( ^ω^)たちは中二病のようです
- 1:ワニ♀ :2007/01/08(月) 23:28:34.67 ID:MPVIlNgf0
中二病――人間の成長過程において誰しもが通る道である。
妄想をしたり洋楽を聞いてみたり邦楽はくそだったりちょっと斜に構えてみたりとその症状はさまざまだ
これはそんな中二病患者たちの闘病記録である
- 5:ワニ♀ :2007/01/08(月) 23:33:14.41 ID:MPVIlNgf0
( ^ω^)「く・・・左手がいたむお。やはり生身への邪気眼転生は無理があったかお」
あさの登校時間左手を押さえぼやいているこの男は内藤ホライゾン。
中二病患者だ
発症は中一の秋ころから
かなりの重症だ。
そんな彼も中学三年。好きなアーティストはGREEN DAY。
- 6:ねずこう♂ :2007/01/08(月) 23:37:06.89 ID:MPVIlNgf0
('A`)「なんだ、朝から邪動(邪気眼がはなつ波動)を感じるかとおもえばお前だったか」
顔色の優れない彼はドクオ
彼の顔色が優れないのは中一の秋に魔王ベルゼバブとの戦いでのろいを受けたからだそうだ
もちろん彼も中二病 好きなアーティストはエミネム
- 7:ねずこう♀ :2007/01/08(月) 23:45:07.01 ID:MPVIlNgf0
( ^ω^)「最近邪気眼の調子がわるいんだお」
彼の左手には包帯が巻かれていた
もちろん左手の下には何の怪我も負ってはいない
なんかかっこいいからだ
('A`)「ああ、後ろのやつが関係してるのかもな」
とドクオが親指で後ろ――ちょうど電柱の向こう側あたりを指した。
もちろんそこには誰もいない。
しかし彼はそこに何かしらの存在を感じるという
( ^ω^)「黒の連中だお・・・しつこいやつらだお」
ブーン―彼の愛称だ―はドクオの指の先を眼を細めて見つめながら言った
- 9:いたち♂ :2007/01/08(月) 23:50:27.87 ID:MPVIlNgf0
もちろんそこには何も見えるはずがない。
が、彼らはそこに何らかの存在があると思い込んでいる。
この思い込みの程度と内容がはなはだしいと恐ろしい。
最悪の場合死に至る可能性がある(主に自殺)
だから「うはwwwwあいつ中二病だぜwwwだせぇwww」
といっていると、大変なことになる可能性がある。
早急に心のケアが必要なのだ
だが彼らの病状はすでに死の危険性があるところまでに達していたのだ・・・!
- 11:いたち♀ :2007/01/08(月) 23:57:51.32 ID:MPVIlNgf0
(´・ω・`)(ふふふ・・・彼らいいよ、すごくイイ・・・)
そんな二人を怪しく見つめるのはファンタジー作家兼変質者のショボン。
かれらの会話を事細かに書きとめ、それを小説のネタにしようと言うのだ。
彼は何度か彼らに接触し、中二病を助長させていた。
彼との出会いがなければこの哀れな少年たちはここまでにはならなかったかもしれない
彼が二人を観察するその位置がちょうどブーンがにらんだところから2mも離れないところだったのは
何かの因縁だったのだろうか
- 13:いぼいのしし♀ :2007/01/09(火) 00:05:33.08 ID:oIE+I/ys0
学校に着くと彼らはすぐに
( ^ω^)「ドクオ・・・」
('A`)「ああ、わかってる」
校舎から恐ろしいまでの邪動を感じ取っていた。
('A`)「あいつら・・・太陽が出てるうちは活動しないんじゃなかったのか」
( ^ω^)「つまり・・・それほど奴らも力をつけてるってことなのかお」
(´・ω・`)(ほう・・・彼らの中では黒の組織の連中は昼間は動けないのか。フフ・・・すばらっしい)
彼も取材(?)に夢中で校内にまで入り込んできてしまったようだ
これが、大変なことになるとは露知らず・・・
- 16:パンダ♂ :2007/01/09(火) 00:11:10.32 ID:oIE+I/ys0
( ;^ω^)(っく、頭が・・・割れそうだお・・・やつらの念動攻撃かお?
それとも邪気眼の異常共鳴・・・?まさかな・・・?)
これが中二病の最悪の症状である。彼の思い込みの中で起こっていることが、
あたかも実際に起こっているように彼に頭痛を引き起こさせる。
ブーンがちらりとドクオのほうを見ると顔色が悪い。いやいつもか。
自嘲ぎみにふっと笑い、襟足をいじった。
- 17:パンダ♀ :2007/01/09(火) 00:20:35.84 ID:oIE+I/ys0
教室に着き、ひと段落着いてから窓際に寄りかかり、ちょいとカーテンをいじりながら外の景色を見た
( ^ω^)(外はこんなに平和なのに・・・僕は邪気眼のせいで・・・いや、誰かにわかってほしいなんて思ってるわかじゃないんだお?)
