ξ゚ー゚)ξおかあさん、やってます

  
365: : 2007/02/18(日) 22:12:02.76 ID:/Am33M8AP
  
お題

ブーンパパの話
おかあさんとおとうさんの出会い

から

最期のお話

ブーンと親父と、おかあさん?



  
366: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 22:13:27.45 ID:/Am33M8AP
  

(  ^ω^) ・・・

ξ゚听)ξ なに? どうしたの? 熱心に、アルバムなんて見て

(  ^ω^) ツンちゃんの結婚式の写真だお

ξ*゚听)ξ あ・・・懐かしいな

ξ*゚ー゚)ξ お父さんもいるね

(  ^ω^) ・・・

ξ*゚ー゚)ξ ・・・

(  ^ω^) ツンちゃん

ξ゚听)ξ ん? なに?

(  ^ω^) 親父と・・・いつ、知り合ったんだお?

ξ゚听)ξ ・・・うん

(  ^ω^) 聞いていい?

ξ゚听)ξ ・・・うん



  
370: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 22:15:57.04 ID:/Am33M8AP
  

「あれはね、私が14の頃」

「14・・・真性のロリコンだおね」

「む・・・うるさいよ、ブーン」

「ごめんだお。続きwktk」

「・・・その歳のとき、私は親と大喧嘩しました」

「・・・」

「家を飛び出して、夜の街をふらふら、ふらふら。
 そしたら、変なおじさんが声掛けてきた」

「・・・それは、いわゆる・・・」

「うん。3万で、どうとか言われた」

「それが、まさかうちの親父って言う落ちは・・・」

「無いよ! それに、そういうの嫌だから断ったし」

「・・・そっかお」

「でもさ、そいつしつこくて・・・無理やり連れ込まれそうになった。
 その時、私は私の両親が鬱陶しいくらいに、私を守ってくれてたって、やっと気がついた。
 怖かったなー」



  
371: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 22:16:46.29 ID:/Am33M8AP
  

「・・・」

「でさ、普通現実は非情なもんでさ、そんな時、ヒーローは現れないでしょ?」

「・・・そうだおね」

「でも、現れたの。それが、貴方のお父さん」

「・・・でも、親父、喧嘩弱いお?」

「うん。私に絡んできてた男も、とても強そうには見えなかったけど・・・
 それでも負けてたからなあw」

「ちぇ。親父、その時48位だお? 馬鹿に無理したもんだおね」

「でも、時間を稼いでくれたお陰で、警察が来てくれた。
 私は助かったの」

「お。親父が眼鏡割って、服もぼろぼろになった時が確かにあったお。
 あの時かー」

「私、怖くて、ぱにくってて。
 あの人に、お父さん、お父さんって泣きついてた」

「・・・ツンちゃん、ファザコンの気がある?」

「・・・さあ。少なくともその時は、ちょっと違う理由からかな。
 あの時の私は、ちょっと家に出ただけで、現実の恐ろしさに直面しちゃって・・・
 親の生ヌルい庇護の下に早く、戻りたかったんだ」



  
372: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 22:18:13.54 ID:/Am33M8AP
  

「・・・その時、親父に惚れたのかお?」

「・・・うううーん。なんていい人だろうと思いはしたけど。
 ほら、あの人、ちょっと情けない所あるんだもの。
 しかも、30歳以上歳が離れてたしなあ」

「まあね、だお」

「その時は、親子三人で、御礼に行ったりした以降、しばらく会わなかった」

「・・・」

「んで、15のとき、高校受験のため、私は塾に行く事にした」

「もしや」

「そう。にゅーソク塾」

「やっぱりかお。それで・・・?」

「凄く、意外だった。先生になると、変わるね」

「・・・」

「喋り方も、動作も、まるで中身が変わったみたいに・・・」



  
373: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 22:19:08.13 ID:/Am33M8AP
  

