('A`)ドクオは除霊師のようです

  
59: 愛のVIP戦士 :2007/03/03(土) 02:50:00.74 ID:/1RYKguO0
  

(推奨BGM:ttp://www.youtube.com/watch?v=EUTuhhwHnQw

川♯`A´)「ヴオオオオオオオオッ!!!!!!」

ミルナのツーバスの音が響き渡ると同時に、獣のような叫吼を上げた。
俗に言う『デス声』である。
そのまま毒念はサイコクラッシャーで祭壇へと突っ込んだ。

川♯`A´)「SATSUGAIせよ!! SATSUGAIせよ!!」

蒼い炎を纏った彼は、祭壇にそのまま激突して、祭壇と遺影を破壊し尽くした。

川♯`A´)ノ「そぉいッ!!!!」

/ ,' 3「……」

そして、おもむろに棺桶の蓋に手をかけて、力いっぱい強引に開く。
中には、白装束を纏った荒巻が死んだように横たわっていた。

川 `A´)「見つけたぞ!! これが『伝説の悪魔のギター』か!?」

毒念は、遺体を持ち上げた。
荒巻の首と、太腿に一本の荒縄をくくりつけた。
自分の身体にそれを通し、ギターのように荒巻を抱えた。
荒巻は死後硬直の為か、鉄の棒のように真直ぐになって動かない。



  
61: 愛のVIP戦士 :2007/03/03(土) 02:52:15.38 ID:/1RYKguO0
  
川 `A´)「我輩のギターソロを括目せよ!!」

毒念は強引に荒巻の白装束をめくった。
荒巻の青白い肌と、剛毛に包まれた乳首が露わになる。
それは真白な雪原に、点々と犬のフンが降り立ったかのような形をしていた。
そして、陰毛のようにねじれ曲がった乳毛が元々黒かった乳首を更に色濃くしていた。

川`A´)「ライトハンド奏法ッ!!」
(参考:ttp://www.youtube.com/watch?v=gZ5Weo7Gqws

毒念は器用に荒巻の乳首を両手の指で突付いた。
残像が見えるほどの速度で、黒のボタンは次々と押されていく。
それはまさに、名ギタリスト、エドワード・ヴァン・ヘイレンが乗り移ったような姿だ。

/ ,' 3「あっ……ああっ……」

その動きに連動するように、荒巻の喉からは音が漏れる。

川♯`A´)「うおおおおおおおおおおおッ!!!!」

さらに彼の両腕の動きは速くなり、やがて――

/ ,' 3「おおおおおおおん!! プテラノドオオオオオン!!」

――光速を超えた。



  
62: 愛のVIP戦士 :2007/03/03(土) 02:55:14.51 ID:/1RYKguO0
  
  △
(♯゚ω゚)「おおおおおッ!!!!」

『ギャアアアアアッ!!!!』

一方、文念はベースを振り回し、参列客に叩きつける。

白黒の垂れ幕に、赤の斑点が飛ぶ。
参列客は熱狂と苦痛の悲鳴を上げる。
その姿はまさに、セックス・ピストルズのシド・ヴィシャス、
さらにはニルヴァーナのカート・コバーンが乗り移ったような姿だ。
@ @
( ゚д゚ )「恨みはらさでおくべきか!! 恨みはらさでおくべきか!!」

(゚、゚;川「DEATH!! DEATH!!」

一方DJミルナは、頭に蝋燭を括り付けて、
大きく身体を揺らして、バスドラムを叩く為のツインペダルを踏む。
いや、叩いているのはバスドラムではなかった。
代わりに喪主のペニサス伊藤が横たわっていたのだ。

ツインペダルが一つ踏まれる度に、ペニサスの腹に衝撃が走る。
そしてその衝撃が、声となってビートを刻んでゆく。



  
63: 愛のVIP戦士 :2007/03/03(土) 02:57:36.46 ID:/1RYKguO0
  
川♯`A´)「悪魔の宴は佳境を迎えているッ!!
       生贄達よッ!! 叫べ!! 壊せ!! 乱れろッ!!」
  △
(♯゚ω゚)「おおおおおッ!!!!」
@@
( ゚д゚ )「恨みはらさでおくべきか!! 恨みはらさでおくべきか!!」