ブーンは少し左手を握った。あたかも少し痛むかのように
ふとドクオを見ると、女子に話しかけられている。
ブーンはすこし、いやかなりのうらやましさを感じたが、自分は硬派だから・・・と言い聞かせた
女子A「ねえ、ドクオ君っていつも音楽聴いてるよねー」
女子B「だよねー、何聞いてるの−?」
ドクオはクリップイヤホンをはずし、ちょっと流し目的な感じ(キモイ)で女子たちを見て
('A`)「俺?洋楽だよ。邦楽って糞だからさ、あんま聴かないんだよね」
- 19:きりん♂ :2007/01/09(火) 00:27:01.23 ID:oIE+I/ys0
「あんま聴かない」
これがポイントである。
"まったく”聴いてないと言うわけじゃないという感じの言葉回しをして、
自分は音楽いろいろ聴いていて、結構音楽通だよ?みたいなアピールをしているのである。
('A`)「まーしいて言えばエミネムかな?ラップの神様。え?知らない?」
女子B「き、きいたことないなー」
('A`)「ホント?CDかそうか?」
女子A「い、いいよ。悪いし」
そして逃げるように去っていく女子たち
('A`)(いいさ、別に誰かにわかってほしいなんて思ってるわけじゃない・・・)
- 24:ぞう♂ :2007/01/09(火) 00:41:04.10 ID:oIE+I/ys0
(´・ω・`)(フフフ・・・面白い、面白いよー・・・逸材だ、国宝だ、コーディネーターだ!)
彼は掃除用具入れの中に隠れ、彼らを観察していた。
女子C「内藤君手どうしたの?怪我?」
( ^ω^)「ああ、これはね・・・じゃk いや、階段から転んじゃったんだお」
女子C「そうなんだー、大丈夫?」
ブーンは左手をふらふらさせた
( ^ω^)「おっおっ、この通り、大丈夫d・・・っつ!」
( ;^ω^)「く・・・こんなときにまで」
女子C「え?」
ブーンはいかにも無理に笑顔を作った、という感じの顔をし
( ^ω^)「い、いや、忘れてくれお。ぜんぜん大丈夫だおw」
女子C「そ、そう・・・よかった」
邪気眼を持たぬものにはわかるまい・・・ブーンはそう思いつつちょっと哀れんだ感じの眼をじょしCに向けたのだった
- 25:ぞう♀ :2007/01/09(火) 00:43:10.08 ID:oIE+I/ys0
(´・ω・`)(まだだ・・・まだ笑ってはいけない フフ・・・フフフ)
- 26:ライオン♂ :2007/01/09(火) 00:53:13.80 ID:oIE+I/ys0
ブーンとドクオが掃除用具箱の前で話しだした
( ^ω^)「やばいお・・・さっきから邪動がやまないお・・・邪気眼が」
まだだ
('A`) 「ああ・・・これはもしかしたらすぐ近くにいるのかもしれない」
まだだめだ・・・
( ^ω^)「もしかしたらココはディバイン・クルセイドフィールド(なんかカッコイイ単語の無意味な羅列)なのかお?」
ヒヒッ
('A`)「ああ、魔王の呪いの黒竜(ベルゼバブに埋められたと彼が主張するもの)が猛ってやがる・・・
その可能性は高い・・・」
エフッ
( ^ω^)「と、言うことは・・・黒の連中は・・・魔王と関連性が?」
エフッ エフッ
('A`) 「・・・だろうな」
- 27:ライオン♂ :2007/01/09(火) 00:54:10.95 ID:oIE+I/ys0
もう・・・ガマンデキナイ!!
