲しみを余計に膨らませていくのを
しとしとと感じずには居られなかった。

(  ω )「……もう、さよならだお」

 彼はそう言って繋いでいた私の手を離そうする。この今にも流れの途絶えそうな細流の
此方と彼方を結ぶ唯一の懸橋が今、朧になり霞んでいくのを感じ私は泣き喚く。

ξ;;)ξ「イヤだ! イヤだ! さよならなんてするもんか!」

 けれどもその時、細流に一筋の細い薄氷が延びるのを、私は確かに見てしまった。
そして慌てて上げた視線の先には、もう彼は居なかった。
私の手に温もりだけを置いて、彼は居なくなってしまったのだ。



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