「で、ギャップに惹かれちゃったのかお?」

「・・・まったく、無いとは言わないよー
 それだけじゃ、ないけどね」

「そうかお」

「うん。そいでね、1年前のお礼って事で、お昼を一緒にって誘ったの」

「・・・」

「あの人、また普段どおり情けない人に戻っちゃって。
 喫茶店に入ったときも、私の後ろにずっとついて来ただけ。
 信じられる?」

「・・・あーまあ、あの親父なら」

「絶対、この人、奥さんに尻に敷かれてるって思った」

「・・・」

「で、私は、その事をクチにしちゃった」

「・・・15、の時かお。2年前・・・」

「そう。ブーンの・・・もう一人のお母さんが・・・」

「うん。そうだおね。事故死、しちゃったお」



  
374: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 22:20:17.37 ID:/Am33M8AP
  

「・・・そう。あの人は、こう言った。
 『もう、そんな楽は出来ないんだ』って」

「・・・親父」

「最初、意味が分からなかった。
 だから、あの人と仲の良かった別の先生とかに聞いて、ようやく意味が分かった」

「・・・」

「私、なんて事いってしまったんだろって、そう思った。
 そして同時に、あの人の情けなさが、何処から感じるのか、わかったの」

「・・・何処から、だったんだお?」

「さびしさ」

「・・・」

「そこから、私はあの人が更に気になるようになっちゃって」

「・・・」

「気がついたら、塾にいる時は常にあの人の隣だった」

「・・・」



  
379: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 22:23:39.49 ID:/Am33M8AP
  

「さらに、暫くして。私は気になってたこと、聞いてみた?」

「気になってたこと?」

「再婚する気はないのって」

「・・・こりゃ、また。さらにストレートな」

「別に、名乗りを上げてたわけじゃないのよ?
 でも、また返答を聞いて、聞いちゃ駄目な事聞いたって、後悔した」

「・・・親父の、病気のことかお」

「・・・うん。まさか、寿命が2、3年って所まで、来てるとはね」

「親父に、聞いたことあるお」

「うん?」

「病気のこと、医者に告げられた時、凄く、何もかもどうでも良くなって
 夜道を徘徊してたって。

 奥さんも死んで、自分も寿命はわずか
 お金はそこそこ貯めてあるから、息子が学校を卒業するくらいの蓄えはある。

 ・・・なら、無駄に医療費なんかでその貯めた金を浪費する前に、死のうかと思ってたみたいだお。
 保険金も、手に入るようなやり方で。

 でも」



  
381: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 22:25:04.88 ID:/Am33M8AP
  

「・・・でも? あの人は、なんて?」

「人助けをしたらしいお。子供」

「・・・」

「正直、その子を助けて代わりに死んでもいいやって感じで止めに入ったらしいお」

「・・・馬鹿ね」

「だお。でも、やっぱり、そんな事じゃ死ねなくて。その子を助ける事に成功した時
 思い出したらしいお」

「何を?」

「お金を多く残すより、一緒にいてやる時間が長い方が、人によっては、幸せに感じることもあることを」

「・・・弱気な発言。断言すればいいのに」

「それが、親父だお」

「そうだね・・・本当に」

「で、ツンちゃんと親父は?」

「・・・うん。話、戻すね」



  
383: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 22:28:42.96 ID:/Am33M8AP
  

「あの人は、自分が再婚しても、また奥さんに寂しい思いをさせるって、
 そう思うと、出来ないって」

「・・・」

「自分が、一番寂しそうな顔してるくせに・・・」

「・・・」

「で、私、言ったの」

「・・・なんてだお?」

「へー。でも、それで再婚しないで、一番寂しい思いするの、先生の息子さんだよねって」

「・・・ブーン・・・が」

「うん。だって、そうでしょ。ブーンは一人、お金だけ、残されちゃうじゃない」

「・・・」

「あの人、困った顔してた。ふふふ」

「・・・」

「そして、もう一個いった」

「・・・なんて?」



  
402: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 22:51:28.18 ID:/Am33M8AP
  
「私も、寂しいかもって」

「・・・」

「だって、あの人、私よりかなり年上の癖に、
 寂しそうな、ちょっと情けない顔で、どんどん私の中に入ってくるんだもの」

「・・・」

「私の心の中にどんどん入って来るくせに、
 入ってくるだけ入ってきて、いなくなるっていうんだから」

「・・・それで」

「私が寂しいかもって言ったら、さらに困った顔した」

「そりゃ・・・だお」

「私、解決策を教えてあげた」

「なんて・・・だお?」

「思い出を下さいって。出来るだけ、一緒にいてくれたら・・・
 その間ぶん、幸せを感じさせてくれたら、

 あとに残る、寂しさも少ないって、私は言った」

「・・・なんだ。ツンちゃんが教えたんじゃないかお。
 思い出したんじゃ、なくて」



  
404: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 22:53:22.34 ID:/Am33M8AP
  