『DMC!! DMC!! DMC!! DMC!!』

ξ;゚听)ξ「ああ……ああああ……」

赤ん坊は頭を上下に激しくヘッドバンキングさせ、
腰の曲がったおじいちゃんはダイヴする。
男達は女達の身体を掴んで、腰を激しく振る。

気がつけば、全ての参拝客達は血だらけになりながらも、
口々に毒念率いるスリーピース・デスメタル・バンド『DMC』の名を叫んでいた。
皆、目は血走っており、口からは唾液を溢していた。

ツンはただただ呆然と口を開けることしか出来なかった。

そこはまさに、『セックス』『ドラック』『バイオレンス』が渦巻く、
『ロックンロール』のライヴ会場そのものであった。

後にこのライヴは『ウッドストック・フェスティバル』として語り継がれることになった。



  
66: 愛のVIP戦士 :2007/03/03(土) 03:01:18.63 ID:/1RYKguO0
  
('、`*川 「毒念さま……今日は本当にありがとうございました。
      主人も……こんな幸せそうな顔をして……本当に……ううっ」

/ ,' 3「……」

('A`)「いえいえ……私は、御仏の心に沿うままに供養したまでです。
   貴方の力になれたのなら、本当に幸いでございます」
  △
( ^ω^)「おっ、おっ、よかったお」

悪魔の宴が終焉を迎えたころ、ライヴ会場は静まり返っていた。
ペニサスが毒念に感謝の言葉を投げかけていた。

ξ;゚听)ξ「……ありえない……これが仏教?
       って、何で伊藤さんが感謝してるわけ?」

その横でツンだけが、疑問を拭いきれずにいた。

('A`)「ツンさん……これが仏教の真の姿なのですよ。
    時代とともに、人間も変わるのです。
    我々は、ただその流れに身を任せたにすぎません」
  △
( ;ω;)「さすが、毒念さま……心が洗われましたお」

ξ;゚听)ξ「いや、むしろ仏教とは正反対じゃない?」

こうして、葬儀を終えた三人は、美布寺へと戻る。



  
69: 愛のVIP戦士 :2007/03/03(土) 03:03:27.75 ID:/1RYKguO0
  
夜。

寺に戻ったツンは取材を続けていた。
が、しかし……



                      コンナキモチ〜メロメロディ〜
  ≡ ('A`)スキスキス〜          ヾ('A`)ノ
 ≡ 〜( 〜) フーワフワフ〜          (  )
  ≡  ノ ノ                  < <

 ヽ('A`)ノ ユメダケド〜ユメジャナイ!!   オネガイネ〜  ('A`) ≡
  (  )                  マイメロディ〜 (〜 )〜 ≡
   > >                          ( (   ≡

             |    マイメロディ!!
             |  ('A`)ノ
            / ̄ノ( ヘヘ

毒念は、おねがいマイメロディ(第一期)のオープニングテーマに乗って踊っていた。
(参考ttp://www.youtube.com/watch?v=CUBPKX9ltyQ



  
71: 愛のVIP戦士 :2007/03/03(土) 03:05:38.43 ID:/1RYKguO0
  
ξ;゚听)ξ「……」

その横でツンは立ち尽くしていた。

ここは本堂の裏側にある毒念の部屋だ。
が、そこは彼女の想像していた僧侶の部屋とはかけ離れていた場所であった。

床一杯には、漫画と同人誌とアイドルのCDが散乱している。
机の上には液晶ディスプレイのパソコンが置かれている。
そして棚には、美少女アニメやロボットもののフィギュアが所狭しと並べられていた。

ξ;゚听)ξ「ねえ? 一つ質問いいかしら?」

('A`)「なんだ? 俺の彼女になってくれるのか?」

ξ;゚听)ξ「違うッ!! この雑誌とかパソコンとかさ……
        どうやって買ったの? こんな貧乏寺に似合わないのに……」

('A`)「お布施だ。これが結構もらえるんだ。
    これだから坊主は辞められん」

ξ;゚听)ξ「……バチ当たりだわ。
       ってこれじゃあ、取材にならないから、ちゃんと僧侶らしいことしてよ
       ほら、読経とか座禅とか……」



  
72: 愛のVIP戦士 :2007/03/03(土) 03:07:28.88 ID:/1RYKguO0
  
('A`)「……分かった。この美布寺住職、毒念の名にかけて、
    除霊師の本分をご覧に入れよう」

そう言うと、毒念はすっく、と立ち上がった。

そして、数分後。
ツンと毒念は、大仏が置かれている仏間にいた。

('A`)「……では、読経を始めようと思う」

ξ;゚听)ξ「……」

彼女は変わり果てた毒念の姿に驚いていた。

三本ラインのジャージ姿ではなく、法衣を纏っていたのだ。
黒い上衣の上には、金の襷が掛けられている。
さらに、腕には数珠が巻かれているその姿は、一介の僧侶に見えた。
馬子にも衣装というのはこのことであろうか。