- 30:パンダ♂ :2007/01/09(火) 01:05:43.17 ID:oIE+I/ys0
ガターンというけたたましい音とともに現れたなぞの変質者
( ;^ω^)('A`;)「うおっ まぶしっ」
(´゚ω゚`)「キミタち、イイ、イイよ!ははは サイコウのマテリアだ!」
('A`;)「あ、あんたは『時の看守』!」
そう、ショボンが彼らに接触したとき、怪しまれないよう(健常者なら、あやしみますね)自らを『時の看守』
と名乗ったのだ。
( ;^ω^)「いったい・・・どういうことなんだお!?」
(´゚ω゚`)「キミタちはすばらしい素質がある・・・わが『作品』の礎となってもらおう!」
- 32:きりん♂ :2007/01/09(火) 01:15:17.01 ID:oIE+I/ys0
('A`;)「どういうことだ!まさか・・・アンタ嘘を!?」
(´゚ω゚`)「ああ・・・嘘さ、全部嘘だったのさ!」
( ;^ω^)「な、何を!」
突然の事態に戸惑うクラス一同叫ぶものもあれば失神するものもあった
(´゚ω゚`)「そう・・・君らの『素質』を引き出すため、私は嘘をついた・・・」
( ;^ω^)「まさか・・・!」
ブーンはわなわなと左手をつかむ
( ;^ω^)「邪気眼のことも知って!?」
(´゚ω゚`)「もちろん」
('A`;)「魔王ベルゼバブもッ!?」
ショボンはそのうつろで狂気を宿した瞳でドクオを見据えた
(´゚ω゚`)「ああ・・・彼にもわが作品の礎となってもらったよ・・・フフ・・・それも全部君のおかげだドクオ君・・・
感謝するよ」
('A`;)「なんて野郎だ・・・」
- 35:きりん♂ :2007/01/09(火) 01:19:11.68 ID:oIE+I/ys0
勘違い、すれ違い(スレ違いとかかっています。うまいですね)。
どれも思春期特有の過ち。
そう、中二病も。
だが、人生を踏み外したものとのなぜかかみ合う会話により彼らの妄想は肥大化していく・・・
そう、まるで感染症のように
- 38:きりん♀ :2007/01/09(火) 01:27:51.27 ID:oIE+I/ys0
('A`;)(ブーン、間違いない、やつは朝の・・・!)
( ;^ω^)(だお・・・!左手がビンビン反応してるお・・・)
( ;^ω^)「あんた、朝から俺たちを張っていたおね・・・」
(´゚ω゚`)「ほう、気づかれていたとはね・・・」
間違いない、あいつは黒の連中・・・!
悟った瞬間ブーンは左手を無意味に細かく動かし、叫んだ
( ^ω^)「ル・ラーダ・フォルオルゥゥ!!!!!!11」
偶然か必然か、運命か奇跡か。
大声と動作でたじろいだショボンがバランスをくずし、少し大げさに後ろにぶっ飛んだのだ
そのとき机といすを巻き込んでいったのであたかも衝撃波でも放ったかのような光景になった
- 41:ぞう♀ :2007/01/09(火) 01:40:30.95 ID:oIE+I/ys0
すかさず
('A`)「グランド ファイナル エターニティ(即席で考えた呪文)!111111!!!」
すると崩れかけ、アンバランスになった机が声の振動のせいか、崩れ始めた。
(´゚ω゚`)「ぬぁああ!!」
ショボンは断末魔をあげた。
なんか魔法で倒したみたいだけどショボンは自爆したのだが、そんなことをクラスメートから見れば
わからないので「あいつらすごくね?」みたいな雰囲気になっていた
('A`)「ふう、なんとかなったか・・・」
なんか体力が消耗したらしく、ドクオがへたり込む
ドクオがふとブーンを振り返れば
かれは壁にもたれかかり、左手をダランとたらしながらも右手の親指をたて微笑んでいた
- 46:ライオン♀ :2007/01/09(火) 01:50:14.95 ID:oIE+I/ys0
しかし
(´゚ω゚`)「小癪なッ!」
崩れた机を掻き分け、ショボン再びが立ちあがった。
額を数箇所切っているようで、顔は血で真っ赤。
黒い服はところどころ破れ、そこから血が出ていて、目も充血していて真っ赤
もはや人間のそれとは思えないほどにまで豹変していた
男子A「うわああああああ」
男子B「ぎゃああああああああああああリュークみてぇえええ!」
女子A「キャアアアアアア キモイ!!!」
女子C「キモイ!内藤キモイ!」
- 48:ライオン♀ :2007/01/09(火) 01:51:39.68 ID:oIE+I/ys0
男子D「内藤キモイ!!すげえキモイ!!」
- 49:ライオン♀ :2007/01/09(火) 01:52:32.78 ID:oIE+I/ys0
多少のノイズは気にならない。
中二病はそういった一面がある。
ある意味精神的に強かなのだ
- 51: ◆L2jfNrixB. :2007/01/09(火) 01:56:26.23 ID:oIE+I/ys0
いまやショボンの肉体から青白いオーラが見えるようだった
(少なくとも二人には見えていた)
(´゚ω゚`)「おまえら・・・!あんまり俺をなめるなよ!!!!」
ショボンが机の山の上から跳びかかろうとしたそのとき
- 54: ◆L2jfNrixB. :2007/01/09(火) 02:02:43.00 ID:oIE+I/ys0
ξ゚听)ξ「席ついてー。出席とりまーs・・・」
ξ゚听)ξ (´゚ω゚` )
ξ;゚听)ξ (´゚ω゚‘`;)「あ、いやこれはその」
学校潜入から32分
ショボンは御用となった
- 57: ◆L2jfNrixB. :2007/01/09(火) 02:09:30.99 ID:oIE+I/ys0
( ^ω^) 「警察に連れて行かれてしまったおね」
('A`)「だな」
( ^ω^)「きっと僕らもよばれるおね」
('A`)「ああ」
( ^ω^)「そして彼はただの小説家だったんだおね」
('A`)「変質者属性の付いたな」
・・・・
( ^ω^)「冷静に振り返ってみると・・・僕ら何してたんだお?」
('A`)「思い返してみるか・・・中一の秋あたりから・・・」
そう、かれらは中二病も終わりに差し掛かったのだ。
かといってぬか喜びはできない。
患者にとって一番恐ろしいことは、これから起こるのだ
- 59: ◆L2jfNrixB. :2007/01/09(火) 02:16:14.02 ID:oIE+I/ys0
そう、フ ラ ッ シ ュ バ ッ ク
中一の秋ころから繰り返したあまたの愚行を彼らの頭の中にまるでそのときの情景が
今現在起こっているかのように鮮明に思い起こされるのだ
皆さんも思い返してるのではないだろうか
そしてフラッシュバックを体感してるのでは?