「私、そういいながらも、自分が分からなかった。
 私、この人のこと、好きだったっけって」

「・・・」

「で、分かんなかった。
 分かったのは、一緒にいるのが好きってことだけ」

「・・・」

「だから・・・私は、一緒にいることにしたの」

「親父、それでも、よくおkしたおね?」

「そりゃ、するよ。こんなに可愛い奥さんができるんだよ?」

「・・・いや、親父、あれでも、母さん、一筋だったから」

「・・・」

「ブーンの、本当のお母さんがし

「本当って何!?」

「・・・もう一人の母さんが死んで、絶対ずっと一人だと思ってたお」



  
408: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 22:54:42.32 ID:/Am33M8AP
  

「・・・ブーンが、いたからかもね」

「お?」

「私、言ったじゃない?
 ブーンが、一番寂しい思いをするでしょって」

「・・・」

「自分ひとりが寂しい思いをするのは、きっとあの人は我慢できたんだろうな。
 でも、大事な子供が、そんな思いをするのわねえ・・・」

「・・・親父」

「ちょっと、ジェラシーだ」

「ツンちゃん?」

「ま、そういうわけで、16になるのを待って、私とあの人は一緒になったの」

「話に聞いただけだけど、相当、反対が凄かったそうじゃないかお」

「私の両親だけね。まあ、14の時より度胸も知恵もついたから、
 なんとかなったわ」

「ツンちゃん、意外と行動力あるからお・・・」



  
414: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 23:00:03.10 ID:/Am33M8AP
  

「うん・・・一緒になって、やっぱり良かった」

「そうかお?」

「あの人は情けないけど優しかったし。
 情けないから、支えてあげなきゃって気にさせられた。
 あの人のいる生活は、輝いてた」

「・・・」

「それに、もう一つ、いい事もあったしね」

「? なんだお?」

「息子ができるって・・・どんな事かわからなかったけどさ
 しかも、年上だよ?

 で、ちょいと意地悪な所あるし」

「・・・そいつは、悪かったお」

「でも、かわいいから、いいよー?」

「・・・かわいいって、なんだお///」

「そうやって、照れることかな」



  
415: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 23:01:22.33 ID:/Am33M8AP
  

(  ^ω^) ・・・そうだ。ついでに、聞いていいかお?

ξ*゚ー゚)ξ なに?

(  ^ω^) ・・・親父が好きだったのは、まあ、わかったお。
       でも、なんでツンちゃんは、今でもそこまで、

       ブーンの母親であろうと、してくれるんだお?

ξ゚听)ξ ・・・それは





  
416: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 23:02:16.37 ID:/Am33M8AP
  

「さっきもいったでしょ?
 ブーンも、好きになったからだよ」

「え!?」

「母親として、貴方を見てたらね」

「・・・そういう意味かお」

「・・・?」

「ツンちゃん」

「ん?」

「親父、最後の時は、二人で何話してたんだお・・・?」

「・・・そっか。ブーンは気を使って、席を外してくれたもんね」

「・・・」

「ブーン、貴方が聞いたら、ちょっとショックかもしれないけど」

「・・・? なんだお?」



  
421: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 23:05:07.01 ID:/Am33M8AP
  

「あの人はね、自分と、ブーンのことは、もう忘れてくれっていった」

「・・・」

「さいごの苦しみに耐えながら、私の心配しやがったの。
 ブーンは、既にもう大人
 君は、まだ20にもなってない

 俺は、結局、ツンの気持ちに甘えてしまった。
 本当なら、断らなければならない立場だった。

 ・・・それをって、暗い声でさ」

「・・・」

「もう、馬鹿かと。
 私は、怒りました」

「・・・お?」

「私は、後悔していません。
 貴方と過ごした1年ちょっとは、十分に幸せでしたと。

 それは、貴方も同じと思ってました。
 なのに、そんな事を考えていたのかと

 ふざけないでって」

「・・・」



  
423: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 23:05:49.95 ID:/Am33M8AP
  