('A`)「さて……と」

毒念は胡座をかき、床に置かれた経文を広げた。
その中には、彼女が読めないような複雑な梵字が連なっていた。

ξ;゚听)ξ「……」

そして、彼女は無言で持参したカメラを構える。



  
73: 愛のVIP戦士 :2007/03/03(土) 03:09:44.76 ID:/1RYKguO0
  
     「……」
      ('A`) 
     ヘヘ ノヽ 



    「南無阿弥陀……」
      ('A`)   / ̄ ̄ ̄\
     ヘヘ ノヽ <  ブッ!  |
            \___/



('A`)「これで読経は終わりだ」

ξ♯゚听)ξ「って屁かよ!! ……うわっ! 臭いッ!!
        アンタ何食ってるのよ!?」

('A`)「今日はメガマック食ってきた。
    あれはボリュームがあって美味いな」

ξ;゚听)ξ「……僧侶って肉食べられないんじゃなかったっけ?」

('A`)「気のせいだ。野菜なんて不味くて食えない」

ξ;゚听)ξ「……つきあってられんわ。トイレ行ってくる」

('A`)「便所は本堂の先の渡し廊下を行ったところだ」



  
75: 愛のVIP戦士 :2007/03/03(土) 03:12:12.33 ID:/1RYKguO0
  
こうして、彼女は仏間から出て行った。

辺りはすっかり暗く、中天には三日月が昇っていた。
そして草木の陰では、冬の目覚めから醒めた虫たちの羽音が静かに響いている。
その静寂を覆うように、荒れ果てた寺の外装や、
敷地内で立ち並ぶ墓々が、なお一掃、不気味な様相を醸しだしていた。

そんな中で、彼女は渡し廊下を歩いていた。

ξ♯゚听)ξ「……ったく、あれじゃ単なる生臭坊主じゃない。
        取材のネタにもならないわ」

辺りの暗闇に怖じることなく、彼女は毒念に対する不満を口にしていた。

毒念という人間は、彼女の想像を(悪い意味で)遥かに越えていたばかりか、
死者を冒涜するような行為を次々と繰り返していた。
彼女は毒念に疑念を抱き始めていた。
少なくとも、高名な除霊師と呼ばれるほどの人物とは思えなかった。

ξ;゚听)ξ「あ〜あ……結局ロクな取材もできなかったし……
        このままじゃ、私クビよね……」

彼女はふう、と溜息をついたその時、
気がつけば便所がもう目の前にあった。
寺の外観とは違って、コンクリートで出来た奇麗な造りである。
そして彼女は入り口のドアに手を掛けると、思い切りそれを開いた。



  
76: 愛のVIP戦士 :2007/03/03(土) 03:15:05.37 ID:/1RYKguO0
  
                A          A
           /                     \
          /  ,r'"j       鬼        i^'!、  ヽ
        /   </´                `ヾ>  .:;i,
        ,l        _,._,.        _,._,.       .:.:l,
        |       < (ヅ,>      < (ヅ,>     ...:.::|
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       ,r'"´ ノ"    )=、.,_ゝニノ,,..ィ'"´i       ヽ、
       (       ノ  ´ ̄ `Y"´            i
         )     __,,..         レ      _,,,,、       j、、
      r''ヽ. ,.ィ'''i"        J   ,,.ィ'"~  `'ヲ''ー-、ノ、 ヽ、
     / ,,.イ')'"  人        ,,l、        ノt   ) `ヽヽ
    /   /   / `ゝ、       人       ,,イ  jt、 ヽ    i
   f ,   ノ   /、   `ー--;::-ニ"_,ゝ=---‐''"    ノ ヽ、 ヽ  t、、
   )'  f   ノ ヽ、 r  、 f"   `i´ ̄` Y  `ヽ /   ゝ-,ヲ'''   )
.   ( ,.ィ''ーr"~    ヽj  ミi      !    j'   | /       ,r"    ft
   ノ、,ノ   ヽ,     `i  、〉、.__,人,___,..イ、,i" j''       (   ,ノ j
  ( t、    l      i  ヽf     Y    ,j,.  ,/      ) ,.イ´ ノ
  fヽ ヽ、   l      l ヽ、    .|   ノ ,. /     ,.イ '"ノ   ノ
  t i   l、.  t      l  、j`ー‐‐'`ー="レ' j'     // / ,/
  ヽ、 i、   i      l  ヽ  -ニ-  ノ  l     /,,,,ノ ,ィ/
    ヽ、`i  `i、     l   `i  ■  /  ,l    /-,=、ヽv
′   ヽ ヽ、 'i,     人  ヽ■□■/   ノヽ   ノ''"Y,..ト-、
      `i、,,..=,i、   / ヽ、 □■□ /=ィ''i'i''j"  .`=(i-/、
       ヽ ,f`i-、   /   ヽ ■□■ /.`ー=''''"t.___  (,,ノ=、



