( ^ω^)ブーンが機械の体で戦うようです

  
3: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 18:48:18.67 ID:GP5NGcJvO
  
1話
始動



  
4: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 18:48:47.69 ID:GP5NGcJvO
  
目が覚めるとそこは四方を白に囲まれた部屋だった。
壁一面に列を作る小さくて黒い穴。
この穴付きの壁どこかで見たことがある。そうだ学校の音楽室にある防音用の壁か。
白いシーツの掛かったベッドの上に寝かされ、腕にはチューブが繋がれ、点滴をされている。
心電図が波をうつたびに無機質な音が部屋中に響く。

( ^ω^)「ここは病院かお?」

確か僕は―――

コンコン―――
何かを叩くような音がする。目を細めて音が聞こえて来る前方を凝視する。



  
7: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 18:50:19.54 ID:GP5NGcJvO
  
はっきりとは見えないがドアかと思えるものが確認出来た。それと同時にこの部屋の広さも認識した。

(`・ω・´)「とうとう目覚めたんだな」

凛とした目を持ち、たんせいな顔立ちをした青年が僕の目の前まで来て足を止めた。
この男は一体何者だ。

( ^ω^)「あんた何者だお?」

問い掛けると男は自己紹介を始める。

(`・ω・´)「僕はシャキン。君を助けた男の息子だ」

助けただと。どういうことだ。

( ^ω^)「僕は死んだはずだお。なぜここにいるんだお。」



  
8: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 18:51:21.12 ID:GP5NGcJvO
  
そうだ僕は死んだんだ。
いや助けたと言うことは僕は死に切れなかったのか。六階建てのビルでは高さが足りなかったのか。
我ながら意気地のない自分が情け無い。

( ^ω^)「と言うことはやっぱりここは病院かお?」

わかってはいたものの念の為の確認だ。
さすがに自分がどこの病院に入院しているのかわからないのはまずいだろう。常識的に考えて。

(`・ω・´)「ここは病院ではないよ。むしろ研究所といったところかな」

どういうことだ。



  
9: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 18:52:16.99 ID:GP5NGcJvO
  
(`・ω・´)「君は全身を強打して、複雑骨折や内臓破裂を起こしていた。
そんな君を僕の父が研究所に連れてきて―――
ちなみに研究所と言ってもここではないがね。
まぁいい、話を戻そう。
奇跡的にも君の脳には全くと言っていいほどダメージが無かった。父は君の以前の体から脳を取り出し今の君の体に移植したんだ」

( ^ω^)「今の体?どういうことだお」



  
10名前: 白熊♀投稿日: 2007/01/10(水) 18:53:13.47 ID:GP5NGcJvO
  
(`・ω・´)「今の君の体は以前のものではない。君の体は現在機械で出来ている。
まぁ人口皮膚で骨格が覆われているから見た目は普通の人間と変わらないけどね」

(;^ω^)「ふざけるのもたいがいにするお。そんなこと出来るわけないお」

(`・ω・´)「僕の父は人体工科学の第一人者だったからね。機械の体に人間の脳を移植しようと日夜研究していたよ。
君は父の研究の実験台となった。そして今、君は目を覚まし動き出した。父の研究が実を結んだんだ」



  
11: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 18:53:53.98 ID:GP5NGcJvO
  
(#^ω^)「ふざけるなお。実験台だなんていくら僕が死にかけていたからって許されるってレベルじゃねーお」

(`・ω・´)「だが君がそれを望んだなら話は別だ」

(;^ω^)「僕が?」

(`・ω・´)「父は言っていたよ。瀕死の状態になった君が、大丈夫かと問い掛ける父にむかって死にたくない助けてくれと命乞いをしたとね」

(;^ω^)「そんなわけ…あんたの親父と話をさせるお」



  
12: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 18:54:18.43 ID:GP5NGcJvO
  
(`・ω・´)「父は死んだよ。自らの頭を銃で打ち抜いた。
父は君を実験台にしたことがバレ、学会を追われる身となったんだ。その挙句にね」

(;^ω^)「そんな…」

(;^ω^)「とりあえずこの病い…んじゃなかった。研究所から出してくれお」

いくら実験台とはいえこんな何もない空間に閉じ込められていたら気が狂う。
気が狂う。機械の僕が『気が狂う』。
オカシナコトダ―――

(`・ω・´)「それはかまわない。だがその前にいろいろ説明しないといけないことがある」



  
13: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 18:54:38.80 ID:GP5NGcJvO
  
セツメイシナイトイケナイコト―――

(`・ω・´)「君が父に脳の移植をされてから今現在目を覚ますまでにいろいろなことがあった。いやありすぎた」

イロイロナコト―――

(`・ω・´)「昔、と言ってもそこまで遠くない昔だ。父が死んでからほんの数年後。その頃、基地外国が核を発射してしまった。そのせいで、地上は放射能と粉塵に覆われ、人類、いや生物の生きることの出来ない場所となったんだ」



  
14: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 18:55:03.77 ID:GP5NGcJvO
  
(`・ω・´)「そこで我々生き残った数少ない人類は地下に国を作った。その名は『VIP』。今、僕や君がいるここのことだ」

(`・ω・´)「国は、数少ない人類を支えるため人口知能を持った人型アンドロイドを生産した。
アンドロイドは都市のマザーコンピューターによって制御、コントロールされていたんだ」



  
15: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 18:55:51.47 ID:GP5NGcJvO
  
(`・ω・´)「だがある日マザーコンピューターに不具合が生じて三体のアンドロイドが自我を持った。奴等は制御をふりきり国を脱走したよ。
それだけならまだよかったんだが奴等はマザーコンピューターをハッキングしてアンドロイドを自分達の手駒にして軍隊をつくり、我々人類を襲いだした」

(`・ω・´)「とまぁ、これが今現在のこの国の状況かな…なにか質問があれば答えるが」

ナニカシツモン―――

( ^ω^)「はっ、すまんお。長過ぎてボーッとしてたお。産業で頼むお」



  
16: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 18:56:16.67 ID:GP5NGcJvO
  
(`・ω・´)「地上滅んだ。
地下で生活。
アンドロイドが襲ってくる」

(`・ω・´)「まぁ、今は別に外へ出ても問題ないはずだ。警報も出ていないし。
外に出てみるかい?」

さらに深く込み入った話は追々聞くことにして僕らは白い部屋をでた。



  
18: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 18:56:37.31 ID:GP5NGcJvO
  
1話




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