「ブーンにしたって、私にとっては、貴方の血を引く、大事な人。
 ずっと、見てたい人なんです。

 最後は、笑って、ありがとうって

 君がいるから、ブーンのことも、安心して死ねるって、そう言って欲しかったって
 怒りました」

「・・・ツンちゃん」

「あの人、ほんと、情けない人。
 奥さんの私にすら、心から・・・」

「ツンちゃん、泣くなお・・・聞いて、ごめんだお・・・」

「うん。それでね・・・」

「・・・なんだお?」

「あの人、その言葉を聞いて、晴れ晴れとした顔をしてくれました。
 俺、幸せだよって。
 ブーン、任せる。ありがとうって、言ったの」

「・・・そうかお」

「ふふふ、私、幸せでしょ?
 ぎりぎりだけど、最期には、そう言って貰えたんだから」

「・・・」



  
426: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 23:08:52.56 ID:/Am33M8AP
  

(  ^ω^) ツンちゃん

ξ*;ー;)ξ なーに?

(  ^ω^) ブーンは、親父とツンちゃんを誇りに思うお

ξ*;ー;)ξ ・・・ありがと

(  ^ω^) でも

ξ*;凵G)ξ ・・・でも?

(  ^ω^) ブーンはそれでも、親父の事を、もう、割り切って次に進んで欲しいお
       前もいった・・・ようにだお

ξ*;−;)ξ ・・・何言ってるの?

(  ^ω^) だって、ブーンは、ツンちゃんが好きだもの

ξ*;ー;)ξ ・・・ありがとう。
       それは、私もだよ。だから、心配しなくても、母親として

(  ^ω^) わかってないお。ブーンは、親父を今はライバルだと思ってるんだお

ξ*;凵G)ξ へっ?



  
429: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 23:09:50.76 ID:/Am33M8AP
  

(  ^ω^) ・・・唐突かもしれないし、何をって思うかもしれないけど

ξ*;凵G)ξ らいばるって?

( #^ω^) ツンちゃんと親父は、ブーンのことを子供って思ったかもしれないけど!

ξ*;凵G)ξ ・・・

( #^ω^) ・・・好きだお

ξ*;凵G)ξ ・・・

(  ^ω^) ごめんだお。話してて、自分が抑えられなくなったお

ξ*;凵G)ξ ・・・

(  ^ω^) 話、聞いてて、涙見て・・・
       ブーンはツンちゃんが、凄く、親父のことが今でも好きって、再確認したお

ξ*;凵G)ξ ・・・ぶーんん

(  ^ω^) でも、ブーンの気持ち、理解して欲しいお
       ツンちゃんを好きなのは、親父と同じ立場で、親父以上だってことをだお

ξ*;−;)ξ ・・・



  
434: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 23:10:37.18 ID:/Am33M8AP
  

(  ^ω^) ・・・呆れた、かお?

ξ*;凵G)ξ よく、わかんない

(  ^ω^) ・・・返事、急がないから。
       しばらくは、今までのままでいいから

       頭の中に、入れといてくれお・・・


とんとんとん・・・ばたん


あ、ブーン、自分の部屋に戻っちゃった。

・・・
あたま、真っ白。
よく、わかんない。

ねえ、あなた。
私、どうすればいい?

私、私、こうなるなんて・・・
ブーンが、私を?



  
436: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 23:11:38.18 ID:/Am33M8AP
  

・・・そういや、あなた、言ってたっけ

ブーンはツンを嫌いなわけじゃないけど、
母親としては、やっぱり、望んでないみたいって

歳のせいかと、思ってたけど

あなたは、わかってたの?
わかん・・・ない

・・・あなた。

私は、あなたが好きです。
ブーンだって、好きです。

・・・そう。

それは、変わらない。
意味は、ちょっと違うかも知れないけど・・・

直には、どうすればいいか、わかんないけど。
私は、あの人にブーンを、任されてるんだ。

一生懸命、がんばるから・・・
見守っててください、あなた・・・



  
440: ブーンと親父と、おかあさん? : 2007/02/18(日) 23:12:40.01 ID:/Am33M8AP
  



ξ゚ー゚)ξおかあさん、やってます 終わり















不完全燃焼ですまぬ



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