(;゚ ω゚)「お・・・おああ」
(゚A ゚ )「ぎ・・・ギギギ」
(;゚ ω゚)「だ だれか 僕を 殺せお !」
(゚A ゚ )「うああああ シニタイシニタイシニタイ」
彼らは苦しみ悶え、もがき苦しんだ
その苦しみは地獄すら生ぬるいほどに彼らを追い詰めていく
- 63: ◆L2jfNrixB. :2007/01/09(火) 02:21:11.90 ID:oIE+I/ys0
ξ゚听)ξ「あら?あんたたちこんなところにいたの?」
ツンデレ先生だ。ブーンたちの担任であり、ブーンが淡い恋心を抱く人物である
ξ///)ξ「べ、べつにアンタたちを探しに着たんじゃないからね!」
(゚ ω゚)
(゚A ゚ )
・・・・
ξ;゚听)ξ「・・・ゴホンっ」
少し和んだ
- 67: ◆L2jfNrixB. :2007/01/09(火) 02:31:10.92 ID:oIE+I/ys0
ξ゚听)ξ「・・・ふふ、でもねぇ。あたしもアンタたちぐらいのときもすごかったわよ」
(゚ ω゚)「へr?」
ξ゚听)ξ「魔法少女、つんでれー!ってねw」
先生はそのばでくるっとかわいらしく回った。
ξ*゚听)ξ「あーいろいろ思い出してきた。ハずカシーw」
先生は真っ赤になった顔をはたはたと仰ぐ
(゚A ゚ )「先生・・・」
ξ゚听)ξ「たしかに、あんたたちのやってたことははたから見ててとっても痛々しかった。
でもね、それは誰もが通る道なのよ」
ξ゚听)ξ「確かにみっともないしかっこ悪いことよ。でもね、アンタたちはそれを恥ずかしいことだとわかることができたじゃない
立派に中二病『卒業』ね」
先生はブーンとドクオの頭をぺしぺしたたいた
- 75: ◆L2jfNrixB. :2007/01/09(火) 02:44:47.22 ID:oIE+I/ys0
(゚ ω゚)「病気なのに『卒業』ですかお?」
ξ゚听)ξ「まぁ、実際に病気になってるわけでないし、通過するものだしね、
卒業のほうがあってるわね」
(゚A ゚ )「ははw」
二人の心の傷の痛みも和らいできた。
後は時間が癒してくれるだろう。
ξ゚听)ξ「それに、悪いことだけじゃないわ」
( ^ω^)「お?」
ξ゚听)ξ「今回のことで警察から感謝状が出るそうよ」
('A`) 「まじすかwwww」
ξ゚听)ξ「お祝いにラーメンおごってあげるわw」
少し大人になった僕らが食べたそのラーメンはいつもよりおいしかった
―finー
- 81: ◆L2jfNrixB. :2007/01/09(火) 02:48:59.95 ID:oIE+I/ys0
それから数年の月日が流れ、ショボンが出所し、彼が刑務所の中で書き上げた作品
『ドヴァの英雄たち』は「まるで中学生のとき想像(創造とかかっています。えくせれんと)した世界だ!」反響を呼び
アニメ、映画化し、ハリウッド進出を決めた
が、その影でそのニュースを聞くたび心をえぐられるような思いをしなければならない男たちもいたのだった
―BAD END―
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