  
77: 愛のVIP戦士 :2007/03/03(土) 03:17:04.34 ID:/1RYKguO0
  
ξ;凵G)ξ「いやああああああああああああッ!!!!」

便所の中には奇怪な妖怪がいた。
頭には二本の角が生え、肌は青い。
血が通っていない青さではない。
純粋に青色なのだ。

体躯は二メートルにも及ぶであろうか。
筋肉質ないい身体をしている。

しかも、下には何も履いていない。
一糸纏わぬ姿だ。すっぽんぽんだ。
そして、妖怪の青色のジュニアは天を突き抜くようにエレクチオンしていた。

('A`;)「どうした!?」

その声に驚いた毒念は飛び出して来た。

ξ;凵G)ξ「マッチョな……変態の妖怪があああああ!!」
 A  A
(´・ω・`)「心外だね……そこまで騒がれるとは……僕のほうがびっくりしたよ」

ξ;凵G)ξ「喋ったああああああああ!! キモいよおおおおおおおお!!」



  
78: 愛のVIP戦士 :2007/03/03(土) 03:19:47.37 ID:/1RYKguO0
  
('A`;)「落ち着け。コイツも変態だが、女には無害だ」

ξ;凵G)ξ「グスッ……グスッ……へっ?」
 A  A
(´・ω・`)「そうだ。僕が好きなのはガチムチ兄貴とポッチャリ系童貞君だ」

ξ;凵G)ξ「グスッ……グスッ……キモいよお……」

('A`;)「ってショボン、お前こんなところで何やってたんだ?」
 A  A
(´・ω・`)「ん? ちょっと彼とお相手していたところさ」

ショボンと呼ばれる変態な妖怪は自分の背後を指差した。
  △
(*;ω;)「僕のお尻のバージンが……お尻がいたいお……ハアハア」

そこには、自分の肛門を手で押さえながらうずくまっている文念の姿があった。
しかし、彼の表情はどこか恍惚としており、何か新たな悦びを発見したようである。

('A`;)「あちゃ〜とうとう文念まで手を出したか」
 A  A
(´・ω・`)「だって、出された膳は食べないといけないじゃないか」



  
79: 愛のVIP戦士 :2007/03/03(土) 03:21:36.00 ID:/1RYKguO0
  
ξ;゚听)ξ「……で、そこの変態妖怪は一体何者なの?」

ツンが何とか落ち着いた所で、一同は再び仏間へと集合した。
そして、ストレートに毒念に聞いた。

('A`)「こいつはショボン。本名は『糞味噌童子』で鬼の一種だ。
   そういえば、村人に俺が退治した『鬼』の話を聞いているだろ?」

ξ;゚听)ξ「ええ……ってまさか……」

('A`)「そうだ。こいつがその『鬼』だ」
 A  A
(´・ω・`)「ツン君……とかいったね。始めましてショボンだ、よろしく。
      『夕刊ニュー速タイムズ』は愛読しているよ。
      しかし、もっとゲイ寄りの記事を書いたほうがいい」

ξ;゚听)ξ「ありがとう……ってそんな記事書いたら売り上げ落ちるわ!!」

ショボンはにこやかに言った。全裸で。
変態ということを除けば、そんなに恐ろしい感じはしない。
本当に、彼がこの村を襲い回った『鬼』なのか、と彼女は疑問に思った。



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