( ^ω^)ブーンが機械の体で戦うようです
- 21: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:02:47.46 ID:GP5NGcJvO
- 2話
覚醒
- 22: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:03:08.61 ID:GP5NGcJvO
- 部屋の外まで白は続いていた。長々と続く一直線の通路。白以外の色が無い空間に疑問を感じる。
( ^ω^)「なんで白一色なんだお?」
(`・ω・´)「『汚れ無き正義』。その象徴ってところかな。」
『汚れなき』か…特に深い意味はないのか。むしろ壁の色に深い意味を求めた自分が愚かだったか。
- 23: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:03:30.49 ID:GP5NGcJvO
- (`・ω・´)「そんなことより君の名前を聞かしてくれないかな。何年も君のことを見てきたのに名前も知らないのは不自然だ。
それと僕のことは『あんた』じゃなくて『シャキン』と呼んでくれないか。
仮にも君の命を助けた恩人の息子なんだし、せめて名前で呼んでくれ」
( ^ω^)「僕の名前はブーンだお。よろしくだお、シャキン」
信用出来ないものの、ここで波風たてるのは自分の今後に大きく関わって来る。それも悪い意味で。
お世辞にも頭がいいとは言えない僕でもそれくらいの察しは付く。
- 24: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:03:51.72 ID:GP5NGcJvO
- (`・ω・´)「さて、歩くのはここまでだ」
一体どれだけ歩いただろう。この直線。不思議な事に僕とシャキン以外の人影は一切確認出来なかった。
(`・ω・´)「今度はしばらく上昇するんだが酔わないでくれよ」
そう言って通されたのは小さな四角い密室。ここもまた白い壁だ。
これは間違いなくエレベーター。僕が生きていた頃と何等変わりないものだった。
いや、今も生きているか。いまいち実感はわかないが。
(;^ω^)「…気持ちわりぃお」
- 25: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:04:20.36 ID:GP5NGcJvO
- 一体どれだけの時間上昇し続けているのだろうか。
普段乗り物酔いなどしないのだが、いい加減吐き気を催した。
機械の体のくせに乗り物酔いの耐性はないのだろうか。
(;^ω^)「シャキンは大丈夫なのかお?」
(`・ω・´)「僕はもう慣れてしまったよ。まぁ、慣れるまでは苦労したがね」
チーン―――
(`・ω・´)「さて着いたようだ」
自動で開いた扉の先は―――
( ^ω^)「会社…かお?」
- 26: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:04:44.83 ID:GP5NGcJvO
- ドラマで見たことがある会社をそのまま現実にしたような作りだ。
ここはおそらく一階だろう。受付がある。だが受付嬢はいない。
というより、この建物には僕とシャキンの二人しかいないのだろう。もはやそんな気しかしない。もちろん勘だが絶対的な自信がある。
( ^ω^)「この建物…僕らしかいないのかお?」
(`・ω・´)「あぁそうだよ。なかなかの観察力じゃないか。さすがだね。
この研究所は僕が国から支給されたものなんだ。これでも僕は軍事に関する研究、開発を一任されているからね」
- 27: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:05:08.79 ID:GP5NGcJvO
- (;^ω^)「ずいぶんなお偉いさんじゃないかお」
(`・ω・´)「まぁね」
正直言って驚いた。目の前にいる男がそんなに重役だったなんて。
しかもそんな男を自分は『あんた』と呼んでいたとは。
(`・ω・´)「それじゃあ街を案内するよ付いておいで」
(;^ω^)「は…把握」
人気の少ないオフィス街。例えて言うならそんなところだろうか。自分達がいた研究所はなんの違和感もなく街に溶け込んでいた。かなり高い建物だったようだ。
あの高さのビルなら死ねただろう。
- 28: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:05:28.22 ID:GP5NGcJvO
- 天には太陽まである。ここは地下のはずだろう。なぜ太陽が。
(;^ω^)「なんで太陽がでてるんだお?」
(`・ω・´)「人口の発光発熱体だよ。ここは地下だからね」
技術の進歩…か。
( ^ω^)「ここ以外には街はないのかお?」
(`・ω・´)「言っただろう残された人間は少ない。これだけの土地があれば十分だ」
( ^ω^)「一体生き残ってる人は何人くらいいるんだお?」
(`・ω・´)「百人弱だ」
(;^ω^)「たった百人かお?」
- 30: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:05:53.93 ID:GP5NGcJvO
- (`・ω・´)「『たった』じゃない。百人『も』だ。それほどまでにあの核の被害は大きかった」
一度は死を本気で望んだ自分がたったの百人のなかに入るだなんて皮肉なものだ。
( ^ω^)「じゃあアンドロイドの数はどれくらいだお?」
(`・ω・´)「同じく百体程度だ」
ソノヒャクタイニボクハハイルノ―――
(`・ω・´)「上の方にも報告しないといけないから付いて来てくれ」
( ^ω^)「上の方?地上?」
(`・ω・´)「国のトップ達への報告だよ」
- 31: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:06:17.56 ID:GP5NGcJvO
- なにをだろうかと思ったが黙ってそのまま付いて行くことにした。
(`・ω・´)「歩いて何分かの場所だ。歩き疲れたかもしれないが我慢してくれ」
( ^ω^)「わかったお」
『緊急警報発令!緊急警報発令!エネルギーフィールド発動!エネルギーフィールド発動!市民は直ちに避難してください!繰り返す―――』
地上に響く警報。いや地下の地上か。頭が混乱する。そんなことよりも―――
(;^ω^)「一体なんだお?」
(`・ω・´)「アンドロイドが攻めてきたようだ」
- 32: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:06:40.50 ID:GP5NGcJvO
- (;^ω^)「逃げなくていいのかお?」
(`・ω・´)「戦うんだ」
( ^ω^)「だれが?」
(`・ω・´)「君が」
なにいってんだこいつは。
(;^ω^)「そんなこと無理だお。僕は―――」
自殺するような弱い人間だ。
(`・ω・´)「君が戦えるように僕が改造した。だから無理ではない」
改造だと。
(;^ω^)「戦えるように改造?どういうことだお」
- 33: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:07:03.30 ID:GP5NGcJvO
- (`・ω・´)「エネルギーフィールドが発動しているから時間は多少ある。詳しく話そう。
ちなみにエネルギーフィールドは都市を覆う巨大な電磁バリアーみたいなものだ。機械は電磁波に弱いから有効な盾になる。ただ長い時間は発動していられないんだ。
なんて言ったって都市全体だからね。エネルギーを使い過ぎる。」
- 34: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:07:26.57 ID:GP5NGcJvO
- (`・ω・´)「おっと、また話がそれてしまった。話を戻そう。
『改造』についてなんだが、頭脳は人間で体は機械。父が改造したのはここまでだ。だが僕はその機械の体の強度をあげ、身体能力の充実を試みた。対アンドロイドのためにね。
つまり君は僕達人間を守るために甦ったと言うことなんだよ」
( ω )「戦えばいいのかお?」
(`・ω・´)「そうだ。我々を助けてくれ」
ワカッタ―――
『エネルギーフィールド撤回!エネルギーフィールド撤回!速やかに避難―――』
タタカッテヤルヨ―――
- 35: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:07:59.52 ID:GP5NGcJvO
- 2話
完
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